「アメリカンスナイパー」のネタバレあらすじと結末の感想

アメリカン・スナイパーの紹介:2014年制作のアメリカ映画。アメリカ軍史上最強の狙撃手と言われた故クリス・カイルの自伝を、ブラッドリー・クーパーを主演に迎えてクリント・イーストウッド監督が映画化。2015年2月21日、日本公開。

予告動画

アメリカンスナイパーの主な出演者

クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)、タヤ・カイル(シエナ・ミラー)、コルトン・カイル(マックス・チャールズ)、マーク・リー(ルーク・グライムス)、ゴート=ウィンストン(カイル・ガルナー)、マーテンス(サム・ジェーガー)、ライアン・ジョブ〔ビグルス〕(ジェイク・マクドーマン)

アメリカンスナイパーのネタバレあらすじ

【起】- アメリカンスナイパーのあらすじ1

クリス・カイルはアメリカ、テキサス州オデッサで生まれました。両親と弟・ジェフの4人家族です。
クリス・カイルは、幼少の頃から父に狩猟を教わりました。シカを仕留めたクリスは、ライフルを下に置くなと注意された後、父に「一流のハンターになれる」と褒められます。
父はクリスと幼い弟・ジェフに、世の中の人間には3種類あると教えました。
1つめは、世の中に悪など存在しないと思う連中で、実際に悪が訪れた時には己の身を守れない人…「羊」です。
2つめは、弱者を暴力で餌食にする捕食者…「狼」です。
3つめは、群れを守るため、圧倒的な力を駆使する者、狼と戦う類まれな者…「牧羊犬」です。
父は「羊を育てる気はなく、狼だった場合には退治する」と言い、クリスは「牧羊犬」になろうと決意しました。
成長したクリスと弟・ジェフは、兄弟連れだって毎週末、ロデオ(荒馬乗り)をするのが楽しみでした。それが元で恋人・サラに浮気されたクリスは、サラと別れます。
1998年にタンザニアとケニアにあるアメリカ大使館連続爆破事件をテレビで見たクリスは、自分の国のために何かできないかと考えて、アメリカ海軍に入隊しました。弟・ジェフもです。
それまでカイルは牧場使用人として働いていました。30歳近くになっての入隊を、軍の上官は冗談めかして茶化します。
しかしクリスは優秀さを発揮し、アメリカ海軍の特殊部隊〝ネイビー・シールズ〟に所属しました。訓練はつらく、上官は厳しい言葉をかけます。
毎日、寒い中を泥の中でじっと座るだけの訓練や、水をかけられつつ腹筋を繰り返す訓練を受けました。
クリスは基礎訓練を終えた後、射撃訓練で優秀な成績をあげます。クリスを担当した教官は「狙いは小さく」と教えこみました。
ある時、この教官とクリスとで対立が生じます。遠方のものを狙う「スナイプ」の時、教官はスコープを覗く方に集中するため、もう片方の目は閉じておけと言います。
一方のクリスは、不測の事態に備えて、もう片方の目は開けておきたいと言いました。クリスは教官に刃向かったことで罰を言い渡されますが、遠方にいたヘビを仕留めたことで、クリスの主張は認められます。
2001年、射撃訓練をしていた頃、クリスはバーで出会った女性・タヤにひとめぼれをします。タヤは最初、クリスとのことは消極的でした。タヤの姉が〝ネイビー・シールズ〟の人と婚約していた過去があり、それを見てタヤはネイビー・シールズの男性だけは彼氏にしないと思っていたのです。

【承】- アメリカンスナイパーのあらすじ2

しかし次第にクリスのことを好もしく思うようになったタヤは結婚を決め、2002年にクリスとタヤは結婚しました。
結婚式当日、クリスは挙式の直後に派兵します。前年(2001年)に起きたアメリカ同時多発テロ事件(9.11事件)をきっかけに、イラク戦争が始まっていました。
【第1回派遣】
クリスは、砂埃と暑さに耐えながら、ビルの屋上でじっとスコープを覗いて監視していました。
不審な人物がいると、本部に無線連絡し、判断を仰ぎます。
部隊を見ながら電話をかける男がおり、本部に連絡します。「怪しい動きがあれば撃て」というのが本部の結論です。
200m先にいる女性と少年が、戦車を見て怪しい素振りを見せました。観察を続けたクリスは、女が子どもに対戦車手榴弾を渡すのを目撃します。
子どもを撃ちたくないクリスは、そのまま思い留まってくれと願いました。しかし子どもは戦車に向かおうとし、やむなくクリスは少年を撃ちます。
少年にかわって対戦車手榴弾を持った女性をも撃ったクリスは、戦車を守った功績を認められました。しかし「最初がこんな(いきなり女性や子どもを撃たねばならない)だとは」とクリスは洩らしました。
別の日には、暴走する車の運転手を撃ちます。その車は軍隊と離れた場所で爆発し、軍への被害は回避されました。
戦地で狙撃手として優秀な功績を挙げたクリスは、狙撃精度の高さで多くの仲間を救います。
第1回の派兵でクリスは8人の狙撃をおこないました。これは軍の中では抜群の成績です。ちなみに判断を誤って民間人を撃ってしまった場合には、軍の刑務所行きです。
イラクのNo.2とされるザルカウィという男が、その当時の軍の重要標的でした。ザルカウィは見つけ次第、殺すよう指示されます。
ザルカウィの右腕とされる〝虐殺者(ブッチャー)〟の情報を避難区域にいる一般人・長老(シャイフ)から得たクリスたちは、〝虐殺者〟の本名がアミール・ハラフ・ファヌスと知りました。大きな前進です。
長老は情報を流す代わりに10万ドル欲しいと言い、軍はその要求を呑みます。しかし長老の元へ向かう途中で運転手が撃たれ、長老の息子は連れ去られました。
少年は電動ドリルで殺され、長老も撃たれて死にます。
狙撃手は300mも先から狙って狙撃していました。噂ではオリンピックにも出場した経験もある、シリア出身のムスタファという狙撃手が、敵方にいました。
クリスは安全確保ができなかったことを悔しく思います…。

【転】- アメリカンスナイパーのあらすじ3

…アメリカに帰国したクリスは、身重のタヤと過ごしました。タヤは臨月で、お腹はぱんぱんに膨れています。
タヤの定期健診の帰り道、タヤが産気づきました。クリスは車で病院に引き返します。タヤは無事に男の子・コルトンを出産しました。
クリスは弟・ジェフと再会し、ジェフたち一般の海軍の中でクリスは評判になっていると聞かされます。ジェフは兄・クリスのことを誇りに思うと告げ、戦場に疲れたジェフは故郷に戻ると言いました。
【第2回派遣】
クリスはイラクで〝最重要指名手配人〟となっていました。クリスのタトゥーが印刷されたチラシが配られ、懸賞金は18万ドルとなっています。
前回の活躍で、クリスは兵曹長に昇進していました。
〝虐殺者〟の情報も仕入れ、民間人の家で潜伏したクリスたちですが、その家の主人の素振りをクリスは怪しみます。
クリスは主人の肘に、ずっと伏せているためにスナイパーができるタコのようなものがあることに気づきました。トイレと偽って席を立ったクリスは、別室を捜索し、床下に大量の重火器を発見します。家の主人を逮捕しました。
〝虐殺者〟の潜伏場所まで到達したクリスたちでしたが、〝虐殺者〟は車に乗って逃走します…。
…帰国したクリスは、戦場の緊張感と、日常生活の凡庸さとの乖離に苦しんでいました。
だんだん精神的に追いつめられていくクリスを見たタヤは、退役軍人の会に入ってくれとクリスに頼みます。
しかしクリスはまだ未練がありました。自分のライバルにも当たる狙撃手・ムスタファとの決着がついていません。
その頃タヤは2人めの子どもを生みます。女の子です。「帰ってきても心はここにない」「シールズが憎い」「戦争でいつか心をむしばまれる」とタヤはクリスを心配しました。
【第3回派遣】
〝虐殺者〟の手下を追跡中、通りの屋上に人影を見つけたクリスは、その人物が電話するのを見ます。これがムスタファです。
クリスの同僚で、帰国したらプロポーズすると言っていた仲間・ビグルスが頭部を狙撃されました。クリスは衛生兵を呼び、ビグルスを下へ運びます。
ビグルスは1km先から狙撃されていました。幸いビグルスは命を取り留めますが、クリスたち仲間は復讐を誓います。
敵方のアジトの情報が入り、目当ての建物に行きますが、上方から狙撃されて仲間のマークが死にました…。
…マークの葬儀に参加したクリスはやるせなさを感じ、ビグルスを見舞ったクリスは復讐すると宣言します。
ビグルスは顔の半分を損傷しており、整形外科手術を受ける予定でした。
妻・タヤは「もう十分戦った」と言い、戦場行きを反対します。しかしクリスは「あと1回だけ」と約束し、戦場へ赴きました。

【結】- アメリカンスナイパーのあらすじ4

【第4回派遣】
同僚の仲間はどんどん脱落しています。リスは除隊し、ドーバーは妻の妊娠を機に引退して故郷に戻っていました。
さらに、ビグルスが整形手術の最中に、容態が急変して死んだことを聞かされます。
クリスの精神も限界に近付いていました。怪しい男性を撃ったクリスは、傍にいた少年が武器に近づくのを見て「持つな、持つな」と念仏のように繰り返します。撃ちたくないからです。
少年は拾って一瞬武器をかまえましたが、結局放置して逃げました。撃たずに済んだクリスは、ほっとします。
車で移動するクリスたちを、遠方から狙う相手がいました。ムスタファがクリスの車の作業員を狙撃します。
クリスは着弾の音から位置を割り出しました。東側の1920m先です。
すぐにQRF(即応部隊、応援部隊)の要請をしたクリスですが、到着まで20分かかると言われました。
ムスフタファの場所は確認しましたが、撃つと発砲音でこちらの位置もばれるので、迂闊に狙撃はできません。
しかしこれを置いてもう機会がないと判断したクリスは、1920m先にいるムスタファを「狙いは小さく」と呟きながら狙撃しました。クリスは仕留め、ムスタファは銃弾に倒れます。
しかし案の定、音でばれ、四方を敵に囲まれました。クリスは自分たちのいる建物をあえて「爆撃しろ」と言います。
爆撃によって生じた砂埃に乗じて逃げたクリスたちは、QRF(応援部隊)の車両に乗って脱出しました…。
…悲願を果たしたクリスは、イラク戦線から戻ってきた後、2009年に退役します。
しかしその後も戦場での経験はクリスを苛みました。1000日の戦場滞在で160人以上を射殺したクリスには、カウンセリングが必要でした。
カウンセリングを受けたクリスは、傷痍軍人との交流会を勧められ、参加します。これにより、少しずつクリスは元の落ち着きを取り戻しました。
クリスに再び平和な日常が戻ります。息子と狩りに行くクリスは、もう「ふつうのお父さん」になっていました。
退役後のクリスは、教官として後輩を指導します。
…2013年2月2日。
元海兵隊員を連れて射撃場へ行く、と出かけたクリスは、その若者に殺されます。38歳でした。
〝クリス・カイルはその日、力になろうとした元兵士に殺された〟
(エンドロール)大々的なクリスの葬儀が営まれる。沿道には国旗を掲げて見送る人たち。
後日〝クリス・カイル追悼式〟がカウボーイズ・スタジアムで催され、多くの人が参加。
(エンド途中)棺に敬礼する兵士たち

みんなの感想

ライターの感想

戦争映画(反戦映画)として、非常に完成度の高い作品。主人公・クリスの心情がよく理解できる。
のっけから、いきなり女性と子どもを撃たねばならない決断に迫られます。
個人的には撃ちたくない。しかし撃たねば味方に損害(犠牲)を与えてしまう。この苦渋の決断が上手に演出されている。
対比させるように、後半でも少年が武器を持とうか持つまいか逡巡するシーンがあります。
その少年はおじけづいて最終的には武器を持たずに去りますが、このときにクリスが「撃たなくてすんでよかった」と安堵し、肩を落とすシーンはリアリティがあります。
戦場に行くたびに徐々に精神がすりきれていく過程も、綿密に描かれています。
実話なので仕方がないのですが、ラストでクリスが殺されてしまうのはつらいです。
戦場のシーンもリアリティがありました。見終わった後、やりきれなさが残りますが、ぜひ見てほしい傑作です。

ライターの感想

アメリカン・スナイパーは名作映画として知られていますが、実在する人物を主人公にしているうえに、アメリカで反対の声が強かったイラク戦争を題材に描いているのでたびたび論争を起こす作品としても知られています。
この映画のメインテーマは普通の軍人が度重なる派兵によって疲弊し、だんだんおかしくなっていくところを描いた映画なのですが、主人公が英雄的に書かれすぎている、実際の主人公はもっと危険な奴だと批判され、その批判的特集記事が新聞紙上で取り上げられたこともありました。
また民主党や共和党の有力政治家、あるいはハリウッドの著名人などがその政治思想に絡めてこの作品を肯定的、否定的に評価している(監督がそれを意図して作ったかどうかはともかくとして)政治的な映画作品でもあります。

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