映画:バッドエデュケーション

「バッドエデュケーション」のネタバレあらすじと結末

バッド・エデュケーションの紹介:スペインのドラマ映画。監督・脚本は「オール・アバウト・マイ・マザー」などで知られるペドロ・アルモドバルで、本作は半自伝的な内容と称されている。日本公開は2005年。

あらすじ動画

バッドエデュケーションの主な出演者

イグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)、エンリケ(フェレ・マルティネス)、マノロ神父(ダニエル・ヒメネス・カチョ)、パキート(ハビエル・カマラ)、ベレングエル(ルイス・オマール)、モニカ(レオノーラ・ワトリング)、イグナシオの母親(ペトラ・マルティネス)、少年時代のイグナシオ(ナチョ・ペレス)、少年時代のエンリケ(ラウル・ガルシア・フォルネイロ)

バッドエデュケーションのネタバレあらすじ

【起】- バッドエデュケーションのあらすじ1

舞台は1980年のマドリード。新進気鋭の映画監督エンリケは、映画のネタになりそうな新聞記事の切り抜きをしていました。
そこへかつての同級生であるイグナシオを名乗る青年が訪ねてきて、2人は16年ぶりの再会を果たします。イグナシオは現在役者をしており、自分のことをアンヘルと呼ぶようにリクエストします。
イグナシオは自身が書いた「訪れ」というタイトルの脚本をエンリケに渡します。少年時代は実話を基にして、大人になってからはフィクションを描いているというものでした。イグナシオは映画化できるなら是非出演したいと猛アピールをして、電話番号も言わずに去って行きます。
イグナシオはエンリケの初恋の相手でした。しかし、当時の面影がないことをエンリケは不思議に思います。戸惑いながらも脚本を読むと、そこには2人が引き裂かれる原因となった、ある悲劇が描かれていました。

「訪れ」は、ギャンブルに負けた男が「ラ・ボンバ」というショーを観に行くシーンから始まります。
そこではサハラという名の女装をした若い男が、ラブソング「キサス・キサス・キサス」に合わせて口パクをしていました。サハラは舞台からカーネーションを投げて、男がキャッチします。
店から出てきたサハラは、男が待っていたことに気付きます。その後、ホテルで行為に及びますが、男はそのまま眠ってしまうのでした。その隙にサハラは男の財布を物色し、彼が妻子持ちで、エンリケという名であることを知ります。
エンリケはサハラがかつて愛した相手でした。「この瞬間を夢見ていた。明日会いたい」と手紙を残して、サハラは去ります。

次にサハラは教会へ向かい、マノロ神父に会いに行きます。サハラはイグナシオの妹を名乗りますが、マノロ神父はイグナシオのことを覚えていないとしらを切ります。
サハラは一旦マノロ神父の元を離れます。

【承】- バッドエデュケーションのあらすじ2

少年時代のイグナシオは、寄宿学校の聖歌隊に属していました。そして、文学の先生だったマノロ神父のお気に入りの生徒でした。
月に2回の校外授業に出たとき、ほかの生徒が水遊びに夢中になっている中、イグナシオはマノロ神父のギターで「ムーン・リバー」を歌っていました。
その後、イグナシオは草むらから飛び出してきます。マノロ神父は着衣の乱れを整えながら追いかけてきて、イグナシオは転んで額から血を流します。

サハラは再びマノロ神父の部屋に乗り込みます。彼はイグナシオの写真を未だに持っていたのです。
サハラは兄(イグナシオ)が書いたと言って、「訪れ」の原稿を見せます。そこには、かつてイグナシオがマノロ神父から受けた性的虐待について語られていました。
そして、出版社に送られたくなければ100万円を用意するようにと脅迫します。サハラは女性の身体を手に入れるために、マノロ神父に金を要求しに来たのです。
しかし、マノロ神父は「世間は自分のことを信じる」と拒否するのでした。

再び過去に戻ります。
イグナシオはサッカーをしていました。ゴールに蹴り込もうとしたとき、ゴールキーパーの少年と目が合って、他の方向に蹴ってしまいます。彼こそがエンリケでした。
イグナシオはマノロ神父の誕生日になると、神父たちの前で「帰れソレントへ」を歌わされました。
イグナシオとエンリケは、あるときお互いの恋心を知ります。2人で映画を観に行き、館内で人知れず行為に及びます。
その夜、イグナシオが目を覚ましてトイレに行くと、エンリケもついてきます。そこへマノロ神父が現れて、2人は慌ててトイレに隠れるも見つかってしまいます。
嫉妬に狂ったマノロ神父は、イグナシオを連れ出してエンリケを退学処分にすると言います。イグナシオはエンリケを救うために、マノロ神父に身を任せるのでした。
しかし、マノロ神父は結局エンリケを退学処分にしてしまいます。

脚本に惚れ込んだエンリケは、イグナシオを呼び出して「訪れ」を映画化したいと話します。
そこでイグナシオにエンリケの役を勧めますが、彼はどうしてもサハラを演じたいと言って聞きません。
しかし、サハラを演じるにはイグナシオはたくましすぎたのです。それでもイグナシオは、痩せられると引き下がりませんでした。

翌日、イグナシオはエンリケの別宅に行きます。
エンリケはプールで泳ぎ始めて、イグナシオもブリーフ一丁になります。下着を脱ごうとするイグナシオでしたが、エンリケの視線が気になり動きを止めます。
エンリケは目の前のイグナシオが、かつて愛した相手と同一人物とは思えないと言います。イグナシオはサハラの役をくれないなら映画化は白紙だと反論しますが、エンリケは「男じらしめ」と捨て台詞を吐いて立ち去ります。
イグナシオは「会わなければよかった」と悪態をついて、彼の元を去るのでした。

イグナシオはサハラ役のリサーチをするために、ショーを観に行きます。
そこでは女装した中年男が口パクで「キサス・キサス・キサス」を歌っていました。イグナシオは女装家の楽屋に乗り込み、教えを乞おうとします。

【転】- バッドエデュケーションのあらすじ3

エンリケはイグナシオが持っていた「ラ・ベルラ」のライターを手がかりに、彼のことを探ろうとしていました。
イグナシオの実家を訪ねると、彼の母親が出迎えてくれました。壁にはイグナシオの写真が飾ってありましたが、母親は弟のフアンの写真だと説明します。
本物のイグナシオは、数年前交通事故で亡くなったのです。母親はイグナシオが生前書いた手紙をエンリケに渡します。
手紙にはかつてイグナシオがバレンシアに住んでおり、マノロ神父も同じ土地にいたことが書かれていました。さらに、マノロ神父の本名はベレングエルで、神父をやめて出版社で働き、妻子がいることまで記されていたのです。

しばらくして、エンリケの前に身体を絞ったイグナシオ(正体は弟のフアン)が現れます。サハラ役のオーディションを受けに来たと言って、ついにエンリケに身体を許すのです。
そしてエンリケはハッピーエンドだった「訪れ」のラストを、悲劇に変更します。

やがて「訪れ」の最終撮影日に突入します。
サハラ(イグナシオ)がマノロ神父の部屋に監禁される場面から始まります(実はこれまでの2人のやりとりは「訪れ」の一場面だったのです)。
マノロ神父は「イグナシオを愛していた」と告白し、サハラは「虐待以外の何物でもなかった」と思いを吐き出します。
しかし、サハラはホセという神父に捕えられ、首の骨を折られて死亡します。ホセ神父が「目撃者はいない」と言うと、マノロ神父は「神がいる」と呟きます。「神は我々の味方です」とホセ神父が言ったところで、カットがかかります。
撮影が終了した後、サハラを演じていたフアンは号泣します。

エンリケの部屋には、ベレングエルと名乗る男が来ていました。彼こそがかつてのマノロ神父です。
ベレングエルは「神父も父親も失格だ」と自嘲し、イグナシオの死の真相を語り出します。

「訪れ」のシナリオ同様、本物のイグナシオもマノロ神父を脅そうとしていました。
イグナシオはベレングエルに「訪れ」の原稿を送り、自宅に招きます。イグナシオは髪を長く伸ばし、胸には乳房もある女性のような風貌でした。
イグナシオはジャンキーで、薬物中毒を治す前に整形手術を受けたいと訴え、ベレングエルに100万円を要求します。
そこに同居していたフアンが現れます。ベレングエルはフアンを一目見て、封印していた性愛が復活してしまうのです。それ以来、ベレングエルはフアンに会うために、イグナシオに金を少額ずつ届けるようになります。

ある日、イグナシオは母親に会うために外出します。
ベレングエルは部屋にわざとマフラーを忘れて、フアンに会いに行きます。フアンは「僕は兄貴と違う」とベレングエルの寵愛を拒否します。
しかし、フアンはイグナシオが金を使い込んでしまい、演劇学校の授業料が払えず困っていました。ベレングエルは銀行から200万円を融資してもらい、フアンに金を与えるのでした。
それから2人は、一週間もの間一緒に時間を過ごします。ソファの上で行為に及び、おもしろがったフアンがその様子をカメラで撮影していると、イグナシオが帰ってきます。
イグナシオは母親が心臓発作になったことを告げて、フアンは慌てて実家に電話をかけます。イグナシオは母親の義理の姉の年金を横取りしており、母親はイグナシオが更生施設に入ると言ったことを信じきっていました。
フアンは「殺してやる」と怒り狂い、その後ベレングエルとイグナシオを始末することを決意したのです。

【結】- バッドエデュケーションのあらすじ4

ベレングエルは、エンリケに「訪れ」を何故悲劇的なラストに変えたのかと尋ねます。
それはイグナシオの死を知ったからでした。

その後、フアンは高純度の薬物を購入します。ベレングエルがイグナシオに渡しに行ったとき、彼はエンリケ宛に手紙を書いていました。
更生施設に入所を申し込んだイグナシオは、これが最後の薬だと言います。そして薬物を体内に入れると、タイプライターの上に倒れ込みます。
フアンとベレングエルは、ほとぼりが冷めるまで距離を置くことにしたのです。

話を聞き終えたエンリケが部屋を出ると、フアンと鉢合わせます。しかし、エンリケは何も言わずに去って行きます。
ベレングエルと再会したフアンは、「今度姿を現したら殺す」と威嚇しますが、仕事も家庭も失ったベレングエルは、「もう君から離れない」と宣言します。
フアンは衣装係のモニカの車に乗せてもらって、その場を去るのでした。

その夜、フアンはエンリケの別宅に行きます。
フアンは母親からエンリケが訪ねてきたことを聞いており、自分の正体が知られていることは承知していました。エンリケはそれを知った上でオーディションを受けたことを責めます。
さらに、「君がイグナシオを殺したとは思わなかった」と言うと、フアンはベレングエルが殺したと主張します。エンリケは「君が利用した」と批難しますが、フアンは「田舎町であんな兄を持つ恥がわかるのか」と気持ちをぶつけるのでした。
外に出て、フアンは自分をサハラ役に選んだ理由を尋ねます。エンリケは「君がどこまで偽り続け、僕が耐えられるか試したかった」と告げて、「こんなのは序の口だ」とフアンは答えます。
そして、フアンはイグナシオが最期に書いたエンリケ宛の手紙を渡して、去って行きます。手紙には「親愛なるエンリケ、これでやっと……」とだけ書かれていました。

その後、ベレングエルはスターになったフアンにつきまとい、彼が運転する車に轢かれて死んでしまいます。

「訪れ」のサハラ役が評価されたフアンは、10年間トップスターとして君臨し、その後落ちぶれます。さらに、無一文になって脅迫してきたベレングエルを車で轢き殺す事件も起こします。そして衣装係のモニカと結婚し、その後はテレビなどで活躍しました。

エンリケは「訪れ」を世に放った後も、映画監督として変わらぬ情熱を持っていると語られる場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

男性同士の激しい情愛を扱った作品というイメージだったのですが、思いのほかミステリー要素が強く、映画の場面と現実の場面が交錯する展開に引き込まれました。回想シーンと思っていたところが実は映画の場面だったことに気付いたときには、「いい作品に出会えた」と心が躍りました。主演のガエル・ガルシア・ベルナルは、本作でイグナシオのフリをする正体不明のアンヘル、女としての人生を渇望するサハラ、神父を利用するあどけなさの残るフアンと、複数の役柄を見事に演じきっていました。彼の演技だけでも観る価値がある作品だと思います。鑑賞後「監督の半自伝的作品」という謳い文句にギョッとしたのですが、おそらく大いに筆が加えられているのでしょう。

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