映画:それから(1985年)

「それから(1985年)」のネタバレあらすじと結末

それから(1985年)の紹介:1985年公開の日本映画。明治後期の東京を舞台に、親友の妻への愛に悩む主人公の姿を描いた夏目漱石の同名小説を、森田芳光監督が映画化。明治後期の東京で、親友・平岡とその妻・三千代、三千代に思いを寄せた平岡の親友・代助。彼ら三人の関係を綴る。

あらすじ動画

それから(1985年)の主な出演者

長井代助(松田優作)、平岡三千代(藤谷美和子)、平岡常次郎(小林薫)、長井得(笠智衆)、長井誠吾(中村嘉葎雄)、長井梅子(草笛光子)、菅沼(風間杜夫)、長井縫(森尾由美)、佐川の令嬢(美保純)、佐川(加藤和夫)、寺尾(イッセー尾形)、小染(川上麻衣子)、門野(羽賀健二)、長井家の老女中(一の宮あつ子)、常次郎の女(泉じゅん)、髪結いの女(小林トシ江)、招待客たち(小林勝彦、佐原健二、水島弘、高野真二)、書生(伊藤洋三郎)、蕎麦屋の落語家(佐藤恒治)

それから(1985年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①代助は好きな女性・三千代を平岡という友人に譲り、身を引いた。四年後、平岡は銀行を辞めて帰郷、三千代は身体を壊し不幸せそうである。 ②三千代の幸福を願い身を引いたはずの代助だったが、平岡が大事にしていないので三千代を奪う決意を。しかし実家から絶縁され代助の未来もおぼつかない。

【起】- それから(1985年)のあらすじ1

それから(1985年)のシーン1 三十歳の男性・長井代助は、インテリではあるものの仕事をするでもない高等遊民でした。
立派な一軒家に住んでいる代助は、若い書生の門野と暮らし、身の回りの世話を門野にさせています。

代助の実家は、金持ちでした。代助には年齢の離れた兄・誠吾がおり、誠吾が家業を切り盛りしています。
実家が金持ちのため、代助は三十歳近くになって働かずとも、実家の資金援助で生活ができていました。
代助自身も、働かないことに罪悪感を持っておらず、悠々自適で暮らしています。

ある日。
代助のところへ、昔からの同窓生・平岡常次郎が訪ねてきます。

…平岡は代助と同じ東京帝国大学を出ましたが、大学卒業後は銀行へ就職をし、転勤のため東京から離れていました。
同じく大学の同窓生・菅沼というのがいましたが、菅沼は大学時代、母親が罹患したはやり病・チフスにかかり、亡くなってしまいます。
菅沼には妹・三千代がいました。代助も平岡も、菅沼経由で三千代とは知り合っていました。

代助は三千代に惹かれており、また三千代も代助に思いを寄せていたものの、代助は平岡が銀行へ就職するのをみて二人のあいだを取り持ちます。
平岡と三千代は結婚して、平岡は三千代を連れて新天地へ行きました。その先で子どもも生まれます。
しかし…平岡と三千代の子どもは、産まれてすぐに亡くなってしまいました。
しかも三千代も体調を崩し、寝付いてしまいます…。

平岡が訪ねてくる前には、代助に手紙が届いていました。(オープニングが、平岡が差出人の封書)
平岡は就職した銀行を辞めて、このたび東京へ戻ってきています。
ところが引っ越し代もないのです。

平岡は代助のところへ来ると、その説明をしました。いわく、銀行の部下が使い込みをし、平岡がその尻拭いをしたこと、支店長に累が及ぶのを避けて、平岡が肩代わりをしたということです。

【承】- それから(1985年)のあらすじ2

それから(1985年)のシーン2 代助へ説明した平岡は、代助の兄の会社に就職をあっせんしてくれと言いました。代助は引き受けます。

兄の誠吾に会った代助は、平岡の就職斡旋を依頼しました。
ところが誠吾は、「(平岡の身の上は自分で)どうにかなるものだ」と言います。
そういわれると、そうかもしれません。


代助は別の日、平岡と妻・三千代が泊まっている宿まで会いに行きます。
しかし平岡は代助を、すぐに外へ連れ出しました。
外で呑みながら、兄との話のことを平岡に伝えます。

また別の日。白百合を持った三千代が、代助の家まで訪ねてきました。
三千代は明日が引っ越しの日だと告げると、代助に金を工面してくれないかと言います。
部下の尻拭いのために平岡がこしらえた、借金の補填かと代助は聞きますが、三千代はそれとは別だと答えました。

三千代の身体の具合を聞いた代助は、三千代が心臓を悪くしていると知ります。
完全によくなるというたぐいのものではなく、また薬代もさほどかからないらしいのですが、三千代に思いを寄せている代助としては、悲しい話でした。

代助が三千代を平岡に託したのは、就職先を見つけていない自分が身を引いたつもりだったのです。
銀行に就職が決まった平岡に譲ることで、三千代の将来の幸福、安定を願ったはずでした。
ところが平岡は会社を辞めてしまい、借金まで作り、しかも自力でなんとかしようとする気力もありません。
あてが外れ、代助は歯がゆく思います。


平岡と三千代は引っ越しを済ませ、一軒家で住み始めました。

代助は父親から、縁談を勧められます。
実はもう何度も縁談は来ていたのですが、代助はいつも縁談相手に因縁をつけ、断っていました。
誠吾の妻である嫂(あによめ)・梅子はそれを指摘し、いい人がいるのならば教えろと言います。

【転】- それから(1985年)のあらすじ3

それから(1985年)のシーン3 代助はこの嫂に好感を持っており、気安く話せる相手ではありますが、それでも三千代のことは話せません。
梅子には縫(ぬい)という娘がいます。
縫はヴァイオリンが趣味で、「よくってよ、知らないわ」という口癖を持つ子でした。
おしゃまで、代助にいつも、結婚はしないのか、嫁はもらわないのかと質問します。


父親に会った代助は、独立するための金が欲しいのならば、佐川の娘と結婚しろと言われます。
佐川という家には、代助の父は恩義があるらしく、そこの娘との縁談が決まれば顔が立つのです。
しかし代助はしぶりました。


代助に金を借りた平岡は、礼を言ってこいと三千代に言います。
三千代がまた白百合を抱えて、代助のところへやってきました。
のどがかわいた三千代は、すずらんの水盆の水を飲みます。

金を借りたまま三千代はさらに、代助に金の無心をします。
好きな女性がつらそうな顔をして、恥と感じながら金を借りにくるのをみて、代助もたまらない思いをします。
代助は嫂の梅子に頼み、金を借りました。
その代わり、梅子や誠吾の顔を立てるために、代助は佐川の娘と顔合わせをします。


平岡が芸者遊びばかりして、自宅へ帰ってきていないことを代助は知りました。
平岡が妻に金を都合させ、自分は遊んでばかりなのだと知り、代助は憤ります。

三千代は金を用立てるために、真珠の指輪を質に入れていました。
この指輪は、平岡と三千代が結婚するときに、お祝いとして代助が買い与えたものです。
それを知った代助は、金を三千代に渡します。
三千代はもう金を受け取れないと言いますが、「指輪は受け取って、これは受け取らないということがあるか」という代助の言い分を退けられず、金を受け取りました。

【結】- それから(1985年)のあらすじ4

それから(1985年)のシーン2 平岡が新聞社の経済部に就職が決まります。
同じ頃、代助は父と共に、佐川の娘と見合いをしました。
しかし結婚する気のない代助はそっけなく、料理についても「西洋料理の味がします」と言います。
佐川の娘も代助を好ましく思っておらず、「本当に」と代助のことばに言い添えました。


平岡が生活態度を改めず、妻の三千代を大事にしないのを見た代助は、一度はあきらめた三千代を、自分のものにしたいと考えます。
嫂の梅子に「好きな人があるんです」と打ち明けた代助は、三千代のところへいきました。
三千代に改めて、告白をします。

「ぼくの存在にはあなたが必要だ。どうしても必要だ」と言った代助は、四年前に打ち明けるべきだったと言いました。
三千代は「残酷な」と言い、自分が代助をあきらめて、むしろ復讐のために、平岡のところへ嫁いだことを示唆します。
しかし三千代も今回は、自分の気持ちに正直になると決めました。
「死ぬつもりで覚悟を決めています」と、三千代は代助と一緒に生きていく決意をしたと明かします。


代助も同様でした。
覚悟を決めた代助は、三千代と一緒になるつもりです。

しかしそれは、実家の援助をあてにしないことを意味しました。
父の勧める縁談相手・佐川の娘をもらわないということは、父の言いつけにそむくことになります。
さらに兄や嫂を裏切ることにもなります。
代助は、父や兄・誠吾から絶交を言い渡されました。

好きな女性・三千代を手に入れることはできますが、代助の職は決まっていません。
またいままでの優雅な暮らしも、父たちから絶縁されたことで、なくなります。
この先どうなるか分からない不安を抱えながら、代助は夏の日差しのなか、歩いていくしかありませんでした。

みんなの感想

ライターの感想

夏目漱石、前期三部作の二作目『それから』。ちなみに『三四郎』『それから』『門』の順番。
『三四郎』…三四郎が失恋する話。『それから』…代助が人妻を奪う話。『門』…友人・安井の妻・御米と結婚した宗助が、罪の意識にさいなまれる。
『門』で人妻と一緒になっているので、代助はひとまず、三千代とハッピーエンドのようである。
「覚悟を決める」と言う三千代のことばが決然と響くのだが、代助も覚悟を決めている。
当時はいま以上に不倫の罪が厳しかったことを考えると、先行きが厳しそうなこのラストは当然のものか。

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