「トウキョウソナタ」のネタバレあらすじと結末の感想

ヒューマンドラマ

トウキョウソナタの紹介:2008年製作の日本・香港・オランダの合作映画。監督は黒沢清。東京を舞台に、家族の崩壊とわずかな希望を描いている。カンヌ映画祭「ある視点」部門の審査員賞受賞。

予告動画

トウキョウソナタの主な出演者

佐々木竜平(香川照之)、佐々木恵(小泉今日子)、佐々木貴(小柳友)、佐々木健二(井之脇海)、金子薫(井川遥)、小林先生(児嶋一哉)、黒須(津田寛治)、強盗(役所広司)、良介(皆木勇紀)、黒須美佳(土屋太鳳)

トウキョウソナタのネタバレあらすじ

【起】- トウキョウソナタのあらすじ1

佐々木一家は、井の頭線沿線の一軒家に暮らしています。健康機器会社に勤務する佐々木竜平は、安い賃金で働く中国人労働者の代わりに、突如リストラを宣告されます。
竜平がスーツ姿のまま公園へ行くと、そこには失業者らしき男たちがスーツ姿で座っていました。危機感を覚えた竜平は、階段で行列を作るハローワークに向かいますが、すでに受付は締め切られていました。竜平は玄関から帰宅することがうしろめたく、ベランダから家に入り妻の恵を驚かせてしまいます。
竜平は翌日もスーツ姿で家を出て、ハローワークで職を探すも、条件のいい仕事は見つかりません。そんなとき、高校の同級生の黒須と再会します。黒須も失業中で、携帯電話をセットして仕事をしている演技をしていました。
黒須の家に招待された竜平は、彼の娘の中学生の美佳にリストラを見破っていることをほのめかされます。その後、黒須は無理心中という選択をとります。竜平はショッピングモールの清掃員の職を得ますが、未だに会社を解雇されたことを家族に言い出せずにいました。

【承】- トウキョウソナタのあらすじ2

恵は夫の失業にうっすらと勘づいていましたが、黙認していました。彼女は自動車免許を取得したことを長男の貴に自慢したり、誰も食べてくれないドーナツを作ったり、夕飯を作って家族の帰りを待つ、淡々とした日々を送っていました。
貴は夜中にアルバイトをしており、大学に通っているのかどうかもわからない状態でした。あるとき、貴はアメリカ軍の国外志願兵として、中東へ従軍したいと申し出ます。恵に保護者が入隊志願書に署名したら合格できると説明しますが、竜平はそのことに強く反対します。結局恵の承諾だけを得て、貴は母親に見送られながらアメリカへと旅立ちます。

【転】- トウキョウソナタのあらすじ3

次男の健二は、学校の帰りにピアノ教師の金子薫が女の子にピアノのレッスンをしている姿を見つけます。ピアノの音色に惹きつけられた健二は、小学校の給食費を無断でピアノ教室の月謝に当てて、金子先生にピアノを教わることにします。
その後、恵は健二の担任の小林先生に、給食費の未納で小学校に呼び出されます。恵は健二の行動に驚いて叱りつけますが、竜平には黙って健二をピアノ教室に通わせることを決意します。
健二の驚異的な才能を見抜いた金子先生は、音楽大学附属中学校を受験させることを勧める手紙を送ります。それを読んだ竜平は、健二との口論の末、息子を殴ってしまいます。竜平は恵にたしなめられて、「あなたは失業しているでしょ」と言葉を投げかけられます。
健二は2階から電子ピアノを投げつけ、追いかけてきた竜平と揉み合いになり、階段を滑り落ちてしまいます。健二は病院に運び込まれますが、幸い軽傷で済みました。

【結】- トウキョウソナタのあらすじ4

ある日、佐々木家に強盗が押し入ります。強盗は恵を家から連れ出し、盗難車を運転させます。
恵が買い出しのためショッピングモールに立ち寄ると、清掃員として働く竜平と鉢合わせします。竜平はトイレを清掃しているときに大量の札束を発見し、ポケットに忍ばせていました。恵から逃げ出すようにショッピングモールを立ち去った竜平は、走り続けたのち自動車にはねられます。そして、翌朝まで路上で意識を失います。
一方、海辺に行きついた恵は、小屋で強盗と一夜を過ごします。深夜恵は砂浜に出て、波打ち際で横になり泣き崩れます。翌朝恵が目を覚ますと強盗の姿はなく、浜辺に波打ち際まで続く車輪の跡が残されていました。
その頃健二は友達の家出を手伝おうとしますが、喘息の発作が起きた友達は親に捕まってしまいます。その後健二は、バスに無賃乗車しようとした罪で、警察の留置場で一夜を明かすことになります。不起訴処分で釈放された健二が帰宅すると、そこには誰もいませんでした。やがて恵と竜平がそれぞれ帰宅し、3人はただ静かに食卓を囲みます。
その後、音楽大学附属中学校の実技試験が始まります。健二は両親と金子先生に見守られながら、クロード・ドビュッシーの「月の光」という曲を演奏します。圧巻の演奏に観客が少しずつ増えていきます。やがて演奏を終えた健二のところへ、竜平と恵が歩み寄ってどこかに行く場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

前半部分は身につまされるリアルな描写が多かったのですが、後半(役所広司演じる強盗が登場するあたりから)は、現実では考えられないようなエピソードがてんこ盛りで、かなり戸惑いました。小学生が留置所に入れられる描写など、こういった浮世離れした描写は黒沢清節といえるのかもしれません。家庭崩壊寸前の一夜を終えても、なおもお互い何があったのか語りもせず、黙々と食事をするシーンはシュールで印象的でした。しかし、ラストで演奏されるドビュッシーの「月の光」で、全てが浄化されるような気もしました。

映画の感想を投稿する

映画「トウキョウソナタ」の商品はこちら