映画:タンポポ

「タンポポ」のネタバレあらすじと結末

コメディ映画

タンポポの紹介:1985年の日本映画。脚本・監督は「マルサの女」などで知られる伊丹十三。主演は山崎努と、監督の妻でもある宮本信子。「ラーメンウエスタン」と称されたコメディ作品で、しがないラーメン店を立て直す様子を描いている。

あらすじ動画

タンポポの主な出演者

ゴロー(山崎努)、タンポポ(宮本信子)、ガン(渡辺謙)、ピスケン(安岡力也)、センセイ(加藤嘉)、ショーヘイ(桜金造)、モチをつまらせる老人(大滝秀治)、白服の男(役所広司)、白服の男の情婦(黒田福美)

タンポポのネタバレあらすじ

【起】- タンポポのあらすじ1

(エピローグ)
白服の男が、情婦と一緒に映画を観にきます。
そこで、ポテトチップスの袋を大きな音を立てて開けている客に注意をします。
そして白服の男は最前列に座り、運ばれてきた豪華な料理をテーブルにセッティングします。

(本編)
長距離トラックの運転手をしているゴローは、相棒の青年ガンと一緒に、大雨の夜トラックを走らせていました。
ガンはラーメンの正しい食べ方について書かれた本を朗読していました。ラーメン歴40年という老人が、ラーメンを食べるときの一つひとつの所作に気をつけながら、美しさを愛でるという内容でした。
無性にラーメンが食べたくなったゴローとガンは、急きょラーメン店に飛び込む羽目になります。

2人が入ったのは、美しい女性が一人で切り盛りする「来々軒」という店でした。
そこは地元の土建屋であるピスケンたちが溜まり場としており、ピスケンは女店主をしつこく口説いていました。
2人は出されたラーメンを食べますが、スープがぬるく、期待外れの味に落胆します。
すると、ピスケンがラーメンを食べているゴローに絡んできます。ボクシング経験者であるゴローは、ケンカに応じて5人を相手にしますが、敗北して気を失います。

翌朝、ゴローは来々軒で目を覚まします。
ラーメン店の女店主は、ゴローとガンに朝食を振る舞います。出された見事なぬか漬けや味噌汁は、ゴローの舌を唸らせます。
女店主からラーメンの感想を聞かれたゴローとガンは、味の感想を正直に言います。さらに、彼女が食べる客を観察していなかったことも指摘しました。
女店主はタンポポと名乗り、身の上を語り出します。来々軒は亡き夫が遺した店で、小学生の息子ターボーを女手一つで育てるために、未経験ながらもラーメン作りに奮闘していたのです。
長距離ドライバーのゴローは、全国各地のラーメンを食べ歩いており、豊富な知識を持っていました。そこでタンポポは、ゴローに味の手ほどきをしてほしいと頼み込みます。
彼女の熱意に押されたゴローは、来々軒を行列のできる人気店へと生まれ変わらせることを決意します。

(本編とは関係のないサブエピソード)
ホテルで顧客接待中の会社員たちは、フランス語で書かれたメニューが読めずに困っていました。
一人の男性が舌ビラメのムニエルやコンソメスープ、ハイネケンのビールという当たり障りのないメニューを注文すると、同席者全員が空腹ではないフリをしながら、同じ物を注文します。
ところが、カバン持ちをしている新入社員だけは、メニューをサラサラと読みながら、好きな料理を自由に注文していくのでした。

高級レストランでは、上品そうな講師がスパゲッティの食べ方のマナー講座を開いていました。
講師は決して音を立てながら食べてはいけないと指導しますが、近くに座っていた外国人男性が、ズルズルと大きな音を立ててスパゲッティを啜っていました。
生徒たちが外国人の食べ方を真似てスパゲッティを啜り始めると、呆れていた講師も、大きな音を立てながらスパゲッティを頬張ります。

白服の男は、ホテルのルームサービスで豪華な料理を取り寄せます。
傍らでは裸の情婦がベッドに入っており、男は食材を彼女の身体に塗りつけたりして愛撫します。
生きた車海老を腹に乗せられた情婦は、腹をよじって笑うのでした。

【承】- タンポポのあらすじ2

(本編)
ゴローは非番のときに、タンポポを連れてラーメン店の偵察をします。
最初に訪れたのは、「大三元」という行列店で、威勢のいい男性店員たちが切り盛りしていました。
ゴローは大した味ではないと酷評し、店員の掛け声は大きいが動きに無駄が多いので、いずれ閑古鳥が鳴くとタンポポに耳打ちして、店を出ます。
次に向かった店は、2人の年配男性が経営している「日の出ラーメン」でした。ゴローは動きに無駄がなく、客が食べ終わった丼をしっかり確認している点を評価しました。

さらにゴローは、ラーメン店は体力勝負だと言って、タンポポの体力づくりに励みます。
そしてタンポポの課題である接客の仕方をレクチャーするために、駅前の立ち食いラーメン店「味一番」へ向かいます。
店主は一人で店を切り盛りながら、大勢の客が一斉に注文するメニューと順番を完璧に暗記していました。しかし、タンポポも店主に負けない暗記力を披露して、喝采を浴びます。

スープ作りに悩んだタンポポは、気に入ったラーメン店の味を盗もうと企みます。
中華街のラーメン店で食べたスープを気に入ったタンポポは、店主にレシピを教えてほしいと懇願しますが、当然断られます。
店主はタンポポにスープのレシピを教える代金として、100万円を要求します。悩むタンポポでしたが、結局中国雑貨店を営む男性の協力を得て、スープの秘密を盗むことに成功します。
さっそくスープの味を再現しようとしますが、思うようにはいかず、来々軒は臨時休業が続いていました。

落ち込むタンポポを見かねたゴローは、センセイという人物を紹介します。
センセイは元々産婦人科医で、ラーメンが好きなあまり現在ではホームレス集団のリーダーシップとなっていました。食道楽が揃ったホームレス集団の中で、日々楽しく暮らしていたのです。
センセイは、タンポポにスープ作りを指導することにします。
その間、一人のホームレスが、ターボーを連れてレストランの厨房に忍び込み、オムライスを作って食べさせます。

(本編とは関係のないサブエピソード)
白服の男は、生卵の黄身だけを取り出して、口に含みます。
それを口移しで情婦の口に移動させて、黄身を崩さないように何度もやりとりをします。

白服の男は、一人で浜辺を訪れます。そこで海女から生牡蠣を買い取り、さっそく食べようとすると牡蠣の殻で唇を切ってしまいます。
海女は牡蠣の身を取り出して食べさせ、白服の男の唇の血を舐めるようにキスします。

進行した虫歯に苦しむ男性が、治療を終えてアイスクリームを食べようとしていました。
そこに首から「何も与えないで下さい」と書かれた札をぶら下げた男の子がやってきます。男性が男の子にアイスクリームを譲ると、おいしそうに頬張るのでした。

【転】- タンポポのあらすじ3

(本編)
タンポポは今度麺と具をどうするか悩んでいました。
そんなときに訪れた蕎麦屋で、食い意地の張った資産家の老人がお汁粉の餅を喉に詰まらせてしまいます。
ゴローとタンポポは、老人を助けるために掃除機を持ち出して、彼の口に入れて餅を吸い取ることに成功します。

老人はゴローたちを命の恩人として豪邸に招き、すっぽん料理でもてなします。
老人はタンポポがラーメン作りに奮闘していることを知ると、自分の運転手兼料理人であるショーヘイを、店のリオープンまで貸し出すことにしました。
ショーヘイはツルツルでシコシコ食感の麺を編み出すために、タンポポと一緒にラーメン店を渡り歩きます。
となる中華そば屋で理想的な食感の麺に出会い、タンポポは中国人のコックから、麺のレシピをさりげなく聞き出すのでした。

ある日、ゴローが一人で歩いていると、ピスケンと再会します。ピスケンはゴローにタイマンを挑み、大乱闘を繰り広げます。
長いケンカが終わった頃には、2人はすっかり親友になっていました。ピスケンはゴローに「タンポポに惚れているのか」と尋ねます。ピスケンはタンポポとは幼なじみで、ずっと想いを寄せていました。
ゴローが「あの店を本物にしたいだけ」と答えると、土建屋のピスケンは店の内装を担当させてほしいと申し出ました。
こうしてゴロー、ガン、センセイ、ショーヘイ、ピスケンが、チームの一員となります。

ガンが担当するのは、タンポポのスタイリングでした。
ゴローが席を外している間に、タンポポに化粧を施し、フレンチシェフのような仕事着に変身させます。
さらに、タンポポはガンが選んだ派手なワンピースに着替えて、ゴローとデートすることになります。
2人は焼肉店へ行き、互いの過去について語り合います。その後雨に見舞われ、ゴローはそのままタンポポの家に泊まることになります。
ゴローは入浴中、タンポポの物であろう櫛をさりげなく使います。タンポポはゴローの下着を洗濯することを一瞬ためらいます。
2人の距離は縮まり、互いに惹かれ合っていることがわかります。

(本編とは関係のないサブエピソード)
上品な老婆がスーパーマーケットに来店します。
老婆は桃やカマンベールなどの柔らかい食品だけを触り回ります。異変に気づいた店長が彼女を見張り、追いかけっこへと発展しました。

有名大学の教授を名乗る老人が、ニセの投資話でだまそうとする詐欺師に、北京ダックをごちそうになっています。
老人は詐欺師が席を外した隙に財布をすりとりますが、近くにいた警官に現行犯逮捕されます。
警官は老人の手口をワンパターンと評しました。

幼い子どもたちが、死の床に横たわった母親を見つめていました。
駆けつけた父親は、危篤の妻にどのように声をかけたらいいのかわからず、「飯を作れ!」と声をかけます。
すると母親は立ち上がり、ふらつきながら家族のためにチャーハンを作ります。母親は家族がチャーハンを食べる姿を笑顔で見届けたのち、息を引き取りました。
父親は「母さんが作った最後のご飯だからしっかり食べろ」と、子どもたちを叱咤しました。

【結】- タンポポのあらすじ4

(本編)
タンポポはラーメンの具を、シンプルなチャーシューにシナチク、ネギの3点に絞ります。
そして、完成まで近づいたラーメンをゴロー、ガン、センセイ、ショーヘイ、ピスケンが試食しますが、残念ながら合格はもらえませんでした。
落ち込むタンポポを気遣うピスケンは、とっておきのラーメンのレシピを教えます。それは「ネギソバ」という名前で、店のメニューにも加えられることになりました。

(本編とは関係のないサブエピソード)
タンポポの息子ターボーは、いつも3人の同級生からいじめられていました。
しかし、ゴローたちのアドバイスによっていじめっ子たちに反撃し、一緒に登校するほど仲良しになります。

(本編)
試行錯誤の末、タンポポはラーメンを作り直します。
5人が試食すると、彼らは無言で食べ続け、スープも最後まで飲み干しました。ついに「タンポポラーメン」が完成したのです。

(本編とは関係のないサブエピソード)
タンポポの店の近くで、数発の銃声が轟きます。
白服の男は何者かに撃たれ、血だらけになってその場に倒れ込みます。情婦が彼の元へ駆けつけますが、すでに虫の息でした。
白服の男は瀕死の状態で、猪を狩って山芋が詰まった腸を食べるという話を熱く語り、息を引き取りました。

(本編)
ピスケンは店の内装工事を着々と進めていました。
そして、外壁にタンポポの絵があしらわれた洒落たラーメン店に生まれ変わり、「タンポポ」がリオープンします。
厨房にはガンが選んだ仕事着に身を包んだタンポポが立っており、ゴローは「おめでとう」と声をかけます。
さっそく店に客がやってきて、いつの間にか行列を作っていました。5人はそれを見ながら、満足した様子で1人ずつ店を去って行きます。

最後までタンポポを見守っていたゴローも、生き生きとラーメンを作るタンポポと視線を交わして、黙って立ち去ります。
ゴローがガンとトラックに乗り込むと、ピスケンが引き止めます。ゴローはピスケンに「達者でな」と言い残して、トラックを発進させます。
ピスケンは後を追いますが、ゴローはそのまま走り去って行きました。

そして、人生最初の食事とも言える授乳の場面に変わり、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

冒頭の正しいラーメンの食べ方から始まり、ホームレスが作るオムライス、スパゲッティをお行儀悪く食べる女性たちなど、出てくる食べ物がどれもこれも美味しそうで、食いしん坊の自分にはたまらない映画でした。ただ食欲をそそられるだけではなく、食べ物の作り方や味わい方、食べ方のマナーなども紹介されており、食い道楽の方には楽しい内容になっていると思います。メインストーリーのほかにも、食べ物にまつわるいくつものサブエピソードが盛り込まれており、伊丹監督ならではの笑いやエロスも堪能できます。メインキャストの役者さんは全員素晴らしかったですが、なかでも主演の宮本信子さんの演技は、晴れやかで素敵でした。

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