「ミヒャエル」のネタバレあらすじと結末の感想

ミヒャエルの紹介:35歳独身のミヒャエルは、自宅の一室に10歳の少年を軟禁するという秘密を抱えていた。ある時ミヒャエルが事故に遭ったことをきっかけに、少年との関係が変質していく…。
2011年製作のオーストリア映画。数々の映画製作に携わってきたマルクス・シュラインツァーの監督処女作で、誘拐事件が多いオーストリアで問題解決のためにタブーな題材に挑んだ。カンヌ国際映画祭など世界中の映画祭で上映され、ダブリン国際映画祭をはじめ多数の賞を獲得した。

予告動画

ミヒャエルの主な出演者

ミヒャエル(ミヒャエル・フイト)、ウォルフガング(ダヴィド・ラウヘンベルガー)、クリスタ(ギゼラ・ザルヒャー)

ミヒャエルのネタバレあらすじ

【起】- ミヒャエルのあらすじ1

35歳・独身男のミヒャエルは神経質な性格で、友人もいなければ人との交流を避けるかのように一軒家に1人静かに暮らしています。そんな彼は誰にも言えない大きな秘密を抱えていました。会社から戻るといつも2人分の食事を用意し、防音仕様の分厚いドアを開けて地下室へ行くと頑丈な鍵をかけた部屋を開けるのです。そこには誘拐してきた10歳の少年を軟禁していました。ミヒャエルは用心深く1階の窓のシャッターを下ろしてリビングで少年と一緒に食事しますが、2人に必要以上の会話もなく、少年に後片付けを手伝わせるのでした。ミヒャエルは喫煙やテレビを見たりと自由な時間を過ごした後に、少年のベッドで性的な行為を強要させていました。
少年の部屋には流しやトイレなどが完備されていて、昼間は1人インスタント食品で食事を済ませています。部屋の照明はミヒャエルがブレーカーで管理しているため、彼が留守にしている間少年は懐中電灯の灯りだけで暮らしていました。ミヒャエルは少年に両親宛ての手紙を書かせて届けたフリをしていますが、もちろんその手紙は届けられることはなく地下の物置に保管されています。少年は抵抗することも出来ず、日々この生活に耐えていました。

保険会社に勤めるミヒャエルは職場では黙々と仕事をこなし、他の職員と会話もしません。唯一彼に話しかけてくる同僚・クリスタがある日の昼休み、ミヒャエルの家の向かいに大叔父の家があると告げてきたため、ミヒャエルは家の周囲への警戒心を強めました。

【承】- ミヒャエルのあらすじ2

ミヒャエルは少年に暴力は振るいませんが、乱暴な扱いでいつも命令口調です。時々少年の散髪をしたり、少年の姿を隠しながら車で外出させることもありました。ミヒャエルは休日に家から離れた動物園に少年を連れて行きますが、少年が体調を崩します。帰宅するといつものように性行為を求めるミヒャエルですが少年が高熱を出したため、慌てて自宅にあった薬を飲ませ解熱のために丁寧に介抱しました。
ミヒャエルは翌日仕事を休み付き添いますが、少年の熱が下がりません。万が一のことを考えたミヒャエルは、少年を埋めるための穴を山中に掘り、土で汚れた車を念入りに掃除しました。次の日薬局に向かったミヒャエルは、車に衝突されそのまま入院します。彼のもとへは見舞客などありません。少年の容体が気になるミヒャエルは脚のギプスが固まったので退院したいと申し出ますが、脳の検査が必要だと医者に告げられ数日間の入院を余儀なくされました。

退院したミヒャエルを心配した母から電話がありますが、家に来ることは何としてでも断ります。少年が無事快復したことを知ったミヒャエルは、脚を怪我しながらも早速彼に性行為をさせるのでした。
クリスマスが近づき、ミヒャエルはカフェで姉と会うと甥へのプレゼントを渡します。親族でも家にあげることしません。ミヒャエルはドイツ在住の女性と長らく交際していると嘘をつき、姉も信じていました。帰り道でミヒャエルはツリー用のモミの木を買います。事故に遭ってからのミヒャエルには、少年と交流を深めようとする心境の変化が見え、口調も柔らかくなりました。逆に少年はミヒャエルに反抗的な態度を取り始めます。地下室の物音に反応して部屋に来たミヒャエルに少年は殴りかかりますが、彼の変化に気付かずじゃれていると勘違いし、ミヒャエルは「敵わないだろう」と笑いました。

【転】- ミヒャエルのあらすじ3

ミヒャエルは少年の仲間を作るために、もう1人男の子を増やそうとベッドを2段に追加します。子供向けのサーキット場に出向いたミヒャエルは多くの少年に声を掛け、身長制限でゴーカートに乗れなかった幼い男の子を連れ去ろうとしますが失敗します。ベッドに飾りつけを施し、自分の本を分けて新たな仲間の到来を心待ちにしていた少年は、1人で帰宅したミヒャエルを見てひどく悲しみました。

社員のリストラにより、ミヒャエルに昇進の可能性があると上司から示唆されます。候補者が他に2名ほどおり、1月末には決定するとのことでした。上機嫌になったミヒャエルは帰宅して少年にジョークを放ちますが、冷たくあしらわれます。むしろ少年が「4人に1人が失業しているとニュースで見た」と反抗したため、むきになったミヒャエルは「お前の物は全部捨てたと親が言っている。もう手紙は書くな」と嘘で応戦しました。その言葉に半信半疑の少年でしたが、ベッドで1人泣きました。

ミヒャエルは泊りがけでスキー旅行(おそらく昇進を争う同僚たちと)に行くことになり、少年のために食料を買いだめし、部屋にテレビを与えて出かけます。日頃外で運動することもないミヒャエルは、うまく滑れずに苛立ちました。同行者から誘われて飲みに行った先でミヒャエルは女主人に気に入られ、店に1人残ります。全寮制の学校に通う息子がいると話す彼女の話に、誘拐を企てたのかミヒャエルは真剣に耳を傾けました。その場で2人は関係を持ちますが、女性相手ではミヒャエルの体は反応せず、必死にごまかしました。

【結】- ミヒャエルのあらすじ4

家に戻ったミヒャエルは親しげに少年に声を掛けますが、少年は無視します。更にミヒャエルは雪かき後の雪を少年のいる部屋に投げ込んで遊ぼうとしますが、投げ返されました。ミヒャエルが玄関を開けたままにしていたため、大叔父に会いに来たクリスタが家の中に来ます。「昼間は家中の扉が閉まっていて、何をしていたの?」と馴れ馴れしく話しかけてきたクリスタをミヒャエルは力づくで追い出します。気があると勘違いするなと、下ろされたシャッターをクリスタが思いきり蹴飛ばしました。気を取り直したミヒャエルは物置から古いパズルを取り出し、少年と遊ぼうとしますが、溶けた雪で濡れた床を拭いていたぞうきんを少年に投げつけられました。

2月。ミヒャエルは昇進を果たします。社内で簡単なパーティが開かれ、普段は無口なミヒャエルは部下たちに必死に媚を売りました。その夜ミヒャエルは陽気に帰宅しますが、それに反して少年が獣のように奇声を発し絡んで来ます。食事の支度をしたミヒャエルが再び少年の部屋を訪れると、電気ケトルで沸かした熱湯を掛けられました。部屋から逃げ出そうとした少年を火傷を負ったミヒャエルが強引に閉じ込めます。ミヒャエルは冷たいシャワーを浴びても耐えられず薬を探しますが、少年と揉み合った際にメガネが外れてしまったため見つけられません。ミヒャエルは車に乗って病院(もしくは薬局)に向かいますが、アイスバーンで事故を起こし、命を落としました。

ミヒャエルの葬儀が行われ、家族は悲しみに暮れました。程なくして遺品整理のために、ミヒャエルの家に家族がやって来ます。地下室に入った母は異様な物置の存在を不思議に思い、一度は一階へ上がったものの再び地下へ戻ると、少年のいる部屋の重い扉を開けました。

みんなの感想

ライターの感想

これほどまでに主人公に嫌悪感を抱く映画は滅多にありません。吐き気がする程気持ちが悪く、全くの他人ましてや架空の人物なのに憎悪の念を抱きました。ミヒャエルが少年の態度の変化に気付けないのは、日頃から人を遠ざけているからなのでしょう。
ミヒャエルを見ていてゾッとするし、彼の犯した過ちは許されるものではありません。題材は嫌でしかありませんが、つじつまの合った設定や淡々と進行していく中で皮肉交じりに張られた伏線は見事でした。
この作品が誘拐事件の解決に繋がるかどうかは疑問ですが、現実に起きている事象だということを痛感します。

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