映画:ハードコア(2018年・日本)

「ハードコア(2018年・日本)」のネタバレあらすじと結末

ハード・コア(2018年・日本)の紹介:2018年11月23日公開の日本映画。狩撫麻礼&いましろたかしによるカルト漫画を、同作のファンだったという山下敦弘監督と山田孝之のタッグで映画化した人間ドラマ。廃工場で謎のロボットを見つけたことから運命を狂わせていく男たちの姿を描く。山田演じる主人公・右近と行動を共にする男を荒川良々、右近の弟を佐藤健が演じる。

あらすじ動画

ハードコア(2018年・日本)の主な出演者

権藤右近(山田孝之)、権藤左近(佐藤健)、牛山(荒川良々)、水沼多恵子(石橋けい)、金城銀次郎(首くくり栲象)、水沼(康すおん)、バーの女(松たか子)

ハードコア(2018年・日本)のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①右近と牛山は薬品工場の廃墟でロボオを見つける。ロボオは優秀なロボットだと右近の弟・左近が気づくが、右近と牛山は仲間だと思い、悪用しない。 ②ロボオに埋蔵金を発掘させた左近はチャイニーズマフィアと交渉、金に換えた。その留守中に右近と牛山はトラブルに巻き込まれ南国へ。

【起】- ハードコア(2018年・日本)のあらすじ1

ハードコア(2018年・日本)のシーン1 現代の日本、10月の渋谷。

世間はハロウィンに浮かれています。
そんな渋谷の片隅にあるバーに、権藤右近がやってきます。
右近は背中に「刃」「katana」という文字がプリントされたTシャツを着ていました。
(注:「刃」は本来「やいば」と読む。「かたな」の場合は「刀」。わざとだと思われる)

右近はその店に先月、イケメンの弟・左近と一緒にやってきていました。
その際にキープしたボトルを出してもらい、右近は飲み始めます。

店内のカウンターには、魅力的な女性がひとりで座って、呑んでいました。
ハロウィンで騒ぐ世間のことを、女性は醒めた目で見ており、右近は気が合いそうだなと考えて、嬉しそうな顔をします。
ところが…。

店内に若者たち数人が入ってくると、カラオケで騒ぎ始めました。
カウンターの女性は、騒ぐのが苦手とこぼしていたのですが、若者たちに誘われてカラオケに興じると、『今すぐkiss me』のサビを歌ったあと、若者のひとりにキスをします。
それを見た瞬間、右近はキレました。
若者たちの中に入り、頭突きで攻撃します…。


実は右近は曲がったことが嫌いな男で、矛盾が許せないのです。
まっすぐで正直な分、現代社会では「生きにくい」人間でした。
それもあり、右近は右翼団体の末席にいます。

右近と対照的な生き方をしているのは、弟の左近でした。
左近は世の中を「こんなもの」と割り切って観察し、妥協して生きています。
一流商社に勤務し、やってくる女性は拒まず受け入れていました。

バーで酔いつぶれた右近を、左近は迎えにきます。
右近の介抱を朝までした左近は、その足でタクシーに乗り、ミャンマーへ海外出張に出かけました。


〔八ケ月後〕

前述のとおり、右近は右翼団体に所属しています。
街宣車で演説をする金城銀次郎という老人の下で、右近は活動していました。
水沼という上司の男がいます。
週に1度、群馬の山奥で「埋蔵金発掘」のために、穴を掘る作業をし、月に7万円もらっていました。

右近の仲間には、牛山という男もおります。
牛山は知的障害の印象を受けさせる男性ですが、表裏がない真っ正直な人物なので、右近は牛山が大好きでした。


ある日。
穴掘り仲間が、牛山が女性を知らないということをからかいます。
右近は穴掘り仲間に逆襲したあと、牛山に所持金を聞きました。
牛山は小銭ばかりですが、2万円もっています。

牛山は薬品工場の廃墟に住んでいました。
そこに女性を呼べないので、右近は牛山を自分の安アパートへ呼びます。
右近が電話をかけ、中年女性のデリヘルを呼び出しました。右近は押し入れに隠れ、首尾を見守ります。

【承】- ハードコア(2018年・日本)のあらすじ2

ハードコア(2018年・日本)のシーン2 小銭ばかりの金をかぞえた女性は、無言の牛山を気持ち悪いと思ったのか、「お店に電話しなきゃ」と言って部屋の外へ出ました。
女性が逃げようとしていると右近は気づき、追いかけます。女性は金を落として去りました。

上司の水沼から、「牛山は公安のスパイだ。牛山らしからぬ本を読んでいるから、見張れ」と言われた右近は、牛山が読んでいるという本を確かめに、廃墟へ行きます。
廃墟の牛山の私物を探ると、読んでいた本は物理の教科書でした。確かに、「らしからぬ本」ではあります。

しかし疑うのもバカバカしいと思った右近が、自分の安アパートに戻ると、部屋で牛山が、右近のSMボンテージルック(女性用)を着用しているところに出くわしました。
右近は牛山を凝視した後、「夜の貴婦人セット37000円。俺は一度も着たことはねえ」とつぶやきます。
(右近は着たことないんだそうです)


水沼が囲っている愛人・シルビアが浮気をしていないか探ってくれと、右近と牛山は依頼されました。
シルビアが働いているキャバレーに、右近と牛山は行きます。
牛山を先に帰した右近が、思い切って「俺と寝てくれ」と打診すると、シルビアはあっさり「ショート2万、泊まり3万ね」と応じました。
誰とでも寝るのかと聞いた右近は、牛山のところへシルビアを連れていきます。
牛山を相手にしてもらいたい右近でしたが、シルビアは牛山を見ると逃げていきました。
右近は少し切ない思いをします。

後日、水沼から浮気のことを聞かれた右近は、かばうつもりではないものの、「シルビアさんは水沼さんとの契約を守っている」と浮気を否定しました。
水沼はそれを聞いて安心し、喜びます。


牛山が右近のアパートへやってくると、「死んだ」と言いました。
右近が牛山について廃墟に行くと、そこには古いロボットがあり、毛布がかけられています。
ロボットが動かなくなったのを「死んだ」と表現していたのだと、右近は気づきました。

ロボットが動くかどうか半信半疑ながら、右近が胸部分を開くと、蒸気が派手にたちのぼります。
右近が手袋をつけて、中を簡単に修理すると、ロボットは動き始めました。
牛山は喜びます。

右近は牛山に、ロボットの存在は隠しておこうと言いました。
しかしロボットは、右近と牛山にくっついてきます。
ロボットなので、右近はなんとなく英語で「帰れ」と話しかけました。
酔っ払いの男性がそれを見て「見たことある、このコスプレ」と言います。
右近は、コスプレということにしようと決めました。

【転】- ハードコア(2018年・日本)のあらすじ3

ハードコア(2018年・日本)のシーン3 早速、埋蔵金発掘の仕事にロボットを同行させた右近は、水沼に名前を聞かれて「済原ロボオ」と答えます。
ロボオはロボットなので、発掘のときに力を発揮しました。

右近の様子を見に、左近がアパートへやってきます。
ロボオを見た左近は、ロボオの優秀さに気づき、ロボオを利用するとすばらしいと言います。
しかし右近は「あいつは機械なんかじゃない。俺と牛山の仲間なんだ」と言って、ロボオの存在をばらすなと左近に言いました。

その後も右近はロボオを連れて、埋蔵金発掘の仕事に出ています。
給料が出ました。牛山と右近は7万円ですが、はたらきのいいロボオは10万円をもらっており、それを知った右近は複雑な気持ちです。
右近、牛山、ロボオの3人で呑みに行った際、チンピラに絡まれました。
その際、ロボオが右近と牛山を抱えて、空を飛びます。右近と牛山はびびりました。


牛山とロボオを撮影している男を見つけ、右近が怒ります。
右近は、男がロボオを撮影しているのかと警戒しましたが、男は探偵で、撮影は「牛山」が目当てでした。

…牛山は四国の旧家の子息でした。しかしノイローゼが高じて蒸発してしまいます。
蒸発騒動から十数年が経過しているため、牛山の家の者は、牛山を連れ帰すつもりはありません。
本人かどうか確かめるだけ、でした…。

それを知った右近は、「家族なんていらねえ。俺たちは空だって飛べるんだ」と呟きます。

左近が右近のところへ来ると、ロボオのすごさを強調します。
ロボオは発掘現場で「穴を掘れ」と言われているから、穴を掘っているだけです。
目的さえ明らかにすれば、ロボオの使い途は非常に有効なのだといった左近は、金(きん)ののべ棒を見せて「これを探せ」と言いました。
ロボオは金(きん)を探知し、横穴を掘って金の小判の入った大量の箱を見つけます。

埋蔵金が見つかったことを、右近は複雑な気持ちでいました。
金城が恩人であることは確かですが、埋蔵金すべてを金城に渡すべきか悩んだ右近は、穴を隠します。
左近は、考えがあると言いました。


水沼の家に行った右近は、たまたま出会った水沼の娘・多恵子にひとめぼれをします。
同じ頃、左近はロボオのところへ通い、ロボオに声を与えようと考えていました。

右近は弟の左近に、恋をしたことを告げます。
左近は兄の恋の相手・多恵子を見ると、「やめとけ。つきあった男を悪くする女だ」と反対しました。
それでも右近は多恵子にのめりこみ、我を失います。

【結】- ハードコア(2018年・日本)のあらすじ4

ハードコア(2018年・日本)のシーン2 飲み屋で口論した右近と左近は、物別れに終わりました。
「正しく生きたい」と考える右近に対し、左近は「何が世直しだ。まちがってるのが世の中。それでも生きてくんだ」と答えます。

左近はチャイニーズマフィアと連絡を取り、小判を金(かね)に変えようとします。
右近や牛山の存在は目立つので、左近はひとりで行くと言いました。右近に衛星電話を置いて、出かけていきます。


金城が人を殺したと、水沼が言いました。
水沼はスーツケースを持ってくると、その中に金城会頭が殺害した民間人の遺体が入っていると言います。
牛山が住んでいる薬品工場の廃墟に、ほとぼりが冷めるまでそのスーツケースを置いておきたいと、水沼は言いました。
水沼はスーツケースを置くと、「絶対に開けるな」と指示して去ります。


その頃、右近はテレビニュースで、東シナ海で香港ルートの不審船が見つかり、男性2人の遺体が発見されたと聞いて、弟の左近が死んだと思い込みます。
衛星電話をかけてもつながらないので、右近の心配は確信に変わりました。
右近は弟の死を悲しみ、恋人の多恵子に告げますが、多恵子は一切気に留めません。
(多恵子は左近のいうとおり、ろくでもない女だった、ということ)


薬品工場の廃墟にいる右近と牛山のところへ、警察がやってきました。
左近によって声を与えられたロボオは、戸惑う右近と牛山に、からくりを教えます。

実はスーツケースに入っているのは、金城会頭の遺体でした。
金城会頭を殺したのは水沼で、金城に痴呆の症状が現れていたからです。
水沼は警察に密告をして、右近と牛山に罪を着せようとしていました。

右近と牛山は警察に呼びかけられるまま、廃墟の外へ出ます。
ロボオは「最適解を実行します」と言うと、右近と牛山を抱いて空を飛びました。
上空で爆発が起こります…。


夏は終わり、蝉の死骸が転がる頃。
チャイニーズマフィアとの取引を成功させた左近は、札束の入ったスーツケースを2つ持ち、帰宅しました。
兄・右近、牛山、ロボオの名前を廃墟で呼びますが、誰も出てきません。

『完』の文字。


…一転して。
南の島では、女性が出産しようとしていました。
ひげがのびた牛山と右近は、その手伝いをしています。
やがて赤ん坊が無事に生まれました。その赤ん坊は、牛山の子どもです。
右近と牛山はその後、浜辺で夜空を見上げました。
横に、ロボオの残骸があります。

(左近は兄たちを裏切らず、取引を成功させて大金を手に入れて戻ってきた。
牛山と右近は南国で無事に生き抜いている)

『狩撫麻礼に捧ぐ』の文字。

みんなの感想

ライターの感想

どこまで本気で見たらよいのか戸惑いはするものの、面白い作品。
右近と左近という対照的な兄弟や、牛山というつかみどころのない男、それにロボットのロボオ。どれもナイス。
全編にちりばめられた小ネタ。たとえばSMのボンテージルック、値段けっこうするんだな(笑)。
右近がぼそっと呟くセリフ、思わず笑ってしまった。
不器用にしか生きられない大人の男たちが描かれている。少しの悲哀も混ざって。

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