映画:アイスと雨音

「アイスと雨音」のネタバレあらすじと結末

アイスと雨音の紹介:オーディションで選ばれた少年少女たちが、舞台公演に向けて練習を重ねていた。ところが突如、公演中止が決定してしまう…。 2018年の公開作で、監督・脚本・編集は『私たちのハァハァ』『アズミ・ハルコは行方不明』の松居大悟。今作は74分をワンカットで撮影し、劇中の音楽はラップグループのMOROHAが生演奏する演出で、虚構と現実の間でもがく若者たちの姿を鮮烈に描き出した。

あらすじ動画

アイスと雨音の主な出演者

森田想(森田想)、田中怜子(田中怜子)、田中偉登(田中偉登)、青木柚(青木柚)、紅甘(紅甘)、戸塚丈太郎(戸塚丈太郎)、若杉実森(若杉実森)、門井一将(門井一将)、プロモーターの男(利重剛)、松居(松居大悟)、MOROHA (MOROHA)

アイスと雨音のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- アイスと雨音のあらすじ1

2017年2月。
小さな町で舞台が上映されることになり、オーディションで地元の少年少女たちが選ばれました。出演することになったのは、想(こころ)、怜子、偉登(たけと)、柚、紅甘(ぐあま)、丈太郎の6人です。演目は世界的に注目されているイギリスの劇作家サイモン・ステファンの戯曲『MORNING』。親友が町を出ていくことをきっかけに、思春期から抜け出していく少女の姿を綴った物語です。舞台監督の松居は、キャストの6人が舞台上で生きるということを描くために、それぞれ本人の名前のままで役を演じさせることにしました。

本番1ヵ月前。
出演者、スタッフ陣の顔合わせが稽古スタジオで開催されます。出会って間もない6人ですが、台本の読み合わせを懸命に行いました。

本番3週間前。
想と恋人役の偉登が登場するシーンの稽古が行われます。想は松居から「台詞に逆らって”生きる感じ”で」と演技指導されました。偉登が褒められるのに対し、「1人で芝居をしているのでつまらない」と想は松居にきつく叱られます。想は松居の言葉の意味を理解することが出来ず、控室でふてくされました。

【承】- アイスと雨音のあらすじ2

本番2週間前。
本番も近づいて来ました。一同は士気を上げるために、出演者・スタッフ共に、稽古後にスタジオで簡素なパーティをします。みんながワイワイとする中、想はその輪には入らずに、一歩引いた場所でみんなを見ていました。
みんなから離れて1人で控室に行った想は、そこにいた弟役の柚に「想さんはあまり人に相談しないですね」と話しかけらます。その言葉に想は思わず本音を吐露しました。「”生きる“とか抽象的に言われても、全然分からない。あんなに怒らなくてもいいのに」と愚痴をこぼした想に、柚も共感します。それでも演じることが嫌いになった訳ではありません。2人は控室の中でも、自然と稽古を始めるのでした。

その夜、丈太郎が終電を逃してしまいます。丈太郎に付き合うため、他の5人もスタジオに残ることに。丈太郎が持っていた1個のパンを6人で分け合い、他愛もない話をして盛り上がりました。6人はこの舞台へ懸ける熱い想いをダンスで表現して、踊り合います。
騒いだ6人の喉が渇いたので、ジャンケンで負けた想が飲み物を買いに行く係になります。彼女がスタジオの外へ出ると、すでに夜が明けていました。演劇が楽しくて仕方ないと実感していた想は、外に出ても1人で台詞の練習をしました。

【転】- アイスと雨音のあらすじ3

本番1週間前。
想がスタジオへ到着すると、現場には重苦しい空気が流れていました。公演のチケットの売り上げが悪く、上演は厳しいと興行者が説明していたのです。オーディションで選んだ出演者では、客を呼ぶのは無理だと興行者に言い切られ、公演は突如中止を言い渡されました。
出演者もスタッフも突然ぶつけられた現実に衝撃を受け、偉登は苛立って荷物を投げつけました。どうにかして上演したい想は、「別の方法は?…」と松居に訴えます。しかし憤りを抱えているのは製作陣も同じ。松居は想に「何が出来るの?出来てなかったじゃん」と吐き捨てるように言うと、スタジオを出て行ってしまいました。

途方に暮れながらも想は、スタジオに残っていた偉登と怜子に稽古を続けようと声を掛けます。演技を始めた怜子を見て、躊躇っていた偉登も参加しました。偉登と怜子のキスシーンになっても、偉登はキスをしようとしません。「本番じゃないし」と偉登は嘆き、稽古を投げ出し帰ろうとしました。頭に血が上った想は、偉登を力尽くで引き留めます。「何ビビってんの?」と想に罵られた偉登は、意地で稽古を続けることに。そして偉登を暴行するシーンも手抜きせずに演じた想は、「できた、できたよね」と自分に言い聞かせるのでした。

本番2日前。
諦めきれずにいた想はスタジオに出掛けると、若いスタッフの実森が片付けに来ていました。「私は手伝いだから何とも言えない」と言った実森でしたが、必死に裏方業に邁進していた痕跡がありました。実森はやり場のなさそうな想を慰めるように、残っていたアイス2本を渡しました。
想がスタジオの外に出ると、雨の中で紅甘が傘を差してしゃがみ込んでいました。何処に行ったらよいか分からないからと、スタジオへ足を運んだのです。想はアイス1本を紅甘に分け、本来ならば今日リハーサルをする予定だった劇場へ2人で向かうことにしました。アイスを食べ、劇場を目指し歩きながら、2人は台詞を掛け合います。
劇場に着いた2人がホールの中に入ると、客席に柚がポツンと座っていました。想は躊躇わず柚に台詞を投げかけると、彼もまたそれに応えるのでした。

【結】- アイスと雨音のあらすじ4

本番当日。
丈太郎を除く5人は、舞台が中止になったのにも関わらず劇場へやって来ました。彼らの行動に「こんなことしたら、二度と舞台に立てなくなるぞ」と興行者が怒鳴り散らします。5人と同じ年代で演出助手を務めた一将も「僕達だって悔しいのに…」と、身勝手な5人に向かって声を荒らげました。現実から逃げるなと5人を窘める興行者に対し、想は「私たちは自意識を持った宇宙なんです」と、劇中の台詞を引用して反発しました。

劇場を追い出された5人は、通りにいた丈太郎と遭遇します。これでキャスト全員が揃いました。一同は劇場の裏口を強行突破します。気付いた劇場スタッフに追われると、5人は館内に走って逃げ込みました。
他のメンバーとはぐれ、想は丈太郎と2人になりました。つか劇団出身で演技経験者の丈太郎が、「そんなに熱くなってどうすんの」と小馬鹿にしてきたので、想は彼の頬をはたきました。そして想は丈太郎にも稽古を持ち掛けます。想が演じ始めた途端、丈太郎だって条件反射のように、特訓してきた台詞が出てきては止まりませんでした。

本番1時間前。
やがて合流した6人は、ロビーに多くの観客が駆けつけている(幻かもしれない)ことを知りました。興奮した6人は上演を決意します。誰1人として迷いはありません。

本番1分前。
衣装に着替え、メイクも済ませた6人は、ステージ裏で円陣を組みました。観客が1人もいないホールですが、彼らには客席から盛大な拍手が聞こえてきます。魂をこめて舞台に立つ6人は、たくましさと輝きを放っていました。

みんなの感想

ライターの感想

一発撮りとのことで、演者は非常に大変だっただろうと想像できますが、撮影スタッフや各裏方さんたちの技術がなければ、この作品は成り立たなかったのではないでしょうか。
はじめはどこまでが舞台稽古のシーンなのか分からず混乱しましたが、しっかりとそれを明示する仕掛けもあり、観ているこちらのも気持ちも段々と高揚していきました。若者たちの情熱、勢い、憤りが画面から溢れてくるようで、上映時間の倍以上の作品を見た感覚になりました。
人生はうまくいかないことの方が多いけど、大人が理不尽に少年少女の希望を奪ってはいけないですね。若いって、パワフルでいいなぁ、しみじみ。

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