「ナイトオンザプラネット」のネタバレあらすじと結末の感想

ナイト・オン・ザ・プラネットの紹介:ジム・ジャームッシュ監督が手がけた1991年の作品。5つの都市を舞台に、タクシードライバーと乗客のやりとりをユーモラスに描く。日本公開は1992年。

予告動画

ナイトオンザプラネットの主な出演者

コーキー(ウィノナ・ライダー)、ヴィクトリア・スネリング(ジーナ・ローランズ)、ヘルムート・グロッケンバーガー(アーミン・ミューラー=スタール)、ヨーヨー(ジャンカルロ・エスポジート)、アンジェラ(ロージー・ペレス)、運転手(イザック・ド・バンコレ)、盲目の女性(ベアトリス・ダル)、ジーノ(ロベルト・ベニーニ)、神父(パオロ・ボナチェリ)、ミカ(マッティ・ペロンパー)、乗客1(カリ・ヴァーナネン)、乗客2(サカリ・クオスマネン)、アキ(トミ・サルミラ)

ナイトオンザプラネットのネタバレあらすじ

【起】- ナイトオンザプラネットのあらすじ1

ロサンゼルス
午後7時7分。コーキーはタクシー運転手をしている若い女性で、空港で電話をかけていました。そしてビバリーヒルズに行こうとしている、中年女性のヴィクトリア・スネリングを乗せます。
ヘビースモーカーのコーキーは煙草を吹かしつつ、ガムを噛みながら運転していました。ヴィクトリアは芸能プロダクションのキャスティングディレクターをしており、新作映画に出演する女優を探すことに手を焼いていました。彼女はコーキーに電話帳を借りて、仕事相手や恋人に電話をかけます。
ふとヴィクトリアは、コーキーに何故タクシー運転手をしているのかと尋ねます。実はコーキーには整備工になるという夢がありました。ゆくゆくは男性と肩を並べて働き、ありのままの自分を愛してくれる人と結婚して、男の子をたくさん産みたいと語ります。
コーキーは言動こそガサツですがルックスに恵まれており、将来の計画をしっかりと立てている地に足のついた女性でした。ヴィクトリアはそんなコーキーにある可能性を感じます。ヴィクトリアはビバリーヒルズの自宅に着くと、彼女に映画に出てみないかと誘います。
ところが、コーキーは「女の子は飛びつくような話だけど、私は興味ない」ときっぱりと断ってしまいます。ヴィクトリアはそんなコーキーを少しうらやましく思いながら、タクシーを見送るのでした。

【承】- ナイトオンザプラネットのあらすじ2

ニューヨーク
午後10時7分。凍えるような寒さの中、黒人男性のヨーヨーはタクシーを捕まえて、ブルックリンへ帰ろうとしていました。ところが、どのタクシーも止まってくれず、激怒するヨーヨーがようやく捕まえたのは、東ドイツからやってきた初老の男性が運転するタクシーでした。
運転手の名前は、ヘルムート・グロッケンバーガーといい、今日が勤務初日だと言います。ヘルムートは英語を上手く話せず、オートマ車の運転もまともにできない状態でした。
メーターをスタートさせるのも忘れる彼に不安に感じたヨーヨーは、タクシーを降りようとしますが、「初めて乗せる乗客なので、どうか乗って行ってほしい」と必死に引き止められます。降りようにも降りられなくなってしまったヨーヨーは、代わりに自分が運転すると提案します。
ヨーヨーはタクシーを運転しながら、「ヘルムート」という名をヘルメットと言って小馬鹿にします。しかし、ヘルムートも「君の名前(ヨーヨー)は子どものおもちゃだ」と言って反撃するのでした。2人はデザインがよく似た帽子をかぶっていました。
ヘルムートの前職はサーカスのピエロでした。彼はヨーヨーに子どもだましのような笛を披露して、車内は爆笑の渦に包まれます。ヘルムートは「私は道化師だから、金は必要だが重要ではない」と語ります。
道中、ヨーヨーはチャイナ・タウンの路上で、ある女性を見つけます。それは、夫を家に置いて遊びにきていた、彼の義理の妹であるアンジェラでした。ヨーヨーは嫌がるアンジェラを強引にタクシーに乗せて、大喧嘩を始めます。2人は放送禁止用語を連発した罵倒合戦をするのですが、家族がいないヘルムートは「いい家族だ」と微笑ましそうに眺めるのでした。
やがて、ヨーヨーの自宅に到着します。ヘルムートはニューヨークに戻る道筋を教えてもらい、ヨーヨーと別れます。しかし、地理も運転もままならないヘルムートには全く理解できず、いつの間にか治安の悪い夜の町に辿り着いてしまうのでした。

【転】- ナイトオンザプラネットのあらすじ3

パリ
午前4時7分。コートジボワール移民のタクシー運転手イザークは、外交官を自称する男性客2人を乗せていました。出身地のことをからかわれて頭にきたイザークは、彼らを途中下車させますが、肝心の運賃をもらうのを忘れてしまいます。
そんなイザークのタクシーを止めたのは、若い盲目の女性でした。彼女は道順を指図して、「この道じゃない」と注意をしたり、運転の荒いイザークに文句をつけます。そんな彼女にムッとしたイザークは、「俺の肌の色がわかるか」とちょっかいをかけます。女性は「私は色を感じられる」と言った上で、出身地まで当ててしまうのでした。
イザークは彼女に興味を抱き、「もしにんじんが青色だったらどうする?」や、「セックスをするときに、相手が彼氏だとわかるのか?」や、「目が見えないのに映画を観に行くのか?」など、馬鹿馬鹿しい質問を連発します。女性はイザークにうんざりしながらも、一つひとつの質問に独自の価値観で答えるのでした。
やがて目的地のロワーズ河岸に到着します。メーターは49フランを示していましたが、イザークはサービスをしようと「47フランだ」と言います。しかし、女性は「48か49フランのはず。あなたの同情なんて必要ない」と言って、50フランを渡してタクシーを降ります。
イザークがタクシーを出発させると同時に、クラクションが鳴り響きます。車の接触事故を起こしてしまったのです。怒った相手が車から降りてきて、「お前盲目か?」とイザークを怒鳴りつけます。
それを近くで聞いていた女性は笑って、川路をゆっくりと歩いて行くのでした。

ローマ
午前4時7分。乱暴な運転で夜道を走り抜けるのは、タクシー運転手のジーノです。彼は無線を相手に一人うるさくしゃべり続けて、やがて広場で神父を乗せます。
心臓病を患う神父は、あまり気分が優れない様子でしたが、ジーノはせっかくタクシーに神父を乗せたのだからと、勝手に懺悔を始めます。神父は「無理を言うな」と拒否しますが、ジーノはかぼちゃや羊を性の捌け口に使った話や、兄の妻と関係を持ったなどの下品な話を、一方的にまくし立てるのでした。
神父は薬を取り出しますが、ジーノが急ブレーキをかけたせいで、薬を落としてしまいます。仕方なくくだらない下ネタを聞き続けますが、神父の病状はみるみる悪化していきます。しかし、ジーノは懺悔をヒートアップさせており、神父の異常事態に全く気付きません。
やがて心臓発作を起こした神父は、急死します。神父が死んだことに気付いたジーノは、「自分の過激な内容の懺悔のせいで神父を殺してしまった」と動揺します。そこで、神父の死体を引きずり降ろして、公園のベンチに座らせます。目を見開いたまま死んでしまった神父に、愛用のサングラスをかけさせて逃走するのでした。

【結】- ナイトオンザプラネットのあらすじ4

ヘルシンキ
午前5時7分。雪が積もった夜明け前の町を走る運転手のミカの元に、無線連絡が入ります。目的地に到着すると、立ったまま寄り添うようにして眠る、労働者風の中年男性3人が待っていました。
その中の一人であるアキは、酔い潰れており、タクシーに乗ってからも眠り続けていました。ミカがアキの様子を伺うと、残る2人が「今日はこいつの人生で最悪の日だ」と突っかかります。そして、彼らはアキにとって今日がどれほど不幸な一日であったかを、語り始めるのでした。
アキは毎日の遅刻が祟って、会社をクビになってしまいました。その後、ローンを払い終えたばかりの車をぶつけられ、ポンコツになってしまいます。家に帰ると、16歳の娘が妊娠していることが発覚します。そして家族に失業したことを告げると、妻に包丁を持って追い回され、家を追い出されてしまったのです。
一日のうちに人生の辛酸を舐めたアキの友人である2人は、ミカに「お前にアキの気持ちがわかるか」と絡みます。しかし、ミカは「その程度の不幸か」と動じません。2人はミカの不幸話を聞かせるように促します。
ミカは共働きでこれまで頑張ってきた妻との間に授かった、未熟児についての話を始めます。長く生きられないと医者に告げられて、ミカは子どもに対する愛情を押し殺すことにしました。しかし、それを妻に咎められたミカは、小さな身体で懸命に生き続ける子どもに愛情を注ごうと決意します。ところが、その翌朝子どもは息を引き取ったのです。
ミカの話を聞いた2人は涙を流し、アキの不幸など何てこともないと結論を出します。タクシーがアキの自宅に到着すると、2人は「これからはきっとよくなる」と言って、ミカを抱きしめるのでした。
2人が去った後、ミカはアキを起こします。「ここがどこだかわかるか?」と尋ねると、アキは「ヘルシンキだろ」と答えて、タクシーを降ります。早朝の極寒の中、途方に暮れているアキに向かって、隣人が挨拶をする場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

タクシーというのは、生まれや育ちも全く異なる運転手と客が、束の間のやりとりで何かをわかり合ったりできる(かもしれない)、不思議な空間です。個人的には、夜お酒を飲みながらダラダラと映画を観たい気分のときに、ベストな作品だと思いました。「人生って辛いことばかりだよな」と思わされたり、「けれど楽しいことや、愛を感じる場面も確かにあるよな」と気付かされたりするので、割と愉快な気分で布団に入れるかと思います。笑えるシーンは随所に見受けられましたが、不穏な空気が漂うラストも多いので、それがこの監督の作風なのかもしれません。

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