映画:かあちゃん

「かあちゃん」のネタバレあらすじと結末

かあちゃんの紹介:2001年に製作された人情時代劇ドラマ。山本周五郎の同名小説を市川崑監督が岸惠子主演で映画化、貧困の中でも人を思いやる心を忘れないある家族の物語を描いていく。第25回モントリオール世界映画祭では、特別功労賞を受賞した。

あらすじ動画

かあちゃんの主な出演者

おかつ(岸惠子)、勇吉(原田龍二)、市太(うじきつよし)、おさん(勝野雅奈恵)、次郎(飯泉征貴)、三之助(山崎裕太)、七之助(紺野紘矢)

かあちゃんのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- かあちゃんのあらすじ1

舞台は天保時代末期の江戸。天保の改革の効果もむなしく、江戸の人々は貧しい生活を強いられていました。身寄りのない青年の勇吉もまた、貧しさから抜け出すためにやむなく盗人になることを決めますが、初めての盗みを働くためにある長屋に流れ着くと、そこである噂を耳にしました。四人の子どもと暮らすおかつという女性の家から、夜な夜な小銭を数える音が聞こえてくるというのです。おかつは長屋のつきあいもろくにせず、ケチで有名だといい、同じ長屋に暮らす人々はおかつが大金を貯めていることを確信している様子でした。

その夜、勇吉はおかつの家に盗みに入りますが、子どもたちが寝る中おかつだけは起きていました。おかつは勇吉を恐れず、むしろお腹をすかせた勇吉のためにうどんを作り始めました。勇吉は必死に脅し文句を口にしますが、心根の優しい勇吉の言葉はいまいち迫力にかけていました。おかつもそんな勇吉の性格に気づいたのか、お金を貯めている本当の理由を明かし始めました。

おかつたちは源さんという知り合いのためにこの3年間貯金に励んでいました。源さんは長男の市太の大工仲間で、3年前帳場のお金を盗み今は牢屋に入れられていました。子どもの出産を控え、源さんは追い詰められた末に犯罪に手を染めてしまったのです。そこで、おかつは源さんの社会復帰のためにお金を貯めることを家族に提案しました。牢を出てから元の仕事に戻ることは困難であるため、新しく荒物屋を開けばいいと考えつき、その開業資金を援助しようと思い至ったのです。そして、その源さんは明日牢から出る予定だといいます。この話に心打たれた勇吉は長屋を出ようとしますが、おかつは行く当てのない勇吉を引き取ることを決断しました。

その翌朝、おかつは子どもたちに勇吉を遠縁の親戚と紹介、神田の店を解雇され困っていたところを引き取ったとうそをつきました。勇吉はおかつのうそに内心ハラハラしていましたが、子どもたちはおかつを信頼し、勇吉に家族のように接しました。

その日、勇吉は源さんを迎えるささやかな祝宴の準備を手伝うことになりましたが、それが一段落すると、ひそかに家を出て行きました。おかつの人の良さに甘え続けることを勇吉の良心が許さなかったのです。

【承】- かあちゃんのあらすじ2

ところが家を出てすぐ、勇吉はおかつを妬む男4人組の会話を聞いてしまいます。男たちはおかつがご馳走を作っていることに苛立ち、特にその中でも怒っていたのは、大工の熊五郎でした。熊五郎たちはおかつの家に怒鳴り込んでやると息巻いていましたが、勇吉はとっさに熊五郎たちの行く手を塞いでしまいました。突然現れた謎の男に熊五郎たちが困惑していると、勇吉は啖呵を切り始めました。おかつの貯金には熊五郎たちが知り得ない立派な理由があると語る勇吉。何度尋ねられても勇吉はその理由を熊五郎たちに明かそうとはしませんでしたが、名前を尋ねられると、素直におかつの親戚の勇吉と答えてしまいました。勇吉はおかつの家に帰らなければならない理由を自分で作ってしまい、しまったと口を抑えるのでした。

勇吉が家に帰ると、すぐに源さんとその妻子が家にやって来ました。おかつは気後れする源さん夫婦を温かく迎え、食卓を囲みました。そして、おかつが用意したお金を渡すと、源さん夫婦は泣き出してしまいました。そんな夫婦の姿に、もらい泣きしてしまうおかつたち。勇吉はそんなおかつたちの姿に深い感動を覚えました。

その翌朝から、おかつの家は再び日常生活に戻りました。市太、次郎、三之助は外に働きに出て、幼い七之助は道端の金物集めに出かけ、長女のおさんはおかつとともに内職と家事に励みました。それと並行して、おかつたちは勇吉の職探しにも着手しますが、そんな中、勇吉は家を出て行くと言い出しました。昨夜の源さんに対するもてなしを目の当たりにして勇吉は胸が痛くなり、おかつたちの好意にこれ以上甘えることはできないと考えたのです。

そのときでした。長屋の大家がやって来て、規則のため勇吉の身の上を証明する書付を用意して欲しいと言ってきたのです。おかつはその求めを快諾、勇吉が出て行くという話は無視して勇吉の書付をどうやって用意するか思案し始めました。子どもたちからは勇吉が働いていた神田の店に書いてもらえばいいと助言され、おかつは表面上その言葉に賛同してみせるのでした。

【転】- かあちゃんのあらすじ3

その後、勇吉は人目を忍んでおかつの家を抜け出しますが、おさんがすぐにその後を追ってきました。勇吉はおかつの親戚ではないことをおさんに明かすと、本当の素性がおかつたちに知られるのが怖いとも口にしました。それに対して、おさんは明るくこう答えました。「どっちを信じるかって言われたら、やっぱりかあちゃんの言う事を信じるよりしかたがないわ」…おさんはあくまでもおかつの話を信じ、勇吉を家族の一人と捉えていました。勇吉は馬鹿げていると苦笑いしながらも、おさんとともに家に戻るのでした。

その夜、おかつは家事が一段落すると、神田の店に書付をもらってくると言って一人出かけて行きました。おかつが向かったのは、街の易者の元でした。おかつは20文の報酬と引き換えに易者に偽造書付を作成させると、意気揚々と家に戻って行きました。

家に戻ったおかつが子どもたちに神田の店からしっかりと書付をもらったことを報告していると、そこに一人の同心が現れました。同心は、石川島から一時的に釈放して以来行方をくらましている清吉という男を探していました。それまで明るかったおかつの家は一転、緊迫した空気に包まれました。すると、そこに番屋の男が現れ、無事清吉が見つかったことを報告しました。それを知った同心はすぐに家から出て行き、おかつたちは安堵の表情を浮かべました。すると、市太たちがおかつの耳元で「易者に20文取られて痛かっただろう?」と囁いてきました。市太たちはおかつの後をつけてきていたのです。「うちの子どもたちときたら…」とおかつは一人笑うのでした。

【結】- かあちゃんのあらすじ4

その後もおかつたちは勇吉を家族として接し、勇吉は次第に家になじんでいきました。そんなある日、熊五郎が怪我したことで大工の仕事が空くこととなり、そこで勇吉が働くこととなりました。おかつは勇吉が職を得たことに喜びつつ、すぐに熊五郎の看病に向かいました。そこには、大工の親方から見舞金を届けるために大家も来ていましたが、熊五郎は大けがをしながら酒を隠し飲んでいました。おかつと大家はそんな熊五郎に呆れながらも、笑みを浮かべていました。

勇吉は筋が良く、すぐに大工仕事を覚えていきました。市太たちも本当の兄弟のように接していましたが、そんなある朝、突然勇吉は皆に先を行かせ、一人家に戻って行きました。勇吉は家にいたおかつに弁当についてあるお願いをしました。それは、弁当の中身を市太の弁当と同じ内容にして欲しいというものでした。勇吉の弁当の量とおかずが市太の弁当よりも多く、それが他人行儀のようでつらいというのです。このとき、おかつはおさんの勇吉への思いに気づきました。弁当を作っているのはおさんであり、おかつに内緒でおさんは勇吉に特別な弁当を作っていたのです。

おかつはとっさに勇吉があまりにも痩せているからと嘘をつくと、勇吉はおかつの思いに感激し泣き出してしまいました。しかし、勇吉が「生みの親にもこんなにされた事はなかった」と語ると、おかつの態度は豹変しました。子のために何かしてあげたいと思いながら、それができない親のつらさがわかっていないとおかつは厳しい口調で勇吉を責め立てました。すると、そこに市太、次郎、三之助が現れ、おかつをなだめてきました。このとき、おかつはおさんが台所で一人泣いていることに気づきました。

その後、勇吉は市太たちとともに再び仕事場に向かいますが、その途中で、次郎と三之助はおかつが勇吉に親切にする理由を明かしました。おかつは耳にホクロがある人間には優しくするといい、おかつの夫も、源さんも耳にホクロがあったというのです。市太は「俺たちがただそう察してるだけ」と付け加えましたが、勇吉は仏様のように立派なおかつにも意外な一面があったことに喜んでいました。

勇吉は再び一人家に戻り、仏壇の前で手を合わせるおかつの姿を笑顔で見つめていました。そして、「かあちゃん」と言って再び家を出て行きました。おかつが勇吉の言葉に驚いて玄関に目を向けると、すでに勇吉の姿は消えていました。

みんなの感想

ライターの感想

岸惠子の厳しいながらも思いやりに溢れた一つ一つのセリフが印象に残りました。タイトルと同じセリフで終わるラストも感動的で、2時間に満たない上映時間ながら、大きな満足感を与えてくれる映画でした。また、シンセサイザーとコーラスによる音楽が劇中で流れますが、意外に人情時代劇との相性が良く、物語を陰で盛り上げていたと思います。

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