映画:ナチュラルウーマン

「ナチュラルウーマン」のネタバレあらすじと結末

ナチュラルウーマンの紹介:2017年のチリ・ドイツ・スペイン・アメリカ合作のヒューマンドラマ。突然最愛の恋人に先立たれたトランスジェンダーの女性の苦悩を描いていく。第67回ベルリン国際映画祭では銀熊賞(脚本賞)とテディ賞を、第90回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞した。

あらすじ動画

ナチュラルウーマンの主な出演者

マリーナ(ダニエラ・ベガ)、オルランド(フランシスコ・レジェス)、ガボ(ルイス・ニェッコ)

ナチュラルウーマンのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ナチュラルウーマンのあらすじ1

ナチュラルウーマンのシーン1 舞台はチリ、サンディアゴ。トランスジェンダーの女性歌手マリーナは父親ほどの年の差のある会社社長のオルランドと交際し、満ち足りた生活を送っていました。マリーナの誕生日、オルランドはイグアスの滝旅行をプレゼントすることを思いつきました。しかし、誕生日当日になってオルランドは肝心の旅行券をどこかに忘れてしまい、しかたなくマリーナに手書きの旅行券を渡し、思いを伝えました。

その夜のことでした。オルランドは突然体調を悪化させ、マリーナは急いで病院に行く準備をしました。しかし、その間にオルランドはアパートの階段から転倒、頭に傷を負ってしまいます。マリーナはそんなオルランドを気遣いながら病院に急ぎました。しかし、病院に着いて間もなく、オルランドは死去。マリーナは突然一人ぼっちになってしまいました。

マリーナは悲しみの中でもオルランドの親族に連絡を取ることは怠りませんでした。マリーナはオルランドの弟ガボに連絡をとり、その後は病院の外に出て行きました。同じ頃、オルランドの頭の傷はマリーナによるものではないか、という疑いを警察は抱き始めていました。警察は外を歩いていたマリーナを拘束、逃亡しようとしたと不審の目を向けました。駆けつけたガボのおかげで、なんとか警察の取り調べから解放されたマリーナでしたが、その後も彼女にとって苦難の日々は続きました。

ガボはマリーナに対して紳士的に接しましたが、オルランドの元妻ソニアと息子ブルーノはトランスジェンダーのマリーナに偏見の目を向けてきました。マリーナはソニアたちからアパートと車を取り上げられることとなり、二人に好奇のまなざしを向けられました。家族よりマリーナを選んだオルランドは変態で、気が狂ってしまったと二人は口にし、マリーナの心を深く傷つけました。さらに、ソニアはマリーナに通夜と葬式に出るなと要求、マリーナはオルランドの死を悲しむ権利すら奪われてしまいます。また、ブルーノはあからさまな敵意をマリーナにぶつけ、トランスジェンダーであることに対して差別的な発言を繰り返してきました。

【承】- ナチュラルウーマンのあらすじ2

ナチュラルウーマンのシーン2 一方、警察の取り調べも続いていました。担当した中年女性の刑事はマリーナの味方になると言っていましたが、実際の行動は真逆でした。刑事はマリーナにオルランドの死に悲しむ時間を与えず、ヒステリックな態度でマリーナに取り調べを強要してきました。恋人の死にショックを受けるマリーナの事情は考慮されず、マリーナは身体検査まで指示されてしまいます。マリーナは刑事がいる前で裸の写真を撮られ、屈辱的な思いを感じるのでした。

マリーナは微妙な立場を理解し、オルランドの親族や刑事に明らかな反発は避け、従順であろうと努めました。つらい日々が続く中、マリーナはオルランドの幻を見るようになりました。オルランドの幻は何も語りかけず、ただマリーナのことを見守っていました。

マリーナにとって気晴らしとなったのは、歌の練習をすることでした。マリーナは歌のレッスンに行き、初老の教授に「愛を探しに来たのかも」と語りかけました。そんなマリーナに教授は愛に正解はないと語り、聖フランシスコの言葉を引用しました。「私を君の愛の動機に、私を君の平和の手段に」…こう語る教授の背中にマリーナは静かに抱きつき、歌のレッスンを開始しました。

その後アパートに戻ると、マリーナの荷物が乱暴に寄せられていました。さらに、オルランドと二人で可愛がっていた愛犬ディアブラの姿も消えていました。マリーナはこれがブルーノの仕業と確信します。

【転】- ナチュラルウーマンのあらすじ3

ナチュラルウーマンのシーン3 ちょうどその日は、街の教会でオルランドの通夜が行われていました。マリーナはソニアの要求を無視して教会に向かいますが、手ひどい返り討ちを受けてしまいます。激怒したソニアに罵倒され、その上、ブルーノ始め親族の男性たちに拉致されてしまいました。ブルーノたちは車内でマリーナに差別的なひどい言葉を繰り返し、マリーナの顔をセロハンテープでぐるぐる巻きにしました。

ブルーノたちはそんなマリーナを町外れで下ろし、去って行きました。マリーナは近くにあった車のガラスを見ると、そこにはセロハンテープで強く巻かれ、ひどく歪んでしまった自分の顔がありました。マリーナはその後夜のクラブに向かい、そこで出会った男性と触れ合いますが、心は満たされることはありませんでした。

その後、マリーナは姉夫婦の元に身を寄せました。マリーナに残されたオルランドの形見は、181というナンバーがついた謎の鍵だけ。この鍵が何の鍵なのかはわかりませんでしたが、マリーナは大切にその鍵を持ち続けました。

そんなある日、マリーナはウェイトレスのバイト中に同じデザインの鍵を持った男性と出会いました。思わずその鍵が何なのか男性に聞いてしまうマリーナ。すると、男性からはあるサウナのロッカーの鍵であることを知らされました。

マリーナはすぐにそのサウナに向かいました。マリーナは女性用サウナから男性用サウナにひそかに侵入し、181のロッカーを開けました。ロッカーを開け、中身を確認したマリーナはすぐにその場を後にしました。後に残されたロッカーは中身が真っ暗で、何が入っているのか見えませんでした。

その後、マリーナはオルランドの葬式が行われる墓地へ向かいました。すると、そこにソニア、ブルーノ、ガボが乗った車が現れました。ソニアとブルーノは差別的な言葉でマリーナを呼び、帰れと要求してきましたが、マリーナはそれに従おうとしませんでした。マリーナは「ふざけんな!」と言って車によじ登り、愛犬ディアブラを返すよう要求しました。ソニアとブルーノはマリーナが始めて見せた反抗的な態度に言葉を失うのでした。

【結】- ナチュラルウーマンのあらすじ4

ナチュラルウーマンのシーン2 その後、マリーナは斎場に向かいますが、葬式はすでに終わっていました。すると、そこにオルランドの幻が現れました。オルランドの幻の後を追い、斎場の奥へと進むマリーナ。やがて物置スペースに着くと、オルランドはマリーナにキスをし、ドアの向こうへと消えて行きました。

マリーナがその後を追うと、そこは火葬場につながっていました。オルランドの幻は消え、そこにはオルランドの遺体が火葬の時を待っていました。遺体と二人きりになったマリーナは、オルランドの手を握りしめ涙を流しました。やがてオルランドが火葬されると、マリーナはガラスからわずかに見える炎を見つめていました。

それから時は経ち、マリーナはディアブラを取り返し、新たな生活を始めました。そんなある夜、マリーナはコンサートに出るために劇場に向かいました。マリーナはステージに立ち、観客を前に「オンブラ・マイ・フ」を美しい歌声で歌い上げました。

こんな木陰は今までなかった
とても優しくて愛おしい
心地よく甘美な木陰

歌を歌い終わり、目を閉じて柔らかな表情を浮かべるマリーナを映し出し、映画は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

とても複雑な物語で、考えさせられる映画でした。主人公が直面する現実は痛々しく、それでも耐え続ける姿は観ていてつらいものがありました。一方で、主人公を敵視する人々もただの嫌な差別主義者と切り捨てることは難しく、自分がもし同じ立場に立ったらどうなるかと考えてしまいます。シビアな現実を描いた本作ですが、マリーナがラストに安らかな笑顔を見せてくれたことに安堵しました。劇中の美しい歌声を含め、難しい役どころを演じ切ったダニエラ・ベガの演技力に魅了されました。

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