映画:ハッド

「ハッド」のネタバレあらすじと結末

ハッドの紹介:ラリー・マクマートリーの小説を映画化した作品で、崩壊していく牧場一家の悲しい姿を描いていく。監督は「長く熱い夜」、「ノーマ・レイ」を手掛けたマーティン・リット、自由気ままに生きる主人公をポール・ニューマンが好演した。第36回アカデミー賞では、主演女優賞(パトリシア・ニール)、助演男優賞(メルヴィン・ダグラス)、撮影賞 (白黒)を受賞した。1963年アメリカ製作。

あらすじ動画

ハッドの主な出演者

ハッド(ポール・ニューマン)、ホーマー(メルヴィン・ダグラス)、アルマ(パトリシア・ニール)、ロン(ブランドン・デ・ワイルド)

ハッドのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ハッドのあらすじ1

物語の舞台はアメリカ、テキサスのとある田舎町。バノン牧場の次男、ハッドは中年にさしかかっていたましが、牧場を真面目に手伝おうとはせず、町の女と遊び歩く日々を送っていました。対する父ホーマーもハッドをあてにしていませんでした。15年前のハッドの兄の死をきっかけに、ハッドと父ホーマーの関係は冷え込んでいたのです。その一方で、ハッドの亡き兄の息子ロンは自由奔放なハッドを慕い、夜遊びにも興味を持ち始めていました。

そんなある日、バノン牧場の牛が次々と疫病で死ぬ事態が発生し、牛の処理の対応にハッドも駆り出されることとなりました。調査した結果、ホーマーがメキシコから買いつけた牛が病気を持っていた可能性が高く、検疫の結果次第ではバノン牧場の牛すべての殺処分が検討され始めていました。

長い時間をかけて牧場を大きくしてきたホーマーはこの状況に絶望しました。そんな祖父を励まそうと、ロンはホーマーと町に出かけました。映画を見てレストランで食事を楽しんでいるうちに、ホーマーの表情に少しずつ明るさが戻ってきました。ところが、そこにハッドが現れると、ホーマーの表情はすぐに曇りました。ハッドが人妻を連れて堂々とレストランに入ってきたことに、ホーマーは恥を感じたのです。ハッドはホーマーとロンの席に行って不道徳な振る舞いを見せつけますが、突然ホーマーが体調を崩し、その場に倒れてしまいました。ハッドはすぐにホーマーを家まで送り、ロンとともにホーマーが衰えたことを実感するのでした。

【承】- ハッドのあらすじ2

牛の処分をめぐって家の中の雰囲気が悪くなる中、空気を和ませてくれたのは家政婦のアルマでした。明るく男勝りな性格ながら、細かな気配りができるアルマは、ホーマーとロンに安らぎを与えました。ハッドもアルマに女としての魅力を感じていましたが、なかなかその思いをうまく伝えることができませんでした。

牛たちの検疫の結果がなかなか出ず、不安な日々が続く中、ハッドは町で開催される豚つかみ競争に出ると言い出し、ホーマーたちに観戦に来るよう誘いました。ハッドの意外な申し出に驚きつつ、ホーマーとロンは町に出かけました。ハッドは見事豚つかみ競争で優勝し、ホーマーとロンを喜ばせました。

その後、ホーマーは一人で家に戻り、ロンはそのままハッドとともに夜の町を楽しみました。ロンは様々なことを初めて経験しました。酒場での魅力的な女性との出会い、女性をめぐる喧嘩騒ぎ、初めて飲む酒の味…ロンはハッドと過ごす夜の町をおおいに楽しみました。すると、突然ハッドが亡くなったロンの父の死について語り出しました。ロンの父はハッドと夜遊びした帰り道に交通事故で亡くなったといいます。ハッドは自分が無傷で生き残ったことに負い目を感じていたのです。ロンは初めて聞く兄の死の真実に驚きつつも、そのことでハッドに嫌悪感を抱きませんでした。ハッドは「お前は優しいのか、鈍いのか、どっちだ」と言って、ロンの頭を撫でるのでした。

その後、ハッドとロンが酔っ払って家に戻ると、ホーマーがひどく怒った顔をして二人を出迎えました。ホーマーはハッドがロンに夜遊びを覚えさせたことを批判し、ハッドに騙されてはならないとロンを叱りつけました。いつも以上に厳しい口調のホーマーに、ハッドはうんざりした表情を浮かべました。ホーマーが自分にきつく当たるのは兄の死が原因だと思っていたハッドは、「15年も経つのに、まだ責める」と反論しました。ところが、ホーマーから返ってきたのは意外な言葉でした。「お前のことは事故のずっと前に見限ってた」…ハッドは実の父親の言葉にショックを受けつつ、「おふくろは愛してくれた」と笑ってその場を去っていきました。ロンはあまりにもハッドに厳しいと正直な気持ちをホーマーに伝えますが、ホーマーは考えを改める気はありませんでした。

【転】- ハッドのあらすじ3

その後、すぐにハッドはホーマーに対抗すべく動き出しました。弁護士に相談して、ホーマーから牧場を奪う計画を立てたのです。ホーマーはすぐにこのハッドの動きに気づきますが、牛の良し悪しを見極めることができず病気の牛を買ってしまったことをハッドに手厳しく指摘されてしまいます。ホーマーが「なんでお前がわしの息子なんだ?」とあきれ果てると、ハッドは酔っ払いながらホーマーのこれまでの誠実な生き方を皮肉りました。「あんたも他の男と同じなんだよ。だから俺が生まれたんだ。あいにくだったな」…ハッドはホーマーにこう叫ぶと、家の外に出て行きました。

むしゃくしゃしながら家の前をさまよっていると、ハッドは離れの家から出てきたアルマと目が合いました。アルマはハッドの様子に恐怖を感じ、すぐに離れの家に戻り鍵を閉めますが、ハッドは家のドアを壊し侵入してきました。ハッドは嫌がるアルマを壁に押し付けて無理やりキスをしました。そのとき、異変に気づいたロンがすぐに止めに入りました。ハッドは反撃しようとしますが、ロンを殴ることはできず、黙って離れの家から出て行きました。アルマはすっかり怯えてしまい、ロンのことまで拒絶しました。思い慕っていたアルマが悲しむ様子を見て、ロンはハッドに初めて嫌悪感を抱くのでした。

それからすぐ、町の獣医が検疫の結果を知らせに牧場にやってきました。獣医は「最悪な結果」と語り、病気の感染がこれ以上広まらないようすぐに牛全頭の殺処分を指示してきました。頭を抱えるホーマーに、ハッドは牧場の土地を掘って石油を産出すればいいと語りますが、ホーマーはとてもそんな気になれませんでした。石油のように掘ればただ出てくるようなものではなく、直に手をかけて育つものにホーマーは愛着を感じていたのです。

その後すぐに牛の殺処分が行われ、牛たちが殺される光景をホーマーは見届けました。最後に残ったのは、ホーマーが特に手をかけていた希少種のロングホーン二頭でした。ホーマーは自らの手でこの二頭を殺すことを望み、覚悟を決めてライフルで撃ち殺すのでした。

【結】- ハッドのあらすじ4

それから間もなく、アルマが家を出ることとなりました。ハッドに襲われたことが原因で、アルマはこの家に居続けることが耐えられなくなったのです。出発の夜、ロンは車でアルマをバス停まで送り、アルマと別れの挨拶をしました。その後、ロンが去ると、そこにハッドが偶然通りかかりました。ハッドがアルマに先日のことを謝ると、アルマは「乱暴なマネでなきゃ受け入れたわ」と笑いました。「シャツを脱いだあなたの体に窓からよく見とれてたのよ」…アルマはハッドにこれまで隠していた気持ちを明かし、バスに乗り込むのでした。

その帰り道、ハッドは前方にロンの車がいることに気づきました。ハッドはロンをからかおうと軽く車をぶつけると、突然ロンの車が急ブレーキをかけ、畑に突っ込みました。前方に倒れたホーマーがいることに気づき、ロンはとっさによけようとしたのだ。ハッドも車を急停止させ、ロンとともに倒れるホーマーに寄り添いました。ホーマーは土地の見回り中に落馬したといい、ひどく衰弱していました。ロンは救急車を呼ぼうとすぐにハッドの車に乗り込みましたが、ハッドの車は故障し動きません。ハッドは自分のウィスキーを飲ませてホーマーを落ち着かせようとしますが、ホーマーは酒を飲もうとしませんでした。ホーマーはハッドの目を見ながら「わしが粘っちゃ迷惑だろう」と言って目を閉じ、息を引き取りました。ロンはホーマーが死んだのはハッドのせいだと非難し、自分なりに父を支えていたと語るハッドの言葉を否定しました。

ホーマーの死によって、ハッドとロンの関係は修復不可能なものになりました。ホーマーの埋葬が終わると、ロンは荷物をまとめて牧場を出て行きました。ハッドはそんなロンを引き止めましが、ロンは冷たい眼差しでハッドを見つめ、「さよなら、ハッド」と口にしました。ハッドは一人家に戻り、酒を飲んでタバコを吸い始めました。そして、ロンが歩く方向に目をやって、別れのハンドサインを送ると、ドアを閉めるのでした。

みんなの感想

ライターの感想

一見、主人公は保守的な父親と対立するろくでなしのように見えますが、ところどころで父親への気遣いが感じられ、良き叔父のようにふるまう場面があり、どこか憎めないキャラクターです。そんな難しい役どころをポール・ニューマンが微妙な表情の変化で演じ切っているのが印象的でした。それだけに、主人公が父を失い、甥の信頼も失うラストシーンはもの悲しく感じられました。

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