「シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語」のネタバレあらすじと結末の感想

シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語の紹介:同級生に馴染めない少年が闘いに敗れた瀕死の犬を引き取り、己を重ねるように再生させていく姿を純粋ながら骨太に描いた作品。
監督はトルコの新鋭カアン・ミュジデジ。長編デビューとなった今作で、2014年のベネチア国際映画祭で審査員特別賞、主演のドアン・イズジが金のビサト賞を獲得するなど、世界各国で多数の賞に輝いた。

予告動画

シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語の主な出演者

アスラン(ドアン・イズジ)、ハサン(ハサン・オズデミル)、オスマン(フルカン・ウヤル)、アイシェ(エズジ・エルニ)、村長(ムッタリプ・ミュジデジ)

シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語のネタバレあらすじ

【起】- シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語のあらすじ1

トルコ東部のアナトリア地方。荒野が広がる村に住む11歳のアスランは、同級生よりも体がひとまわり小さいことで、クラスメートから仲間はずれにされていました。
子供の日に『白雪姫』を上演することになり、王子役に同じクラスの少年・オスマン、美少女・アイシェが白雪姫役だと、担任は誰の意見も聞かず当然の如く発表します。オスマンは村長の息子なのです。7人の小人役になったアスランに悔しさが満ち溢れました。何故なら彼は、姫役に選ばれたアイシェにひっそりと想いを寄せているのです。
放課後アスランは同級生・ハサンに愚痴り、アイシェにも王子役をやりたいと直接伝えますが、彼女には「“オスマンの役を?”」と言い切られてしまいます。アスランは年の離れた兄・シャヒンにも相談すると、力づくで奪えと乱暴な答えしか返って来ませんでした。諦められないアスランは担任の家まで行き直談判しますが、担任にも配役を変えることはできず、追い返されました。

家畜で生計を立てるアスランの家では、牛や鶏など多くの動物を飼っています。厳しい父は、年老いて役立たたずになった馬を野原に捨てて来いと息子に達に命じました。
アスランはシャヒンと共に家から離れた荒れ地に馬を連れて行き、シャヒンは馬を放る役を弟に預けました。しかし馬はアスランから離れずすり寄ってきます。困ったアスランが石を投げると頭に当たってしまい、馬が倒れます。アスランは慌てて遠くで待っていたシャヒンを呼び出し、二人で馬がいた場所に戻りますが、すでに馬の姿がありませんでした。

【承】- シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語のあらすじ2

帰り道で違法行為の闘犬が行われていました。村長の犬・ホゾに負けた隣村の犬・シーヴァスは全身に傷を負い、死んだものだと飼い主に見捨てられます。しかし微かに動くシーヴァスを見たアスランは、彼を飼おうと言ってその場を離れませんでした。自分の世話も出来ないのに犬の世話など無理だと呆れたシャヒンは、アスランを置いて帰ってしまいます。アスランは日が暮れてもシーヴァスの傍らで優しく話しかけ続けました。
電灯もない辺りは闇と化し、シャヒンがトラクターで迎えに来ます。再度アスランは〝スーパードッグ″を連れて帰ろうとねだると、生きていたシーヴァスを見たシャヒンもすごい犬を拾ったと褒め、トラクターに繋いで連れ帰りました。
血だらけのシーヴァスの近くにいたアスランは、生臭い匂いを放っていて、母に無理矢理お風呂に入れられます。しかしシーヴァスを手に入れたことで、一人前になったような気分のアスランは、母に体を見られることを激しく抵抗しました。

それからアスランは学校を無断で休み、シーヴァスを必死で介抱します。アスランは校舎の近くまで行き、アイシャやハサンにカンガール・ドッグ(犬種)を飼ったと自慢しますが、誰も相手にしませんでした。アスランは自分の体の大きさと変わらないシーヴァスの世話に明け暮れます。
アスランはアイシェにシーヴァスを見せ、彼女にオスマンと自分どちらが好きなのか尋ねてみます。アイシェは答えをはぐらかしたうえで、犬なのに何故闘わせないのかと聞いてきました。犬にも魂があるとアスランは答えて、そっと彼女の傍に寄ってみますが、避けられてしまいます。

【転】- シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語のあらすじ3

アイシェの言葉で発奮したアスランは、大人たちに内緒でホゾとシーヴァスを決闘させることにします。オスマンは余裕の構えでした。アイシェや同級生が見守るなか、リベンジに挑んだシーヴァスは、負傷しながらもホゾに勝利します。勝ち誇ったアスランは、一人タバコを吸いました。

次の日、鎖に繋がれたシーヴァスを見たアスランはひどく興奮し、シラを切るシャヒンに殴りかかって抵抗します。大人たちが村長と結託し、シーヴァスを売って金にしようとしていると見込んだアスランは、家の外で服を脱いで「俺の犬だ!」と大声を出し、シーヴァスを守るために暴れました。

数日後、アスランの欠席を担任から報告された父は、本人に理由を問いますが、アスランは父を無視して、シーヴァスの世話を続けました。次の日登校したアスランですが、劇の練習には参加しませんでした。

シーヴァスはトルコ一の強い犬を決める闘犬に出されることになります。村長や近所の大人たちと一緒に、真夜中に遠い町まで車を走らせました。
途中、犬を乗せた車は検問所で厳しい追及に遭います。村長は親戚に牧羊犬を届けに行くのだと嘘をつき、更に自分は村長だと豪語しますが、警備の厳しい中東では検問に身分など関係ありませんでした。どうにか通過したものの、村長は不平不満を零します。そして車が闘犬場に近づくにつれ、道は観客や参加者の列で大渋滞が起きていました。

【結】- シーヴァス 王子さまになりたかった少年と負け犬だった闘犬の物語のあらすじ4

夜が明けた会場では、立派な風格のシーヴァスを売って欲しいと声をかけてくる者が多くいました。売る気はないと拒むシャヒンですが、彼が自分の連絡先を教えている様子を見たアスランは、不安になります。シャヒンはシーヴァスの子供に高値を付けるための駆け引きだと言いました。大人たちは犬で金を設けようとしているのです。
決闘が始まり、アスランは声を張ってシーヴァスを応援しました。両犬とも激しく相手を噛みあい、闘いは白熱します。やがて相手の犬が悲鳴をあげました。シーヴァスはトルコ一の最強犬の称号を与えられ、チャンピオンベルトを獲得します。アスランは怪我を負った相手の犬を気に掛けますが、負けた犬には放っておけと大人たちが一蹴しました。

帰り道の休憩所で盛り上がる大人たちを余所に、アスランは遠くを見つめ物思いにふけながら、シーヴァスの頭を撫でました。車に戻った大人たちは検問を控え、体に消臭剤を振っています。
車中でずっと黙っていたアスランが「シーヴァスをもう闘わせない」と口を開きます。そんなアスランに村長は、闘うのが犬の仕事で〝犬は犬だ″と言い放ち、更にはアスランの考えが甘く、常識は覆せないのだと説き伏せようとしました。でもアスランは返事をしません。そして傷だらけになったシーヴァスは、静かに窓の外を見つめていました。

みんなの感想

ライターの感想

一切の説明を排除し、出来事だけが綴られている作品のため、観る側にかなりの想像力が必要とされます。中東の風俗や現状に詳しくないので、なおさら難解な作品に感じられました。
なかなか解せない点も多かったため、監督のインタビュー記事等を併せて鑑賞してみると、監督が故郷トルコの社会性へ問題提起している題材が浮き彫りになり、作品の深みをより強く感じることが出来ました。
犬の動きが自然すぎて撮影方法が謎なほどです。撮影技術が高い故に、闘犬シーンは残酷で心苦しいものがありました。

幼かったアスランがシーヴァスと過ごしたことで、精悍な顔立ちに変わっていく姿がとても印象的でした。主演のドアン君の素人とは思えない演技力に惹きつけられました。

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