映画:インスタント沼

「インスタント沼」のネタバレあらすじと結末

コメディ映画

インスタント沼の紹介:2009年公開の麻生久美子主演、三木聡監督・脚本によるオリジナルストーリーの作品です。これまでの三木監督作品と同様に小ネタが随所に散りばめられており、さらに少しノスタルジックな要素もプラスされた作品に仕上がっています。現実主義者の主人公がインスタント沼の存在を通じて不思議な体験をする物語で、ちょっとシュールな世界観の中で生きる主人公を麻生久美子がキュートに演じています。

あらすじ動画

インスタント沼の主な出演者

沈丁花ハナメ(麻生久美子)、沈丁花ノブロウ(風間杜夫)、ガス(加瀬亮)、沈丁花翠(松坂慶子)、飯山和歌(相田翔子)、市ノ瀬千(ふせえり)、西大立目部長(笹野高史)、立花まどか(白石美帆)、雨夜風太(松岡俊介)、サラリーマン(温水洋一)

インスタント沼のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- インスタント沼のあらすじ1

出版社に勤める沈丁花ハナメは、毎朝起きるとミロを少量の水で溶かしたどろどろの飲み物、通称「シオシオミロ」を作ることが日課でした。
そんなハナメの父親は彼女が8歳の頃に家を出ていき、現在はアパートで1人暮らしをしており、定期的に母親の翠(みどり)のもとに顔を出していました。
母親は庭に住むカッパが見えると言い張り、現実主義なハナメには一度もカッパを見たことがありません。
翠はそんなハナメの間の悪さと、肝心なことが全然見えていないことを指摘しますが、ハナメはそんなもの見えなくても全然困らないと突っぱねるのでした。
雑誌で心霊特集を組むため、いわくつきの池に行った際にもハナメだけがまるっきる幽霊の存在を信じておらず、たたりが起こると言われても意に返していませんでした。
しかし、そんなハナメにも心残りな過去がありました。
子どもの頃に家を出て行った父親に腹を立て、近所の沼に父からもらったものを沈めてしまったのでした。
ゆっくりと沈んでいく人形たちの中でも、片手を上げた黒い招き猫が沈んでいく姿がいまだに気になっており、もしかしたらあの招き猫が自分を苦しめているのではと感じていました。
密かに思いを寄せる人との恋は叶わず、手掛けていた雑誌は長期の休刊、池にカッパを探しに行った母親は意識不明で発見されるなど、ハナメのまわりでは不幸なことばかり重なり、ハナメは現在空き地になっている、かつて黒い招き猫を沈めた沼のあった場所に行ってみますが、結局招き猫を掘り起こすことはできませんでした。
そんな中、警察の捜査の過程で母親が発見された池の中から古びた郵便ポストが発見されます。
ポストに入っていた手紙の束の中に、母親が書いたと思われる手紙が見つかり、それを読んだハナメは、自分がかつて家を出て行った父親の子どもではなく、別の誰かの子どもだったのではと疑念を持ちます。
母がその手紙を出そうとした相手こそ、自分の本当の父親ではと考えたハナメは書かれている住所へ行き、その人物を探し出そうとするのでした。

【承】- インスタント沼のあらすじ2

手紙の住所を頼りにハナメがたどり着いたその場所は、「電球商会」と書かれた古めかしい骨董品屋でした。
なにやら怪しげなものばかりが置いてあるその店の店主こそ、母が手紙を送ろうとしていた相手・沈丁花ノブロウでした。
ぼさぼさの頭に伸ばし放題のヒゲ、おしゃれとは言えないその奇抜な出で立ちに、密かにお金持ちを期待していたハナメの思惑は外れ、がっかりしてしまいます。
胡散臭いノブロウの話しもそこそこに店をあとにするハナメですが、後になってその店に携帯を忘れてきてしまったことに気がつくのでした。
携帯を取りにいくついでに近所で一緒に昼食を食べることになったハナメは電気屋を営むパンクロッカーの「ガス」と出会い、ガスは2人が似ていることを指摘します。
「そんなことはない」と必死に否定するハナメは、母からの手紙をノブロウに見せるべきかどうか迷っていました。
そんなある日、ノブロウのもとに「ツタンカーメンの占いマシーン」を探してほしいという女性が現れます。
そのマシーンは生年月日を入力することで将来の結婚相手を知ることができるという仕組みで、女性は学生時代に確認することができなかった将来の結婚相手をもう一度確認したいと言います。
女性に一目ぼれしてしまったノブロウは彼女のためにツタンカーメンの占いマシーンを探すことに決め、ガスとハナメとともに販売元などをあたりますが、20年前の機械ということで現存しているものはありませんでした。
ガスはスクラップが集められた「ゲーム機の墓場」があることを突き止め、皆でそこに向かうことにします。
20年前のゴミ山の中に、洞窟のような建屋が埋もれているのを発見し、そこでついにツタンカーメンの占いマシーンを探し出すのでした。
ハナメたちは早速電源を入れ、女性は自ら生年月日を入力すると、1枚の写真が出てきました。
そこに写っていたのはノブロウの顔であり、女性の運命の相手とはノブロウのことだったのでした。

【転】- インスタント沼のあらすじ3

その一件以来、ハナメは骨董品に興味を持つようになります。
無価値なものでも見る人によって価値が生まれるところに面白さを見出し、さらにノブロウに褒められたことでハナメは骨董品屋を開く決意をするのでした。
おしゃれな店舗などを見て回り、自分の住んでいるアパートを改装してお店を開きますが、なかなか商品は売れません。
へこんでいるハナメがノブロウのもとを訪れると、ノブロウは「そういうときは水道の蛇口をひねる」とアドバイスします。
ノブロウとハナメは洗面所の水道の蛇口から水を出しっぱなしにしたままジュースを買いに行き、水があふれるギリギリで戻ってきます。
スリルを味わった2人はすっかりテンションが上がり、次はお風呂の水道の蛇口を開けたまま、昼食を食べに行くのでした。
すっかり元気を取り戻したハナメは、店のテーマとして黒を基調としたアイテムだけを取り扱うことを思いつき、店は繁盛します。
店の開業資金であった100万円を回収し、ノブロウのもとを訪れると、ノブロウは店をたたんで旅に出ることをハナメに話すのでした。
別れ際にノブロウは沈丁花家に代々伝わる蔵のカギをハナメに渡し、代わりに100万円を要求します。
100万円と引き換えに蔵のカギを手に入れたハナメは、ガスからノブロウとツタンカーメンの占いマシーンを探していた女性が一緒に旅に出ることを聞かされます。
ツタンカーメンの占いマシーンの一件はすべてノブロウとガスが仕組んでいたことであり、機械に細工をしてノブロウの写真が出てくるようにしていたのでした。
ハナメは聞かされた事実に納得がいかず、激怒して蔵のカギを投げつけるとその場をあとにしてしまいます。
結局、ハナメは最後までノブロウに手紙や自分の存在を明かすことができず、そのまま別れてしまったことに後悔してしまいます。
ハナメは自分の妙な意地やプライドこそが、自分を少しずつ沼へと沈めている原因だと気がつくのでした。
空き家となった「電球商会」にハナメがやってくるとそこにガスが現れ、ハナメの母からの手紙を読んだガスは驚愕します。
ガスは動揺しながらも、ノブロウから預かっていた蔵のカギをハナメに渡すのでした。

【結】- インスタント沼のあらすじ4

ハナメとガスは沈丁花家の蔵へと行き、蔵のカギを開けます。
100万円相当の掘り出し物を期待していたハナメですが、蔵から出てきたのは大量の土砂でした。
ノブロウにだまされたことに怒ったハナメは蔵の土砂に蹴りを入れますが、なだれ込んできた土砂に飲まれてしまいます。
あの土砂には何か秘密があるのではないかと考えていたハナメは、泊まっていた旅館で「シオシオミロ」を作っているときに、土砂に水を入れることで沼になるのではと思い立つのでした。
昔の文献を調べると、確かに蔵のそばにはかつて沼があったことが示されており、ハナメはガスの力を借りて、実家の近くにある空き地まで土砂を運びます。
空き地に土砂を敷き詰めたハナメは、水を調達するため実家へと走りました。
実家にある水道の蛇口をひねりホースをつないで水を出すと、長くつながったホースをつたって水が流れ、ガスの待つ空き地へと続いてくのでした。
しばらくすると空き地に水が満ち、そこには紛れもない沼が完成していました。
沼が完成したことで何か特別なことが起こることを期待したハナメですがそんなことはなく、少し寂しそうなハナメに、ガスは「沼を作ったことが特別なことだろ」と言います。
急にかしこまって礼を言うハナメに戸惑うガスですが、ガスも「楽しかった」と返します。
すると突然、沼の中が泡立ちはじめ、巨大な龍が現れたかと思うと天高く昇っていくのでした。
あ然とするハナメとガスは、初めて龍をこの目で目撃したことで喜び合い、龍が飛び去ったあとには空から黒い招き猫が落ちてきました。
天に昇っていく龍の姿は軽トラで旅をしていたノブロウも目撃しており、母の翠は龍が出現したことがきっかけとなり意識不明の状態から目を覚ますのでした。
ハナメはその後、骨董品店を再開するまでのあいだガスの電気屋でアルバイトをすることになります。
高所作業車に乗ったハナメは「世の中の出来事のほとんどは大したことないし、人間、泣いてる時間より笑ってる時間の方が圧倒的に長いし、信じられないものも見えるし、一晩寝れば大抵のことは忘れられる。とにかく、水道の蛇口をひねれ。そしてその嘘と意地と見栄で塗り固められたしょうもない日常を洗い流すのだ」と叫ぶのでした。

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みんなの感想

ライターの感想

小ネタを通して普段見落としてしまいがちな日常のちょっとした部分に、面白さが隠されているのではと思わせてくれる部分があり、見終わったあとにふとまわりを見渡したくなるような作品です。
一見すると無駄なことを必死でやっている主人公を見ているうちに、青春映画を観ているような感覚になりました。

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