映画:たまの映画

「たまの映画」のネタバレあらすじと結末

たまの映画の紹介:2010年公開。1986年に結成され、テレビ番組「三宅裕司のイカすバンド天国」で一躍時の人となり、紅白歌合戦にも出場して2003年に解散した伝説のバンド「たま」。たま解散時のメンバーだった知久寿焼、石川浩司、滝本晃司の現在を追いつつ、当時の状況や心境、そしてメンバーの脱退の3人の想い。「たまの欠片」たちを追ったドキュメンタリー映画。監督は今作が長編映画デビュー作となる今泉力哉。

あらすじ動画

たまの映画の主な出演者

知久寿焼、石川浩司、滝本晃司、ライオンメリー、ワタナベイビー、斉藤哲也

たまの映画のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- たまの映画のあらすじ1

たまの映画のシーン1  渋谷を歩く若者。短いスカートの女子高生やピアスを開けた大学生。彼らに同じ質問をしてみます。「『たま』っていうバンドを知っていますか?」そうすると彼らは決まってこう答えます。「いや、知りません」小学生に訊いてみても、答えは同じです。
 しかし、質問をする対象を30代以上にして同じ質問をしてみます。「『たま』っていうバンドを知っていますか?」すると答えは一転、「ああ、知ってますよ」「ランニングシャツの人ですよね」「『着いたー!』て言う人ですよね」一定の年齢層の人に訊くと、全員が知っているのです。
 平成が始まった頃。一組のバンドが社会現象とも言えるような一大ブームを起こしていました。「たま」。傘が開いたようなおかっぱ頭でギターを弾き、高い特徴的な声で歌う者。ピアノを弾きながら伸びのある声で歌う者。落ち着いてベースを弾きながら甘い声で歌う者。そして、山下清を思わせるような白いランニングシャツを着て、太鼓や缶、桶を叩いて飛び跳ねるもの。ボーカルも固定されず、4人それぞれが曲を作り、作った者が歌を歌う。個性的すぎる4人で構成されたバンドでした。一度見たら忘れられないルックスに、これまた独創的な音楽性で、人々を虜にしていました。しかし、強烈な個性故、与えたインパクトは大きかったのですが、次第にメディアでその姿を見ることは少なくなっていきました。その中でも、着実にたまはファンを増やし、自分たちのペースで音楽活動を続けていっていました。メンバーの脱退などを経て、2003年に惜しまれつつも解散。その解散した時の3人のメンバーの現在。「『たま』の『いま』」は一体どうなっているのか。たまの欠片たちを追うことになりました。

【承】- たまの映画のあらすじ2

たまの映画のシーン2  東京・高円寺駅の入口で待っていた坊主頭の男。彼こそ、ランニングシャツ姿で缶や桶を叩き、「着いたー!」などと叫んでいた石川浩司です。「おはようございます」と笑顔で挨拶をする石川は、長袖のトレーナー姿で一人で待っていました。そして石川は続けて、もう一人の待ち合わせ人について話し始めます。「知久くんは、遅れてます。いつものことですよ」と笑います。おかっぱ頭でギターを弾き、独特の高い声で歌っていた知久寿焼もここへ来ることになっていました。
 待ち合わせ時間から送れること20分。帽子を被り下駄を履きひょこひょこと歩いてくる知久は、笑顔で「どうもすみません」と詫びます。この二人は現在、それぞれソロ活動をしながらも、10人以上で形成される大所帯版バンド「パスカルズ」で一緒に演奏しているとのことです。そしてこの街高円寺は、たま結成時まで石川が住んでいて、メジャーデビュー時に知久が住んでいた街です。二人は自分たちの思い出の場所を巡ることになりました。
 最初に向かったのは、上京してから石川が住んでいたアパート。狭い部屋でしたが、当時知り合いが常に何人も集まっているような部屋で、時には帰宅すると全く知らない人間が眠っていたこともあるといいます。現在ではアパートは撤去され、駐車場になっていました。知久も何度も訪れており、二人で懐かしみました。
 続いて向かったのは、知久がデビュー直前まで住んでいたアパート。1989年当時、アマチュアバンド界でも「知る人ぞ知る」存在であったたまの連絡先は、この知久のアパートになっていました。しかしマネージャーがメンバーに内緒で応募して出演することになった番組「三宅裕司のいかすバンド天国」で演奏を披露し、一夜にして有名人となったたま。知久の留守番電話には毎日100件以上のメッセージが録音されており、ほとんどはいたずら電話でしたが、中には音楽関係者からの真面目な連絡もあり全てを聞かざるを得なかったといいます。高円寺駅から女子高生に追いかけまわされ、撒くために他人のアパートに上がっていったこともあったと言います。イカ天に出演する数年前、3人で活動していたたまはベーシストを募集することになります。例によって知久のアパートの電話が応募窓口となっており、そこに応募してきたたった一人の男が、そのままベースとして加入することになるのでした。

【転】- たまの映画のあらすじ3

たまの映画のシーン3  平日の昼間の公園に現れた白髪の男。ハットを被って低めの声で話す彼は、たまのベーシストだった滝本晃司です。滝本はたまのベーシストに応募した時の心境を語り始めました。
 当時滝本は「Clowsed G Show」というバンドを組んでいました。しかし、なんと滝本以外のメンバーがバンド活動に嫌気がさしいなくなってしまいました。それでも決まっているライブには出演しなければなりません。仕方なく滝本は一人でClowsed G Showを名乗りライブに出演。そのライブで共演したバンドが「たま」だったのです。滝本はたまの音楽を気に入り、たまのライブに通い始め、メンバーとも交流するようになりました。そしてある時たまがベーシストを募集していることを知ります。当時滝本はなんとベースを弾いたことは無かったのですが、滝本は応募しました。その理由を訊ねると滝本は「たまはもう完成された凄いバンドだったから。そこに誰か知らない人が入ってバンドが変わるのなら、自分が入ろうと思ったんです」と静かに語りました。

 滝本は夜になると都内のスタジオへ向かいました。劇団から演劇の音楽の提供を依頼されていたのです。滝本と共にスタジオに入ったのはキーボーディストの斉藤哲也です。彼は、1996年以降にたまのサポートメンバーとして活動していました。斉藤は当時のことをこう振り返りました。「たまでキーボードを弾くと言うのはかなり刺激的な体験でしたね。3人はずっと一緒にやっていて独自の空気があるから。それを崩さないようにというのは常に意識していました」

 ある日、知久の自宅を訪れると、そこには亀や色々な虫、ツノゼミの標本など知久の趣味の物で埋め尽くされていました。「デビュー前からツノゼミを採るのはやっていました。確かに俺らは一時期有名になったけど、自分たちとしてもそれが長く続かないことはわかっていたし。また音楽に集中して、好きなことをやれるようになったのは良かった」と嬉しそうにビールを飲みながら語りました。

【結】- たまの映画のあらすじ4

たまの映画のシーン2  石川は居酒屋でもう一人のメンバーのことを語り始めました。柳原幼一朗。主に鍵盤楽器やギターを担当し、伸びやかな声が特徴の彼は、大ヒットした「さよなら人類」を歌っており、世間的にはボーカルとして認識されていた部分もあり、たまの中でもポップな楽曲を作成する担当のような存在でした。そんな彼は、メジャーデビュー後の1995年に「たまとは違う音楽をやりたくなった」とバンドを脱退。ソロ活動に専念しました。
 「柳ちゃんは本当に一つのことに集中したい人だから。俺ら3人はたまとソロを並行していたけど、柳ちゃんはどちらかに専念したくなったんだと思う。喧嘩だったら拗れた仲を戻すこともできるけど、本当に、純粋にやりたいことが変わったのなら仕方ないから。止めることはできなかったね」懐かしそうに振り返ります。

 「柳ちゃんはね。やりたいことが変わっちゃったから。キーボードは斉藤君とかに頼んでいたし。曲はみんな作るし、みんな歌うし。活動としてはあまり困らなかったね」と語る滝本。しかし、思い出したのか少し残念がるような表情に変わり「あぁ、でも声はね。良い声だったからね柳ちゃん。彼の歌というよりも、彼のコーラスを失ったのは残念だったなぁ」と振り返りました。

 知久は柳原の脱退の際に思うところがあった様子。「柳原さんが辞めたときは、『なんでだろう』とは思ったかなぁ。自分の声と柳原さんの声が重なるといい感じだって言うのは分かってたから。勿体ないなぁって」と言います。自分と柳原のハーモニーがバンドの肝となっていたことを理解しており、それを手放す柳原に対して疑問を抱いていた様子。それでも、「柳原さんが決めたことだから」と応援することにしたと言います。「ソロでもがんばれってギターをあげました。彼がたまで弾いていたギターは僕のでしたから。そのままあげました」とニコニコしながら語りました。

 今なお、再結成を求める声が多く上がるたま。しかし本人たちはいたってマイペース。「今でもソロで音楽はできているしね」と語る石川。知久も「今はソロで、一人で歌うのが楽しいね」と言います。滝本も「今でも十分充実してると思う」と語る一方で「まぁでも、またやりたくなったらやればいいしね」と語ります。伝説のバンド「たま」の「欠片たち」は、今日もどこかで歌っているのでしょう。

みんなの感想

ライターの感想

私はたまには興味はなかったのですが、今泉力哉監督の長編デビュー作ということで鑑賞しました。たま時代の演奏の映像などは流れず、3人のメンバーの今を追っている作品で、ファンの方は必見だと思います。知らない人も、これをきっかけにたまを知ることも良いと思います。

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