映画:笑う故郷

「笑う故郷」のネタバレあらすじと結末

コメディ映画

笑う故郷の紹介:2016年のアルゼンチン・スペイン合作の風刺喜劇映画。ノーベル文学賞を受賞した作家が40年ぶりに故郷の田舎に帰り、数々の災難に遭遇する姿を描いていく。第73回ヴェネチア国際映画祭では主演男優賞を獲得した。

あらすじ動画

笑う故郷の主な出演者

ダニエル・マントバーニ(オスカル・マルティネス)、アントニオ(ダディ・ブリエバ)、イレーネ(アンドレア・フリヘリオ)

笑う故郷のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 笑う故郷のあらすじ1

笑う故郷のシーン1 舞台は現代のスペイン。大都会に暮らすノーベル賞作家のダニエルが、ある日一通の招待状を受け取ったことをきっかけに物語は動き出します。その差出人は、ダニエルの故郷であるアルゼンチンの田舎町、サラスの役場でした。手紙の中身は、町からダニエルに名誉市民の称号を授けたい、というもの。この招待状を受けて、ダニエルは40年ぶりに帰郷することを決めました。ダニエルの作品のほとんどがサラスでの経験に着想を得たものであり、彼にとって故郷は今も大きな存在でした。ダニエル自身は若くしてサラスを離れ、スペインでの人生を楽しんでいましたが、年を取った今、ふと故郷を懐かしむ気持ちがダニエルの中に生まれていました。

ところが、いざアルゼンチンの空港に到着すると、ダニエルを待っていたのはサラスの人々のお粗末な対応でした。迎えに来たドライバーの態度は丁寧なものとは言えず、その上、道中でタイヤがパンクし、一夜を荒野で過ごす羽目に。ダニエルは持っていた自分の本を焚き火やトイレットペーパー代わりに使いながら、この夜を乗り切り、翌日なんとかサラスに到着しました。

ダニエルはのどかなサラスの風景と市長たちの温かな歓迎に感激し、依頼されたイベントを次々とこなしていきました。初日から多忙な時間を過ごしたダニエルでしたが、その中で強い印象を残した人物がいました。それは、ダニエルの講演会に出席していた若く美しい女性でした。女性は挑発的なまなざしで鋭い質問をしてきましたが、ダニエルは冷静にその質問に答えるのでした。

【承】- 笑う故郷のあらすじ2

笑う故郷のシーン2 ダニエルにとって楽しい時間はそう長くは続きませんでした。旧友のアントニオと再会したときのこと。ダニエルはアントニオがイレーネと結婚したことを知らされ、複雑な表情を浮かべました。イレーネはダニエルの初恋の相手で、小説のインスピレーションになっていた女性だったのです。

それからすぐ、イレーネが一人でダニエルに会いに来ました。友人として再会を喜ぶ二人でしたが、イレーネがダニエルをドライブに連れ出すと、ダニエルは気持ちを抑えきれず、イレーネにキスしてしまいました。

その夜、ダニエルがホテルで市長主催のイベントに行く準備をしていると、講演会で質問してきた若い女性が部屋に現れました。女性はダニエルにキスをすると、そのまま部屋の中へ入り服を脱ぎました。ダニエルは止むを得ず市長との約束をキャンセルし、女性と一夜を共にすることを決めました。

帰郷二日目の最初の仕事は、町の絵画コンテストの審査でした。ダニエルは自分の感性に任せて早々と審査を終わらせますが、その後すぐ、審査結果を聞きつけてロメロという中年男がダニエルの前に現れました。ロメロはサラスの有力者で、自信作が落選したことにひどく腹を立てていました。しかし、ダニエルは毅然とした態度でロメロに対応し、審査を覆そうとはしませんでした。このことがきっかけで、ロメロはダニエルに強い憎悪を抱くようになり、執拗な嫌がらせを繰り返すようになりました。

その後、ダニエルはアントニオと会いますが、そこでイレーネの過去を知らされました。イレーネはダニエルのことを長い間忘れることができず、都会にわざわざ出かけてダニエルの著作を買っていたといいます。イレーネがダニエルとの別れから立ち直るのに長い時間がかかったと明かすアントニオに、ダニエルは淡々と返事をすることしかできませんでした。

【転】- 笑う故郷のあらすじ3

笑う故郷のシーン3 アントニオと別れた後、ダニエルは講演会へ向かいました。ところが、そこにロメロが用心棒を引き連れて邪魔をしに現れました。ロメロはダニエルの作品が故郷サラスを侮辱することで成り立っていると厳しく批判の言葉を繰り返しました。ロメロの言葉は確かに的を射ていましたが、ダニエルはその挑発に乗ることはなく、ロメロたちを会場から追い出しました。

その夜、ダニエルはアントニオの家に招かれました。食事を済ませ、ダニエルがアントニオと談笑していると、アントニオとイレーネの娘が彼氏を連れて帰宅しました。その顔を見ると、ダニエルは驚きの表情を浮かべました。その娘はダニエルの部屋に無理やり入ってきたあの女性だったのです。娘の名前はフリアといい、ホテルでの夜のことには触れず、ダニエルのファンだと自己紹介してきました。ダニエルは平静を装いますが、心中では困惑しきっていました。

その後、フリアと彼氏のロケも交えてダニエルは酒を飲むことに。アントニオはだいぶ酔っ払い、ダニエルに狩りに行こうと誘ってきました。アントニオとロケは観光客向けの狩りツアーの案内役をしており、ダニエルにも狩りを楽しんでもらいたいと思ったのです。ロケは、観光客が自分で獣を仕留めたと思わせるために、観光客と同じタイミングで銃弾を放ち、獣に命中させることが得意だといいます。アントニオの熱意に負け、ダニエルは明日の夜に狩りに行くことを約束しました。

その後、アントニオとロケと酒場で軽く飲んだ後、ダニエルがホテルの部屋に戻ると、そこには半裸のフリアの姿がありました。フリアは母親のようにこの町で落ちぶれたくはないと語り、裸になってダニエルに甘えてきましたが、ダニエルは出ていくよう冷たく言い放ちました。フリアはダニエルの態度に怒り、「ゲス野郎」と捨て台詞を吐いて部屋を出て行きました。

【結】- 笑う故郷のあらすじ4

笑う故郷のシーン2 その翌日もダニエルはイベント出席のため準備をしていましたが、スペインに早く戻りたいと考えるようになっていました。ロメロによる嫌がらせも続き、馴れ馴れしく接してくるファンとの交流もダニエルにとって大きなストレスとなっていました。その上、ロメロの機嫌を取るために、市長がロメロの作品を入選させると聞き、ダニエルはサラスの実態にあきれ果ててしまっていました。

そんな中、イレーネが興奮した面持ちでダニエルの前に現れました。フリアからダニエルとの関係を聞いたらしく、ひどく怒っている様子でした。しかし、イベントが終わり、再びイレーネと会うと、不安げな表情に変わっていました。アントニオがフリアの話を知ってしまったといい、今夜狩りに行けば殺されてしまうと忠告してきたのです。イレーネは今夜車で空港まで送ると申し出、その間にダニエルは帰国の準備を進めました。

ところが、ホテルの前で待つダニエルの前に現れたのは、アントニオとロケが乗ったトラックでした。ダニエルは否応もなくトラックに乗せられ、人里離れた荒野に連れて行かれました。フリアの件でアントニオとロケは激怒していました。アントニオは銃を向け、ダニエルに真っ暗な中荒野を走るよう指示してきました。アントニオは脅かそうと数発の銃弾をダニエルの足元に撃ちますが、突然ダニエルがその場に倒れこんでしまいました。観光客相手にいつもやるように、ロケがアントニオの銃弾に合わせ、ダニエルの体を撃ってしまったのです。アントニオが動揺する横で、ロケは厳しい表情を浮かべながら手で十字を切っていました。

ここで、物語の舞台はダニエルの新作発表会に移ります。多くの記者に囲まれながら、ダニエルが発表したのは「名誉市民」という作品でした。ダニエルは故郷サラスに戻ったときの物語を小説化、初めて自分自身を主人公として作品を書いたのです。画期的な作品の発表に、記者からは多くの質問が寄せられました。その中に、「フィクションと現実の割合は?」という質問がありました。それに対して、ダニエルは「現実など存在しない。あるのは解釈だけだ」と語り、自分の右胸にある傷跡を見せました。「手術の痕か、自転車事故の傷痕か、あるいは銃槍か。宿題だ」…ダニエルはそう言って記者会見を締めました。ダニエルは堂々とした表情を浮かべながら、カメラのフラッシュのまぶしい光にさらされていました。

みんなの感想

ライターの感想

都会を知り、田舎に戻ったことのある人なら、主人公の気持ちに共感してしまうと思います。主人公を演じたオスカル・マルティネスは小難しい表情ばかり浮かべていましたが、そんな中でもときおり見せる田舎への複雑な気持ちや、作家としての自尊心、そして、かつての恋人への変わらぬ思いなど、様々な表情を見せてくれました。また、主人公のセリフと同様、観る者に解釈を任せるラストも痛快でした。

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