映画:オールザットジャズ

「オールザットジャズ」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

オール・ザット・ジャズの紹介:1979年製作のアメリカのミュージカルドラマ。監督を務めたボブ・フォッシーの半生を原案とした作品で、才能あふれるエンターテイナーの生と死を幻想的に描いていく。第33回カンヌ国際映画祭ではパルムドールに輝き、第52回アカデミー賞では美術商、編集賞、編曲・歌曲賞、衣装デザイン賞を獲得した。

あらすじ動画

オールザットジャズの主な出演者

ジョー・ギデオン(ロイ・シャイダー)、天使(ジェシカ・ラング)、ケイティー(アン・ラインキング)、オードリー(リーランド・パーマー)

オールザットジャズのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- オールザットジャズのあらすじ1

舞台はアメリカ、ニューヨーク。物語の主人公、ジョー・ギデオンはエンターテイメント界で大成功を収めた人物でした。舞台では振付師、演出家として、映画界では監督として人気を博していたギデオンでしたが、その身体はひどく衰弱が進んでいました。休みなしに働いていたうえに、酒にタバコ、ドラッグ、女遊びと、ギデオンは自らの健康を省みない荒れた生活を送っていたのです。

そんな彼には、毎朝の日課がありました。大音量でクラシック音楽をかけながら、目薬をさし、シャワーを浴び、興奮剤を飲む…そして、そのルーティンが終わると、彼は鏡に映る自分に「ショータイムだ」と陽気に話しかけるのでした。

ギデオンの夢の中には、美しい天使が現れることがありました。ギデオンはこの天使になんでも打ち明けました。仕事での苦労や幼い頃の恥ずかしい記憶、どうしようもない女癖の悪さなど、ギデオンがありのままに語ると、天使は優しく微笑むのでした。

このとき、ギデオンは二つの大仕事を抱えていました。一つは新作ブロードウエイミュージカルの製作で、もう一つはすでに撮影を終えた映画「ザ・スタンダップ」の編集作業でした。ギデオンはそのどちらもなかなかうまくいかず、ストレスをためていました。別れた妻との娘ミッシェルと遊ぶ時間すら持てず、ギデオンは父親の役目を果たせないことにも苛立ちを覚えていきました。

そんなある夜、オーディションに来ていた若い女性ダンサーのビクトリアがギデオンの家にやってきました。そのままビクトリアと一夜を過ごすギデオンでしたが、映画スターになりたいと夢を語るビクトリアに「ムリだ」と厳しい言葉をかけるのでした。

その後、ギデオンがビクトリアと寝ていると、ギデオンの今の恋人でダンサーのケイティーが突然やって来ました。ギデオンの浮気にショックを受け、すぐに家を出てしまうケイティー。ギデオンはケイティーを傷つけてしまったことに落ち込んでしまうのでした。

その翌日、ギデオンはケイティーと話し合う時間を持ちますが、ケイティーはギデオンへの仕返しとばかりに別の男性との浮気をほのめかしてきました。やがてケイティーは泣き出し、「もうアソコの言うなりにならないで」とギデオンの女好きを批判しました。しかし、それに対してギデオンは「うまいな、いつか使おう」と返答しました。恋人の悲しみまでも作品に利用しようとするギデオンに、ケイティーは呆れてしまうのでした。

その後、新作ミュージカルの稽古や映画の編集作業で相変わらず多忙を極めるギデオンでしたが、なんとか時間を作り、娘ミッシェルと家で過ごしました。ミッシェルはダンサーの元妻オードリーによく似てダンスが上手く、ギデオンは稽古をつけてあげました。そんな中、ミッシェルはギデオンに再婚しないのか尋ねてきました。ケイティーやビクトリアの名前を再婚相手にあげ、父を気遣ってくれるミッシェルに驚きながらも、ギデオンはもう誰も傷つけたくないと語り、再婚を否定するのでした。

【承】- オールザットジャズのあらすじ2

その後、ギデオンはミュージカルの稽古でビクトリアを厳しく指導し、ビクトリアを泣かせてしまうことがありました。そんなビクトリアに、ギデオンは才能のなさを指摘しつつも「やめずに続ければ必ずよくなる」と声をかけました。その後のビクトリアは見違える動きを見せました。ギデオンは「よくなった」とビクトリアの額にキスをすると、ビクトリアは喜びの涙を流すのでした。

その後、ギデオンはミュージカルの出資者たちの望みに応え、健康診断に臨みました。出資者たちは投資した金が無駄になることを恐れており、ギデオンの健康状態を心配していたのです。その一方で、出資者たちは多額の保険をかけてもいました。それは、指定した期日までにギデオンが死ねば、出資者たちに保険金が支払われるというものでした。そんな出資者たちにギデオンは「死までスケジュールか」と冗談を飛ばすのでした。

その後、ギデオンは稽古に戻りましたが、予想以上に振付がうまくいかず、稽古部屋を出ていってしまいました。ギデオンが向かったのは、別の稽古部屋でピアニストと二人でダンスの練習をする元妻オードリーの元でした。オードリーは今回のミュージカルで主役を演じることとなっており、単身で練習に励んでいました。ギデオンは稽古が不調なことをオードリーに打ち明けますが、オードリーから返ってくるのはギデオンの浮気した過去の話ばかり。オードリーの話にうんざりするギデオンでしたが、突然何か考えがひらめき部屋を出て行きました。オードリーはそんな元夫の行動を笑い、「おかしな人ね、私変になりそう」と頭を抱えるのでした。

それからすぐ、ギデオンは出資者たちやオードリーの前で、新たな振付のダンスを見せました。暗い部屋の中でスモークが焚かれる中、男女数十人のダンサーたちが静かに踊り始めました。やがてそのダンスは次第に官能的な動きへと変わり、ダンサーたちは半裸状態で互いに体を重ね合わせながら踊りました。数分に及ぶダンスが終わり、ギデオンは出資者たちに感想を求めました。出資者たちは刺激的すぎると難色を示しましたが、オードリーは涙を流し感動していました。「あなたの最高の作品よ、ひどい人ね」…オードリーはそう言って、部屋を出て行ってしまいました。

【転】- オールザットジャズのあらすじ3

その後、ギデオンは映画の編集作業に向かいましたが、いまだに納得のいく映画に仕上がりません。家に戻ったギデオンは、ケイティーと娘ミッシェルと時間を過ごしました。ギデオンが休んでいると、突然ケイティーとミッシェルが踊り始めました。自分のために陽気なダンスを踊る二人の姿を見て、ギデオンは微笑みを浮かべました。

その後、ミュージカル公演の準備は着々と進みましたが、ギデオンはひどい咳が続くようになり、ついに入院する事態になってしまいます。診断結果は狭心症、医師からは4ヶ月間の休養を命じられました。現場に戻ろうとするギデオンでしたが、オードリーとケイティーに制止され、素直に入院することを選びました。出資者たちはギデオンの入院を知り、血相を変えました。出資者たちはすぐに動き出し、代わりの脚本家を雇用、ギデオンが不在でも予定通り上演できるよう準備を進めました。

同じ頃、ギデオンは友人たちを病室に呼んで大騒ぎをしたり、タバコを相変わらず吸ったり、ケイティーとベッドでいちゃついたりと、病人とは思えない行動を繰り返していました。そんなある日、ギデオンはある幻を見ました。それは「スタンダップ」の主人公の中年男性の幻で、「あなたの心がはっきり見える。月並みになるのが怖いんだ」とギデオンに語りかけてきました。それに対して、ギデオンは「そうだ」と即答するのでした。

それから間もなく、「スタンダップ」が公開されましたが、ギデオンは病室で映画を酷評する番組を観てしまいます。5点満点中わずか0.5点しか評価がつけられなかったことにギデオンはショックを受け、体調を悪化させてしまいました。

その後、医師から処置を受けた後、ギデオンは見舞いに来ていたケイティーにある疑惑を追及しました。先日ケイティーに電話したときに電話に出なかったのは、男といたからだ、と疑うギデオンに、ケイティーは素直に浮気の事実を認めました。そんなケイティーにギデオンは二人の仲は終わりではないと微笑むのでした。

その後、再びギデオンの容体は悪化し、ただちに手術が行われることとなりました。手術室の入り口まで付き添ってくれたオードリーとケイティーに、ギデオンは「死んだら今までの事を謝る。助かったら謝っておく、これからの事を」と語りかけるのでした。

【結】- オールザットジャズのあらすじ4

一方、ギデオンの容体悪化を知った出資者たちは、弁護士を呼び今後について話し合いの場を持っていました。弁護士は保険契約について出資者たちに説明しました。サギデオンが2月以前に亡くなり、制作をやめた場合、出資者たちは損害を上回る保険金を受け取ることが可能となる…この弁護士の言葉に出資者たちは笑顔を見せました。損害を防ぐ方法が残されていることに安堵したのです。

手術が終わった後、ギデオンは不思議な夢を見ました。それは、ベッドで衰弱するギデオンが映画を撮影するもう一人の自分を目撃する、というものでした。もう一人のギデオンが撮影しているのは、歌って踊るオードリー、ケイティー、ミッシェルの姿でした。「あなたが逝ったら私は泣くわ」、「今すぐ生き方を変えなさい」、「気ままに生きた報いを今受ける」、「あなたが必要なのよ、ジョー」とギデオンに語り掛けるように歌うオードリーたち。しかし、ギデオンは夢の中でも衰弱しており、オードリーたちに返答することはできませんでした。

その後、ギデオンは病室に戻りましたが、心身ともに不安定な状態が続きました。あるとき、ギデオンは看護師の目を盗み、病室から脱走しました。病院の中を徘徊する中で、ギデオンの頭の中では「ザ・スタンダップ」の主人公が語る死についての哲学的なセリフが響いていました。死の恐怖に怯えながら、ギデオンは未完成の仕事が残っていることを気がかりに感じてもいました。その後、ギデオンは病室に戻され、手足をベッドに縛りつけられてしまいました。

ギデオンは再び夢を見ました。今度の夢の中ではギデオンは元気で、あの天使と見つめ合った後、有名な黒人司会者のエンターテイメントショーのステージに立ちました。ギデオンはスパンコールが輝く黒の衣装で「バイバイ 人生」と黒人司会者と歌い出しました。「バイバイ 人生 バイバイ 幸せ ハロー 寂しさ もうすぐ死ぬ」と陽気に歌い上げるギデオンの姿に、観客たちは拍手を送りました。ギデオンは客席にいるケイティー、オードリー、ミッシェルと熱い抱擁をし、「もうウソもつけない」と笑顔を見せました。

ステージが終わると、ギデオンはあの美しい天使の元へ向かいました。天使は微笑みながらギデオンを待っていました。ここでギデオンの夢は終わり、遺体収納袋に収められるギデオンの姿を映して映画は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

主人公の堕落した人生と卓越した芸術センスが交互に描かれており、主人公の人生の正負両面に驚かされました。さらに驚きなのは、これが監督自身の人生も反映していることで、ボブ・フォッシーという人間にも興味を抱かせる作品でした。それと同時に恐ろしさを感じたのは、ショーの裏側の駆け引きでした。主人公が死の間際にいる中、冷静に保険金の話し合いをする出資者たちの姿を見て、ショービジネスの怖い側面を見せられたような気がします。

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