「ベルベットゴールドマイン」のネタバレあらすじと結末の感想

ベルベット・ゴールドマインの紹介:1998年制作のイギリス映画。グラムロック界のカリスマであるデヴィッド・ボウイをモデルに、1970年代のグラムロック・ブームを描いた作品。主演はジョナサン・リース=マイヤーズとユアン・マクレガー。日本公開は1998年。

予告動画

ベルベットゴールドマインの主な出演者

ブライアン・スレイド(ジョナサン・リース=マイヤーズ)、カート・ワイルド(ユアン・マクレガー)、アーサー・スチュアート(クリスチャン・ベール)、マンディ・スレイド(トニ・コレット)、ジェリー・ディヴァイン(エディ・イザード)、シャノン(エミリー・ウーフ)、セシル(マイケル・フィースト)、ジャック・フェアリー(ミッコ・ウェストモアランド)、オスカー・ワイルド(ルーク・モーガン・オリバー)

ベルベットゴールドマインのネタバレあらすじ

【起】- ベルベットゴールドマインのあらすじ1

1854年、アイルランドのダブリン。オスカー・ワイルドは、アイドル歌手になることを夢見ていました。

時代は変わって1974年のロンドン。グラムロックスターとして一世を風靡したブライアン・スレイドは、ステージの上で射殺されます。スレイドの熱狂的ファンであった青年アーサー・スチュアートは、会場でそれを目撃していました。
ところが、スレイドの暗殺事件の数カ月後、実は自ら仕組んだ偽装殺人であることが発覚します。世間の不評を買い、スターの座を引きずり下ろされたスレイドは、その後消息不明となります。
スレイドのマネージャーをしていたジェリー・ディヴァインは、彼の事件は余興のようなものだと説明し、表現の自由が認められない社会を批判します。
スレイドと親交があったロックスターのカート・ワイルド、ジャック・フェアリーは、彼の人気が拡大し過ぎたことを指摘します。

そして1984年のニューヨーク。スチュアートはヘラルド紙の記者になっていました。
あるとき雑誌の穴埋め記事として、スレイドの狂言自殺の真相を探るための取材をするように指示されます。10代の頃スレイドの崇拝者だったスチュアートにとって、この仕事は適任のように思われましたが、実は彼には封印していた暗い過去がありました。
スチュアートはスレイドの音楽と出会い、自身のセクシャリティに気付いたのでした。同性愛者として肩身の狭い思いをしながら暮らしていたスチュアートにとって、バイセクシャルであることを堂々と売りにするグラムロックの世界は、本当の自分をさらけ出せる初めての場所でもあったのです。

【承】- ベルベットゴールドマインのあらすじ2

スチュアートは、スレイドの最初のマネージャーだったセシルに話を聞きに行きます。

1960年代後半のロンドン。当時モッズ青年だったスレイドは、クラブでマンディというアメリカ出身の女性と出会い、愛し合うようになります。やがてスレイドはマンディと結婚し、クラブで歌うようになります。同じ夢を持つフェアリーとも親しくなり、影響を受けます。
そして、スレイドのステージを観ていたセシルが、一目で気に入り声をかけたのです。スレイドはセシルと契約を結びますが、彼の音楽は人々から受け入れられませんでした。

1971年、スレイドは野外ロックフェスティバルで、アメリカのバンド「ワイルド・ラッツ」のカート・ワイルドのステージを観ます。
狼に育てられたと噂されるワイルドのパフォーマンスは強烈でした。激しく歌いながらステージの上で下半身を露出し、燃えさかる炎をくぐり抜けて、客席にダイヴしていたのです。
ワイルドのステージに衝撃を受けたスレイドは、その後レコード会社の社長だったディヴァインと出会います。ワイルドと同じようになれるとマンディにそそのかされたスレイドは、セシルを切ってディヴァインをマネージャーとして迎えます。

その後、セシルはスレイドと会っておらず、もっとくわしい話を聞ける人物として、マンディを紹介します。スチュアートはマンディと会い、スレイドとの思い出話を聞きます。

1972年、スレイドはディヴァインの元で「ヴィーナス・イン・ファーズ」というバンドを結成します。スレイドは宇宙をイメージしたキャラクターである、マックスウェル・デイモンを演じ、一躍カリスマへと昇りつめるのです。
あるとき、スレイドがワイルドに会いたいと言うと、ディヴァインは当時仕事がなかった彼と引き合わせます。スレイドはロンドンでのレコーディングにワイルドを誘います。そして、2人はあっという間に恋に落ちたのでした。
それをディヴァインは見事にビジネスにします。2人のセクシャルを武器に世界中に売り出し、大成功を収めます。スレイドは人々の前でバイセクシャルだと発言し、己のアイデンティティーを見せつけました。

一躍スターとなった2人は、どんどん親密になっていきます。マンディはスレイドを理解しているつもりでしたが、彼が必要としているのはもはや自分ではないことに気付いていくのでした。

【転】- ベルベットゴールドマインのあらすじ3

青年期のスチュアートは、そんなスレイドとワイルドをニュースや新聞記事で見ていました。
スレイドは自身の体現者であると言い、グラムロックに傾倒していきます。兄や友人からはホモだと馬鹿にされ、両親にも呆れられながら、スチュアートは徐々にセクシャリティに目覚めていくのです。
ところがある日、スレイドとワイルドのキス写真でマスターベーションをしていたスチュアートは、父親に殴られてしまいます。両親を失望させた彼は家を出て、グラムロックの聖地であるロンドンに旅立ったのでした。

一方スレイドとワイルドは、セックスとドラッグにふける日々を過ごしていました。
しかし、スレイドはマックスウェル・デイモンというキャラクターを演じることに疲れていました。その上、音楽は仮面に過ぎないと考えるスレイドと、音楽という自己表現を全てとするワイルドは、音楽性の違いから次第に関係に亀裂が生じます。
やがてスレイドとワイルドは、レコーディングを巡って対立します。そしてとうとうディヴァインは、ワイルドを見限ることにしたのです。ワイルドが去ったことでスレイドは己を見失いますが、ディヴァインからはツアーを続けるように指示されます。

行き詰まったスレイドは、1974年のワールド・ツアーの最終日に、ステージ上で偽装暗殺されてこの世界から消えることにしたのです。その4カ月後、狂言自殺と発覚し、ファンたちを激しく失望させます。
マンディは離婚届を持って、スレイドの前に姿を現します。セックスとドラッグ漬けの怠惰な日々を送る彼に別れを告げたのです。
1975年、グラムロックの埋葬コンサートを観に来ていたスチュアートは、人目を忍んで現れたスレイドを目撃します。スチュアートはワイルドのステージに熱狂し、コンサート終了後彼に接近します。スレイドに似た風貌のスチュアートを目にしたワイルドは、彼を誘って愛し合うのでした。

【結】- ベルベットゴールドマインのあらすじ4

マンディと別れたスチュアートは、ワイルドと接触を図ろうとします。ところが取材を拒否され、スレイドの消息を掴めずじまいでした。
しかし、かつてスレイドのスタッフをしていたシャノンという女性が、今人気絶頂のロックスターであるトミー・ストーンのマネージャーになっていることを知ります。そしてスチュアートは、トミー・ストーンこそがスレイドであることに気付くのです。慌てて職場に向かいますが、スレイドの記事はボツになったと告げられます。

トミーのコンサート終了後、スチュアートはスレイドとの関係について尋ねます。シャノンは会見を打ち切ってしまい、スチュアートはそのまま小さなパブに向かいます。そこにはワイルドの姿がありました。
スチュアートは彼に記者であることを知らせ、スレイドの真相について聞き出そうとします。最初は白を切るワイルドでしたが、スレイドにとって音楽は人々を扇動する手段に過ぎなかったと語り始めます。
そして「俺たちは世界を変えようとして、自分が変わってしまった」と言います。スチュアートは、それはいけないことなのかと尋ねますが、ワイルドは皮肉を込めて笑うのでした。
ワイルドが身に着けているピンはオスカー・ワイルドの物で、姿を消した友人からもらったものだと言います。ワイルドはスチュアートにピンを渡そうとしますが、自分にはその資格はないと断ります。
ワイルドはスチュアートに別れを告げて、その場を去ります。スチュアートがビールを飲もうとすると、瓶の中にはピンが入っていました。

そしてスチュアートが夢なのか現実なのかわからない世界で、美しい銀世界に見とれる場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

スレイドは、マックスウェル・デイモンという完璧な人間を作り上げることで、スターとなりました。しかし、現実では最愛のカート・ワイルドに去られ、己を失って破滅していったのです。最後には金のために大衆から愛される音楽を奏でて、社会に埋没していきました。そしてスチュアートもグラムロックに熱狂した自分を封印し、社会に溶け込んでいきました。きらびやかな世界観に圧倒されますが、人間が己を貫き通すことの難しさについて、切実に語られている作品だと思います。そんな中でも、スチュアートとワイルドの最後の語らいはとても現実的で、人間味にあふれていました。そして、過去を清算したかのような清々しい2人の表情に安心させられました。

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