「団地(2016年)」のネタバレあらすじと結末の感想

コメディ映画

団地(2016年)の紹介:2016年公開の日本映画。大阪のとある団地を舞台に、住民たちが繰り広げるおかしな騒動を描くコメディ。『顔』で数々の賞を受賞した阪本順治監督が同作でもコンビを組んだ藤山直美のためにオリジナルの脚本を執筆。さまざま人生が交錯する団地で暮らすごく平凡な夫婦の普通じゃない日常を映し出す。夫の清治を岸部一徳が演じる。

予告動画

団地(2016年)の主な出演者

山下ヒナ子(藤山直美)、山下清治(岸部一徳)、行徳君子(大楠道代)、行徳正三(石橋蓮司)、真城貴史(斎藤工)、宅配便の男(冨浦智嗣)、東(竹内都子)、西(濱田マリ)、南(原田麻由)、北(滝裕可里)、吉住将太(宅間孝行)、吉住喜太郎(小笠原弘晃)、スーパーの主任(三浦誠己)、権藤(麿赤兒)、山下直哉(中山卓也)、真城の妻(堀口ひかる)、吉住百合子(田井弘子)

団地(2016年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①息子を亡くした失意で漢方薬店をたたみ団地に越して来たヒナ子と清治。自治会長選に落ちた清治は口さがない団地の住民の言葉に傷つき、ひきこもりを決意。清治の姿が見えなくなったので、団地の人たちは殺されたと噂する。 ②噂がひとり歩きしマスコミまで取材に来る。その頃清治の漢方薬を頼みにする宇宙人・真城のために清治とヒナ子は5000人分の生薬を作った。息子の直哉は生き返らせてもらった。

【起】- 団地(2016年)のあらすじ1

現在、大阪。
山下ヒナ子と夫・清治は、かつて町の商店街で老舗の漢方薬局店・山下漢方薬局を経営していました。
ところが2年前に、20代後半のひとり息子・直哉を交通事故で亡くしました。
失意に暮れたヒナ子は、夫・清治に漢方薬局を廃業させ、半年前に夫婦で団地に引っ越してきました。
ヒナ子は1日数時間スーパーのレジ打ちのパートをし、夫の清治は裏の林に行って、植物図鑑片手に植物を観察するのが日課です。
団地へ引っ越したものの、夫・清治から漢方薬局の仕事を取り上げたのを、妻・ヒナ子は申し訳なく思っていました。

半年が経過しても、ヒナ子と清治の夫婦は団地に溶け込めずにいました。
ヒナ子と清治が話をするのは、自治会長の行徳(ぎょうとく)正三とその妻・君子くらいです。
団地には東、西、南、北という4人の主婦がいて、噂話が好きでした。この4人の女性はいつも一緒にいます。
ヒナ子と清治は団地の規則を守ってひっそりと暮らしていました。ごみの分別もきちんと守り、分けて出しています。
ある日、ヒナ子たちの家に、馴染みの得意客の青年・真城が訪ねてきました。夏でも長袖に日傘をさした真城はベランダ越しに見つけたヒナ子に「ごぶがりです」と話しかけます。「ごぶさたです」と言いたいのです。真城は日本語が苦手なだけでなく、302号室の3が居住階数を示していることも知りませんでした。
真城はあいさつをすると、清治の処方する漢方薬を欲しがります。真城は虚弱体質で、薬がないと貧血を起こすと言いました。
言いながら倒れた真城に、作ったばかりの漢方を飲ませると、すぐに効きます。
「山下さんの薬は、効果きしめんです」と真城は答えました。「効果てきめん」と言いたいだけです。
真城のために漢方薬を作ることを約束した清治は、定期便の男にいつも薬を渡しました。定期便の男は、いつもヒナ子宅を訪問するたびにトイレを借ります。
清治は裏の林で『ガッチャマン』を歌う中学生男児・喜太郎と会いました。

…それから4か月後。
清治が失踪したという噂が、団地内で話題になります。清治の姿を見なくなってから、もう2か月が経過していました。
主に東、西、南、北の4人の主婦の間で噂が立ち、それはやがて「殺されているのではないか」という話に発展します。

…さかのぼること、2か月半前。
自治会長を決める選挙がありました。
夫の正三がいやいや自治会長をもう何年も務めていることを知る妻の君子が、清治を自治会長に他薦すると言います。

【承】- 団地(2016年)のあらすじ2

清治は当初「まだ引っ越してきたばかりですから」と断りました。断るつもりでした。
しかし仕事も辞めて、裏の林の散策くらいしかすることがない清治は、なんとなく「もし自分が自治会長になったら」ということを考え始めます。
団地のみんなの親睦を深めるためのフォークダンスの集い、カラオケ大会など、3か月に1度はみんなで寄り合って楽しく過ごし、災害時の対応、高齢者への声かけ…など、断るつもりだった清治は、どんどん細かくシミュレートし始めました。

自治会長の選挙には、行徳正三、山下清治のほかに、乱暴者で中学生の息子・喜太郎を虐待しているのではないかという疑いを持たれる吉住将太の3人が候補にあがりました。
清治は乗り気でしたが、開票の結果、圧倒的大差で正三が再選されます。
正三は嫌がっているものの、やはり「人から選ばれる」のはまんざらでもないらしく、やると決めました。清治は落胆します。
ただでさえがっかりした清治に、追い打ちをかける出来事がありました。
噂好きの東西南北の主婦に君子が「清治さんって、思ったより人望がなかったのね」と言ったひとことで、清治はショックを受けたのです。
もともと、ネクラ、暗いという噂が立っているのは知っていました。
しかし人望がなかったのか…と思い知った清治は、部屋に戻ると押し入れに入ろうとし、つづいて台所の貯蔵庫のものを取り出すと、そこにこもろうとします。
妻のヒナ子には「死んだことにしてくれ。僕は団地から消えるんや」と言います。
ヒナ子は止めはしませんが、「誰もおらへんのに、隠れてても意味ありませんぜ」と声をかけました。その通りだと思い、清治は貯蔵庫から出てきます。

こうして、清治はひきこもりの生活を始めました。
普段は家のなかにいますが、来客があると貯蔵庫にこもります。
ですから、清治は死んだわけではないのです。団地の人たちの悪気ない噂や言葉に傷ついて、ひきこもりになっただけでした。

…戻って、また現在。
清治を見かけなくなってから3か月が経過しました。
東西南北主婦のあいだでは、清治は殺されたこと決定で、バラバラにされて梱包して捨てられているのではないかという疑いを持たれています。
ヒナ子はばからしいと思っているので、噂をいちいち否定しません。否定したところで、疑いは容易に払拭などできないことも、分かっています。

そんなある日、ヒナ子たちの部屋にまた真城が訪ねてきました。
清治も真城には心を開いているので、貯蔵庫から姿を現します。

【転】- 団地(2016年)のあらすじ3

真城は清治たちに、同郷の住民5000人分の漢方薬を作ってくれないかと頼みました。正直に話します。
真城は宇宙人でした。過酷な地球の環境が身体に合わず、化学薬品(市販の薬)は駄目で、本場中国の漢方薬は強すぎます。
いろいろ試して辿り着いたのが、清治たちの山下漢方薬局の処方でした。いつもやってきていた宅配の男(下痢ぎみで、いつもトイレを借りていた)も、弟だと話します。
1か月かかるところを、なんとか2週間で作ってほしいと頼んだ真城に対し、ヒナ子たちも応じました。真城は代わりに、もし叶えてくれたらヒナ子たちの死んだ息子・直哉に会わせると約束します。

その日から清治とヒナ子は、夜を徹して漢方薬作りに励みました。材料は真城たちが調達します。
清治とヒナ子はくる日もくる日も机に向かい、配合をします。丸薬にし、作り上げた生薬はドライアイスと共に、浴槽に保存します。
ドライアイス搬入が、誤解を招く事態になりました。噂好きの東西南北が「腐敗を防ぐために」と噂します。ほかにも、凍らせてから切断したのではないかという話も出ていました。
その頃、父の将太に叱られてベランダに正座させられる喜太郎を見たヒナ子は、『ガッチャマン』を歌った後に金属バットを手にする喜太郎に対して「きれいな歌やったね」と声をかけます。その言葉で喜太郎は金属バットを置きました。
ヒナ子は君子に連絡し、君子は児童相談所に連絡しますが、ただの親子喧嘩と判断されます。

団地の噂は尾ひれがつき、とうとうマスコミの取材が来ました。というのも、北の夫がマスコミ関係の人間だったからです。
取材を受けたヒナ子は、あまりのばかばかしさにカメラの前で大笑いしてしまいました。このインタビューがモザイクをかけられた状態で、テレビで流れます。
ヒナ子の大笑いを、団地の人たちは別なふうに受け取りました。犯行をごまかすために取りつくろった笑いではないかと邪推したのです。
放送の時、電波が乱れて団地じゅうのテレビが消えました。犬もカラスも鳴きます。(ここ大事)

自治会長の正三は、団地の住民に促されて、仕方なくヒナ子に事情を聞きに来ました。
清治が漢方の道を究めたいと言って、中国・雲南省へ行ったとヒナ子は言います。
しかし団地の主婦たちは信じません。漢方のにおいがやたら立ちこめるのは、においをごまかすためなのだろうと言い出します。
夫の清治が雲南省にいるという証拠を見せろと言われたヒナ子は、団地の住民の噂好きにほとほと嫌気がさして「もう、人殺しでもなんでも、なんでもええです」と答えました。

【結】- 団地(2016年)のあらすじ4

ヒナ子の証言は、すっかり清治が死んでいると思いこんでいる団地の住民たちには「開き直り」と取られます。
正直なところ、ヒナ子と清治は団地の噂などどうでもいいのです。今は息子に会うために、漢方薬を作ることの方が大事です。

2週間後。
真城が妻と赤ん坊、弟とともにやってきました。5000人分の漢方薬の積み出しのために、泊まり込みます。
その頃、自治会長の正三と君子は、近所の巡査を連れてきました。巡査はなんといって入りこめばよいのか悩みます。
巡査、正三、君子が訪問した際、人手が足りないので行徳夫妻だけ入ってくれと指示されました。巡査は放りだされます。
入り込んだ正三と君子は、忙しく立ち働くメンバーの中に、健康でぴんぴんしている清治が当たり前のようにいるのに驚きました。
ヒナ子から事情を聞きながらも、真城のことを「漢方薬詐欺ではないか」と言います。

…真城が来た、あの日。
真城は自分の着ているワイシャツをはだけて見せ、人間ではないことをヒナ子と清治に照明していました。
真城が言うには、肉体を持っているこの世界の方が奇跡のような存在で、非科学的だそうです。
へその緒さえ持っていれば息子の直哉に会わせると言われ、ヒナ子と清治は信じました。もとより、息子に先立たれた今となっては、団地住まいにあまり未練もありません。
真城は喜太郎にもが声をかけていました。喜太郎も同じ日に出発することにします。

それを知らない団地の人たちは、自治会長夫妻が連れ込まれ、しかもヒナ子が怪しい行動を取っているということで、マスコミを呼びます。

さて出発当日。
団地におおぜいのマスコミが詰めかけました。そのなか、漢方薬の積み出しが始まります。
漢方薬を入れた箱を持った人のなかに清治がいるのを見て、団地の住人は仰天しました。
清治は「はーい解散、お疲れ~」と言ってみんなを追い払います。
団地の上に巨大なUFOが接近しました。団地の住民、マスコミも、ことのなりゆきにみんなあぜんとします。

清治たちは林の奥の泉のそばに移動しました。そこはもう、宇宙船の中だそうです。
しかし清治たちは、大事な直哉のへその緒を持って来るのを忘れました。
それを聞いた真城は、時空を戻せば取りに帰れると言います。2~3日前に戻すと言いました。

…戻した日。それはテレビの電波が乱れ、カラスや犬が鳴いた日でした。
ベランダから外を見ていた清治は、そこに光って流れるUFOを見てヒナ子を呼び、「なんかええこと、ありそうやな」と声をかけます。
その日の晩ご飯は、すきやきでした。
清治とヒナ子のところに、息子の直哉があたりまえのように帰宅します…。

(真城の願いを叶えて5000人分の漢方薬を用意したので、真城はお礼に直哉を生き返らせた、死んでいない世界に仕切り直した。喜太郎がどうなったかは描かれないが、本当に息子として愛してくれる家に行ったものと思われる)

みんなの感想

ライターの感想

まさかの、大阪下町抒情からの、SF終わりになるとは!!
予告を見るかぎりでは、この展開はまったく予想しなかっただけに、びっくりした。
想像のななめ上をいった感じ。
そもそも私が予告を見て「これ見たい」と思ったのは、なぜ清治が貯蔵庫にひきこもろうとしたのか惹かれたから。
それはけっこう早い段階で明らかになった。
そのきっかけも「ああ、そういうのありうるよね」と思わせるものだったが、以降の、どんどん噂が独り歩きしていく様子は「さもありなん」と思ってしまう。
大阪という土地柄、お節介なおばちゃんが多いという気風も関係するだろうし。
噂好きな主婦にうんざりする感じも理解できる。

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