映画:ヒッチコック

「ヒッチコック」のネタバレあらすじと結末

ヒッチコックの紹介:2012年のアメリカ映画。スティーヴン・レベロのノンフィクション作品「アルフレッド・ヒッチコック&ザ・メイキング・オブ・サイコ」を基にしている。アルフレッド・ヒッチコック監督を演じるのは、アンソニー・ホプキンス。日本公開は2013年。

あらすじ動画

ヒッチコックの主な出演者

アルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)、アルマ・レヴィル(ヘレン・ミレン)、ジャネット・リー(スカーレット・ヨハンソン)、ヴェラ・マイルズ(ジェシカ・ビール)、アンソニー・パーキンス(ジェームズ・ダーシー)、ルー・ワッサーマン(マイケル・スタールバーグ)、ジョセフ・ステファノ(ラルフ・マッチオ)、ペギー・ロバートソン(トニ・コレット)、ウィットフィールド・クック(ダニー・ヒューストン)、エド・ゲイン(マイケル・ウィンコット)

ヒッチコックのネタバレあらすじ

【起】- ヒッチコックのあらすじ1

1959年7月8日。ヒッチコックと妻のアルマ・レヴィルは、新作映画「北北西に進路を取れ」のプレミア会場にいました。
しかし、批評家からの評価が高くなかったことや、記者から引退の時期を質問されたヒッチコックは、新作の題材探しに躍起になります。

一方、アルマは作家のウィットフィールド・クックと食事をします。
そこで、ヒッチコックの次回作の台本の脚色を頼まれます。

ヒッチコックは秘書のペギー・ロバートソンに、エド・ゲインの事件をモデルにしたロバート・ブロックのスリラー小説「サイコ」に興味があると伝えます。
しかし、ペギーは母親の遺体を墓から掘り起こしたといわれるエド・ゲインの事件を、世間が関心を示すことはないと言いました。

構わずサイコを読み進めるヒッチコックは、アルマからウィットフィールドの原稿を渡されます。
2人の関係を疑うヒッチコックは、原稿のチェックを拒否します。

ヒッチコックは夜中にアルマを叩き起こして、サイコのシャワールームで起きる殺人の場面を読ませます。ヒッチコックの中で、サイコの映画化が決定されたのです。
さっそくヒッチコックは、サイコの結末を皆に知られないようにするため、アメリカの書店にあるサイコを全て買い占めるように、ペギーに伝えました。

【承】- ヒッチコックのあらすじ2

ヒッチコックは、パラマウント映画社のバーニー・バラバンに、サイコの制作を発表します。
しかし、バーニーは出資に難色を示しました。ヒッチコックは屋敷を担保に入れて、資金を自力で調達するほかなくなってしまいます。
それを聞いたアルマは、何故ここまでサイコにこだわるのかと質問します。ヒッチコックは映画制作を始めたばかりの自分に戻りたいからだと伝えます。
さらに、ヒッチコックは主演女優を物語の中盤で殺害するつもりだと、意気揚々とアルマに語ります。
しかし、アルマは「30分で殺すのよ」と、あっさりとアイデアを覆すのでした。

2人は映画の制作費を自分たちで作るために、「フォアグラは近所の店のものを買う」「休日は車の送迎をやめる」などの倹約を始めます。
ヒッチコックはサイコが失敗してしまったとき、世間の笑いものになってしまわないかと不安になりますが、アルマは必ず成功すると言って、彼を励まします。

その後、ヒッチコックはジョセフ・ステファノを呼び出して、脚本を書かせます。
脚本の内容の検閲のために、ヒッチコックは苦手な映倫に向かい、ジェフリー・シャーロックから細部までチェックを受けます。
ジェフリーはまずシャワールームでの殺害シーンを指摘します。さらに、アメリカ映画史上でもトイレの映像を出すのは前代未聞だと拒絶しました。
サイコをアメリカで上映することは不可能とまで言われますが、ヒッチコックは自分の映画に登場する殺人鬼には思慮分別があると言って、半ば強引に脚本を通すのでした。

ある日、サイコの主人公であるノーマン・ベイツを演じる俳優として、アルマはアンソニー・パーキンスを連れてきます。彼女はアンソニーを「二面性がある」という理由で推薦しました。
ヒッチコックはアンソニーと面会し、彼がゲイのウワサを嫌っていることを知ります。
アンソニーは、自分とノーマンの生い立ちが重なると役へ意気込みを語ります。
アンソニー自身も母親を異常に愛しており、父親を殺したいと思っていました。しかし、5歳のときに父親が心臓発作で本当に亡くなり、罪の意識を感じていると言うのです。

ヒッチコックは、マリオン・クレイン役に悩んでいました。
グレース・ケリーに演じてほしいと嘆くと、彼女は王妃になったとアルマが返します。そして、アルマはマリオン役にジャネット・リーを勧めます。
ヒッチコック夫妻と面会したジャネットは、安物の香水とブランドの香水を使い分ける二重生活こそがマリオンの本質だと語り、ヒッチコックを喜ばせます。
ジャネットは胸が大きいため、シャワーシーンの撮影を心配しますが、ヒッチコックは編集でごまかすと説得し、さりげなく彼女の手を握ります。
ヒッチコックは大好きなブロンド美女にすっかり魅了され、アルマは隣でため息をつくのでした。

【転】- ヒッチコックのあらすじ3

サイコの制作が進んでいくうちに、ヒッチコックはエド・ゲインの幻を見るようになります。

いよいよリハーサルが始まります。
マリオンの妹役にヴェラ・マイルズがキャスティングされ、彼女と因縁があるヒッチコックは落ち着かない様子を見せます。
そしてヒッチコックは完全に封鎖されたスタジオで、作品の内容を誰にも話さないことを、キャストやスタッフたちに約束させました。

その間アルマは、最後の10ページの脚本の手直しをするために、スタジオに姿を現しませんでした。
アルマは優秀な脚本家として、30年もの間ヒッチコックを支えてきました。そんな彼女がウィットフィールドに誘われ、「タクシーでドブロヴニクまで」の脚本の共同制作をして、彼との距離を縮めていることに、ヒッチコックは憤っていたのです。
ヒッチコックはトラブルが相次ぐ現場に、さらに苛立ちます。

ヴェラは撮影中、ジャネットに声をかけます。ブロンドの美人女優に異常に執着するヒッチコックに注意するようにと言います。

アルマがウィットフィールドと食事をしたことに動揺するヒッチコックは、バーニーの話に聞く耳を持たず、酒で気を紛らせるのでした。

ある日、ジャネットはヒッチコックを車で自宅まで送り、ヴェラを嫌う理由を尋ねます。
ヒッチコック曰く、ヴェラを映画「めまい」のヒロインとして抜擢したにもかかわらず、彼女が撮影2週間前に妊娠し、降板したことを話します。
それ以来疎遠となり、ヒッチコックは「女はわからない」とこぼします。
帰宅したヒッチコックは、机に広げていたグレース・ケリーの写真の上に、アルマの指輪が置いてあることに気づきます。

その頃、ウィットフィールドとドライブを楽しんだアルマは、海岸沿いにある彼の別荘に誘われます。当分の間、そこで2人で脚本を手がけることになりました。
その後、アルマとウィットフィールドの脚本を読んだヒッチコックは、駄作だと言い切るのでした。

シャワールームでの殺害シーンを撮っているとき、ヒッチコックはジャネットの叫び声が気に入りませんでした。
興奮したヒッチコックは演技指導として、エド・ゲインに取り憑かれたような迫力で、ジャネットにナイフを振りかざします。
その後、ヒッチコックは高熱で倒れてしまい、ウィットフィールドと一緒にいたアルマにも知らされます。
ヒッチコックは撮影が進まないと連絡を受けて、スタジオに向かおうとしますが、アルマがそれを止めました。
アルマはヒッチコックの代わりにスタジオ入りし、スタッフたちに指示を与えます。そして、ちゃっかり現れたバーニーと代行の監督を、さっさと追い払ってしまうのでした。

アルマとウィットフィールドが不倫している妄想から逃れられないヒッチコックは、再びエド・ゲインの幻を見ます。エド・ゲインは「バスルームに浮気の証拠が残っている」と言いました。
バスルームに海砂が落ちていることに気づいたヒッチコックは、アルマにウィットフィールドとの関係を問いただします。
アルマは脚本制作に協力しているだけだと言いますが、ヒッチコックは妻なら自分をサポートするように命じます。
それを聞いたアルマは怒りを爆発させます。30年間陰で支え続けても、表舞台で絶賛されるのはヒッチコックだけで、ようやく手に入れた自分の仕事を非難される覚えはないと、猛然と切り返したのです。
ヒッチコックは何も言えなくなってしまいました。

その後、ヒッチコックは撮影を終えたヴェラに対して、グレース・ケリーのようなスターにしてあげられたと伝えます。しかし、ヴェラは自分には家庭があると答えました。

いつものようにウィットフィールドの別荘に向かったアルマは、彼が女性と行為に及んでいるところを目撃し、怒ってその場を去りました。

【結】- ヒッチコックのあらすじ4

完成したサイコの試写後、ヒッチコックは周囲からの評価がよくないことを知らされて落ち込みます。
加えて、「ヒッチコック劇場」で2部に分けて放映するように提案され、ヒッチコックは駄作を覚悟します。
ヒッチコックはサイコが退屈な作品だとアルマに伝えて、「君がいないと何もできない」とこれまでのことを謝罪します。
アルマは嘆いていても仕方がないと答えて、サイコの再編集をおこなうことを提案しました。

さっそく2人はシャワーシーンの編集を始めます。アルマは全員が見落としていた、殺害後のジャネットのまばたきを指摘します。
シャワーシーンは無音の予定で、音楽はいらないとヒッチコックは強調します。しかし、作曲家のバーナード・ハーマンの音楽を挿入すると、殺戮シーンの恐怖感が増し、ヒッチコックは満足します。

映倫側からは、上映の許可が下りませんでした。
そこでヒッチコックはシャワーシーンを残す代わりに、冒頭のラブシーンをもう一度撮ることで映倫側を納得させ、無事に撮影を終えました。

映倫の許可は下りたものの、パラマウント側は拡大公開をするつもりがありませんでした。
ヒッチコックはサイコの恐ろしさを人々に伝えるために、ある戦法を使います。
まずは2館だけで先行上映をして、劇場に警備員を配備したり、上映途中からの入場を制限することで、観客のサイコへの関心を高めたのです。

公開当日、劇場に長蛇の列ができました。
シャワーシーンが上映されると、観客は恐ろしさのあまり叫び声を上げました。
観客の様子を外から観察していたヒッチコックは、悲鳴が聞こえ始めるとその場で踊り出します。さらに、オーケストラの指揮者のように、悲鳴を演奏して楽しむのでした。

上映終了後、ヒッチコックは大勢の報道陣に囲まれます。
ヒッチコックはアルマを呼んで、自分たちが勝利したと伝えます。「あなたの最大のヒット作になる」とアルマが言うと、ヒッチコックは「我々の」と訂正します。
そして、アルマほどのブロンド美女は自分の作品に登場しないと宣言します。アルマがその言葉を30年間待っていたと返すと、「それゆえに自分はサスペンスの巨匠なのだ」と答えてみせました。

サイコは予想通り最大のヒット作となり、ヒッチコック夫妻は屋敷を手放さずに済みました。
次回作のアイデアを思案中のヒッチコックが、「ヒントはまもなく降りてくる」とカメラ目線で言うと、彼の肩にカラスが舞い降ります。ヒッチコックはカラスと視線を交わして、アルマの元へ歩み寄りました。

こうしてヒッチコックは、その後6本の映画を撮りますが、いずれもサイコを超えるヒット作にはなりませんでした。
しかし1979年、オスカーと無縁だったヒッチコックに、アメリカの映画界から生涯功労賞が贈られます。
ヒッチコックはそのときのスピーチで「この賞を人生の伴侶であるアルマと分かち合う」と語る場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

ヒッチコックの最大のヒット作である「サイコ」の舞台裏を描いた作品ですが、映画制作よりもヒッチコック夫妻の関係性をメインに描いています。2人はまるで戦友のようないい関係で、淡々とした語り口でしたが観ていて心地よかったです。なかでもサイコの試写会で酷評され、自信をなくしたヒッチコックを叱咤し、バリバリと再編集するアルマは男前でした。個人的にお気に入りのシーンは、サイコの上映中にお客さんが悲鳴を上げているのを確認したヒッチコックが、ノリノリになっているところです。演技はもちろんルックスまで忠実に再現した、アンソニー・ホプキンスの存在感が光りました。

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