「バースデーカード」のネタバレあらすじと結末の感想

バースデーカードの紹介:2016年10月公開の日本映画。橋本愛と宮崎あおいが共演し、母娘の愛を描く人間ドラマ。亡き母親から毎年届く、バースデーカードの内容に戸惑いつつも成長していくヒロインを橋本愛が透明感のある演技で魅せ、宮崎あおいが家族を大きな愛で包む母親を演じる。

予告動画

バースデーカードの主な出演者

鈴木紀子(橋本愛)、鈴木紀子〔4歳〕(新津ちせ)、鈴木紀子〔9~12歳〕(篠川桃音)、鈴木紀子〔中学生〕(中村ひなの)、鈴木芳恵(宮﨑あおい)、鈴木宗一郎(ユースケ・サンタマリア)、鈴木正男(須賀健太)、鈴木正男〔幼少期〕(星流)、鈴木正男〔少年期〕(小野寺永遠)、立石純(中村蒼)、石井沙織(木村多江)、谷原章介(谷原章介)

バースデーカードのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①紀子の10歳の時に約束した「毎年バースデーカードを出すからね」という約束を、病気で他界した母・芳恵は守り続ける。紀子と弟・正男の誕生日に贈られるバースデーカードは2人の楽しみだった。 ②20歳で母からのバースデーカードは終わるが、恋人・立石が誕生日を祝ってくれるように。幼い頃のクイズの口惜しい思い出を『アタック25』でリベンジした紀子は立石と結婚。

【起】- バースデーカードのあらすじ1

「紀子という名前は、父がつけてくれました。二十一世紀の『紀』に、『子』どもと書いて紀子です。この時代に存在した証という意味です。私は小さい頃は引っ込み思案で、いつもひとりでした。そんな私に母はよく本を読んでくれました。やさしくて明るい人で、私は母のことが大好きでしたが、悲しませたことがありました…」
面接で、鈴木紀子はそう話しながら、当時のことを振り返ります…(このシーンは後に出てくる)。

…長野県諏訪市。
鈴木紀子は大学で天文学の講師をする父・宗一郎と母・芳恵の間に生まれました。弟・正男もいます。
紀子が幼い頃、まだ母・芳恵は元気でした。芳恵はかぎ針編みが得意で、編みぐるみや刺繍をよく紀子にしてくれます。

1999年。
小学校3年生、9歳の紀子は、学校のクラスでクイズ大会の代表に選ばれました。しかし紀子は引っ込み思案で、おおぜいの前で答えられるか自信がないと思います。
図書館で母・芳恵に「物語には主人公、脇役、悪役がいる。私は脇役がいい」と言った紀子に、芳恵は図書館の広さを示しました。物語は山ほどあることを告げた芳恵は「のんちゃん(紀子のこと)にはのんちゃんの人生があって、その人生ではのんちゃんが主人公よ」と言います。紀子は母の言葉に納得しました。
紀子の家ではクイズがよく出ていました。
夕食の席で、父が「私の周りには空気がある。君の周りには何がある?」とクイズを出しました。弟・正男は「俺の周りには愛がある!」と言って父を笑わせますが、紀子は「黄身(きみ)の周りには白身がある」と答えます。

ところが迎えたクイズ当日。
学校へ行くと、選ばれなくて妬んだ同級生の女子・高橋に、紀子は意地悪なことを言われます。
「答えない方がいいんじゃない」「間違えると恥ずかしいよ」
その一言は紀子のやる気を挫きました。内向的な紀子はクイズ大会で発言できなくなります。愛媛県の県庁所在地も、知っていながら声に出せませんでした。
学校でのクイズ大会が終わった後、紀子は「私やっぱり脇役がいい」と言います。
「あなたには未来がある。いっぱい希望がある」と慰める母・芳恵に、紀子は思わず「ママはどうなの? 希望通りの人生を歩めてる?」と棘のあることばを投げかけてしまいました。
その当時、母・芳恵は病気が発症しており、芳恵は思わず言葉を詰まらせます。
紀子は「もう私に期待しないで」と言葉を続けました。
(この「ママは希望通りの人生を歩めている?」と投げかけた言葉が、冒頭の「母を悲しませたことがあった」というもの)

2000年。紀子は小学4年生になりました、誕生日が来れば10歳です。
母・芳恵は発病し、入院しています。
(注:劇中で芳恵の病気について明らかにされないが、病床を抜けて放射線治療に行くシーンがあるので、ガンの可能性が高し)
入院した母・芳恵を見舞った紀子は、芳恵がクイズ番組『アタック25』のクイズに連続正解するのを見て驚きます。
(当時は児玉清が司会者で、優勝者には海外旅行が与えられた。この当時はアメリカのディズニーワールドへの旅)
喜んだ紀子は母に、クイズに挑戦してと言いました。母は紀子に「元気になったら挑戦しようかな」と答えます。
しかし母がもう治らない病気なのだと、幼い紀子は気づいていました。父・宗一郎に告げて泣く紀子を見て、父・宗一郎は紀子の誕生日にピクニックを計画します。

10歳の紀子の誕生日。ピクニックをした先で、芳恵は娘である紀子にプレゼントを渡します。
プレゼントは、芳恵の刺繍入りのハンカチと、自作のバースデーカードでした。開くととび出すタイプのものです。
11歳も12歳の時にも、必ずバースデーカードを紀子に渡すと、芳恵は約束しました。紀子が20歳になるまで毎年手紙を贈ると宣言しただけではなく、弟の正男にも出すと言いました…。

…母・芳恵はその後、帰らぬ人となります。
それでも芳恵は生前、紀子と正男に手紙を用意していました。紀子も正男もそれを知っており、年に1度の誕生日を心待ちにします。

2000年、紀子は11歳になりました。
11歳になった紀子への母からのバースデーカードは、クイズでした。
『たいくつな人が割引セールで買った花は、何?』
もう1つの小袋には、答えがありました。ひまわりの種です。
(注:「たいくつ」=「ヒマ」、「割引」=「ワリ」で「ヒマワリ」。ダジャレ)
紀子は母・芳恵の指示どおり、ひまわりの種を庭に植えます。
その年から毎年、紀子たちの家の庭にはひまわりが咲くようになりました。

12歳のバースデーカードには「おいしいチョコマフィンの作り方」が詳細に記されています。
それを指示通りに作った紀子は、クラスメイトに振る舞ってクラスの人気者になれました。
13歳のバースデーカードには「学校をサボって、ひとりで映画を見てみよう」と書かれていました。
紀子は指示通り学校をサボり、『セーラー服と機関銃(薬師丸ひろ子バージョン)』を見に行きます。

14歳のバースデーカードには、なんと「キスの心得」と口紅が入っていました。
「好きな男の子はできましたか。その時に備えましょう」と、図入りで詳しく手ほどきが書かれています。
「心得その1 口臭には気を使うこと」…紀子は歯磨きを必死でします。
「心得その2 上目づかいを心がけること」…紀子は父・宗一郎で試します。
「心得その3 イメージトレーニングは欠かさずに」…枕を見立てて練習しているのを弟・正男に見られ、紀子は赤面します。
「心得その4 素敵な相手を選ぶこと」…紀子はクラスメイトを物色します。
その紀子の目に、クラスの窓際の席で静かに本を読む男子生徒・立石純が映りました。紀子は立石のことが気になっていたのです。
その頃、同じ手芸部の友だちに彼氏ができたことから、紀子の夏休みの予定が白紙になりました。

【承】- バースデーカードのあらすじ2

夏休み、近所のおばさんに浴衣を着つけてもらった紀子は、そのおばさんと一緒に夏祭りに行きます。
そこでたこやき屋の屋台にいる立石と会いました。立石は紀子にたこやきをくれます。
おばさんはさりげなく席を外し、休憩を取った立石と紀子は話をしました。
たこやきにはたこが入っておらず、代わりにこんにゃく入りです。立石は将来バイクを買いたくて、その資金を稼ぐためにアルバイトをしていました。
「免許を取ったら、バイクの後ろに乗せてやる」と立石は紀子に約束します。夢のようなひとときです。
その時、紀子の脳裏に母のキスの心得の最後の1条が蘇りました。
「心得その5 チャンスが来たら迷わずに」
ちょうど遠くに花火があがり、いい雰囲気です。紀子は立石の方を向き、目をつぶりました。
立石は紀子の両肩を抱きますが、「鈴木、青のりついて、歯ぐきから血が出てる」と言います。紀子は「ええーっ」と焦りました。
…という、無残な幻想を抱きます。キスのくだりはすべて紀子の幻想でした。実際の.2人は花火を見ているだけです。

2006年。
17歳の誕生日には、紀子は母・芳恵のお願いどおり香川県の小豆島にフェリーで渡ります。
小豆島は母・芳恵の出身地で、この年、母の中学時代のタイムカプセルが開くのです。芳恵は1966年生まれなので、生きていれば40歳になったことでしょう(タイムカプセルを埋めてから25年後に開く設定っぽい)。
港には、芳恵の友人だった石井沙織が迎えにきました。芳恵は中学校時代に生徒会長で、沙織が副会長だったそうです。
タイムカプセルを開く前日、宴会が催されます。
その席で、紀子はバースデーカードに一緒に入っていた『第29回 小豆島町立戸形中学校』の修学旅行の記念写真を一同に見せました。メンバーはみんな懐かしいと言って見入ります。行き先は京都です。
その写真には、紀子の母・芳恵だけが欠席だったらしく、右上のところに楕円形で写真が載っていました。その理由を聞くと、みんな少し気まずく黙りこみます。
その日、沙織は飲んだくれて荒れました。その横で同級生の男性2人が、事情を話してくれます。
当時の修学旅行の行き先は、最初は東京だったそうです。しかし1か月前になって、教頭がゴリ押しして京都へ変更してしまいました。
教頭は旅行会社と繋がっており、旅館の代金をピンハネするつもりで、行き先を変更したのです。
最後まで抵抗したのは芳恵と沙織でした。2人はボイコットすると主張しました。
しかし修学旅行当日、沙織は修学旅行に参加し、芳恵だけがボイコットしました。
以来、沙織と芳恵の間に距離ができてしまったそうです。
その夜、タクシーで帰宅した沙織は、紀子も連れていました。沙織の家に泊めるのです。
しかし酔っ払った沙織に対し、玄関先で娘の真帆は水をぶっかけました。
真帆は中学生なのですが、ひきこもりになっているのだと、照れ笑いしながら沙織は紀子に言います。「できれば話しかけてやって」と沙織は言いますが、紀子は「私、そういうの、ちょっと苦手で」と断りました。

翌朝。紀子は沙織らを手伝って、オリーブ畑の茶葉を摘む手伝いをします。
葉っぱを摘みながら、沙織は中学時代のことを紀子に話しました。
当時、芳恵と沙織はピンク・レディーの大ファンでした。ちょうど修学旅行の日程とピンク・レディーの解散コンサート(1981年)の日程が合っており、2人は行く気でした。
行き先が京都に変更になった時、それでも芳恵と沙織は修学旅行をボイコットして積立金を返金してもらい、その金で2人して東京へ行くつもりでした。
ところが沙織の方は、親に泣きつかれて、修学旅行に行かざるをえなかったのです。
「ずっと謝りたかった」と、沙織は紀子に言いました。
母・芳恵の知らない一面を新たに知って、紀子は驚きます。
朝の作業の後、紀子はシャワーを浴びて真帆のTシャツを着替えに借りていました。それを見た真帆が血相を変え、Tシャツを取り戻そうとします。
それはロックフェスの2005年版Tシャツでした。脱ぐために真帆の部屋にお邪魔した紀子は、真帆とそのロックバンドの話題で打ち解けます。
同じ頃、中学校の校庭ではタイムカプセルが開けられていました。遅れて紀子も参加します。
旧姓・宮沢芳恵のタイムカプセルは、ピンク・レディーの解散ライブのパンフレットでした。それを見た沙織は「行ったんだ…」と驚きます。
芳恵がそれを渡せと言っているように感じた紀子は、沙織に手渡します。
沙織がぺらぺらとパンフレットをめくると、途中のページに『沙織、ごめんね』という付箋が貼られていました。
それを見た沙織も、泣きながら芳恵に謝ります。
沙織を見守った紀子は、中学生時代の母・芳恵を見たような気がしました。
出発の日、紀子は沙織に見送ってもらいます。
そこへ自転車で真帆が追いかけてきました。打ち解けたバンドのベスト版のCDを焼いたと言うと、紀子に手渡します。

【転】- バースデーカードのあらすじ3

紀子は「私も送るね」というと、いつかカラオケに行こうと約束しました。その時にはピンク・レディーも歌おうと言います。
真帆は「なにそれ」と言いながらも、母・沙織のCDを借りて覚えておくと約束しました。
紀子と真帆は笑顔で別れます…。

2008年。紀子は大学生になっています。
19歳の誕生日、紀子はバースデーカードを開封するのをためらいます。
というのも、今までずっと紀子はもういない母・芳恵のカードに振り回されていると考えたからです。
去年、18歳のバースデーカードには、ボランティアに参加しろという内容でした。その通りにした紀子は、すでに約束をしていた友人との予定をキャンセルしたのです。
「振り回されたくない」という紀子に、高校生になって野球部に入っている弟・正男は「今日読まなきゃ意味ないだろ」と言い、父・宗一郎も「読んでから考えたらどうだ」と声をかけますが、「私の人生、決められたくない」と紀子は頑固に意志を曲げようとしません。
怒った宗一郎は母に謝れと言いますが、紀子は「だったら連れてきてよ」と父に言って外出します。
思わず口からついて出た言葉でした。父・宗一郎も悪くなくて、ただ自分がわがままを言っただけだと思った紀子は、泣きながら歩きます。そこで、すれ違ったバイクの男が話しかけてきました。
それは中学時代の同級生で初恋の相手・立石でした。
立石は紀子に「腹減ってない?」と言うと、バイクの後ろに乗せて、自分が修行しているラーメン店に連れていきます。
立石は遠くに見える花火を指し示しながら、紀子が泣いていた理由を質問しました。
父と喧嘩したと紀子が答えると、立石は、自分にはできないと答えます。
立石の家庭は父がいませんでした。母子家庭で、立石の母は自分と兄のために死ぬほど働いてきたと言います。そのことを思うと頭があがらないから、とても喧嘩などできないと答えました。
父と喧嘩ができるのも、家庭が平和な証拠なのだと思い知らされた紀子は、反省します。
別れ際、立石は「約束守れてよかったよ」と言いました。中学時代のお祭りの時、「いつかバイクに乗せる」という約束を、立石も覚えていてくれたのです。

その夜、紀子はバースデーカードを開けました。すると今回は、変わった書き出しでした。
「まずごめんなさいと謝ります。昨日、ママとパパは喧嘩しました。原因は、ママが手紙を破り捨てたからです」
そう始まった手紙は、当時の芳恵と宗一郎のことについて書かれていました。
20歳まで手紙を書き続けると約束した芳恵でしたが、準備しながら自信を喪失していました。
「紀子がどんな19歳になっているか全然想像できない」と言う芳恵に、宗一郎は「それでも書いてほしい」と訴えます。
「分からないことも書けばいい。紀子がどんな19歳になっているか、誰にも分からないんだから」宗一郎はそう言ったそうです。
「でもこれだけは言えます。ママは、紀子がどんな19歳の紀子でも、大好きです」
そう手紙は締めくくられていました。
晩年の母・芳恵と宗一郎の間で交わされたことを知った紀子は、今まで自分と母との間のことしか考えていませんでしたが、夫婦である宗一郎と芳恵の間にも、葛藤や悩み、悲しみがあったのだと知ります。
ずっとそこにあるので当たり前でしたが、父・宗一郎がずっと紀子に愛情を注いでくれているのだと、紀子は再認識しました。
階段をおりると、リビングのソファで宗一郎がビールを飲みながら寝入っていました。父・宗一郎に紀子は毛布をかけます。

2009年。紀子は20歳になりました。
スーパーでレジのバイトもしています。紀子は立石とデートする仲になっていました。
弟・正男の学校・諏訪南高校は、準々決勝で野辺山高校に1点差で負けました。正男はベンチ要員で終わったようです。
母からの手紙も10年になりました。紀子の20歳の誕生日は、10年前と同じようにピクニックをすることにします。
当時と同じ、山の中の草原でカレーを作り、食べます。
20歳の紀子へ宛てた手紙は、「この10年、書いているママはそうじゃないけど、とても幸せな気分でした」と書いてあったのち、「昔、のんちゃんに聞かれて答えられなかったことを答えますね」とあります。
それは、紀子がずっと悔やんでいた「ママは希望通りの人生を歩めている?」という問いへの答えでした。
「ママの人生は、決して思い通りではなく、心残りばかり。でもパパと結婚して紀子や正男たちと共に過ごし、満足しています」と書かれていました。
夜、紀子は宗一郎や正男と共に、天体望遠鏡で星を観測します。

この時を最後に、母・芳恵からの紀子へのバースデーカードはなくなりました。(正男は20歳になるまで続く)
その後の誕生日は恋人・立石が祝ってくれます。腕時計をプレゼントしてくれます。バースデーカードも添えられていますが、内容は『これからもよろしく』とシンプルなものでした。
立石が働くラーメン店でクイズ番組『アタック25』が放送されており、紀子は懐かしいと思いながら立石に、小学時代のエピソードを話しました。
学校のクイズ大会で答えられなかったことを話し「私が臆病だったから、あの日をやり直したいと今でも思う」と言った紀子に、立石は「リベンジすれば?」と声をかけます。

【結】- バースデーカードのあらすじ4

この頃には母・芳恵の優勝のウォルトディズニーワールドではなく、行先は憧れのエーゲ海クルーズ・ペア10日間の旅に変更になっています。
帰宅した紀子は、小学3年だった頃に芳恵と一緒に書いた応募はがきを見直しました。
そして自分で応募しようと決意します。

それからの紀子は『アタック25』に受かるために猛勉強し始めました。
インターネットで完全必勝マニュアルを研究し、予選会に応募します。しかし予選は難しく、なかなか受かりません。
それでも紀子は何度も何度も応募して、予選会の筆記試験に臨みます。
やがて紀子は大学を卒業し、地元で就職しました。弟の正男は大学を3浪しています。紀子も『アタック25』の予選会には落ち続けています。
ある日正男が自転車の旅に出ると言い出しました。なんでも母・芳恵のバースデーカードに「人生悩んだ時は旅に出ろ」と書かれていたそうで、大学に行くのを辞めて、正男は1~2年ほど全国自転車の旅に出ると紀子に言います。
父に相談したのかと紀子が聞くと「反対されたけど行く」と正男は言いました。
正男が出発しようとした時、嫌な予感がして早く帰宅した父・宗一郎と鉢合わせをし、正男は逃げるように旅に出ると「探すなよー」と言って去ります。
紀子は「手紙出しなよ~」と正男に言いました。

何度も落ちた後、紀子は予選会を突破します。続けて、二次試験として面接を受けました。
「紀子という名前は、父がつけてくれました。二十一世紀の『紀』に、『子』どもと書いて紀子です。この時代に存在した証という意味です。私は小さい頃は引っ込み思案で、いつもひとりでした。そんな私に母はよく本を読んでくれました。やさしくて明るい人で、私は母のことが大好きでしたが、悲しませたことがありました…」(オープニングの言葉)
『アタック25』の面接の時に、紀子はこの話をしたのです。
面接の後、紀子は立石とレストランで食事をしました。その時、立石は紀子に話があると改まって言います。
(この時、話の中身までは明らかにされないが、後に判明)
帰宅した紀子に、合格の電話が入っていました。父・宗一郎が電話を受け取っており、喜びます。

本戦は大阪で開かれました。新幹線で移動し、新大阪で下車します。
クイズ番組『アタック25』を収録しているのは、ABC放送で、大阪市福島区の旧大阪大学医学部付属病院の跡地、ほたるまち内でした。大阪市北区大淀から移転しています。
紀子は父・宗一郎と立石を連れていました。大阪には、小豆島から真帆が応援に駆け付けてくれます。
『アタック25』のクイズ番組が始まりました。司会者は、母・芳恵と見ていた頃の児玉清から、谷原章介に変わっています。
クイズに必死で食らいついた紀子は、最初こそ緊張していましたが、どんどん正解を勝ち取ります。
(注:『アタック25』というクイズは正解すると5×5のパネルのどれか1つを選び、オセロのように陣地を広げて行く形式)
25のパネルは紀子の色・青で埋め尽くされていきました。暫定2位の女性と、実質一騎打ちの戦いです。
最終問題の時、横から立石が父・宗一郎に「紀子さんと結婚させてください」と言い、宗一郎が素っ頓狂な声をあげます。
早押しクイズの出題文は『第1回芥川賞の受賞作は…』というもので、紀子はボタンを押します。
それは小学3年の紀子が母・芳恵と図書館へ行った時に、教わった作品名『蒼氓(そうぼう)』でした。読みを聞き、意味は「一生懸命生きていつか死んでいく。ママやのんちゃんのこと」という当時の母との思い出が、紀子の脳裏に蘇ります。

…紀子の優勝はなりませんでした。
早押しクイズの出題は、作品名ではなく作者名だったのです(作者は石川達三)。
優勝者は、早押しでミスして回答権を失った紀子ではなく、別の、学校の女性教諭でした。もっとも、紀子は作者名までは覚えていませんでした。
番組の最後に谷原章介に頼み、紀子は「正男ー、お姉ちゃん結婚するから帰っておいで」とひとことコメントします。
正男はパンク修理を頼んでいる時に立ち寄った自転車屋で放送を見ており、吃驚していました。

収録後、エーゲ海には行けなかったものの、紀子と立石、宗一郎は代わりに大阪の川を渡る遊覧船に乗ります。
しぶしぶながら、父・宗一郎は紀子と立石の結婚を許しました。

結婚式の日、迎えのタクシーが来たものの、宗一郎は庭のひまわりの前で記念撮影をしようとしています。
そこへぎりぎりで弟・正男が自転車で帰ってきました。宗一郎、紀子、立石、正男の4人で記念撮影します。
ウェディングドレスを着た紀子のところへ正男が来ると、「ママからの手紙、もう1通あるんだ」と言いました。紀子は驚きます。
手紙は正男の20歳のバースデーカードに入っていたらしく、父・宗一郎もその存在を知りませんでした。正男に母・芳恵が絶対に渡せと指示していました。
『花嫁になる紀子へ』と宛てた手紙は、「忘れないで、あなたの周りにはあなたを支えるたくさんの人がいることを。あなたはたくさんの人に愛されているから、感謝の気持ちを持って生きていけ」と書かれていました。
さらに紀子に向けて、かぎ針編みで縁取りの飾りを編んだベールのプレゼントも用意されてありました。
そのベールを身にまとい、紀子はバージンロードを歩きます。教会では、正男が母・芳恵の遺影を持って列席していました。

(エンドロール)父・宗一郎、母・芳恵と幼い紀子と正男の4人の記念写真。
最後の1枚は、芳恵ではなく立石を加えて大人4人になった記念写真。

(エンド後)紀子は立石が開くラーメン店の2階に引っ越しています。新居にも母・芳恵の思い出のスナップ写真が飾られています。
買い出しに行くと言う立石に答えた紀子は、母・芳恵の写真に手を合わせ「いってきます」と言いました。

みんなの感想

ライターの感想

すごく綺麗に綺麗にまとまっている作品。
橋本愛と宮﨑あおいだけでもゴージャスなのに、脇をかためるキャストも豪華。
こういう映画にありがちな、ほろっとするいい話で、破綻もなく本当に美しくまとまっていた。
加えて長野県諏訪市の美しい景色。
娘が橋本愛で、若くして(34歳という設定)他界した母が宮﨑あおい。ああ、これはもう見るしかないじゃん!
母娘とも美しいので、もうこれだけで大満足。

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