「バーバリアンズ セルビアの若きまなざし」のネタバレあらすじと結末の感想

バーバリアンズ セルビアの若きまなざしの紹介:コソボ独立で揺れるセルビアの寂れた町で、希望を見出せず鬱屈とする若者たちをリアルで繊細に描き出したヒューマンドラマ。
セルビア出身のイヴァン・イキッチ監督の長編処女作。2014年の作品で日本では2016年に公開。20を越える国際映画祭に出品され多くの賞を獲得。地元の不良少年をキャストに抜擢し、優秀俳優賞も受賞した。

予告動画

バーバリアンズ セルビアの若きまなざしの主な出演者

ルカ(ジェリコ・マルコヴィッチ)、フラッシュ(ネナド・ペトロヴィッチ)、ルカの母(ヤスナ・ジュリチッチ)

バーバリアンズ セルビアの若きまなざしのネタバレあらすじ

【起】- バーバリアンズ セルビアの若きまなざしのあらすじ1

2008年。コソボの独立問題で揺れるセルビア。
かつて工業地帯として栄えた町ムラデノバツ。荒廃したこの町に住むルカは仮釈放中の身で、学校にも行かなければ仕事も無く、やり場のない気持ちを抱えています。寂れた町で希望を見出せないルカだけではなく多くの若者が同じで、彼らの唯一の心の拠り所は、声をあげて地元のサッカーチームを応援することでした。
ルカがサポーターのまとめ役で親友のフラッシュと共に試合を観戦していると、フラッシュが他の友人に黒人選手・モハメドに投石するよう指示します。ところが試合後、周囲に“兄貴”と呼ばれているクラブの幹部から、ルカが投石したと疑いを掛けられました。ルカは否定しても信じてもらえず、通報しない代償としてモハメドの送迎を命じられます。無免許ながらルカはオンボロの車を渡されました。

ルカの家を訪れた社会福祉士は、ルカがこのまま暴力沙汰を起こさなければ、成人を迎える1カ月後に裁判所に推薦状を書くと約束してくれます。更に社会福祉士は、失踪したはずのルカの父が子供の様子を案じて事務所に来たと報告しました。父は失踪し既に亡くなったと思っていたルカは驚きます。実はルカの母が失踪者手当を貰うために、虚偽の申告を続けてきたのでした。働く気もない母は、手当てが打ち切られることに腹を立て「家庭を壊すのか」と社会福祉士に声を荒らげました。

【承】- バーバリアンズ セルビアの若きまなざしのあらすじ2

ルカは思いを寄せているステファナと体の関係を持とうとしますが拒まれます。ムッとしたルカはステファナのSNSに「男と“やってる”最中」と勝手に書き込み、彼女を怒らせました。しかしルカは、ステファナがサッカーチームの有望選手であるクリスチャンとの性交渉中の動画をSNSにアップしたとフラッシュから聞かされます。それを聞きルカは、信じたくない気持ちで悶々としました。
ネットカフェに仲間と行ったルカが周りに隠れてステファナのSNSを覗くと、“クリスチャンとはもう別れた”と書かれていました。それを見たルカはステファナにアプローチしますが、彼女は振り向いてくれません。さらに例の動画をフラッシュが入手しルカも見てみますが、ルカのクリスチャンへの嫉妬心は怒りに変貌してしまいます。

練習を終えたモハメドを迎えに行ったルカは彼を乗せたまま、バイクに乗るクリスチャンの後をつけ、バイクに車を衝突させました。クリスチャンは脚を骨折し、この事件でルカは兄貴たちから追われる身になります。ルカはステファナにも完全に拒まれたうえに、モハメドの送迎もフラッシュに奪われ、ますます居場所を無くしてしまいます。

【転】- バーバリアンズ セルビアの若きまなざしのあらすじ3

小さな町ではすぐに情報が伝わり、ルカの兄は仕事を失いかけ弟に冷たく接します。その弾みで兄は、父は失踪ではなく女と出て行ったのだと激白し、認めたくないルカは父を見つけ出すと決意しました。ルカは母や兄が隠した自分充ての父からの手紙を探し出します。さらにルカは社会福祉士の事務所を訪ね、父の連絡先を教えて欲しいと懇願しました。未成年には保護者の許可なしで情報公開ができないと言われたルカは、自分の首にハサミの刃を当てて社会福祉士を脅し、父が運転手をしているバス会社の住所と、古い携帯電話の番号を聞き出しました。

ルカがフラッシュの家に行くと、仲間が集まっていました。その中の1人が、一方的に独立宣言したコソボに対する明日のデモに参加すると口走ってしまいます。しかしそれはルカには知らせないことになっていて、彼は自分が爪弾きにされたことを痛感するのでした。やるせなくなったルカがクラブへ行くと、ステファナが見せつけるように他の男とキスしていました。

翌日ルカはデモが行われるベオグラード行きの電車に乗りました。車内は異様な騒ぎです。駅へ着くとフラッシュは他の仲間と別れ、ネットで出会った少女の部屋にルカを連れ出します。そこには少女2人がいてフラッシュはルカに1人の子を宛てがいますが、ルカは手を出しませんでした。それよりもデモのニュース報道が気になるルカは、デモへ行こうとフラッシュを急かしました。

【結】- バーバリアンズ セルビアの若きまなざしのあらすじ4

ベオグラードでは火炎瓶が飛び、コソボ独立を支援したアメリカの国旗が燃やされ、多くの民衆が暴徒化していました。フラッシュは主のいなくなった靴屋で商品を盗もうとしますが、ルカはその気にはなれず1人歩き出します。ルカは次第にこの荒れ狂う若者や、デモ自体に疑問を感じ始め、暴動の渦中から抜け出しました。

ルカは父の携帯電話を何度も鳴らしますが、古い回線は既に通じず苛立ちます。父のいるバス会社へ向かったルカは、父が運転する夜行バスに乗り込み、父の背中を見つめました。じっと視線を送ってくる青年に、運転手はバックミラー越しに不審がります。ルカはいつの間にか眠ってしまい、明け方のバスにたった1人乗っていました。休憩のためバスを降りた父は、ルカの母から来た電話に激怒しています。ルカもバスを降りてみますが、父は「何か用か?」と冷たく問いかけ、無情にも目の前にいるのが息子だと気付きません。そしてルカを降ろしたまま、バスは発車しました。
ルカが帰宅すると、自分の影響で傷だらけになった兄がいました。ルカは家の中でも肩身が狭くなります。

サッカーのダービーマッチに出掛けたルカは、入場ゲートで止められます。フラッシュをはじめこれまでの仲間たちが兄貴の命令により、“けじめ”として一斉にルカを襲いました。流血したルカはそれでも裏口から会場へ乗込み、いつものサポーターたちに交じって、シュプレヒコールのような声援を精一杯送るのでした。

みんなの感想

ライターの感想

展開に荒削りさを感じ、作品中で起きる事態を飲込むのが難しかったのですが、父に会いに行ったくだりからラストシーンまではとてもドラマチックで、監督の今後の作品に期待が膨らみました。
不良だった俳優陣が本作出演を機に映画製作や俳優の道へ進んだと聞き、その物語もまた感動的でした。特にルカ役のジェリコ君の視線が非常に美しく真っ直ぐで、不良と言えども本当は心がきれいな人なのだろうと感じました。邦題のサブタイに“まなざし”と記したのは、彼の瞳がゆえんではないでしょうか。

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