映画:イキガミ

「イキガミ」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

イキガミの紹介:間瀬元朗の同名漫画を映画化した作品で、瀧本智行監督によって2008年に公開された映画です。国の法律によって死亡を予告されてしまった若者の最後の24時間を描いた作品となっており、作品内では複数の若者に死亡が予告されるオムニバス的な構成になっています。主題歌であるPhilHarmoUniQueが歌う「みちしるべ」は、劇中でも死を宣告されたミュージシャンが歌う曲として用いられ、物語を象徴する楽曲となっています。

あらすじ動画

イキガミの主な出演者

藤本賢吾(松田翔太)、石井課長(笹野高史)、田辺翼(金井勇太)、森尾秀和(塚本高史)、田辺美奈子(りりィ)、達彦(山崎裕太)、滝沢直樹(佐野和真)、滝沢和子(風吹ジュン)、滝沢信利(塩見三省)、飯塚さとし(山田孝之)、飯塚さくら(成海璃子)、近藤医師(井川遥)、島田(劇団ひとり)

イキガミのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- イキガミのあらすじ1

イキガミのシーン1 藤本賢吾は新しく公務員となり、国家繁栄維持法についての説明を受けていました。
国家繁栄維持法とは、子どもの頃に受ける注射によって18歳から24歳までの若者のうち一定の割合で死を強制することで国民に生きることの意味を認識させるという法律で、死ぬことが決まった人にはその24時間前に告知され、藤本は亡くなる本人に「イキガミ」と呼ばれる死亡予告証を配達する役目を担うことになるのでした。
藤本は石井課長から書類を手渡され、そこに記載された住所にイキガミを届けにいきます。
向かった先はごく普通のアパートで、そこで暮らしているはずの田辺翼に会うはずでしたが、出てきたのは翼の母親で、イキガミを見た母親は全てを悟りショックを隠し切れない様子でした。
あくまで事務的にイキガミに選ばれた人への特典や注意事項などを説明する藤本でしたが、母親は取り乱した様子で息子を殺さないでくれと懇願します。
そんな母親に藤本は、「息子さんの死は国の繁栄のためです」と説明するのでした。
翼はミュージシャンを目指してデビューを控えていましたが、実際には派手なボーカリストのサポート役として傍らでギターを弾いていました。
覇気のない翼はボーカルの達彦にどやされ、自分の歌いたい音楽など到底させてもらえない環境に置かれていたのでした。
家に帰ると翼は様子のおかしい母親を見て異変に気がつき、イキガミの存在を確認します。
明日には自分が死んでしまうということを知り、翼は愕然とした思いで涙を流すのでした。
翼はもともとストリートミュージシャンとして、森尾秀和という相方と一緒に歌をうたっていました。
彼らの歌は巷で評判となり、レコード会社の人間に声を掛けられますが、必要とされたのは翼だけで、2人での楽曲に興味はない様子でした。
それでもデビューができるという話しに翼は会社と契約し、達彦とユニットを組み引き立て役のような役回りをやらされていたのでした。

【承】- イキガミのあらすじ2

イキガミのシーン2 次の日、翼は音楽番組の生放送に出演する予定でしたが、失意の翼は予定を飛ばして街をさまよい、ホテルのレストランで高級料理を食べます。
イキガミに選ばれた特典として料金を支払わずに好きなだけ高い料理を注文する翼でしたが、どんな料理も味気なく感じてしまうのでした。
翼は秀和がバイトをしている産業廃棄物の工事現場を訪れ、かつての相方と再会します。
翼が達彦と歌番組出演が決まった際に、翼は秀和に報告していましたが、仲違いを起こしケンカ別れのようになっていたのでした。
翼はそのときのことを秀和に謝り、昔のように一緒に歌いたくなったと秀和に話します。
秀和は今夜の歌番組に翼が出演することを知っており、翼は秀和に今夜の放送を見てくれと頼み、その場をあとにします。
生放送の直前にスタジオに現れた翼にマネージャーは激怒していましたが、すぐに準備して放送が始まりました。
放送中に司会者と達彦がトークをしている間も翼の手は震え、緊張している様子でした。
バイトが終わり家に帰ってきた秀和は翼の母からの連絡を受け、翼にイキガミが来たことを知ります。
いよいよ翼たちが曲を演奏するときがおとずれ、司会者が曲紹介をしますが、翼の演奏から始まるはずの曲はなかなか始まりません。
秀和はテレビの前で見守る中、演奏された曲はかつて翼と秀和が路上で歌っていたときの曲でした。
達彦やスタジオが騒然とする中、サブにいたプロデューサーは翼が魂を込めて歌う姿に放送を続行することを指示します。
「生きるとはなんなんだろうか」と熱唱する翼に母親は涙を流し、秀和はテレビの中の翼とともにギターを鳴らして歌うのでした。
翼が歌い終わると時刻は午後8時をまわり、その場で倒れ込んだまま、翼は帰らぬ人となるのでした。
そして外にあるテレビでたまたまその番組を見ていた藤本も、涙を流しているのでした。

【転】- イキガミのあらすじ3

イキガミのシーン3 藤本は雨の日、新たな国繁死として選ばれた滝沢直樹のもとへ、イキガミを届けに行っていました。
インターホンを押しても誰も出ず、ふと家の窓を見た藤本は家の一室で自殺を図ろうとしている直樹を発見します。
石井課長から国繁死の対象者へ干渉することを止められていた藤本ですが、構わず家の中へ入った藤本は直樹の自殺を止め、イキガミを届けるのでした。
直樹は引きこもり生活をしており、自殺を止めてイキガミを届けに来た藤本を笑います。
そこに国会議員である母親・和子が入ってきて、国繁死の対象に選ばれたことを嘆きながら直樹を抱きしめますが、和子はすぐさま直樹を次の選挙戦に利用しようと考えるのでした。
選挙のことしか頭にない和子に直樹は激昂します。
直樹は幼い頃から親のプレッシャーの中で育ち、自分を認めてもらえないことで引きこもりになっていったのでした。
石井課長はそんな和子もかつては国繁死に反対する考えを持ち、逮捕されていた過去を藤本に語るのでした。
直樹の父親であり和子の議員秘書をつとめる信利は、直樹と話そうと試みますが、直樹は部屋を抜け出し警官を襲うと拳銃を奪って逃走するのでした。
すぐに警察による捜査が始まりますが、選挙を前にした時期ということもあり信利は和子や世間には伝えないようにと警察に頼みます。
和子は屋外の広場で大勢の観衆を前に演説をしており、集まった人々に自分の息子が国繁死として選ばれたことを伝え、国のために命をささげる息子をたたえ、多くの支持を集めるのでした。
そんな広場には直樹の姿がありました。
直樹が来てくれたことを喜び、観衆に紹介する和子でしたが、直樹は舞台の上で語る母に向かって拳銃を向けて発砲すると、和子の後ろにあった看板が崩れ落ちるのでした。
その様子を見て広場はパニック状態となり、悲鳴が飛び交う中で直樹は子どもの鳴き声を聞きます。
そちらを向くと、人混みの中ではぐれた幼い子どもが母親に抱きかかえられながら逃げていく様子が見えました。
それを見た直樹は自分が子ども頃に、和子が国家繁栄維持法のための注射を受けさせまいと必死になって戦っていた記憶がよみがえります。
母親に向かって引き金を引くことができなかった直樹は、張り込んでいた警察官に撃たれて死んでしまうのでした。

【結】- イキガミのあらすじ4

イキガミのシーン2 藤本が3人目にイキガミを届けに行った相手は飯塚さとしという男でした。
彼は幼いころに両親を事故で亡くし、生き残ったのは自分と妹のさくらの2人だけでした。
飯塚は振り込め詐欺グループの一員としてお金を稼いでいることをさくらに隠しながら、事故によって盲目になってしまったさくらを支えていたのでした。
飯塚はさくらと一緒に桜の並木道を歩きながら、桜の花の美しさについて話して聞かせます。
養護施設で暮らしている妹を引き取り2人で暮らそうと考えていた矢先に、飯塚はイキガミの不在票が入っているのを発見し、自らの運命を悟ります。
しかし同時に自分の角膜をさくらに移植することで、さくらの視力が回復するのではと考え、自分が亡くなるという事実を伏せたまま、さくらに自分の角膜を移植しようと考えるのでした。
そんなとき、病院に不在票で連絡を受けた藤本がやって来てしまいます。
藤本がイキガミのことを伝えると、その話しをさくらが聞いており、飯塚が亡くなってしまうことを知ったさくらは自暴自棄になりかけるのでした。
飯塚は国繁死の対象者であることが手違いであることをさくらに話し、藤本も話を合わせますが、さくらは疑いを解こうとはせず、飯塚が亡くなる時間である翌日の午前10時になっても、飯塚が生きていれば手術を受けると言うのでした。
藤本の不用意な発言がきっかけで当初の計画が台無しになり激怒する飯塚に、藤本は謝罪します。
そして病院の職員や入院患者に協力をあおぎ、病院内の時計を1時間早めることを思いつくのでした。
藤本は入院患者への説明や呼びかけのための資料作りなど、飯塚とともに病院に残り徹夜で作業に追われます。
同室の入院患者の協力や売店の開店を早めてもらうなど、用心深いさくらのために方々手を尽くした結果、さくらは兄の言うことを信じて手術を受けることを決意するのでした。
最後までさくらを励まし、見送った飯塚にもカウントダウンが迫っていました。
ホッと肩の荷が下りた瞬間、飯塚はなぜ自分が死ななくてはならないのか、死にたくないと嘆きながら、この世を去っていくのでした。
病院の廊下ではそんな飯塚の様子を、涙をこらえながら見つめている藤本の姿がありました。
藤本はその後、国繁死の対象者に深く関わってしまったことで処分されますが、それでも国繁死のあり方に疑問を感じ石井課長に伝えます。
石井もまた胸の中では同じことを感じており、藤本の耳元で「時が来るまで胸に秘めておけ」と語るのでした。
その後、秀和は路上に立ち再びあの歌をうたい、滝沢夫妻は旦那である信利が立候補を決意していました。
そしてさくらは視力が回復し、新居で兄からのプレゼントを開けていました。
それは鏡が付いたケースで、箱の中には「さくら嘘じゃなかっただろ、お前は最高にかわいい」と書かれたメモが残されているのでした。
さくらはベランダから見える満開の桜の花を見て兄のことを想い、涙を流すのでした。

みんなの感想

ライターの感想

死亡予告証であるイキガミ配達人の藤本を軸に、それぞれの人生の最期のとき垣間見える構成となっており、見やすくかつしっかりとした作りになっています。
主題歌となる楽曲を劇中で印象的に使う部分や盲目の妹とのエピソードなど、個別の物語として見ると短いストーリーですが、しっかりとまとまっており、考えさせられる映画でした。

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