映画:タンジェリン

「タンジェリン」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

タンジェリンの紹介:ショーン・ベイカー監督による、2015年のアメリカ映画。全編iPhone5sで撮影されたことで話題を集めた。夏のようなロサンゼルスのクリスマスイブを舞台に、トランスジェンダーの売春婦たちのハチャメチャな一日を描く。なお、主演の2人には、演技未経験のトランスジェンダーの女優が起用されている。日本公開は2017年。

あらすじ動画

タンジェリンの主な出演者

シンディ・レラ(キタナ・キキ・ロドリゲス)、アレクサンドラ(マイヤ・テイラー)、ラズミック(カレン・カラグリアン)、チェスター(ジェームズ・ランソン)、ダイナ(ミッキー・オヘイガン)、アシュケン(アラ・トゥマニアン)

タンジェリンのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- タンジェリンのあらすじ1

タンジェリンのシーン1 夏のようなロサンゼルスのクリスマスイブ。
トランスジェンダーの娼婦シンディ・レラ(以下「シンディ」と表記)は、ドラッグの不法所持で逮捕され、28日間の服役を終えて出所してきました。
彼女は親友のアレクサンドラと合流し、ドーナツショップで1個のドーナッツを分け合います。
シンディが彼氏のチェスターの名前を出すと、アレクサンドラは「浮気されたから別れるのね」と言いました。
何も知らないシンディは、アレクサンドラを問い詰めます。すると、自分の留守中にチェスターが金髪女(彼女らの言葉でいう「ワレメ」のある女)と浮気をしていたことが明かされるのでした。
うっかり重大な情報を漏らしてしまったアレクサンドラは「男が浮気するから私たちが稼げる」などと言って、シンディを諫めようとします。
しかし、怒りが頂点まで達したシンディは、チェスターと浮気相手を見つけてこらしめるために、街へと飛び出します。
「とんだクリスマスね」とぼやきながらも、アレクサンドラは後を追います。

アレクサンドラは「ついて行く代わりに、トラブルを起こさないこと」とシンディに約束させます。
というのも、歌手志望のアレクサンドラは、今夜19時から小さなクラブで開催する自分のライブのことで頭がいっぱいだったのです。
アレクサンドラはシンディをなだめつつ、道行く知り合いにライブのフライヤーを配り回ります。

アレクサンドラは歩きながら「口が臭い」「部屋がホームレス級に臭い」「クズ」などと、チェスターの悪口を好き放題に言います。
するとシンディは、チェスターに募らせていた怒りを浮気相手に転嫁させ、金髪女をぶちのめすと宣言しました。
こうして怒涛の調査を開始したシンディでしたが、浮気相手の情報は名前の頭文字が「D」であること以外何もわかりませんでした。片っ端から知り合いに声をかけて情報をかき集めますが、役に立たないものばかりでした。
彼女は「また刑務所に戻っちゃうよ」という知人の忠告にも耳を貸さず、猛進します。そして「ペニス付きで生まれたことは残酷」と呟くのでした。

シンディとアレクサンドラは、チェスターの友人の黒人男ナッシュに会いに、レストランにやってきました。
シンディに大声で浮気相手の居場所を問いただされて、ナッシュは迷惑そうな顔をします。アレクサンドラはさっそく約束を破るシンディに呆れて、一人レストランを去って行きます。
ナッシュはシュレーダーの炊き出しで情報が得られるはずだと答えて、シンディは地下鉄を無賃乗車して向かうことにします。

【承】- タンジェリンのあらすじ2

タンジェリンのシーン2 一方シンディと別れたアレクサンドラは、客を引っかけるために街を歩いていました。
そして路上駐車中の太った中年男を見つけますが、彼は40ドルしか持っていませんでした。車を降りようとするアレクサンドラでしたが、男は代わりに自慰を手伝うように要求してきます。
お金が必要な彼女は渋々従いますが、上手くいかなかったことに男は怒り出し、40ドルを取り上げるのでした。2人は口論になり、納得のいかないアレクサンドラは男の車のキーを奪い取って対抗します。
路上で激しく揉み合いになっていると、顔見知りの婦人警官に呼び止められます。しかし、「クリスマスだから帰っていい」と、売春行為を見逃してもらえるのでした。

アルメニア移民の中年男ラズミックは、タクシーの運転手をして家族を養っています。
彼はクリスマスイブに愛犬を亡くしたばかりの老婦人や、具合が悪そうな先住民の老人などの客を乗せます。
しかし、へべれけ状態の男2人に車内で思いきりゲロを吐かれたラズミックは、激怒して彼らを引きずり降ろすのでした。

ラズミックは憂さ晴らしのため、仕事の途中街で売春婦を拾います。
売春婦が新顔であることに喜びますが、彼女がいざ下着を下ろすなり絶句します。
売春婦が「女性」とわかった途端「ワレメがこんなところを歩くな」と説教して、金を取り上げて車から追い出すのでした。
ラズミックはトランスジェンダーに尽くすことが大好きな性癖の持ち主だったのです。

その頃、炊き出しにやってきたシンディは、チェスターの浮気相手の客の老人まで辿り着きます。
浮気相手の名前は「デーナ」で「グランド」という安モーテルにいることがわかりました。

モーテルに着いたシンディは厄介払いされてしまい、躊躇なくドアを蹴破ります。
そこでは一部屋で何人もの娼婦が売春行為をしていました。
シンディはずかずかと上がり込んで、浮気相手のデーナ(本当の名前はダイナ)を見つけて、彼女を裸足のまま引きずり出します。
チェスターのところへ連れて行き、落とし前をつけさせようとしますが、ダイナは「人違い」「覚えがない」と必死に否定します。シンディは抵抗するダイナを柵にぶつけたり、首を絞めたりしてボコボコにするのでした。

ダイナを連れてナッシュの元へ戻ったシンディは、チェスターがドーナツショップにいることを教えてもらいます。
2人はバスに乗り込んでからも揉み合いとなります。やがて力尽きたダイナは、チェスターと関係を持ったことを白状するのでした。
シンディは「本命はあんたじゃない」と怒りますが、ダイナは「黒人女って惨めね」と馬鹿にします。

【転】- タンジェリンのあらすじ3

タンジェリンのシーン3 その後、ラズミックは馴染みのアレクサンドラと合流し、欲望を満たすためにガソリンスタンドへ向かいます。
2人は流れ作業で進んでいくカーウォッシュ中に、車内で事を済ませました。
アレクサンドラはラズミックにライブのフライヤーを渡して、シンディが出所したことを伝えます。
シンディは彼のお気に入りの売春婦の一人だったのです。

ラズミックが帰宅すると、妻と娘、義母や親戚が集まってクリスマスディナーを囲んでいました。
家族水入らずの集まりにも彼は全く笑顔を見せず、アレクサンドラのライブに行きたくてソワソワしていました。
そしてラズミックは、仕事と言い訳をして家族を残して家を飛び出すのでした。

19時からアレクサンドラのライブがあることを思い出したシンディは、一旦ダイナと共にクラブへ向かいます。
アレクサンドラは、ボロボロの状態のダイナを連れてやってきたシンディに呆れ果てました。
たくさんの知人を誘ったアレクサンドラでしたが、晴れ舞台には一人も集まりませんでした。シンディはダイナと一緒にドラッグを使用してから、彼女の歌を聴きます。
アレクサンドラが一曲目を歌い終えると、シンディは熱狂して、ダイナも白けるような拍手を送ります。
ダイナと仲良くなりつつあるシンディは、泣いて崩れてしまった彼女のメイクを直してあげました。
アレクサンドラのライブが終了し、3人はクラブを出ます。不躾にライブのギャラを尋ねるダイナに、シンディは「お金を払って歌わせてもらっている」と耳打ちします。するとダイナは「ダサい」と言ってあざ笑いました。
アレクサンドラは悔しさのあまり黙り込んでしまうのでした。

ラズミックはクラブに到着したときには、すでにライブは終わっていました。彼は再びシンディたちを探します。
一方、義母はクリスマスイブの夜に出ていったラズミックのことを不審に思い、タクシーで後を追うことにします。
運転手もアルメニア系移民で、ラズミックのことを知っていました。義母はラズミックが行きそうなところを全て回るように言いつけます。
義母が「ロサンゼルスのクリスマスは雪も降らなくて、何もかもまがいもの」と呟くと、運転手は思わず笑うのでした。

【結】- タンジェリンのあらすじ4

タンジェリンのシーン2 ドーナツショップでチェスターを発見したシンディは、まずは一人で店に入ります。
出所後何故迎えに来てくれなかったのかと不満を言うと、チェスターは長々と言い訳をします。
そしてシンディは、クリスマスプレゼントを用意したと言って、ダイナを連れてきます。売春の斡旋をしているチェスターは、ダイナとの関係を「商品テスト」と説明しますが、愚かな彼はどんどん墓穴を掘っていくのでした。
シンディと罵り合いになったチェスターは、彼女を丸め込むために「お前の婚約者は誰だ?」と言います。アレクサンドラとダイナは、2人に結婚の意思があることを知って驚愕します。
実はシンディが捕まった原因はチェスターにあり、彼のドラッグをカツラに隠し持っていたからなのです。そして身代わりになることを条件に、プロポーズをされたのでした。

そこへラズミックが到着し、お気に入りのシンディに関係を迫ります。
チェスターが立ちはだかってラズミックを追い払おうとしますが、言い合いになります。

さらにラズミックの居場所を突き止めた義母が乱入してきます。
ラズミックが男娼を買っていたことを知った義母は膝から崩れ落ち、店内にアルメニア語の怒号が飛び交います。
アジア系の経営者は「店から出てくれ」と何度も忠告しますが、シンディたちはおもしろがって仲裁に入ろうとしませんでした。
さらに、母親に電話で呼ばれたラズミックの妻のイェバが、娘を連れてやってきます。義母はラズミックが夫婦の口座のお金を使って欲望を満たしていたことを教えます。
イェバはシンディたちと親しげな夫に呆れながらも「見て見ぬフリも必要なの」と母親を責めるのでした。
こうしてラズミックは家族と共に家に帰ります。娘は泣き続け、ラズミックは完全に孤立してしまうのでした。

シンディたちもついに店を追い出されました。
結局チェスターに言いくるめられたシンディは、アレクサンドラたちが見ているのも構わず、彼と熱烈なキスをします。
しかし、ダイナとの関係をアレクサンドラが話したことを知ったチェスターは、シンディが服役している間、なんと彼女とも関係を持ったことを明かします。
シンディは言葉を失い、チェスターは「女同士の問題だ。俺は関係ない」と言って、その場を離れるのでした。
シンディはアレクサンドラに「あなたたちお似合いよ」と告げて、足早に立ち去って行きました。アレクサンドラは謝りながら追いかけますが、彼女は無視して歩き続けます。

その後ダイナは歩いてモーテルに戻りますが、満室で入れてもらえず、行き場をなくすのでした。

しばらくするとシンディは「ひと稼ぎするから早く帰って」と言って、客を探しに行きます。
彼女は1台の車に声をかけますが、カップに入った尿をかけられて、カツラや服が汚れてしまいます。
アレクサンドラはシンディに駆け寄って、コインランドリーへ連れて行くのでした。

アレクサンドラは洗濯するために彼女の上着を脱がせて、カツラに手をかけます。シンディは一旦拒絶しますが、カツラを外して投げ捨てるのでした。
洗濯が終わるのを待つ間、2人はコインランドリーのベンチに腰かけますが、シンディは店の外をしきりに確認して落ち着きません。
シンディの心情を察したアレクサンドラは、自分のカツラを外してシンディに被せてあげました。アレクサンドラは「すごく似合っている」と微笑みかけます。
やがて2人は見つめ合い、シンディがアレクサンドラの手を取る場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

社会の片隅で生きている人々を、等身大に映し出した良作でした。マイノリティであるシンディやアレクサンドラが持つすがすがしさや強さだけではなく、恋人に浮気されたら怒ったり、馬鹿にされたら傷ついたりする人間らしさも描いているところにグッときました。ショッキングな現実に胸が痛くなることもありましたが、ラストの2人のコインランドリーのシーンが美しく、決して嫌な後味は残りません。人間の優しさや愛情をしっかりと感じられる作品です。

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