映画:お早よう

「お早よう」のネタバレあらすじと結末

お早ようの紹介:小津安二郎監督による、1959年のホームコメディ映画。監督第50作目で、カラー作品としては第2作目。なお、本作では子どもたちによるオナラを使ったギャグを多用している。

あらすじ動画

お早ようの主な出演者

林実(設楽幸嗣)、林勇(島津雅彦)、林敬太郎(笠智衆)、林民子(三宅邦子)、有田節子(久我美子)、原口辰造(田中春男)、原口きく江(杉村春子)、原口みつ江(三好栄子)、原口幸造(白田肇)、福沢汎(東野英治郎)、福沢とよ子(長岡輝子)、大久保善之助(竹田法一)、大久保しげ(高橋とよ)、大久保善一(藤木満寿夫)、福井平一郎(佐田啓二)、福井加代子(沢村貞子)、丸山明(大泉滉)、丸山みどり(泉京子)、伊藤先生(須賀不二夫)、押し売りの男(殿山泰司)

お早ようのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- お早ようのあらすじ1

舞台は東京の下町の川沿いに密集している、長屋のような新興住宅地です。
そこで暮らす子どもたちのブームは、オナラ遊びです。仲間に額を押されると放屁するという遊びで、これを朝の挨拶代わりにしていました。
原口幸造も仲間に額を押させますが、突然困り顔になって立ち止まります。林実と勇の兄弟、大久保善一は不思議に思いますが、幸造はそのまま家に引き返しました。

その頃、福沢とよ子が大久保しげの家までやってきます。
とよ子は隣の町内会長から、先月分の婦人会の会費が未払いだと聞かされたのです。
会費は会計係である林民子に預けたはずでしたが、2人は町内会長の家で近頃洗濯機を購入したことを思い出し、あらぬ疑いの目を向けます。

その頃、町内会長こと幸造の母親のきく江は、腹を下してパンツを汚した息子を叱りつけていました。

学校から帰った子どもたちは、池袋のキャバレーで働いている丸山夫婦の家に遊びに行きます。
丸山夫婦の家にはテレビがあり、実たちは相撲観戦に夢中になっていたのです。母親たちはこれを快く思っておらず、丸山夫婦の家に行かないように言い聞かせていました。
しかし、子どもたちは言うことを聞かないため、いつも誰かの親がやってきて注意していました。

その後とよ子は民子のところにやってきて、婦人会のお金が行方不明になっているという話をします。
民子はすでにきく江に渡してあると答えました。そして、直接きく江に確認をとろうとしますが、とよ子は反対しました。

林兄弟たちは、近所の団地で暮らす福井平一郎から英語を習っていました。
そこへ自動車のセールスマンをしている、平一郎の姉の加代子が帰宅します。
平一郎は子どもたちに問題を出題しますが、彼らは得意のオナラをするばかりでした。そして、善一の父親の善之助がオナラが上手なことや、軽石を削って飲んで努力していると話して、平一郎を笑わせます。

その頃、善之助が自宅で見事なオナラをします。
その音を聞きつけたしげは、「何か用ですか?」と尋ねます。善之助はそっけなく「何でもない」と答えました。

【承】- お早ようのあらすじ2

夜になり、林家に父親の敬太郎と、民子の妹で出版社に勤務する有田節子が帰宅します。
節子は出版社が潰れて翻訳のアルバイトでしのいでいる平一郎に、いつも仕事を持ち込んであげていました。

翌朝、節子は平一郎のところにやってきます。
原稿を受け取った節子が出て行くと、加代子は「あんな人があんたのお嫁さんになってくれたら」とこぼします。
平一郎は、今の状態では無理だと答えました。

同時刻、きく江が林家にやってきていました。
きく江は町内会費横領の疑惑を向けられて腹を立てており、民子に会費を受け取っていないと文句を言いにきたのです。
しかし民子も、きく江の母親のみつ江に会費を渡したと言って、譲りませんでした。
そのとき、玄関に押し売りがやってきます。鉛筆をナイフで削りながら買ってくれと迫り、きく江は逃げるように帰宅します。そしてみつ江に、押し売りの対応を任せるのでした。

案の定、先ほどの押し売りが玄関に現れます。みつ江は台所から大きな出刃包丁を持ってきて、鉛筆を削り始めます。
それを見た押し売りは怖じ気づき、足早に出ていきました。
一息ついたきく江は、みつ江に会費の行方を尋ねます。みつ江はしばらく考えてから、会費の入った封筒を持ってきました。
きく江はすぐさま民子の家に向かって、先ほどの非礼を母親のせいにしながら謝るのでした。

仕事帰りの敬太郎は、飲み屋「うきよ」にやってきます。
そこで福沢汎と定年退職の話になります。福沢は「雨の日も風の日も満員電車に揺られて30年」と愚痴をこぼし、居眠りを始めたのでした。

その頃実と勇は、民子相手にテレビを買ってほしいと駄々をこねていました。
そこへ敬太郎が帰ってきて、反抗的な実を「無駄話が多い」と叱りつけました。すかさず実は「大人だってお早よう、こんにちは、いいお天気ですねなどと、無駄話ばかりしている」と反論します。
敬太郎は癇癪を起こし、実と勇に「黙っていろ」と怒鳴りました。叱られた兄弟は、今後一切口を利かないことを決意し、子ども部屋に帰っていきます。
しばらくすると節子が帰ってきて、2人に土産のケーキを見せつけますが、だんまりを決め込むのでした。

【転】- お早ようのあらすじ3

翌朝、実と勇は相変わらず一言も話しませんでした。
2人はきく江に挨拶をされても、無視を決め込む徹底ぶりでした。きく江は2人の態度から、昨日の会費の件を民子が子どもに恨み節で聞かせたのだと勘違いして、しげに愚痴を言いに行きます。
そして自宅に戻り、みつ江のせいでこうなったのだと八つ当たりをします。みつ江も黙っておらず、自分は先月分のガス代を立て替えたなどと反論するのでした。

その後も腹の虫が治まらないきく江は、「民子は細かいことを根に持つ人間」と隣近所に吹き込みます。
ウワサは瞬く間に広がり、民子は「上品でインテリぶっている」と陰口を叩かれるようになったのです。
民子はどこかに引っ越したいと節子に愚痴を言いますが、節子は「山奥へ行かなきゃ近所付き合いから逃げられない」と返しました。

一方実と勇は、学校の授業でも一言も発さず、先生を不思議がらせていました。
そして2人は、明日給食費を持ってくるように先生から言われて困惑します。

帰宅した勇は、実に給食費の件を尋ねますが、実は絶対に口を利いてはいけないと告げます。
そして、茶の間でくつろぐ大人たちの元へ向かいます。先に勇がやってきて、「給食費がほしい」と伝えるためにジェスチャーをします。
両親も節子も意味がわからず、続いて実がやってきます。節子はジェスチャーを解読しようとしますが、「学校が火事になって、消防が来てお菓子を出したの?」と、まるで伝わりませんでした。

翌朝、実と勇は平一郎のところへ行っても黙ったままでした。
そこへ丸山みどりがやってきて、団地の部屋は空いていないかと尋ねます。若夫婦は隣近所から敬遠されて、住みにくくなってしまったのです。
その後節子がやってきて、平一郎に新しい原稿を頼みます。平一郎は、節子に2人が口を利かなくなった原因を尋ねます。節子が経緯を話すと、平一郎は「(人付き合いには)無駄があるからいいんじゃないかな」と答えました。

その頃、「うきよ」で飲んでいた敬太郎と福沢は、「テレビは一億総白痴化」という話をします。
その後、酔った福沢は間違えて林家に帰宅し、恐縮しながらその場を去りました。

【結】- お早ようのあらすじ4

翌日、丸山夫婦は引っ越しの準備をします。
同時刻、伊藤先生が家庭訪問にやってきます。敬太郎は子どもたちが口を利かない件を謝罪し、給食費の支払いを約束します。
その間、実と勇兄弟は台所に忍び込んで、おひつとやかんを持って外に飛び出しました。
その後、福沢が敬太郎の元を訪ねてきて、定年退職後電器店のセールスマンとして働くことになったと話します。
電化製品のパンフレットを見せられた敬太郎は、付き合いで何か買うことにします。

実と勇は、土手の下で飯を食って茶を飲んでいました。
そこに警官が通りがかり、おっかなくなった2人はおひつとやかんを置いて走り去って行きます。
その夜、節子は平一郎の元を訪ねて、実と勇が来ていないかと聞きます。節子がその場を後にすると、加代子は「あんたも節子さんが好きなのに、無駄なことばかり言っている」と平一郎に突っ込みました。
平一郎は何も言わず、実たちを探すために外に出ます。

敬太郎と民子は、実と勇の帰りを心配しながら待っていました。
そこへ交番に立ち寄った節子が、おひつとやかんを持って帰宅します。
敬太郎も探しに行こうとすると、平一郎に連れられて実と勇が帰ってきました。平一郎は、2人は駅前でテレビを観ていたと説明し、その場を去りました。

とぼとぼと家に入ってきた実と勇は、廊下にテレビの箱が置かれていることに気づきます。
それを見ていた敬太郎は、「しっかり勉強するように」と諭します。2人が大喜びではしゃぎ回ると、敬太郎は「テレビを返すぞ」と脅しました。

翌朝、実と勇は、近所の奥さんたちに笑顔で挨拶をします。
きく江は不思議がりますが、とよ子は「林家のみんなはいい人」と答えるのでした。

実と勇は幸造たちと合流すると、軽石をやめてごぼうに変えたと話し、いつものようにオナラを披露します。
幸造もやってみせますが、困り顔でその場に立ちすくみ、一人自宅へ引き返すのでした。

その頃、電車を待っていた節子は、平一郎とばったり会います。
平一郎は「いい天気ですね」「おもしろい形の雲ですね」などと、とりとめのない話題を節子に振り続けるのでした。

そして、またもやくだらない理由で学校を休んでしまった幸造を、きく江が厳しく叱りつける場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

感動するような熱い展開があるわけではありませんが、なんてことない日常がかわいらしく描かれていました。主婦の狭い世界で繰り広げられるウワサ話はめんどくさそうでしたが、当人同士は案外あっけらかんと関係を続けているのかもしれないなと思わされました。「人生には無駄があるからいい」という教訓は、自分が今後生きていく上で胸に刻んでおきたいですし、よく見ると色彩やインテリアなどがすごくオシャレなので、見応えがある作品だと思います。

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