「ノスタルジア」のネタバレあらすじ動画と結末

ヒューマンドラマ

ノスタルジアの紹介:1983年のイタリア・ソ連合作映画。巨匠アンドレイ・タルコフスキーがイタリアを旅する詩人の姿を描いた作品で、その幻想的な映像は世界で高く賞賛され、第36回カンヌ国際映画祭では創造映画大賞、監督賞、エキュメニカル審査員賞を受賞した。

ノスタルジアの主な出演者

アンドレイ・ゴルチャコフ(オレグ・ヤンコフスキー)、ドメニコ(エルランド・ヨセフソン)、エウジェニア(ドミツィアーナ・ジョルダーノ)

ノスタルジアのネタバレあらすじ

【起】- ノスタルジアのあらすじ1

舞台はイタリアのトスカーナ地方。ロシアの詩人アンドレイ・ゴルチャコフは、18世紀の音楽家サスノフスキーの足跡をたどるためにイタリアを訪れていました。イタリアで長く暮らしていたサスノフスキーは、農奴になることを知りながらロシアに帰国し、その後自ら命を絶った人物でした。

アンドレイはイタリア語に堪能でしたが、旅には美しい通訳エウジェニアを連れていました。トスカーナに着くと、エウジェニアは街の教会を見学しに行こうとしますが、アンドレイは動こうとしません。教会にあるピエロ・デラ・フランチェスカによるフレスコ画「出産の聖母」を見たいと望んでいたアンドレイでしたが、突然興味が失せてしまったようでした。エウジェニアは一人で教会を見学し、出産の聖母を眺めるのでした。

ホテルに戻ったアンドレイとエウジェニアは、芸術は翻訳できるか?というテーマについて軽い議論を行いました。アンドレイは芸術の翻訳は不可能と主張し、この問題を解決するには国境をなくすことが必要と答えるのでした。

旅の間、アンドレイは頻繁に祖国に暮らす家族のことを考えていました。霧のたちこめる小高い丘にある家に暮らす妻と子どもたちの姿が、何度も脳裏に浮かんできていたのです。そして、ホテルで居眠りしたとき、アンドレイは奇妙な夢を見ました。妻がエウジェニアを抱き寄せ、慰めているのです。エウジェニアは涙を流し、妻は優しい笑顔を浮かべていました。

目覚めたアンドレイはエウジェニアと近くの温泉の周りを散歩に出かけました。そこで二人はドメニコという奇妙な老人と出会います。ドメニコはかつて7年間家族を監禁したことがあり、街の人々から狂人扱いされていました。ドメニコによれば、監禁の理由は家族を世界の終末から守るためだったといいます。アンドレイはドメニコが口にする宗教的な言葉に惹かれ、強い興味を抱くようになっていきました。

【承】- ノスタルジアのあらすじ2

アンドレイはエウジェニアを連れてドメニコの家に向かいました。アンドレイの指示でエウジェニアはドメニコになんとか話を聞こうとしますが、ドメニコは口を開こうとしません。エウジェニアはらちのあかない状況に疲れ、ローマに行くと言って一人でその場を後にしてしまいました。

その後、直接話を聞きに行くと、アンドレイはドメニコの家に招かれることに。家に入ってすぐアンドレイを出迎えたのは、アンドレイの故郷そっくりの箱庭でした。さらに奥へ進んで行くと、雨漏りがひどいながらも、窓や屋根からは柔らかな陽が差し込む、美しい光に満ちた空間が広がっていました。ドメニコは突然ベートーヴェンの第九を数秒間流し、自らの手のひらをアンドレイに見せてきました。そして、その手のひらに瓶の水を垂らしながら、「1滴に1滴を足すと大きな一滴だ、2滴にならない」と語りました。その言葉を示すように、壁には、「1+1=1」と大きく書かれていました。

ドメニコはワインとパンをアンドレイに与えると、うつむきながら言葉を語り出しました。「私はエゴイストだった、家族だけを救おうとした、皆を救うべきだ、世界を…」…そう言うと、ドメニコは突然ロウソクを手に持ち、「ロウソクを点けて水を渡るのだ」と口にしました。水とは、ホテル近くの温泉を意味していました。ロウソクの火を絶やすことなく、温泉の端から端を渡り切ることができれば世界は救われるというのです。アンドレイはドメニコの言葉通り温泉を渡ることを約束します。

ドメニコはアンドレイの家族について尋ねました。アンドレイは子どもが二人いること、そして妻はピエロ・デラ・フランチェスカの出産の聖母に似ていると答えました。別れ際、ドメニコはローマで大きな事をやると宣言し、アンドレイの背中を見送りました。

【転】- ノスタルジアのあらすじ3

アンドレイがホテルに戻ると、エウジェニアがまだ残っていました。アンドレイはエウジェニアと会話しようとしますが、エウジェニアはアンドレイを「野暮な男」と呼び、左の胸をはだけさせました。しかし、エウジェニアは自分の乳房にアンドレイが興味を抱かないことをわかっていました。ある夜を境に、アンドレイは聖人のようにふるまうようになっていたのです。自分にふさわしい男を探すと叫び始めるエウジェニアを見て、部屋を出るアンドレイ。しかし、エウジェニアはさらに追いかけ「偽善者」と罵ってきました。アンドレイはこの言葉に怒り、エウジェニアの腰を叩きますが、それと同時にアンドレイの鼻から血が出てきました。血は床まで滴り落ち、アンドレイは床を拭きながら必死に鼻を抑え続けました。

エウジェニアはそんなアンドレイにかまわず出発の準備をし、ホテルを出る直前にアンドレイの部屋の前に来て借りていたサスノフスキーの手紙を開きました。

ロシアへ帰らぬ道もあるが それは自殺と同じだ
故郷を再び見られないなんて考えられない
白樺の木々 幼い時を包む大気

そこには、サスノフスキーの望郷の思いが綴られていました。エウジェニアが手紙を読んでいる間、アンドレイは横になり、再び故郷の記憶を思い出していました。

その後、アンドレイは水没した廃墟の教会に向かいました。アルセニー・タルコフスキーの詩を口ずさみながら、教会の奥へと進んで行くアンドレイ。すると、いつの間にかアンジェラという名の少女がいました。一方的に雑談や芸術論を語るアンドレイに、アンジェラは優しく微笑み続けました。

【結】- ノスタルジアのあらすじ4

やがて、アンドレイは教会に横になり、眠りにつきました。そうしている間に、焚火が詩集に燃え移り、すぐに塵と化しました。その間、アンドレイは奇妙な夢を見ていました。アンドレイはゴミが散らばり、人ひとり歩いていないイタリアの街を歩いていました。そして、鏡を覗き込むと、鏡にはアンドレイではなくドメニコが映っていました。そして、突然舞台は巨大な柱に囲まれた無人の教会へと変わり、アンドレイはその不思議な空間をさまようのでした。

その後、アンドレイはエウジェニアから電話を受けました。ドメニコがローマで演説大会をしており、まるでカストロのようにふるまっているというのです。そして、最後にエウジェニアが心臓の具合を心配すると、アンドレイは「もうダメだな、体中が痛い、家に帰りたい」と力なく返答しました。

舞台は変わり、ローマの広場へ。ドメニコはマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝の像に昇り、生気のない目をした人々の前で演説していました。「『ピラミッドを建てよう』と誰かが叫べ」…ドメニコは力強い口調で大きな夢を皆で持つことを訴えました。そして、根源的な生活に戻る必要性を説くと、仲間に音楽をかけるよう指示を出しました。ベートーヴェンの第九が流れる中、ドメニコは自らにガソリンをかけ火をつけました。像から転落し、炎に焼かれるドメニコ。彼の悲痛な叫びが広場に響き渡っていました。

同じ頃、アンドレイはドメニコとの約束通り、ろうそくに火を点け、温泉を渡っていました。しかし、湯気や風で火は簡単に消えてしまいます。三度目の挑戦にしてアンドレイはようやく成功しますが、それと同時にその場に倒れ込んでしまいました。アンドレイの異変に気づいた温泉の管理人たちは急いでアンドレイの元へ向かいました。

舞台は再びアンドレイの夢の中へ。アンドレイは故郷に戻り、草原に寝そべっていました。その周囲は、夢の中でさまよった教会のように、巨大な柱に囲まれていました。

みんなの感想

ライターの感想

わかりそうでわからない、でもモヤモヤ感を抱かせない不思議な映画でした。それは、絵画のように美しい水や光の幻想的な映像に引き込まれたからだと思います。タルコフスキー監督が映画の詩人と呼ばれる所以が理解されました。また、主人公が故郷を恋しく思う姿は、ソ連時代における芸術家の苦難を思い出させました。亡命しながらも祖国への望郷の思いに苦しんだ芸術家、また、体制に反抗しながらも祖国にとどまり続けた芸術家、ソ連時代を生き抜いた芸術家たちの苦悩が主人公の姿を通して伝わってきます。明解なストーリー展開ではありませんが、繰り返し観たいと思わせる美しい映像でした。

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