映画:トゥインクルトゥインクルキラーカーン

「トゥインクルトゥインクルキラーカーン」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーンの紹介:深い森に佇む古城の療養所。奇天烈な療養生活を送るベトナム戦争で心を病んだ勇者らと精神科医の苦悩を描いた1980年制作の人間ドラマ。原作/監督/脚本は「エクソシスト」(原作)「エクソシスト3」(原作/脚本/監督)のウィリアム・ピーター・ブラッティで本作が初監督作品。主演は「エスケープ・フロム・L・A」のステイシー・キーチ、近年のドラマ「ウォーキング・デッド」でも活躍したスコット・ウィルソン始め70~80年代の名脇役が多数出演、1980年のゴールデン・グローブ賞脚本賞を受賞している。

あらすじ動画

トゥインクルトゥインクルキラーカーンの主な出演者

ケーン大佐(ステイシー・キーチ)、カットショウ(スコット・ウィルソン)、リノ(ジェイソン・ミラー)、フェル大佐(エド・フランダース)、グローパー(ネヴィル・ブランド)、ナマック(モーゼス・ガン)、フェアバンクス(ジョージ・ディセンゾ)、ベニッシュ(ロバート・ロジア)、クレブス軍曹(トム・アトキンス)、フロム(W・P・ブラッティ)、ゴメス(アレハンドロ・レイ)、スピンネル(ジョー・スピネル)、ギルマン(ゴードン・マーク)など。

トゥインクルトゥインクルキラーカーンのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①深い森に佇む古城の米軍兵士の療養所に新任の精神科医ケーン大佐が赴任する。その療養所はベトナム戦争で心を病んだ優秀な兵士の療養と研究のための施設で、収容者は自由に奇天烈に狂人ライフを謳歌しているが、中でもアポロの発射直前に発狂し収容された元宇宙飛行士カットショウは、寡黙で穏やかだが無表情なケーンに興味を示しあれこれとかまい始める。一方収容者にオモチャにされながらも飄々と過ごしている古参の軍医フェルは、ケーンをそれとなく観察し暖かく見守っている。②日頃から彼らの奇矯な行動に振り回されている管理役のグローパーは、何かとケーンの癇に障り殺気を帯びた彼の一面を垣間見る。ケーンはその間も繰り返しジャングルの男の悪夢を見、カットショウに振り回されるうち彼の夢を共有するようになり、フェルにベトナム戦争で大量殺戮した殺人者の兄”キラー・ケーン”がいたが死んだと告白、フェルはその兄と親しかったと言い涙をこぼす。③ケーンとカットショウはフェルに見守られながらも神や生命や死、贖罪について思考しつつも悲喜交々が繰り返される中、ある日新入りの収容者がやってくる。その男こそがケーンが何度も夢に見たジャングルの男だった。それによりケーンの事情が明らかとなるが…。

【起】- トゥインクルトゥインクルキラーカーンのあらすじ1

トゥインクルトゥインクルキラーカーンのシーン1 元宇宙飛行士ビリー・カットショウは、古城の窓辺で雨を眺めて1日を過ごし、翌朝、発射のカウントダウンが始まったあの時、スタッフに取り押さえられ叫んでいた悪夢で飛び起き「誰かが来る」と呟きます。
そこは米軍による、ベトナム戦争末期に精神障害をきたした米軍兵士の調査と療養のための療養所で、中でも実験色が強く、周囲を深い森に囲まれた古城が使われています。
カットショウはハットにラッパの出で立ちで、同じくお気に入りの出で立ちでダラケる収容者たちを整列させ「シーザー万歳!」と唱和させます。
指揮官は強面のグローパー少佐で「ユングをしのぐ精神科医が来るぞ!」と報告しますが、皆とんちんかんなヤジを飛ばし拍手をしていました。

新しい精神科医ハドソン・ケーン大佐は寡黙で大柄な男で、皆が歓迎の”ユア・マイ・サンシャイン”を歌っていても止めもせず、隣にいつの間にか立っていた白衣姿のフロムがもっともらしく「皆症状が重い。頭の中味は腐った果実だ」とぼやいても、クレブス軍曹らに取り押さえられ連れ去られても笑いもしません。
そこに本物の軍医フェルが半ズボン姿でやってきて敬礼し「診察ズボンをフロムに取られた」と説明しケーンを「ビンセント」と呼びますが、訝しげに聞き返され「ビンセント・ヴァン・ゴッホを思い出しただけ」とごまかします。
結局ケーンは、皆がフルコーラス歌い終わり、グローパーが”サイモンが言った”付きの号令をかけた途端誰かが粗相しても、ニコリともせず敬礼し、城内に引き上げます。
また去り際、フェルと目が合いますが、フェルの方が気まずそうに目を逸らします。

その夜はどしゃ降りでしたが、城内ではミュージカルを演じる者、ポーカーに興じる者など皆好き好きに過ごしています。
フェルは「この城はエルツ伯爵の城で1900年にドイツから石を取り寄せて建てた」と話しますが、城内にはホラー的な装飾が多く、ケーンに「治療に向かないのでは?」とツッコまれ「あなたは誰かに似てるが思い出せない」と言われます。
また深夜、フェアバンクスが突然ハンマーで壁を壊し始め、ケーンとグローパーが止めに入ります。
彼は”多重人格”で”ポウリ博士”となって哲学を論じ「全ての人間が壁を突き通り歩けるようにする実験を試み、失敗した」と怒っていました。
ケーンは、いきなり怒鳴りつけハンマーを奪おうとするグローパーを制し、彼の話を静かに聞いた上でハンマーを掴んで「渡せ」と説得、フェアバンクスは彼の握力の強さにたじろぎ、部屋に戻って行きます。
グローパーは離れてその様子を見ていましたが、振り返ったケーンの眼光は鋭く殺気に満ちていました。

翌日も雨は止まず、フェルは精神安定剤を酒で飲み下し「昨日は寝酒を煽った」「奴が来たが、今は言うべき時じゃない」と電話で話し、デスクの上の頭蓋骨標本に話しかけてからケーンの執務室に向かいます。
彼は白衣に半ズボン姿のフェルに改めて事情を聞き、フェルは「フロムがズボンを持って行ったきり返さんのだ」と話し、古いカルテの束を渡して「読んだが何の参考にもならん」とこぼします。
そこにカットショウが乱入し、「夥しい数の方に命じられ貴様を追い出しに来た!」と騒いでカルテをバラ撒き、ケーンに自分のカルテを朗読しろと突きつけます。
座れと言われた彼は、フェルの膝に飛び乗りますが、フェルは微動だにせず「フロムにズボンを返すよう言ってくれ」と言い「野のユリに祈れ」と返されます。
そのカルテには、宇宙飛行士だったカットショウが発射前日、ケチャップを喉にぶちまけ、航空宇宙局局長に「メカジキに殺られた」と訴え、発射当日「俺はこき使われるのはごめんだ!」「月に行くなど恥知らずな行為だ!肌も荒れる!」とわめいたと書かれていました。
その途中、彼はケーンに「俺のメダルを盗もうとしたな!」と因縁をつけて怒りだし、「なぜ月に行かんのだ?」と聞かれると、本棚の本を掻き落として答えをはぐらかし、ケーンの袖を引き裂きます。

その時、画家のゴメスが飛び込んできて騒いだため月の話はうやむやになりますが、カットショウはロールシャッハ・テストがしたいと言い出し、数枚答えるとメダルを引きちぎってケーンにやり、本を1冊持って出て行きます。
そのメダルはお守りで、裏には「私は仏教徒です。緊急連絡はラマ僧に」とありました。
間もなく彼はおどけて戻り、フロムから取り返したズボンをフェルに投げつけますが、唸って追ってきたモップのような犬に取られそうになります。
その犬を追って入ってきたのはリノで、止めようとしたグローパーを追い出し「あいつは杉の木の上でフクロウと話してる、頭がオカシイんだ」と話します。
彼によれば、犬の名は”無責任”、現在シェイクスピアの『シーザー』の稽古中で、気高きローマの犬が歯をむき出して「ブルドック、お前もか」という場面なのだとか。
そこに配役担当のスピンネルが小型犬を抱いて来ますが「ローゼンクランツ役にメス犬だと?」と怒りながら、一緒に出て行きます。
広間では尼僧姿のフェアバンクスがクレブス軍曹に呼び止められ「これは多重人格の1つイブ・ブラックだ!」と怒っていました。

ケーンは「深刻だ」と呆れますが、フェルは「フェアバンクスは垂直離着陸機のパイロットだったが、相次ぐ墜落事故を見るうち木と話しだした」と話します。
ケーンは「偽装(詐病)か?」と聞きますが、「彼はどうか分からないが、カットショウは狂気を装う理由が無いし、リノは名誉勲章を受けた男だ」「隊列を外れて上官の足に小便をした者は大抵偽装だが、確かなのは彼らは皆IQが高いという事だけだ」と話します。
ケーンは窓辺に座って背を向け「分らん…我々は陸に上がった魚だ」と呟きます。
「病気の事を思う…ガンと子供、地震、戦争…耐えられぬ死…まさに死だ…」「それらを自然の一つと認めれば悪だとは思えん…これが自然の世界なのに、なぜ我々は怯える」「悪は狂気の産物ではない…狂気が悪の産物なのだ」…
フェルは「ショック療法でも試してみるか?偽装なら逃げだすさ」とおどけますが、ケーンが泣いている事に気づき、黙って出て行きます。

深夜、雨は嵐になり、見回りを終えたクレブス軍曹は、1人残って調べ物をしていたケーンに声を掛けます。
ケーンは様々な資料からショック療法の可能性を考え「フェル大佐に会いたい」と言いますが外出中と言われ、「ベニッシュ大尉に注射をしたいが薬品棚のカギは?」と聞き、それもフェル大佐がと言われ「フェル大佐が戻ったら会いたいと伝えてくれ」と言い、ドアを閉めるよう頼みます。
独りになったケーンは、カットショウのメダルの鎖を両手で握り「…何を持ってる?…」「…彼は針金で首を切り取られた、なのに口をきいてた…」という誰かの言葉を思い出します。

そこに突然珍妙な格好のカットショウがやってきて「海に行こう」と言いますが、ケーンは疲れた顔で「寝てくれ」とため息をつきます。
すると彼は持ってきたバケツの砂をデスクにぶちまけ「これなら話してくれるか?」と言い、「フェル大佐が今朝、妙な症状を訴えるナマック少佐に『これを飲め。自殺薬だ、下痢も伴うがね』と言ったんだ!それでも医者か?!」と怒ります。
そして「喪中だから喪章をつけてる!神は死んだ!悪魔は生きてる!」と喚き、「原罪のせいだ」と言われ「神を証明できるか?」と聞きます。
ケーンは「推測でなら論じられる」と言いますが、カットショウは「それがヒロシマ原爆を正当化する方法か!」と目を潤ませていました。
クレブス軍曹は、それを影からじっと観察していました。

その頃フェルは軍人と会い「我々の計画を知って彼が急に怒りだしたが納得した」と言われ「事が上手くいくよう祈る」と話していました。
リノは、スピンネルと犬の配役で揉めるうちイラつき、フロムにモップ犬が窒息したと言われ医務室に薬を取りに行き、執務室にいたケーンに気づいて声を掛けます。
しかし翌朝、リノはカットショウに「ケーンはおかしい。椅子に座って同じ動作を繰り返し、見向きもしなかった」と話しますが信じてもらえず、「精神科医は大抵狂ってる、自殺率も高い。『白い恐怖』のグレゴリー・ペックだ。フォークで机を引っ掻いたら失神したんだ」と報告していました。
またその頃、ケーンの執務室にはベニッシュ大佐がやってきて「ここは金星だ、金星人が俺を洗脳して地球だと思い込まされてる!飛行ベルトを返せ!!」とわめいて暴れ、クレブス軍曹らに取り押さえられます。
ケーンは狂乱する彼を空虚な眼で見つめていましたが、その夜、月に星条旗を立て、その横にある磔刑のキリスト像にサインを送る宇宙飛行士のカットショウの夢を見ます。
その最後の一瞬、ジャングルで叫ぶ男の顔が浮かび飛び起きますが、ベッドの足元には軍服姿のままのフェルがいて微笑んでいました。

【承】- トゥインクルトゥインクルキラーカーンのあらすじ2

トゥインクルトゥインクルキラーカーンのシーン2 フェルは「伯父が病気で外出した」と言い、ベニッシュの注射の件と薬品棚の合い鍵を頼まれますが、「患者に起されっぱなしで眠れない」というケーンに、ドアに鍵を掛けるよう勧めます。
ケーンはそれでも「必要とされている時に拒めない」と言い、「他人が見た夢を思い出した」と話し始めます。
それは彼の患者のベトナム帰りの大佐の夢で、戦闘部隊で体験した不気味な夢を繰り返し見ていたが、それを何度も聞くうちケーン自身も同じ夢を見たと言うのです。
そして”大佐”とは、実は”海兵隊のキラー・ケーン”と呼ばれた彼の兄であり「ゲリラ戦で大量殺戮をして英雄となったが、実は殺人鬼だった」と打ち明けます。
フェルは何度も「本当か?」と確かめつつ「戦争は殺人が任務だし、新米兵士は残酷になるものだ」と言い、彼に「クスリをやってるのか?」と確かめた上で、「実は君の兄さんとは韓国で同じ部隊にいて、大好きな友人だった。元気にしてるか?」と聞きます。
ケーンは暗い顔で「死んだ」とだけ答えフェルは謝りますが、グローパーが来たため入れ違いに出て行き、ドアの外で嗚咽を堪えていました。

グローパーは「患者の誰かが彼の署名入りのエロいラブレターを複数の女性に送りつけ、中でも一番のブスが訪ねてきた」と怒っていて、ケーンにラブレターを朗読させ、呼び付けたのは自分だがと悔しがっていました。
次にやってきたのはリノで「役者(モップ犬)と意見が合わず揉めているので手術して欲しい」という相談でしたが、そばで聞いていたフェルに席を外せと促し断られます。続けて入ってきたスピンネルは、彼の言葉をメモしています。
リノは「ハムレットの狂気は偽装か否か」について、「彼は正気と狂気の狭間にあって狂気を偽装する事で正気を保った。狂気を演じる事に精力を注いで攻撃性を失い、恐怖や怯えから救われたのだ」「しかも狂人であるがゆえに罰せられず、結果、狂気を演じる事で狂気の世界に耽り元気になった」と熱く語ります。
ケーンは彼の弁に賛同し、リノは納得して犬を連れて出て行きますが、外ではカットショウが待ち受けていて首尾を聞き「彼より俺の方がノッた」と言われニヤつきます。
スピンネルはあくまでも冷静で、ケーンにタバコをねだり「血を見ずに興奮する奴もいる、鎮静剤をくれてやれ」とこぼして出て行きます。
ケーンは彼の説に感銘を受け、早速”狂気に耽らす”治療の準備を始めますが、フェルは微笑んで頷くだけでした。

ほどなくしてスタッフはゲシュタポの制服を着せられ、”狂気に耽る”小道具を得た療養所内はにわかに活気づきます。
カットショウは捕虜役の患者たちと秘密トンネル”自由への穴”を掘り、画家のゴメスは多くの絵画を制作、レノは犬を集めさせ”シーザー”の練習に励みます。但し訛った犬と咬んだメス犬、頑としてシーザーを救出するスーパーマンを演りたがるナマックは外されます。
またベニッシュ大尉は池に潜り「水の原子は行儀がいい」と呟き、ケーンは盛り上がるカットショウに「天使のような精神科医の先生だ!」と言われ、無表情で手を振っていました。

その夜、ケーンは書斎でうたた寝し、再びジャングルの男の悪夢で飛び起きます。
「…大佐…何を持ってるんです?…」その囁き声は容赦なく彼を打ちのめしますが、その時グローパーが、ゲシュタポの服を着せられた事への抗議にやってきます。
ケーンはこめかみを押えながら「これは心理劇で一種の治療だ。彼らは捕虜で我々が追っ手だ」と説明しますが、グローバーは怒り心頭で「我々こそあのイカレた野郎どもの捕虜だ!なぜ乱痴気騒ぎをさせるんだ!実にバカげてる!」と怒鳴っていました。
その時初めてケーンは怒りに身を震わせ「少しは人を愛し救ってみたらどうだ?神の愛に代えて救うのだ!この冷酷無比の鬼が!!その服で飯を食い風呂にも入れ!脱いだら命はない!分ったか!」と激高します。
その剣幕にたじろいだグローパーは扉へと後ずさりますが、フランケンマスクのカットショウが勢いよく扉を開けて入って来たため吹っ飛ばされ、カットショウに旗を持たされ、すごすごと出て行きます。

カットショウはまだ震えの収まらぬケーンに「明晩役を交換する。台詞を憶えといてくれ」と言い目の前に台本を置きます。
ケーンはようやく我に返り、それまで通り静かな声で「分った」と言いますが、カットショウは彼をじっと見つめて「誰だ?あんたは何者だ?人間にしては暖かすぎる」と言ってデスクの上に座り込み、サーカス王バーナムの逸話を語り始めます。
その出し物は”ピューマと子羊”、その2頭はなぜか檻の中で仲が良く人気となりますが、実は子羊は毎日違う仔羊で、毎晩子羊を食べ続けたピューマは300日目にソースをねだって殺されたと言うのです。
彼はケーンに「動物に罪はない、なぜ虐待される?なぜ子供は、赤ん坊は苦しめられる?」と問います。
ケーンは「では人は?」と言いますが、カットショウはすかさず「”苦痛は人を磨く”さ。”苦悩しないなら人は人ではない”、言葉を持った動物だ。七面鳥が苦悩するか?なぜ生物は情け容赦無く食い合うようにできてる?この世は殺し合いの世界だ!」とわめき、ケーンは「前にも話したが原罪のためだ」と答えます。
カットショウは「それでは足りない!」と叫び、神を批判します。

ケーンは「神は人に干渉しない。未来の神の考えが崩れてしまうからだ」「この世は素晴らしく進化した。犠牲になったものに値するほど。神の存在をこの世の善ゆえに信じろ。神は人に宿ってる」「もし我々がただの原子なら、自分を擦り減らすためだけに邁進していただろう。しかしこの世には愛がある。神のような愛だ。人は命でも捧げ合う」と語りますが、カットショウは「例を挙げろ!」と詰め寄ります。
”仲間の兵士を守るため敵前に身を投げ出す兵士””沈没船で生き残った男が、腸チフスに罹っていたため救命ボートには乗らなかった”…カーンは例を挙げますが、カットショウは納得せず、「あんた自身の経験を1つだけ挙げろ!」と迫ります。
ケーンは答えに詰まり、カットショウは「疲れた」とため息をつき出て行こうとしますが、帰り際「明日は日曜だからミサに連れてってくれ」と頼みます。
翌朝。カットショウはフリルの白襟に赤いリボンタイの出で立ちで車に乗り、ケーンに「神がこの服を笑うかい?!」と聞きます。
彼は聖書の朗読の最中「霊媒師か」と茶化して睨まれますが、ケーンは助手の少年がベトナム人の少年に見えて慄然とします。
しかしその直後、カットショウがおもむろに立ち上がり「無限なる善の力で生まれた正気の人間が不満を述べる」と言い訝しがられて終わります。

【転】- トゥインクルトゥインクルキラーカーンのあらすじ3

トゥインクルトゥインクルキラーカーンのシーン3 2人が戻った頃には、彼らは相変わらず好き放題にしていて、宇宙服を着たベニッシュもご機嫌でこの”地球に似た金星”を楽しんでいました。
ケーンはカットショウに「もし死んでも命があったら合図してくれ」と頼まれ「やってみる」と答え、フェルにも食事に誘われますが断ります。
そこにクレブス軍曹がやってきて「元戦闘員でまともな新入りの収容者がいるのですが、お会いになりますか?」と聞かれ、「すぐ会う」と言い、一旦部屋に戻ろうとしますが、通路でタバコに火を点けていたコートの男と目が合います。
男は愕然として「”キラー・ケーン”か?」と呟きます。
その男こそ、ケーンの悪夢に何度も出て来たジャングルの男=ギルマン中尉で、スコールの降り注ぐ密林の中で必死でケーンを探し出し、沼地の中で呆然と立ちすくむ彼を発見し、引き上げるよう説得した男でした。
ケーンは茫洋と沼に立ちすくみ「子供だった…針金で首を取ったが、口をきいてた」と呟き、彼に「何を持ってるんです?」と聞かれて初めて、手にしたベトナム人の少年の首に気づき、慟哭したのです。
その後、ケーンには本国の秘密施設への移動命令が届きますが、特技区分が精神科医、認識番号も異なるもので、担当官には「人違いだ。他のケーン大佐でしょう」と言われます。
「ビンセント!」…幼児の彼は草原で振り向き、母の元へと駆け出します。
ケーンは、その幻想を見た瞬間、失神します。
その事実を知ったカットショウは、彼の書斎をめちゃくちゃにし「(ケーンが)”キラー・ケーン”だと?!信じたのに!お前の首も針金で切り取られるぞ!」と激怒し、車で出て行きます。
自室で目覚めたケーンに付き添っていたのはフェルでしたが、ケーンが、思い出した記憶はおろかギルマンに再会した事すら忘れている事に驚きもしませんでした。

フェルは、グローパーやクレブス、ギルマン始め療養所の管理スタッフを集めて、事の次第を打ち明けます。
当時ケーンはベトナムの特別キャンプの指揮官で、帰還命令はミスだったが本人はそれに従い本国に戻り、彼の異常に気付いた軍は彼を監視下に置く事に。
「ケーンは深刻な神経衰弱に陥っていたが、その命令ミスに逃げ道を見つけた」「病気と戦わずして自分を救う方法、人を救って虐殺の罪を償うという方法に気づいたのだ」と。
「始めは医者のフリだったが心理状態も変わった」「虐殺を犯したケーンは別人だと否定するうち人格も変わり、殺人者ケーンは死に、善の部分のみが生き残った、だが悪夢は見る」と。

そして「これは実験だ」と言うのです。
「彼が患者の心の内側に入り込み、問題と取り組んだ。彼と収容者には交流が生まれ、我々は彼に新しい答えを期待していたが、今日挫折した」
「彼の救いは収容者を救う事、少なくとも力になる事だったが、それには時間と皆の協力が必要だ。なんとか彼にやり遂げさせたい」と話し、ギルマンには「”キラー・ケーン”と言ったのは誤りだったと皆に説明を」と言います。
またグローパーに「あなたが責任者だったのか?」と聞かれ、「彼の本当の名はビンセント・ケーン、ハドソンは私だ。私は精神科医で、彼は私の患者だ」と打ち明けます。
そして「子供の頃、私は道化役でよく彼を笑わせた。彼は私を忘れているが、私は彼の兄だ」と言い、目を潤ませます。

一方、街のゴロツキが集まるバーで泥酔していたカットショウは、リーダーの男に「ニュースに出てた宇宙飛行士だ、イカレた奴らがいる療養所にいる奴だ」と見抜かれて絡まれ、普段通りジョークではぐらかそうとするうち殴られ、ドッグタグ(認識票)を奪われ、正体を晒しあげられ、からかわれ暴行されます。
客は大ウケしますが、危機を感じたウェイトレスは密かに電話を掛けに行きますが、療養所の正式名称が分らず手間取ります。
ようやく彼女からの連絡が入り、バーに駆けつけたのはケーンでした。
しかしへべれけのカットショウは、抱きかかえるケーンに「これが人の善か」と呟きます。
リーダーはここぞとばかりにケーンに海兵隊を侮辱する言葉を言わせ、暴行し、床に撒いたビールを舐めさせた挙句「海兵隊に泥を塗った」と嘲笑います。
その間、カットショウはカウンターに座らされ、ビールを浴びせられながらも、冷ややかな眼でケーンを見つめていましたが、ケーンが屈辱に塗れ床に這いつくばったところで押し倒され、仲間の一人に口淫を強要されます。

ケーンは連中の顔を見渡しますが、目つきががらりと変わり、リーダーの手を持っていたコップごとひねり潰し、よろめいたところを手刀の一撃で倒します。
カットショウを襲っていた男は蒼褪めてナイフで襲いかかりますが、あっという間に倒され、ケーンは次々と襲い掛かる連中を、片っ端からなぎ倒していきます。
その攻撃は女にも容赦が無く、連中は次々と関節を捻じ曲げられ、骨を砕かれ、それでもナイフで襲いかかったリーダーは、凄まじい絶叫と共に窓ガラスを突き破り、どしゃ降りの路上に投げ出されます。
全てが終わった時、店内は死体だらけで、生き残っていたのは、隅で泣いていた女が1人とカットショウ、そして殺人者の顔となったケーンだけでした。

【結】- トゥインクルトゥインクルキラーカーンのあらすじ4

トゥインクルトゥインクルキラーカーンのシーン2 警察から知らせを受けたフェルはケーンを庇い「彼は病気だ!」と怒鳴りますが、クレブスは「申し訳ないが留置場に入れる、あなたか我々のどちらが一緒に?」と聞き立ち上がりますが、グローパーらが「起訴は許さん」と立ちはだかります。

一方、毛布を掛けられ自室のソファに座っていたケーンの元には、カットショウが会いに行きますが、軍隊式に敬語で話し、おどける素振りもありません。
ケーンは、彼をゆっくりと見つめ「誰かアンに知らせたか?…家内だ…いや、いいんだ」と呟きます。
彼は、ギルマンの事をはっきりと記憶している本来の彼、すなわち殺戮者”キラー・ケーン”であり、また療養所の新任精神科医ケーンでもありました。
そして改めてカットショウに「なぜ月に行かん」と問います。

カットショウは窓辺で夜空を見上げながら「怖いんです」と話し始めます。
「星は冷たく遠い、そして寂し過ぎる、宇宙は空っぽの空間で、私は幾度も地球の周りを回った、このまま止まらずに永遠に回り続けたらどうなるんだろうと思った、月に行って帰れなかったら?」と。
そして「人はいつか死ぬが、私ははるかな地で独り死ぬのは怖い、神もいないなら本当に一人ぼっちだ」と泣きながら静かに吐露します。
ケーンは一筋涙を流し「時間がもう無い…だが君に、神はいるのだと教えたい…一つの例が、いや…色々な例が示されれば、救えるかもしれない…皆も救えるかもしれない…他に術がない…」と話しますが、「時間が…無いのだ…」「ショック療法を…するべきだった」と呟きます。
カットショウは意味が解らず聞き返しますが、ケーンは背もたれにもたれて彼を仰ぎ、「…疲れた…眠りたい…へとへとに疲れた…」と呟き目を閉じます。
カットショウは泣きながらケーンの首にかかっていた彼のメダルを見て、頭を撫で、泣きながら部屋を出て行きます。
その時、毛布の中から血だらけの彼の手が見え、ナイフが床に落ちます。
部屋を出たカットショウは階段に座り込みますが、靴に着いた血を見て愕然とし部屋に駆け戻ります。
医務室で頭を抱えていたスタッフは、起き出してきた収容者たちに事情を説明しようとしますが、その時カットショウが、ぐったりとしたケーンを抱え階段を降りてきます。
彼の「死んだ…命を絶った…」という言葉を聞き、フェルが泣き出します。

ほどなくして軍服を着たカットショウがNASAの車で療養所にやってきます。
「もし死んでも命があったら合図をくれるか?」…彼の心にあの時の言葉が甦ります。
彼は運転してきた部下を待たせ、1人で城内に入って行きますが、中はがらんどうで何も残っておらず、誰の姿もありません。
その時、ゆっくりとケーンの執務室の扉が開きます。
その部屋も空っぽでしたが、カットショウは泣きながら窓辺に座り、ケーンの遺書を開きます。
「カットショウ大尉 この死のショックが治療に役立つなら喜んで死のう。これで君にとっての1つの例ができた。君を傷つけていたのならすまない。君が好きだった。きっとまた会えるだろう。―ビンセント・ケーン」…

車に戻った彼に、部下が「ここには人殺しの医者がいたとか」と言いますが、カットショウは彼の目を見て「彼は天使だ」と答え車を出せと命じますが、すぐに車を止めさせ「このメダルはどうした?」と聞きます。
後部座席にあったのは、まごうことなき彼がケーンにやったあのメダルでした。
カットショウはそれを握りしめ、あの時の顔で無邪気に微笑みます。

みんなの感想

ライターの感想

ケーンを始め皆輝かしい戦歴を持つ、ある意味壊れた兵士たちなので、その心中の軋みは言わずもがな、詐病する者、本当に壊れている者、その管理任務にあたる者と収容者も悩みも千差万別で飽きさせません。
冒頭からケーンはどこかズレていて監視されているのは分かるのですが、まさかの理由が明らかになった時、ケーンと共に愕然としてしまう。彼は強い。そしてその強さこそが命取りとなっている事にいち早く気付いたカットショウが、純粋に極めて不器用に寄り添い互いの救済を模索していく展開は、ありがちな反戦映画とは一線を画した説得力を醸しています。
ちなみにフェルのズボンを盗んでは医者のフリをしていたフロムは監督のW・P・ブラッティ、収容所のアイドルカットショウ役スコット・ウィルソンは、「ウォーキング・デッド」以外でも見たんだよなぁと思ったら「グエムル-漢江の怪物-」の冒頭、ホルマリンを流すマッドな医者役でした。皆愛しくて素晴らしい、愛すべき名品だと思います。

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