映画:フェンス

「フェンス」のネタバレあらすじ動画と結末

あらすじ動画

フェンスの主な出演者

トロイ・マクソン(デンゼル・ワシントン)、ローズ・リー・マクソン(ヴィオラ・デイヴィス)、ジム・ボノ(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)、コーリー・マクソン(ジョヴァン・アデポ)、ガブリエル・“ゲイブ”・マクソン(ミケルティ・ウィリアムソン)

フェンスのネタバレあらすじ

【起】- フェンスのあらすじ1

舞台はいまだ黒人差別が残る1950年代のアメリカ、ピッツバーグ。黒人のトロイ・マクソンは妻ローズ、息子コーリーとともに下町で暮らしていました。裕福な白人家庭のゴミを収集する仕事には辟易しつつも、トロイは同僚で親友のボノとは仕事中いつも陽気に語らっていました。

そんな明るいトロイですが、過去にはつらい出来事を経験していました。初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンが登場する少し前の時代、トロイは黒人リーグで大活躍した野球選手でした。しかし、メジャーに進出することは最後まで叶わず、トロイはその理由を黒人差別にあると決めつけていました。この経験でトロイは白人優位社会で黒人が活躍することは不可能と考えるようになり、二人の息子たちには夢を追わず、堅実に生きて欲しいと望んでいました。しかし、トロイの望むようにはならず、前の恋人との間に産まれた長男ライオンズは貧乏生活を続けながらミュージシャンとしての成功を夢見、ローズとの間に産まれた次男コーリーはフットボールの才能を伸ばしたいと考えていました。実際コーリーにはトロイから受け継いだ抜群の身体能力があり、一流大学からのスカウトが来ていました。当時多くの黒人がスポーツ界で活躍しており、コーリーにもその可能性が十分にありました。しかし、いくらローズとコーリーが説得しても、トロイは進学の書類にサインをしようとせず、コーリーにアルバイトで金を稼ぐよう言いつけるのでした。

休みになると、ローズに頼まれてトロイとコーリーは庭にフェンスを作ることに。その作業中、息子の夢を応援しないトロイにコーリーは「僕を好き?」と尋ねました。それに対してトロイは、父親の責任で養っているだけであって好きかどうかは問題じゃないと冷たく言い放ってしまいます。

【承】- フェンスのあらすじ2

家庭に対しては強権的なトロイでしたが、弟のゲイブに対してはやり切れない思いを抱いていました。ゲイブは第二次世界大戦の戦闘で頭部を負傷、その影響で精神的な障害を負い、今ではトランペットと果物を持って街を徘徊するようになっていました。口にすることは、聖ペテロの審判や地獄の番犬など幻想めいたことばかり。ゲイブが国から受け取った見舞金3000ドルはトロイが家の購入に使いましたが、ゲイブはトロイたちの元を離れミス・パールという女性に世話になるようになっていました。ゲイブの家出によって、トロイは見舞金を自分たちのために使ったという罪悪感に苛まれるようになっていました。

そんなある日、長男のライオンズと親友のボノが家にやって来ました。ちょうどその日は、上司への交渉が実りトロイのゴミ収集車運転手への昇格が決まった日でした。庭に腰かけ、二人はトロイの昔話に耳を傾けました。トロイの父親は家庭に無責任な男だったこと、14歳のときにそんな父親を克服しようとしたこと、それができずに家出したこと…初めて聞くトロイの身の上話に驚くライオンズ。トロイは生活のために窃盗を繰り返し刑務所に入ったことも明かしました。すでにライオンズは産まれていましたが、恋人はトロイを待つことができず去ってしまったといいます。刑務所の中でトロイはボノと野球に出会い、出所後は愛するローズと出会い今の生活を築いたとトロイが語っていると、ローズもまたその話に笑顔で耳を傾けていました。ローズは波乱万丈な人生を送ってきたトロイにとって、得難いすばらしい女性でした。

一同がそんな話をしていると、コーリーが玄関先で叫び声を上げました。コーリーがフットボールをやめるよう高校のコーチに働きかけたことを知り、激怒したのです。「僕が父さんを超えるのが怖いんだ」というコーリーにトロイは威圧的な表情を見せ、コーリーが今ワン・ストライクの状態にあると語り掛けました。そして、「三振はするな」と言い残し、その場を去って行くのでした。

後日、フェンス作りをするトロイをボノが訪ねてきました。ローズがフェンスを作って何を締め出したがっているのかわからないとトロイが言うと、ボノは「閉め出すためか、中の人を出さないためか」と返答しました。この言葉に困惑するトロイに、ボノはローズがいかに良い妻であるかを語り、「自制しろ」と言葉をかけてきました。その意味するところをトロイは承知していました。トロイはアルバータという女性と浮気していたのです。

【転】- フェンスのあらすじ3

ボノが去ると、トロイは覚悟を決めローズにある事実を告白しました。アルバータがトロイの子を妊娠したというのです。18年間の夫婦生活に対する夫に裏切りに、絶望するローズ。トロイはアルバータと別れたくないことも伝えました。アルバータは家庭の問題を忘れさせてくれるトロイにとって癒しの存在だったのです。しかし、ローズにも主張はありました。最高の妻であろうとしたこと、トロイへの不安や不満を必死に抑えたこと…ローズは溜めていた思いをトロイにぶちまけ、二人の間には埋めようのない溝が生まれてしまいました。コーリーはそんな母親をトロイから守り、寄り添おうとするのでした。

それから半年、二人は仮面夫婦のような生活を続けますが、そんなある日ローズが関係を修復しようとトロイに歩み寄って来ました。しかし、出産間近のアルバータを気遣うその態度にローズは幻滅し、ゲイブを病院送りにし金を得たことを責めてきました。その話を初めて知り困惑するトロイ。トロイは字が読めず、ゲイブの釈放の書類と思ってサインした書類が病院送りを指示する書類だったのではないかと推測しますが、ローズは聞く耳を持ちません。「コーリーにサインしないで、今度はサインした!」。ローズはトロイにいくつもの非難の言葉を浴びせ、トロイの前から去って行きました。

街を激しい雷雨が襲ったある夜、アルバータが女児を出産するも難産で亡くなったという知らせがトロイの元に届きました。一時激しく落ち込むトロイでいたが、ふとかつて自分にまとわりついてきた死に神の存在を思い出しました。昔肺炎で何日も寝込んだとき、トロイは死に神を撃退したものと思っていましたが、今アルバータの命が奪われトロイの怒りの矛先は目に見えぬ死に神へと向かいました。「お前はフェンスの外にいろ」。トロイは窓を開け雨が激しく降る庭をにらみつけるのでした。

それから間もなく、トロイが娘を家に連れ帰ってきました。ローズは父親の罪は着せられないと赤ん坊を育てることを受け入れますが、同時にトロイの妻として生きることをやめると宣言しました。ローズとの仲がますます疎遠になったある日、トロイは一人パブへ出かけました。すると、そこで久しぶりにボノと再会します。運転手に昇格して以来、収集作業者のボノとはなかなか会えずにいたのです。ボノが引退を考えていることを明かすと、トロイもまた引退を真剣に考えていると打ち明けました。一人で何もしゃべらず黙々と運転することに嫌気がさしてきていたのです。

【結】- フェンスのあらすじ4

その後、トロイは家に戻り庭で一人酒を飲んでいました。庭にはフェンスが完成していました。すると、そこにコーリーが戻り、トロイに反抗的な態度を示してきました。ゲイブのお金で家を建てたこと、ローズを悲しませていること、コーリーにとってずっと恐怖の存在だったこと…コーリーはすべてをぶちまけ、トロイが愛用するバットを持って父親と対峙しました。しかし、攻撃は不発に終わりトロイはコーリーを圧倒、家から追い出してしまいます。その直後、トロイはふいに死に神の気配を感じ、バットを手にしました。「俺は手ごわいぞ」と死に神に語り掛けながら、トロイはバットを構え庭の向こうをにらみつけました。

それから数年後、庭でトロイの娘レイネルが遊ぶ中、家の中には喪服姿のボノ、ライオンズが待機していました。トロイが亡くなり、この日葬儀が行われることになっていたのです。家を出た後、アメリカ海兵隊に入隊し、伍長にまで昇りつめたコーリーも久々に家に戻って来ました。誇らしげにコーリーを迎える家族たち。今もミュージシャンの夢を追うライオンズは、コーリーにトロイの選手時代の話を語り始めました。三連続三振の後場外ホームランを打った父親を、ライオンズは誇らしく思っていました。しかし、コーリーは葬儀に出席しないと決めていました。影のようにつきまとう父親を一度くらい拒否したいと望んだのです。

ローズはそんなコーリーにトロイが自分そのものを息子に託したと語り、間違いがあってもすべては息子のためを思ってしたことと諭してきました。そして、ローズはトロイと出会ったときの情熱、家庭においてあまりにも大きいトロイの存在感を振り返り、そして今レイネルのおかげで人生をやり直せていることを認めました。トロイがコーリーにしたように、レイネルに最高のものを与えると語ると、ローズは葬儀の準備に戻って行きました。

それと入れ替わりに幼いレイネルが現れ、コーリーになついてきました。トロイがよく口ずさんでいた歌を歌うコーリーとレイネル。すると、そこにゲイブがトランペットを持って現れ皆を驚かせました。ゲイブは庭に立ち、「聖ペテロに門を開けてもらう」と言ってトランペットを構えました。古びたトランペットからはなかなか音が出ませんでしたが、ゲイブが天にいるトロイに語り掛け再び吹くと、やっと高らかな音がトランペットから出ました。それと同時に、雲間から美しい太陽が現れ温かな光がトロイの家族たちを包みました。「これでいい」。そう言って笑顔で家を出て行くゲイブ。ローズ、コーリー、ライオンズはしばらく立ち尽くし、この奇跡的な光景を眺めていました。

みんなの感想

ライターの感想

出っ張った大きなお腹、下町独特の言葉遣い、そして息子への心無い言葉の数々…デンゼル・ワシントンの毒親演技が冴えわたった作品です。その一方で、ここまでひねくれるに至った理由が少しずつ明かされ、複雑な思いを抱えている主人公に共感したくなる場面も少なからずあるのが憎いと思いました。また、主人公の妻を演じたヴィオラ・デイヴィスの演技にも注目です。ときにはデンゼル・ワシントンを圧倒し、観ている側まで息が詰まってくるような迫力ある演技を見せています。どうしてこれだけ魅力的な作品が日本未公開に終わったのか、とても不思議です。

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