映画:ともしび(2017年)

「ともしび(2017年)」のネタバレあらすじと結末

ともしび(2017年)の紹介:フランス・イタリア・ベルギーの合作で、日本公開は2019年。主演のシャーロット・ランプリングが、葛藤と後悔に苛まれる主婦のアンナ役を演じ、第74回ヴェネチア国際映画祭で女優賞に輝いた。長年連れ添ってきた夫が、突然逮捕された。次第に生活の歯車が狂い出し、妻のアンナは心身ともに疲弊していく…。

あらすじ動画

ともしび(2017年)の主な出演者

アンナ(シャーロット・ランプリング)、アンナの夫(アンドレ・ウィルム)、エレーヌ(ステファニー・ヴァン・ヴィーヴ)、二コラ(シモン・ビショップ)、演技の先生(ファトゥ・トラオレ)

ともしび(2017年)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ともしび(2017年)のあらすじ1

ベルギーのとある都市。
老境に入った主婦のアンナは、夫とふたりで静かな暮らしを送っています。ふたりは長年連れ添ったのか、会話はほとんどありません。それでも電球が切れれば、何も言わずに夫が交換し、夕食は1つの煮込み料理のみを味わうというふたりのリズムが形づいています。就寝前にアンナは夫の背中をマッサージしてやり、ふたりの今日が終わりました。
ところが次の日。夫は飼い犬のフィンを恋しそうに撫でて家を出ると、アンナに付添われて警察に出頭しました。何らかの罪を犯した夫はそのまま収監されたのです。アンナはひとりで帰宅しました。静けさの広がる家では、上階の物音がいつもより大きく聞こえます。それでもアンナは冷静でいるために、これまでと同じ生活スタイルを守ることにしました。

アンナはいつものように仕事へ出掛けました。富豪の豪邸での家政婦の仕事です。アンナの夫が逮捕されたことなど、知る人は周囲にはおらず、彼女は今日も何事もなかったように業務をこなしました。仕事後は週に数回開催される演劇サークルに参加し、アンナは変わらぬ日常を保とうとします。腕を振るう必要もなくなった夕食だけは、簡素なものに変わりましたが…。
ひとりの食事を終えたアンナは時間を埋めるように、台詞の練習を始めました。すると玄関のドアをノックする音が響きます。「母親として話がしたい」との女性の声が聞こえてきますが、後ろめたさがあるのか、アンナは身を潜めて応答しようとしません。そんなアンナに腹を立てた女性は、次第に興奮しアンナを罵りました。どうやらアンナは、何か問題を抱えているようです。

【承】- ともしび(2017年)のあらすじ2

翌朝目覚めたアンナは、天井が雨漏りしていることに気が付きます。早速上階を訪ねてみると、保護者が不在なのか、体中に色を塗って遊んでいた幼い子供たちが、風呂でお湯を出しっ放しにしていました。
その日アンナは、夫の面会に出かけます。このところ笑うこともなかったアンナは、夫の顔を見ると思わず笑みが零れました。夫の体を案じるアンナ。夫は獄中での暮らしに疲れているうえに、「“やった”と思われている」とアンナに告げました。このままでは、家には戻れないだろうと言うのです。失望して帰宅したアンナは、まるで外との関わりを拒むように窓を閉め、光を遮りました。

平静を保とうとするアンナでしたが、些細なことが気になり始め、生活のペースが乱れていきます。飾っていた花はいつの間にか枯れていて、早朝から無言電話もありました。それでもアンナは普通の暮らしを送るために、フィンの体を洗ってやり、午後はサークル仲間を家に呼んで台詞の読み合いをしました。その最中、疲れ果てた夫から縋るような電話が来たので、「小包を送ったわ」と励ましてやります。知人を家に招いたとしても、アンナの夫が逮捕されたとは誰も理解していないのです。

アンナは仕事中に、雇い主のエレーヌが愛し合う声をドア越しに聞いてしまいます。その夜アンナはひとり、ベッドの上で腰を振り、キスをする素振りをし、セックスを想像してみましたが、やはり孤独という現実を実感するのでした。

【転】- ともしび(2017年)のあらすじ3

その後もアンナは、演劇サークルに通い、新しい花を買って、普段と変わらぬ生活に徹しようとします。孫の誕生日も近づいてきたため、長らく会っていない息子のミシェルに何度も留守電を残していますが、今日も返信はありませんでした。反応のない留守電にアンナは「あなたによく作ったケーキをパーティに持って行くわ。私は今でも母親だし、家族よ。」とメッセージを残しました。アンナとミシェルには、深い確執があるようです。アンナは淋しくなったのか、フィンに新しいドッグフードを与えようとします。しかしフィンはアンナの気持ちを逆撫でするように、まったく食べようとしません。アンナは虚しさでいっぱいになりました。

孫の誕生日当日。アンナはケーキを焼き、“おじいちゃんとおばあちゃん”の連名の手紙を添えました。アンナは大事にケーキを抱えて地下鉄に乗り、久々にミシェルの家を訪ねます。アンナの来訪に気付いた孫が喜んで外に出て来ましたが、彼女を毛嫌いしているミシェルには「誰も歓迎しない。そっとしておいてくれ」と言い放たれ、門前払いされました。アンナは帰り道の公衆トイレで、声を殺しながら泣きました。アンナは次第に冷静さを失っていきます。

それでも日々は続きます。仕事に行ったアンナは、この家の息子で盲目の二コラから、時々やっているように頭を掻きながら物語を聞かせるようにねだられます。エレーヌにあまりかまって貰えず、ひとりで過ごすことの多い二コラはアンナになついていました。他人に本性を見せることの無いアンナでしたが、二コラにだけは笑顔を見せ、実の孫のように接していました。
仕事を終えたアンナは会員制のプールで余暇を過ごし、いつもの暮らしを貫こうとします。しかし施設を出る際に、会員証がすでに無効だと冷たく告げられました。アンナは世間から突き放されたような虚しさに苛まれ、肩を落とします。

【結】- ともしび(2017年)のあらすじ4

天井の雨漏りのシミが取れなくなり、業者を呼んだアンナは、移動したタンスの裏に隠されていた封筒を発見します。中には夫の逮捕にかかわる写真が入ってあり、アンナは中身を確かめるとすぐに捨てました。そのあとアンナは夫の面会に行き、孫の誕生日パーティで穏やかな時間を過ごしたと偽ります。孫の話には目を細める夫でしたが、ミシェルの名前を出された途端に態度が豹変します。夫は「自分の父親をよくもこんな風に…。ミシェルのことは許さない」と断言し、強く恨んでいることが伺えました。面会時間はすぐに終了。次はいつ来るかと尋ねる夫に、「分からない」とアンナは答え、封筒を見つけたことも切り出します。夫は気まずそうな表情を浮かべると、何も言わずに面会室を後にしました。

次の日の仕事中。クジラの死骸が海に漂着しているという新聞記事を、エレーヌが二コラに読み聞かせていました。それを聞いたアンナは突如、体調が悪いと言って早引けさせてもらうことに。アンナはその足で孫の学校へ向かうと、彼が校庭で遊ぶ姿を目に焼き付けました。いつもとは違うバスに乗ったアンナは、クジラが打ちあげられた海岸へ出掛けます。アンナは切なそうな表情で巨大なクジラの死骸を眺めると、すぐにその場を立ち去りました。
その夜アンナは、フィンを人に譲ります。アンナは本当に、ひとりになりました。

また朝が来て、いつもより上品なワンピースに身を包んだアンナは、演劇サークルへ行きます。ところがメンバーの前で発表する場面で、うまく出来なかったアンナは取り乱しました。アンナは「外の空気を…」と言い残すと、突然教室を飛び出します。アンナは地下鉄の階段を足早に下り、電車に乗り込みます。がら空きの席に座ることもなく、背中を丸めて手すりに摑まるアンナを乗せた電車は、どこかに向かって行くのでした。

みんなの感想

ライターの感想

見えないもの、明かされないものが多くある分、アンナの感情が透けて見えてくるような気もしました。結局アンナの真相は全く分からないのに、アンナが見ている世界を自分も見ているような感覚にさせられる撮影方法によって、彼女がぐっと近づいたような気持になりました。
アンナが仕事場で見せる余所行きの笑顔と、夫に見せる微笑みが、まったく違って見えました。ほとんどを表情や仕草、そして背中で演じたシャーロット・ランプリングの演技が神がかっていました。

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