映画:俺俺

「俺俺」のネタバレあらすじと結末

俺俺の紹介:2013年公開の日本映画。「時効警察」などの三木聡監督が、第5回大江健三郎賞受賞の星野智幸による同名小説を、KAT-TUNの亀梨和也主演で映画化した不条理ドラマ。ある男が、オレオレ詐欺をしてしまった事をきっかけに、姿だけでなく好みも考えも全く同じな何人もの別の“俺”に遭遇するという異常事態に巻き込まれていく姿を描く。

あらすじ動画

俺俺の主な出演者

永野均(亀梨和也)、サヤカ(内田有紀)、タジマ(加瀬亮)、南さん(ふせえり)、サヤカの夫(渋川清彦)、制服警官・犬塚&隣の男(少路勇介)、大樹の姉・かすみ(町田マリー)、ヤソキチ(中谷竜)、安西(小林きな子)、ハンバーガーショップの店員(岡野真也)、若い女性客(佐津川愛美)、洗濯機おばさん(播田美保)、杉崎(成瀬労)、城田(荒川真)、割り込む若者(髙橋洋)、後輩・村山(田畑龍之左)、電話をかけている男(山名秀人)、カメラ男(三浦健)、席を譲ってもらう老婆(小野敦子)、見つめる老人(杉本安生)、ボーリング場の全身緑色の男(柴田康平)、ハカを教わる外国人(デイヴィッド・リッジズ)、ハカを教わる人(山田知明)、ハカを教わる人(北村貴広)、ハカを教わる人(田丸大輔)、ハカを教わる人(白土仁)、ハカを教える人(加藤大昌)、謙助(江原浩太)、翔太(江原悠月)、POPのモデル&ニュースキャスター(緑川静香)、サヤカの夫 手下A(鈴村正樹)、サヤカの夫 手下B(福嶌徹)、タトゥーの俺BODY(MOTOKI)、巨乳の俺BODY(相多愛)、サヤカの裸BODY(天川ひとみ)、高校生のBODY(浦坂佳右)、刑事・村野(岩松了)、ロックセンター店長・穴川(森下能幸)、刑事・阿久根(松重豊)、白バイ警官(松尾スズキ)、永野マサエ(キムラ緑子)、大樹の母(高橋惠子)

俺俺のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①ファストフード店で他者の携帯を手に入れた均は、軽い気持ちで「オレオレ詐欺」を行ない、90万円をあっさり手に入れた。しかし直後から「俺」が増え始める。 ②増殖した「俺」は削除を始め、俺同士での殺し合いに発展。均は事の発端となったオレオレ詐欺をやめ、女性に返金。騒動はやんだ。

【起】- 俺俺のあらすじ1

俺俺のシーン1 永野均はカメラマン志望の男性ですが、夢をあきらめて、現在は家電量販店で働く28歳の男性です。
ふだん均はアパートでひとりぐらしをしていますが、ときどき母・昌枝が住む団地に顔を出します。
母は自身が40歳になった時に、突然「『おふくろ』ではなく、昌枝さんと呼びなさい」と均に命じましたが、均はいまだ、おふくろ呼びでした。

勤務先の家電量販店のタジマ主任からは、均は正社員になったにもかかわらず「契約くん」と呼ばれています。
仕事態度を注意された均は、飲み会でも同僚におごるはめになり、さんざんでした。
ATMで金を引き出すと、残高は22万2222円です。

その足でファストフード店に入った均がエゴサーチをしていると、頼んでいないのにポテトを渡されそうになりました。
店員が渡す相手を間違えたのですが、均が受け取るとそのポテトは、均のものに思えます。(これ伏線)
隣席のえらそうにしている若いサラリーマンが、おしゃべりに夢中で、自分の携帯電話を均のトレイに落としたことも気付きませんでした。
均はその携帯電話を、さりげなく持ち去ります。

…携帯を手に店を出たものの、具体的に他人の男性の携帯電話を持てあましていた均に、ちょうどその電話が鳴りました。
着信の相手は「母」からです。
戸惑う均が出ずにいると、「母」は留守番電話に「大樹~、クラス会の知らせの郵便物が届いたわよ」という内容を吹き込みました。

すぐ2回目の電話が鳴った時、さっき店で会話していた男性の口ぶりを思い出しながら、均が電話に出てみます。
「母」はさほど怪しむ様子もありませんでした。
そこで均は、友人の車で事故を起こした、金がない、と訴えて、90万円を友人の口座(均の銀行口座)に入金してくれと頼みます。
そう、オレオレ詐欺です。

作戦はあっさりと成功を収めました。
あとでATMを覗くと、90万円の入金があります。
90万円を引き出した均は、それを自宅の引き出しに入れました。


翌日。
出勤前に、均は昨日の携帯電話を川に捨てます。
これで証拠は水没し、なくなったつもりでした。
しかし、この一件が発端となり、均の周囲でおかしなことが起こり始めます…。


仕事先から帰宅すると、均の家に見知らぬ女性があがりこんでいました。均は戸惑います。
女性は均を見て、臆することなく「大樹」と呼びました。そのことから均は、相手の女性が先日オレオレ詐欺を働いた相手、「大樹の母」だと気付きます。

【承】- 俺俺のあらすじ2

俺俺のシーン2 不思議なことに、均の顔を見てもずっと相手は「大樹の母」のままでした。
均は携帯を盗んだことを告白し、謝罪しますが、「大樹の母」は疑いも持たず息子として接します。

「大樹の母」はそのまま、均の家に一泊しました。
不審に思った均は翌日、帰宅する「大樹の母」を尾行します。
家までついていくと、「大樹の母」が均に気付き、家にあげました。
均は、大樹に姉・かすみ、姉の夫・謙助、甥・翔がいることを知ります。
大樹の実家には、ウサギのゴンザブローもいました。
(注:三木聡監督作品『インスタント沼』で、ウサギのゴンザブローが出てくる)

均は大樹の家で、大樹もカメラマン志望だったことを聞かされます。
さらに飾られた写真を見て、均は驚愕しました。
大樹の顔は、均と瓜二つだったのです。


驚いた均はその足で、実家に駆け込みました。
するとそこには自分とそっくりな別人の「俺」(大樹)がおり、驚きます。
その「俺」は均を追い返しながらも、名刺を置いていけと言いました。
均は大樹に名刺を渡します。


後日、大樹は均に連絡を取ってきました。
大樹は、均が「本物」だと気付いていました。なぜなら、「昌枝が40歳になった時に、おふくろ呼びから昌枝さんと呼べと命ぜられたことを、知っていた」からです。
大樹は均に、もう1人「俺」を名乗る者がいることを告げます。


大樹と均は、もう1人の「俺」に会いに行きました。
その俺は本名・本山直久、通称:ナオで、まだ大学生です。
ナオの部屋で乾杯した3人は、どれも全部「俺」なので意気投合しました。
「俺の純度が高い」と喜んだ3人は、ナオの部屋をアジト「俺山」にし、そこで俺帝国みたいなものを作ろうと、合鍵を作ります。


「俺」が3人いるのは、非常に便利でした。

均には、職場で気になる女性客がいました。君塚さやかという、既婚者の女性です。
さやかに写真を撮る仕事を頼まれた際、「私と一緒に仕事をしない?」と誘われ、均はどぎまぎしました。
しかし直後、均はさやかの夫に暴力を振るわれます。

【転】- 俺俺のあらすじ3

俺俺のシーン3 均は、家電量販店の仕事を、たまにナオに手伝ってもらいました。
ナオは女性客に対し、カメラを値引きする代償として見返りを要求します。

やがてナオは、同じ大学で似た「俺」がいると、均と大樹に告げました。
その男性・溝ノ口はじめ新たに5人も家に連れてきます。
ところがその「俺」たちは、いわば劣化版でした。均も大樹も嫌悪感を抱きます。
思わず「劣化コピーは排除しないと」という言葉が出てしまい、それがナオの心に残りました。


均はさやかとの距離を縮めていきます。
世間では、ますます「俺」が増殖していっていました。
そんななか、さやかだけは、均とナオとの区別をつけます。均は驚きました。

均が帰宅すると、大樹が洗面所で何かを手洗いしていました。
血のついた布のようなものでしたが、ナオも帰宅したため、話がその布に及ぶことはありませんでした。
均、大樹、ナオの3人で夜、酒を買いに行っていると、衝突音が聞こえます。
自転車に乗っていた男性が、乗用車に轢き逃げされていました。
死んだ男性は、均とそっくりの顔で、3人は思わずその場から逃げ出します。

部屋に戻った均はナオに、詰問しました。
ナオは帰宅当初、「今日は記念日」と発言していました。その記念日の意味を聞いたのです。
ナオは、「劣化版の『俺』を1人、削除してきた」と言いました。溝ノ口のことです。
ナオは悪びれることなく、均に、「俺は3人でいいんじゃないのか」と答えました。

均、大樹、ナオは口論となりますが、その際にもう1つの可能性に至ります。
劣化版の「俺」を排除する動きがあるならば、「俺」たち3人も狙われる可能性があるということです。


その次の日からは、大変な日々でした。
毎日どこかで、「俺」が殺されています。
1日に49人もの「俺」が削除されるに至って、均は「自分が本物だ」と信じられなくなりました。
自室に戻った均は、そこで血のついた封筒が落ちているのを見つけます。

【結】- 俺俺のあらすじ4

俺俺のシーン2 そこがどうやら殺害現場だと気付いた均の携帯に、ナオからメールが届きました。
メールには写真が添付されており、そこには「殺された均」が写っています。
(注:厳密には腕時計を見ると正体が分かるが、詳しくは後述)

自信を喪失した均は、さやかの元を訪れて関係を持ちます。
さやかは「俺は俺、あなたは、あなたよ」と慰めます。
その際、さやかは「一番最初に戻りなさい」とアドバイスしました。


翌朝。
シャワーを浴びているさやかが殺され、均は驚いて部屋を立ち去ります。
均は白昼堂々、同じ顔の巡査に狙われ、発砲されました。ひたすら逃げます。

ナオの部屋に駆け込んだ均は、大樹から「削除が増殖を上回ったんだ」と指摘されました。
大樹はナオを捜しに、均は「最初に戻る」ことにします。

オレオレ詐欺でせしめた90万円を封筒へ入れ、大樹の家に行こうとする最中、さやかの夫に見つかり、均は追われるはめになります。
さらに「俺」を狙う者まで現れ、均は必死で逃げました。
道中、「俺」を狙う手下・瀬島の携帯を取り上げた均は、均を狙う黒幕が大樹だと知ります。


大樹の実家の前まで均が行くと、ナオが近づいてきました。
ナオはバタフライナイフを構えて均に突進しますが、大樹は巡査から取り上げた拳銃で、ナオを撃ちました。
ナオの振りをしている大樹に、指摘します。

…ナオからのメールに添付されていた「殺された俺」は、ナオでした。腕時計の色で、ナオだと均は気付いていました。
(大樹は腕時計をしない。均は赤いバンド、ナオは黄色のバンド)
ナオを殺害したのは、大樹でした。
大樹は本物である均をも殺し、自分が「本物」になろうと考えていたのでした…。


ドアチャイムを鳴らした均は、出てきた大樹の母に金を渡し、去ります。

後日。
世間では、なにごともなかったことになっています。
自分の母に会った均は、母のことを「昌枝さん」と呼びました。
母は驚きますが、喜びます。


(実のところ、世界観が分からない。
オレオレ詐欺をした罪の意識から、複数の「俺」がいるという妄想ワールドに入ってしまった…という話なのだろう。
ラストで被害者である大樹の母に、金を返却したことで、すべての騒動がおさまった。
「俺」とは何か、自分とは何かを問うきっかけにもなり、均は一歩成長を遂げた。
だから「母親」という枠をきらい、名前を呼んでほしいという昌枝の要求に応えた)

みんなの感想

ライターの感想

なんというか、すごく異色な作品。どこまで本気で見たらよいのか、正直とまどった。
最初ごろは楽しい。3人の俺が出て来て、意気投合するところなんか、「楽しそうだな」と感じさせられた。
しかし「俺」がどんどん増えてきてからは、カオスなワールド。どうなってるの? な感じ。
他者に興味を抱かず、「俺」「他者」という線引きをあいまいにしたツケが、主人公に振りかかった、と読み解くべきかな。
さやかという女性に興味を抱き、母を昌枝という「ひとりの人間」として扱うようになり、均は人間的な成長を遂げる。

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