映画:ミルク

「ミルク」のネタバレあらすじと結末

ミルクの紹介:2008年のアメリカ映画。ゲイの権利活動家で、TIME誌上で「20世紀の100人の英雄」に選ばれたハーヴィー・ミルクの生涯を描いた作品。主演は本作で2度目のアカデミー主演男優賞を受賞したショーン・ペン。日本公開は2009年。

あらすじ動画

ミルクの主な出演者

ハーヴィー・ミルク(ショーン・ペン)、クリーヴ・ジョーンズ(エミール・ハーシュ)、ダン・ホワイト(ジョシュ・ブローリン)、スコット・スミス(ジェームズ・フランコ)、ジャック・ライラ(ディエゴ・ルナ)、アンネ・クロネンバーグ(アリソン・ピル)、ディック(ジョセフ・クロス)、ダニネル・ニコレッタ(ルーカス・グラビール)、ジョージ・モスコーニ(ヴィクター・ガーバー)、ジョン・ブリッジス(デニス・オヘア)

ミルクのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ミルクのあらすじ1

ミルクのシーン1 1978年11月18日のサンフランシスコ。市政執行委員であるハーヴィー・ミルクは、自分が暗殺されたときのためにメッセージを録音していました。

1978年11月27日。管理委員会議長であるダイアン・ファインスタインが、サンフランシスコ市長のジョージ・モスコーニとミルクが暗殺されたことを発表します。

時間は巻き戻り、1970年5月21日のニューヨーク。
40回目の誕生日を目前にしたミルクは、駅ですれ違った18歳年下の男性スコット・スミスと恋に落ちます。
スコットは出会ったばかりのミルクの誕生日を祝ってくれますが、当人は「僕は50年も生きられないよ」と呟くのでした。

その後ミルクは、スコットを連れてサンフランシスコに引っ越します。
2人は多くの同性愛者が暮らすカストロ・ストリートのアパートを借りて、「カストロ・カメラ」というカメラ店をオープンしました。
明るく社交的なミルクは地域住民に慕われ、カストロ・カメラはヒッピーや同性愛者の集いの場になっていきます。
ミルクは地域の問題にも深く関わるようになりますが、そんな彼の存在を苦々しく思っているのが、保守的なアイルランド系カトリックの住民たちでした。
ミルクは保守的な人々に対抗するために、店に集まる者たちで新しい商工会を設立します。さらに、自らをカストロ・ストリートの市長と名乗り、周囲の人々からもそう呼ばれるようになっていきます。

1973年11月。ミルクは同性愛者を含める全ての人間の権利と機会の平等を訴えて、サンフランシスコの市政執行委員に立候補するのでした。
ゲイを公言するミルクは、脅迫などを受けながらも積極的にキャンペーンを展開しますが、残念ながら落選してしまいます。2度目の選挙も落選しますが、ミルクは選挙に出るたびに支持者を着実に増やしていきました。
1975年の選挙にも立候補しますが、その選挙にも敗れます。しかし、ミルクの存在はLGBT当事者だけではなく、黒人や有色人種、老人などの社会的マイノリティと呼ばれる人々に、理解されるようになっていくのでした。

【承】- ミルクのあらすじ2

ミルクのシーン2 1976年。ミルクは外国を放浪していた青年クリーヴ・ジョーンズと出会い、仲間に引き入れます。
そのとき、アメリカ国内では歌手のアニタ・ブライアントをはじめとする保守派が、同性愛を封じ込めるために躍起になっていました。
ミルクは州議会議員選挙に立候補しますが、またもや敗北します。さすがのミルクも疲れ果てますが、参謀であるジム・リヴァルドに、小選挙区制に変わったら市政執行委員選で勝算があると励まされるのでした。

フロリダ州のデード郡では、同性愛者の権利を巡って、差別禁止条例を廃止の必要性を決定する投票が始まりました。結果は、アニタ・ブライアントたちの条例廃止派の勝利でした。
その後ユーレカ・バレーの人々が集結し、ミルクたちと団結してデモ行進を始めます。
スコットはマネージャーとして献身的にミルクを支えていましたが、政治に傾倒していく彼を見て、次第に心が離れていくのでした。

1977年。ミルクとスコットは破局し、レズビアンの活動家であるアン・クロネンバーグが、新たなマネージャーとしてやってきます。
ミルクは再度市政執行委員に立候補し、熱心に選挙活動を続けます。そして、若く魅力的な男性ジャック・ライラと出会い、愛し合うようになります。

ミルクの政治活動の理解者の一人が、当時のサンフランシスコ市長であるモスコーニでした。
ミルクは彼に認められたおかげで、活動の幅をさらに広げていったのです。

3度目の選挙となった11月17日、ミルクはついに初当選を果たし、仲間たちと喜びを分かち合うのでした。

1978年1月9日。ミルクはモスコーニ市長の前で宣誓して、同性愛者であることをカミングアウトしたアメリカ初の政治家となりました。
ミルクと同時期に市政執行委員に当選したのが、敬虔なクリスチャンであるダン・ホワイトです。ミルクはゲイの公民権条例の支持を求めて、ホワイトの息子の洗礼式に出席します。
するとホワイトは、自身の選挙区に精神病院を建設する提案に反対するように、ミルクに頼みます。病院建設は賛成する方が得策だと周囲からアドバイスを受けますが、ミルクはホワイトの力になろうとします。
ミルクは妻帯者であるホワイトがゲイではないかと、直感していたのです。

ある日、州上院議員のジョン・ブリッグスが、保守派のアニタ・ブライアントと結託します。
彼らはゲイを排除するための活動を始めており、勝ち目がないと感じたミルクは、ゲイが身近な存在であることを人々に認識させるため、仲間にカミングアウトすることを呼びかけます。
すると、両親に告白できずに悩んでいるディックが立ち上がります。ミルクは電話でカミングアウトするように勧めますが、それを見ていたスコットが難色を示します。
スコットは、未来ある若者たちにカミングアウトさせるべきではないと意見します。ミルクが持論を展開すると、「君は誰よりもノーマルになりたがっていた」と告げるのでした。

【転】- ミルクのあらすじ3

ミルクのシーン3 当初はホワイトの意見に賛同していたミルクでしたが、議会で精神病院の建設に賛成します。
提案は可決され、ホワイトは憤慨して、それ以来ミルクに敵意を見せるようになります。

一方、保守派のジョンたちは“プロポジション6号”を提案し、住民投票を始めていました。これは同性愛者の教師を、性的な嗜好を理由に解雇するというものでした。
当時アメリカ中で同性愛者の権利を剥奪しており、カリフォルニアでプロポジション6号が成立した場合、LGBT当事者だけではなく、社会的マイノリティへの差別がますます拡大していく可能性がありました。

ミルクは危機感を抱き、あるときクリーヴを扇動役にして、大規模なデモを起こさせます。ミルクはあたかも暴動を自分が鎮圧したように見せかけて、注目を集めます。
さらに、当時問題となっていた犬の糞害の防止条例を発案し、たちまちマスコミの脚光を浴びるのでした。

こうしてサンフランシスコのゲイの公民権条例は、反対票がホワイトのみで、見事に可決されました。
ミルクはモスコーニ市長に、ブリッグスたちに対抗するための支援を要請します。
派手なパフォーマンスを展開するミルクに、ホワイトは敵対心を募らせていました。ミルクはホワイトに歩み寄ろうとしますが、あからさまに拒絶するのでした。

1978年6月25日。“ゲイ・フリーダム・デイ・パレード”の先頭に立つミルクに、銃弾を浴びせると書かれた脅迫状が届きます。
アンはミルクを止めますが、彼は声援に応えて演壇に立ちます。そして市庁舎の前でカミングアウトを呼びかけ、全ての人間が平等であることを訴えて、大喝采を浴びるのでした。
その後、ブリッグスたちがサンフランシスコにやってきて、ミルクの活動を支援するモスコーニ市長と共に、ミルクたちと話し合うことになります。
ミルクはブリッグスたちが指定する地区で、公開討論会を開いて対抗するのでした。

ある夜、ミルクの48歳の誕生日パーティーが盛大に開かれます。
参加したスコットは、暗殺される恐怖心を抱いているミルクに、「50年生きられそうだね」と耳打ちして、安心させようとします。
パーティーの最中、泥酔状態のホワイトが「お前はゲイであることが強みだ」とミルクに絡んできます。するとミルクは、「自分が付き合った相手の4人中3人が自殺した。命をかけた戦いなのだ」と答えました。

その頃ジャックは、多忙のあまりミルクが相手をしてくれないことに悩んでいました。
政治活動に関心がないジャックは、自宅のクローゼットに閉じこもったりして、ミルクを困らせてばかりいました。
そんなある日、ミルクが帰宅するとジャックが部屋で首を吊って亡くなっていました。
しかし、ミルクには恋人の死を悲しむ暇もありませんでした。

プロポジション6号の賛成派との熾烈な戦いを極める中、ミルクは大統領のジミー・カーターや、元カリフォルニア州知事であるロナルド・レーガンからの賛同を取りつけて、追い風に乗ります。

【結】- ミルクのあらすじ4

ミルクのシーン2 1978年11月7日。カリフォルニア州のプロポジション6号の住民投票は、無事否決されました。
ホワイトはミルクの成功を目の当たりにして、情緒不安定になります。そして、財政的な問題や政治的な挫折などを理由に、執行委員を辞職してしまいます。
しかしホワイトは、すぐに復職の意向をモスコーニ市長に伝えます。市長は認めようとしていましたが、ミルクの反対意見を聞き入れて、撤回することにしたのでした。

ある夜、ミルクはプッチーニのオペラ「トスカ」を観劇します。
それからスコットに電話をかけて、自身を誇りと称してくれた彼に感謝の気持ちを伝えました。

1978年11月27日。金属探知機を避けるために、ホワイトは窓から市庁舎に侵入します。
ホワイトは復職の希望を拒んだモスコーニ市長を恨み、彼を射殺してしまいます。
その後ミルクを見つけたホワイトは、彼をオフィスに呼び出します。ミルクの説得を聞き入れず、彼の胸や頭を銃撃して殺害しました。
ミルクは撃たれた瞬間、ホワイトがゲイであることを予感しながら、48歳の生涯を閉じました。

その夜、ミルクの葬儀が執り行われました。
ミルクとモスコーニ市長の死を悼んで、キャンドルに灯をともした3万人以上の人々が自然発生し、カストロ地区から市庁舎に向かって行進しました。
通夜ではあらかじめミルクが録音していたメッセージが流されたのでした。

一方ホワイトは、弁護士がジャンクフードの過剰摂取が原因の精神障害と主張し、刑期が短くなりました。

1979年5月。ミルクの誕生日前夜に合わせて、ゲイの抗議史上最大のデモといわれる“ホワイト・ナイトの暴動”が勃発します。
しかし、逮捕者は一人も出ませんでした。

1984年。わずか5年で出所したホワイトは、2年後サンフランシスコに戻って自殺します。
ミルクの意思を継いだスコットは、その後も活動を続けますが、1995年にエイズによる合併症で亡くなります。
アンは3児の母親となって、市の公衆衛生局次長となりました。
クリーヴは“ネイムズ・プロジェクト・エイズ・メモリアル・キルト”を設立します。
ミルクの遺灰は、サンフランシスコ湾に仲間たちの手で撒かれたとテロップで表示される場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

LGBTへの差別が顕著な1970年代のアメリカ社会で、命がけで闘ったハーヴィー・ミルクの生き様を描いた骨太な作品です。公衆の面前でカミングアウトしたミルクの存在に、当時たくさんの人が勇気づけられたのだろうなと想像できました。どんな人でも自分らしく生きられるようにと道を切り拓いてくれた彼の勇敢さには、LGBT当事者ではない自分も敬意と感謝を表したいです。主演のショーン・ペンは、ミルクの風貌を見事に再現しており、仕草や佇まいもゲイそのもので、アカデミー主演賞も納得の演技力でした。

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