映画:バルトの楽園

「バルトの楽園」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

バルトの楽園の紹介:2006年に出目昌伸監督によって映画化された作品で、松平健が主演をつとめています。第一次世界大戦中に捕虜となったドイツ人たちの生活とともに、彼らと徳島県坂東の人々との交流が描かれています。史実に基づいて製作された作品であり、日本人にもなじみが深いベートーベンの「第九」が国内で初めて演奏されたのは、本作で描かれている坂東捕虜収容所のドイツ兵たちによるものと言われています。

あらすじ動画

バルトの楽園の主な出演者

松江豊寿(松平健)、高木繁(國村隼)、クルト・ハインリッヒ(ブルーノ・ガンツ)、カルル・バウム(オリバー・ブーツ)、伊藤光康(阿部寛)、志を(大後寿々花)、松江歌子(高島礼子)、すゑ (市原悦子)、馬丁宇松(平田満)、黒田(大杉漣)

バルトの楽園のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- バルトの楽園のあらすじ1

バルトの楽園のシーン1 第一次世界大戦中、ドイツ軍の極東の拠点である青島(チンタオ)では、ドイツ軍が窮地に立たされていました。
ドイツに宣戦を布告した日本をはじめとする連合国軍の攻撃に追い詰められ、やがて青島は攻略されてしまうのでした。
青島を攻略した日本軍はそこで4000人を超えるドイツ軍兵士を捕虜とすることになります。
捕虜になったドイツ軍兵士は日本へと送られ、全国各地に建てられた捕虜収容所へと収容されることになるのでした。
捕虜を収容する施設では過酷な労働や住環境、また不当な扱いを受けることも少なくありません。
日本にある収容所でも劣悪な環境にさらされて脱走した捕虜が、捕まってさらし者のような仕打ちを受けることもありました。
捕虜たちは不当な仕打ちに抗議することもありましたが、暴力によって押さえつけられることも多くありました。
しかし徳島にある捕虜収容所・坂東捕虜収容所では松江所長の指揮のもと、ドイツ軍の捕虜が手厚くもてなされていました。
捕虜となったドイツ軍兵士は、収容所の日本兵らに厳しく管理されていたものの、好きなものを食べてビールを飲み、音楽や自然を楽しむなど、人間らしい自由も認められていました。
ドイツ人たちは収容所の中で各自仕事をしながら生活し、ときに監視をつきではあるものの外出を認められることもありました。
また捕虜と近隣住民との交流も盛んに行われ、子どもたちはドイツ人捕虜から体操やバイオリンを習ったり、西洋の技術を学ぶことも多くあるのでした。
坂東捕虜収容所にはドイツ軍の青島総督であるクルト・ハインリッヒの姿もありました。
彼もまた青島の戦いで捕虜としてとらえられて日本へと送られ収容されていましたが、松江はハインリッヒ総督に敬意をもって接し、総督もまた捕虜になっても軍人としての毅然とした態度を崩すことはありませんでした。

【承】- バルトの楽園のあらすじ2

バルトの楽園のシーン2 ある日、坂東捕虜収容所からひとりのドイツ人捕虜が脱走したことで騒ぎになります。
軍隊から応援を呼んでとらえようという声も上がるなか、松江は大事にはせずに収容所の人間だけで捜索しようと指示します。
近隣の村にある民家に潜伏していた脱走者・カルル・バウムは脱走の過程で傷を負い、わらの中に隠れながら眠ってしまいます。
目を覚ますと民家の中にいたカルルは、そこに住む家族からケガの治療をほどこされ、食事まで出してもらうのでした。
その後カルルは自らの足で収容所へと戻ってきます。
収容所の外での出来事について何も語ろうとしないカルルに、口を割らせようとする軍人たちもいましたが、松江はカルルの手当てされている傷を見て坂東の人々が手当てをしたことを悟り、今回の件に関しては目をつぶることを決めるのでした。
松江はカルルがとらわれている牢を訪れ、カルルがドイツでパン職人をやっていたことを知ると、ここでパンを作ってくれないかと頼みます。
坂東捕虜収容所ではパンを作っている捕虜たちがいましたが、みな素人ぞろいで松江は上手なパンが焼ける人を探していたのでした。
カルルはそこで働いていた収容者たちに手本を示し、パンを作っていくことになります。
また坂東捕虜収容所では捕虜たちを連れて海に出かけることもあり、捕虜たちは海に入って泳いだり、絵を描いたり折り紙を折ったりと、それぞれが好きなことをして過ごすこともありました。
しかしこれらの事実を知った陸軍省では坂東捕虜収容が捕虜に対して扱いが甘いことに良い顔をせず、予算を減らされてしまいます。
これを受けて松江は、贅沢をさせた覚えはないと怒りをあらわにし、「私が預かっているのは収容所であって、刑務所ではない」と話すのでした。
圧倒的不利な兵の数で勇敢に戦ったドイツ兵たちに対して無礼な扱いはできないと語る松江に、陸軍省の多田少将は松江が会津藩の出身であることを持ち出し、松江をなじるのでした。

【転】- バルトの楽園のあらすじ3

バルトの楽園のシーン3 あるとき収容所にひとりの女の子が訪ねてきます。
名前を「志を」と名乗るその女の子はドイツ人と日本人のハーフで、戦争に行ったドイツ人の父親と連絡がとれなくなったことから父の行方を追って収容所へとやって来たのでした。
松江は彼女の労をねぎらうとすぐに確認を行ないますが、収容所の名簿には父親の名前はありませんでした。
しかし父親を知っているという人物を発見し、そこで志をは父が戦死したこと知るのでした。
志をの父親は、青島の戦いで攻めてくる日本兵に対して銃を向けることができなかったと言います。
彼と一緒に戦っていたカルルはそんな志をの父親を戦場で殴ることもありましたが、遺品として残っていたロケットペンダントには志をの写真がおさめられており、ともに戦った上官やカルルは志をの姿を見て、彼が日本人を撃てなかった理由が分かったと話します。
志をは父の形見となったペンダントを受け取り、涙を流すのでした。
志をにはすでに両親がおらず、混血であるがゆえに身寄りもいないことから、しばらくは松江の家族とともに暮らすことになります。
そんな中、坂東の町では世界でも類を見ないという捕虜たちの博覧会が開催されようとしていました。
捕虜たちが制作した珍しい置物や機械、西洋の音楽に興味を持った地元の人々が多く詰めかけ、博覧会は大賑わいになっていました。
そこではカルルが作ったパンやお菓子も振る舞われ、初めて味わう西洋のお菓子に子どもたちは大喜びするのでした。
カルルは博覧会場の隅にひとりでいる志をを見つけ、お菓子を勧めます。
初めは遠慮していた志をですが、カルルのお菓子を食べておいしそうに微笑み、そんな姿を見てカルルは「自分にはこんなことしかできない」と話します。
博覧会の最後には阿波踊りが始まり、そこにはカルルや志を、松江までもが変装して参加しているのでした。
博覧会は大成功に終わりましたが、ほどなくして第一次世界大戦は終結し、収容所内の新聞を通じてドイツの敗戦が知らされるのでした。

【結】- バルトの楽園のあらすじ4

バルトの楽園のシーン2 ドイツの敗戦に収容所のドイツ人たちはショックを隠しきれない様子でした。
収容所内のハインリッヒ総督のもとにもその知らせは届き、ドイツ帝国皇帝であったウィルヘルム2世が亡命したことを知り、落胆するのでした。
失意の底でハインリッヒ総督は銃による自決を行なおうとします。
銃声は収容所内にとどろき他の捕虜たちが大勢押し寄せるなど騒然としますが、総督が撃った弾は腕を貫通しただけで済み、一命をとりとめるのでした。
敗戦に加えて心の支えでもある総督の自決未遂に、ドイツ人たちもほとんどが落胆していました。
仕事も手につかない様子の彼らを見て松江は一喝します。
そしてハインリッヒ総督のもとを訪れ、松江は自らの出自について話し始めるのでした。
松江の父親は会津藩の藩士であり、旧政府軍として戊辰戦争を戦った会津の人間は維新後も長きにわたって迫害されてきたと言います。
未開の地に送られ開拓を命じられた松江の父たちは、一面に雪原が広がる土地で必死に生きてきたのでした。
彼らを支えていたのは憎しみや復讐心ではなく、会津人としての誇りであったと松江は話します。
そして捕虜たちにとっての誇りとは総督であると松江は語るのでした。
そして戦争終結の調印式が行われたことで収容所の捕虜たちも晴れて自由の身となり、それぞれが自分たちの道を歩き始めます。
多くのドイツ人が祖国へ帰ろうとする中、カルルは日本に残ってパンを作ることを望み、さらに志をを引き取って養子として育てることを決意するのでした。
ドイツ軍の軍楽隊は収容所を出る最後の日に、感謝のしるしとして演奏会をしたいと考えていました。
演奏する曲はベートーベンの第九に決まり、必要な楽器を集めたり編曲をしたりと、軍楽隊長は大忙しで作業を進めます。
演奏会当日は大勢の人が会場に詰めかけ、ハインリッヒ総督は捕虜を人道的に扱ってくれた松江に感謝を示し、自ら使っていた杖を贈るのでした。
そして第九が演奏され、日本人やドイツ人はそれぞれが音楽に体を揺らしながらオーケストラの演奏に聞き入っていました。
聴衆の中には志をやカルル、脱走したカルルを助けた村人などさまざまな人が訪れており、演奏が終わると万雷の拍手が沸き起こるのでした。
官舎には会津藩士であった父と同じように、ずっと生やし続けていたヒゲを剃ろうとする松江の姿がありました。

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みんなの感想

ライターの感想

戦争中に敵国の捕虜を手厚く扱う収容所が、日本にあったということが興味深かったです。
第九のシーンでは国籍関係なく誰もが盛り上がっている様子が印象的で、これまでに登場した人物たちのさまざまな想いが垣間見られて良かったです。

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