「ボルベール〈帰郷〉」のネタバレあらすじと結末の感想

ヒューマンドラマ

ボルベール〈帰郷〉の紹介:15歳の娘を持つライムンダに降りかかった二つの死。娘は父を殺害、母親同然の伯母も亡くなる。更に数年前に亡くなった母親の姿を見たという噂も広がり、やがて衝撃的な秘密が暴かれていく。
監督はスペイン映画界を代表するペドロ・アルモドバル。今作ではペネロペ・クルスほか出演女優6名が第59回カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得するという快挙を達成。2007年のアカデミー賞では外国語映画賞のスペイン代表かつ、主演女優賞にもノミネートされるなど多数の賞を獲得し、アルモドバルの最高傑作と呼ばれている。

予告動画

ボルベール〈帰郷〉の主な出演者

ライムンダ(ペネロペ・クルス)、ソーレ(ロラ・ドゥエニャス)、パウラ(ヨアナ・コボ)、パウラ伯母さん(チュス・ランプレアベ)、アグスティーナ(ブランカ・ポルティーヨ)、パコ(アントニオ・デ・ラ・トレ)、イレーネ〈母〉(カルメン・マウラ)

ボルベール〈帰郷〉のネタバレあらすじ

【起】- ボルベール〈帰郷〉のあらすじ1

ライムンダは姉ソーラと娘パウラと共に、故郷ラ・マンチャ地方の両親の墓掃除に来ました。この台地は東風が強く墓が汚れやすいのです。両親も数年前風の強い日に山火事で亡くなりました。
3人は一人暮らしの伯母の家を訪ねます。伯母は妹(ライムンダの母)が今も料理をしてくれると話し、認知症が伺えました。家の2階にはエアロバイクがあったり、目も不自由な伯母がお菓子を作っていたことにライムンダらは不思議さを覚えます。
ライムンダは伯母の様子を見て貰えるよう、向かいに住むアグスティーナに依頼しました。アグスティーナにも年老いた母がいますが、数年前に失踪していました。
ライムンダがマドリッドに帰ると、失業した夫パコは酒に浸っていました。ある日パウラはたじろいで母の帰りを待っていました。パコが自分は父親ではないと言ってパウラを犯そうとし、彼女は父を刺殺したのです。ライムンダは自分が夫を殺したと娘に言い聞かせました。
ライムンダ遺体処理していると、以前働いていたレストランの経営者がやって来ます。マドリッドを離れるため、店の鍵を預かって欲しいというのです。余裕のないライムンダでしたが、店に遺体を隠すことを思いつき彼の依頼を受けました。

【承】- ボルベール〈帰郷〉のあらすじ2

続けて伯母が亡くなったとソーレから連絡が入ります。落胆するソーレを余所に、ライムンダは葬儀に行ける状態ではありませんでした。深夜になりライムンダは遺体をレストランに運び、倉庫にある冷凍庫に隠しました。
翌朝ライムンダが遺体の確認をしていると、近所で撮影している映画クルーが店を訪れます。食事できる場所を探しているという彼らにライムンダはランチを提供することにしました。
ソーレは一人で葬儀に向かい伯母の家に立ち寄ると、死んだはずの母の姿を見かけ、怖がりの彼女はその場を逃げ出しました。ところがソーレは、地元の人々も母を見かけたという話を耳にします。小さな田舎村ではみな霊の存在を信じ、疑う人はいませんでした。
ソーレがマドリッドに戻ると、車のトランクから母が出てきます。幽霊か本物か分からぬままソーレの家に住むことになり、自宅でもぐりの美容室を開いてるソーレを手伝い始めます。
ライムンダがソーレの家を訪れ、母は身を隠しました。ライムンダは母の匂いを感じ家の中を探し始めると、母が寄せておいた伯母の遺品を見つけます。ソーレが盗んだと勘違いしたライムンダは呆れて家を後にしました。

【転】- ボルベール〈帰郷〉のあらすじ3

ライムンダはクルーに打上げパーティを頼まれ準備していると、パウラに遺体の隠し場所を知られてしまいます。父を殺したと動揺する娘に、パコは実父では無いとライムンダは告げ、いつか真実を話すと約束しました。
若い頃歌手を目指していたライムンダはパーティで歌うことになります。彼女は母から教わった『帰郷』を涙ながらに熱唱します。娘の顔が見たくて近くまで来ていた母も、車に隠れて泣きました。
アグスティーナが癌だと連絡があり、ライムンダは市内の病院に向かいました。アグスティーナはライムンダの母が生きていると見込み、彼女に会えたら自分の母の行方を確かめてほしいとライムンダに頼み入ります。病気で思考が迷走していると思ったライムンダはまともに相手をしませんでした。
ライムンダが病院にいる間、ソーレの家に預けられたパウラは祖母と対面し、昔ライムンダが母と離れ伯母と暮らしていた話を聞きました。
ライムンダは大きな車を借り、知人のワケあり娼婦を無理やり付き合わせ、夫が好きだった故郷の川の近くに遺体を埋めました。

【結】- ボルベール〈帰郷〉のあらすじ4

アグスティーナがライムンダの店に来て、自分の母はライムンダの父の愛人で、ライムンダの両親が死んだ火事の日、山小屋で密会していたと暴露しました。信じたくないライムンダは彼女に協力する気にはなれません。
アグスティーナがTVの捜索番組に出演し、ライムンダと一緒に番組を見たソーラは、この機会にと母を会わせました。
ライムンダは15年前父に犯されパウラを妊娠し、それに気づかない母を憎んでいました。そんな娘に赦してほしくて母は戻ってきたのです。母はあの火事の日、ライムンダを預かっていた姉からその話を聞かされ、復讐のために山小屋に火をつけたのです。亡くなったのはアグスティーナの母でした。自首しようとした母が姉の家に寄ると、ショックで呆けた姉の姿を見て、死ぬまで面倒をみると決め身を潜めてきたのでした。
ライムンダらは伯母の家に行きました。アグスティーナがTV出演したことを謝罪しに来て、彼女は家で死ぬことを選んだと言って自宅へ戻りました。
母は罪滅ぼしにアグスティーナを看取ると決意し、彼女の家に行きました。心細くなったライムンダは夫の真実を聞いてほしいと母に甘えますが、母は明日聞くと言って娘を帰しました。残った母は独り玄関を振り返り、涙を拭きました。

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みんなの感想

ライターの感想

サスペンスのようにスリリングで次々と物語が展開されていくため、120分があっという間に過ぎました。
物語は2時間ドラマにありそうな内容ですが、大事なポイントに張られた伏線や、効率よくほどけていく秘密が見事で、名作だなぁと思いました。
舞台になったラ・マンチャ地方は監督の故郷でもあるということで、強風や広大な大地の映像、古い迷信が残ることなど、郷土への愛と、反して瑕疵が描かれているように感じました。

濃密な物語に対しラストシーンはあっさりしていて、その分ストーリーの続きを想像させられる終わり方でした。
母はあのまま命を絶ったのでは?
というのは、一個人の推測です。

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