映画:すばらしき世界(身分帳)

「すばらしき世界(身分帳)」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ヒューマンドラマ

すばらしき世界の紹介:2021年2月11日公開の日本映画。直木賞作家の佐木隆三が実在の人物をモデルに執筆した小説「身分帳」を原案に、『永い言い訳』の西川美和監督が舞台を約35年後の現代に置き換えて映画化。役所広司が人生の大半を刑務所で過ごした殺人犯に扮し、刑期を終えて出所した彼の再出発の日々を綴る。殺人犯が更生していく様子をテレビ番組にしようと画策するディレクターを仲野太賀が、プロデューサーを長澤まさみが演じるほか、橋爪功、安田成美らが名を連ねる。

すばらしき世界(身分帳)の主な出演者

三上正夫(役所広司)、津乃田龍太郎(仲野太賀)、松本良介(六角精児)、井口久俊(北村有起哉)、下稲葉明雅(白竜)、下稲葉マス子(キムラ緑子)、吉澤遥(長澤まさみ)、西尾久美子(安田成美)、庄司敦子(梶芽衣子)、庄司勉(橋爪功)

すばらしき世界(身分帳)のネタバレあらすじ

【起】– すばらしき世界(身分帳)のあらすじ1

すばらしき世界(身分帳)のシーン1

画像引用元:YouTube / すばらしき世界(身分帳)トレーラー映像

2017年。

冬の旭川刑務所で、ひとりの受刑者が刑期を終えようとしていました。

受刑者の名前は三上正夫、殺人罪で平成16年11月に収監されてから13年間、旭川刑務所で過ごしていました。

医療刑務官に血圧を計測される三上は、緊張のせいで血圧が上がっていると指摘されます。窓の外には雪が降り続いています。

呼ばれた三上は刑務官について、姿勢よく両手を振りながら歩いて移動をしました。保管された私物を受け取りますが、30万円もした腕時計は服役中に手入れがされなかったので部品が錆びてしまい、時間合わせをしても動きません。

旭川刑務所前の停留所でバスに乗り込んだ三上は、いつまでも自分を見送る2人の刑務官に愛想よく笑顔を送ったあと、小さな声で「ざまあみろ」と言って座席に座ります。

三上は、今度こそは刑務所に戻るまいと考えていました。「俺はもう極道じゃなか。今度ばっかりはカタギぞ」と自分に言い聞かせるように、独り言ちます…。

三上が旭川刑務所を出て東京へ移動している頃、テレビの制作会社を辞めて小説家を目指そうとしている青年・津乃田龍太郎のところへ、やり手のテレビプロデューサー・吉澤遥から仕事の依頼が届いていました。遥は電話で津乃田に説明します。

事の発端は、人探しの番組に三上が母親を探してくれと手紙を送ってきたことから始まりました。三上が前科者であることに目を付けた遥は、取材の対象者を三上に据えて「前科者の三上が心を入れ替えて社会に復帰していくさまを映し、さらに生き別れた母親と、涙ながらの再会を果たす…」という構成を考えていました。感動的なドキュメンタリー番組に仕立て上げようと遥は考えています。

津乃田は断りかけますが、遥は津乃田の生活費の心配をし、三上と接することで執筆の勉強になるのではないかと言いました。津乃田は遥に押し切られて、仕事を受けます。

仕事を受けた津乃田のもとに、三上の「身分帳」が届きました。

「身分帳」とは、刑務所に収監されている受刑者の経歴を事細かに記した、受刑者の個人台帳のようなものです。受刑者のあらゆる情報がその手書きのノートには記されており、それを読めば本人の生い立ち、犯罪歴などが分かるようになっています。

母親探しの依頼を頼んだ三上は、請われるまま自分の身分帳を書き写して番組に送っていました。それを受け取って目を通した津乃田は、三上が人殺しの前科者だと実感していました。収監された刑務所の中でも、何度も乱闘事件を起こした問題児だと知ります。

三上は福岡県福岡市の生まれでした。芸者の母親の私生児として生まれ、父親の認知がなされなかったため、戸籍がないまま育てられます。

4歳の頃に母と離別し、その後は養護施設の『明月園』で育ちました。中学に上がるころから素行が悪くなり、14歳で京都の少年院に入所したのを皮切りに、以後は出所しては悪さをして少年院に逆戻り…という生活でした。三上の身分帳を、津乃田はつぶさに目を通します。

旭川から上野まで電車で移動した三上は、身元引受人の庄司勉に迎えられます。庄司は三上を連れて自宅へ行き、庄司の妻・敦子も三上を歓待しました。庄司は3年前に病気をした関係で、戸建てから分譲マンションに住み替えていました。

身元引受人の庄司は、出所したばかりの三上に持病があることを指摘し、すぐに働けないとみて生活保護の申請を提案します。庄司は三上を連れて役所の窓口へ行き、申請の手続きを取らせました。しぶる窓口に庄司が交渉しますが、そこで腹を立てた三上は役所でばったりと倒れ、病院に運び込まれました。その日は病院で検査を受けたあと、入院します。

高血圧で心筋梗塞の持病を持つ三上は、女医に安静にしろと助言されました。薬も処方されます。

出所してすぐ入院した三上の病室に、津乃田が顔を出しました。テレビ局の者だと名乗ると、母親探しをしてくれると思った三上は破顔します。半信半疑で取材依頼を打診すると、三上は喜んで受けました。母親探しもよろしく頼むと付け加えます。

津乃田は早速、三上の密着取材を開始しました。身分帳で読んだ三上の過去を確認すると、三上は過去の武勇伝を津乃田に聞かせ、19歳の時に組長のボディガードをして切られた刀傷を見せます。

退院した三上はその後、自分が暮らすアパートへ行きました。下町の古い2階建ての集合住宅の、上階角部屋部分です。身元引受人・庄司の妻・敦子に頼んでミシンを譲り受けた三上は、剣道の防具を作る仕事をしたいと得々と語りました。それを聞いた敦子と津乃田は小さな声で「そんな仕事、今どきある?」と会話しますが、三上のやる気を挫かないよう指摘はしません。

おんぼろアパートで三上の再出発の生活は始まります。

米を研いで炊飯器で炊いて自炊をし、近所のスーパーで買い物をします。洗濯物を丁寧に干して、ミシンでカーテンを作りました。アパートの前にゴミ出しをした際には、ゴミの分別方法も教わります。

三上は働く気満々ですが、女医からは安静にしろと言われました。治療方針に従いなさいと注意されます。やる気はあるのに体はついてこないので、三上はイライラしました。

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