「ムーンライト」のネタバレあらすじと結末の感想

ムーンライトの紹介:2016年製作のアメリカ映画で、マイアミの黒人コミュニティに暮らす孤独な少年の成長物語を描くヒューマンドラマ。監督のバリー・ジェンキンスと原案・脚本のタレル・アルバン・マクレイニーの実体験に基づいた物語であり、第89回アカデミー賞では作品賞、助演男優賞、脚色賞を受賞した。

予告動画

ムーンライトの主な出演者

幼少期のシャロン(アレックス・ヒバート)、少年期のシャロン(アシュトン・サンダース)、青年期のシャロン(トレヴァンテ・ローズ)、幼少期のケヴィン(ジェイデン・パイナー)、少年期のケヴィン(ジャハール・ジェローム)、青年期のケヴィン(アンドレ・ホーランド)、フアン(マハーシャラ・アリ)、ポーラ(ナオミ・ハリス)、テレサ(ジャネール・モネイ)

ムーンライトのネタバレあらすじ

【起】- ムーンライトのあらすじ1

舞台はアメリカ・フロリダ州マイアミにある黒人が住民の大半を占めるコミュニティ。この街に暮らす幼い少年シャロン、通称リトルはいつも孤独を感じていました。シングルマザーの母親は麻薬中毒で育児を放棄しており、学校ではオカマとあだ名をつけられいじめを受けていたのです。そんなある日、シャロンはフアンという麻薬バイヤーと出会います。フアンは怯えた目をしたシャロンを放っておくことができず、食事に連れて行ったり家に招いたりと何かとシャロンの面倒を見るようになり、シャロンもフアンを父親のように慕い始めます。

そんなある日、フアンは泳ぎ方を教えようとシャロンを海に連れて行きました。大きなフアンの腕に包まれながら、海の暖かさを体感するシャロン。その後、浜辺でフアンは自らの過去をシャロンに語り始めました。幼い頃、老婆に月明かりの下でお前はブルーに輝くと言われたこと、生まれ故郷がキューバであること、アメリカに移住したものの、キューバ系としてではなくアメリカの黒人のように裏社会で生きざるをえなかったこと…そして、フアンはシャロンに「自分の道は自分で決めろよ、周りに決めさせるな」と語りかけるのでした。

シャロンにはもう一人心の支えとなる親友ケヴィンがいました。シャロンが決して弱々しい少年ではないことをきちんと見抜いてくれているケヴィンにシャロンは信頼を寄せ、「お前はタフだ」というケヴィンの言葉に勇気づけられていました。

ある夜、フアンが町の麻薬売買が行われるエリアにいると、麻薬で興奮状態にあるシャロンの母ポーラに出会います。フアンはすぐにこのエリアから出て行くようポーラに注意しますが、ポーラはそんなフアンに自分に麻薬を売りながらシャロンの父親気取りをするなと批判されてしまいます。そして、それからまもなくフアンがポーラに麻薬を売っていることはシャロンも知るところに。シャロンは強いショックを受けてしまうのでした。

それから数年後、高校生になってもシャロンは学校でオカマと呼ばれ、いじめられていました。フアンはすでに亡くなり、母ポーラの麻薬中毒はよりひどくなった上に、自宅で客を取る生活を送るようになっていました。そんな中でも、フアンの恋人テレサと親友のケヴィンだけはシャロンに家族のように温かく接してくれていました。しかし、ケヴィンはシャロンと違って男女ともに人気があり、ある日シャロンは校内で女子とファックした話をケヴィンから聞かされ、少なからずショックを受けてしまうのでした。

【承】- ムーンライトのあらすじ2

その夜、家にいられなくなったシャロンはフアンの恋人テレサの元に身を寄せていました。その夜、シャロンが夢で見たのは、ケヴィンが同級生の女子とファックする場面でした。シャロンはケヴィンを夢に見るほど意識するようになっていたのです。

その後、学校に行くと、シャロンは不良たちに痩せた体を馬鹿にされ、さらに母ポーラを侮辱されてしまいます。あまりのつらさから、シャロンはその夜電車に乗って放浪の旅に出ました。そして、たどり着いた浜辺でシャロンは偶然ケヴィンと出会います。

シャロンとケヴィンは浜辺に座りたわいもない話を始めますが、悲しい出来事が連続していたシャロンは「泣きすぎて水滴になりそうだよ」と今の心情をケヴィンに吐き出してしまいます。そして、二人はしばらくの間見つめ合うと、自然と唇を重ね始めました。シャロンのジーンズのチャックを下げ、さらに愛を深めるケヴィン。二人は月明かりに照らされながら心と体を通わせるのでした。

しかし、その翌日二人を悲劇が襲います。不良たちがケヴィンにシャロンを殴るようけしかけてきたのです。悲哀の表情を浮かべるシャロンを前にして、ケヴィンは一瞬迷ったものの、最終的にシャロンを殴り倒してしまいました。その後、シャロンは不良たちにも暴行を加えられ、大怪我を負うことに。その後、教職員はシャロンに殴った生徒たちを告発するよう説得しますが、ケヴィンの裏切りに心を深く傷つけられたシャロンはただ泣くことしかできませんでした。

【転】- ムーンライトのあらすじ3

その後、報復を決心したシャロンは不良たちのリーダー格を椅子で殴りつけ気絶させます。シャロンはただちに警察に連行されましたが、その直前、偶然ケヴィンと目が合ってしまいます。複雑な表情を浮かべたケヴィンを見ながらシャロンはパトカーに乗り連行されていくのでした。

それから再び時は流れ、青年となったシャロンはアトランタ州ジョージアで「ブラック」という通り名の麻薬バイヤーとなっていました。もはやシャロンはリトルと呼ばれるような痩せっぽちの少年ではなく、筋肉隆々で金歯のグリルをつけ、高級車を乗り回すまさに型通りの裏社会に生きる黒人となっていました。

そんなある日、シャロンは意外な人物から電話を受けます。それは、あの事件以来連絡を取っていなかったケヴィンでした。テレサからシャロンの連絡先を聞いたというケヴィンは、今もマイアミにおり、ダイナーで調理人として働いていることをシャロンに報告してきました。さらに、連絡を取ろうと思ったのはダイナーにシャロンによく似た客が訪れたからとケヴィンは明かし、いつか会いたいとシャロンに伝えるのでした。

それからまもなく、シャロンは暇を見つけて母ポーラがいる療養所を訪れました。シャロンとポーラが面会したのは、緑豊かな庭先でした。麻薬に溺れ、シャロンをネグレクトしていたことを深く反省し、後悔の思いとシャロンへの愛を涙ながらに口にするポーラ。シャロンはポーラの言葉に涙を流しながら、母の頬をつたう涙を優しく拭ってあげるのでした。

療養所を後にしたシャロンは晴れた青空の下、車に乗り込みマイアミに繋がる道を走り出しました。帰郷の目的はただ一つ、ケヴィンが働くダイナーに向かうことでした。

【結】- ムーンライトのあらすじ4

ダイナーに着く頃には、すでに夜が深くなっていました。ダイナーのカウンター席に座るシャロン。やがてケヴィンが注文を取りにやってきましが、シャロンの予告なしの来店に加え、あまりの外見の変貌にケヴィンは驚きの表情を隠せずにいました。ケヴィンは早速シャロンのために特製料理を作り、シャロンは金歯のグリルを取り料理を味わい始めました。

再会の乾杯を済ませると、ケヴィンはシャロンにこれまでの人生を語ってきました。同級生のサマンサと結婚したこと、息子が産まれたが今は離婚していること、息子のためにサマンサと良い関係をなんとか維持していること…ケヴィンは一通り語り終えると、シャロンに近況を尋ねてきました。シャロンは正直にアトランタの少年院を出た後、麻薬バイヤーになったことを伝えると、ケヴィンはひどくショックを受けた様子を見せました。そして、呼び出した理由を尋ねられると、ケヴィンはシャロンに似た男がダイナーのジュークボックスである歌をかけたと言って、同じ曲をジュークボックスでかけ始めました。その曲は、バーバラ・ルイスの「ハロー・ストレンジャー」。別れた恋人との再会を喜ぶ歌を聴きながら、しばし二人は見つめ合ってしまうのでした。

その後、シャロンはケヴィンの家を訪れることに。たどり着くとそこは浜辺近くのアパートで、海の波の音が心地良く響く場所でした。思わずあの日の浜辺でのひとときを思い出すシャロン。家に入ると、シャロンはケヴィンへの思いを語り、あの日以来誰にも触れさせてはいないと打ち明けました。数年ぶりに心を通わせた二人は見つめ合い、そして、いつしか肩を寄せ合っていました。

その後、海を前にして幼いシャロンが月明かりで青く輝く姿に場面は切り替わります。そして、何かに気づいたように後ろを振り返るシャロンの表情を映しながら、物語は幕を閉じます

みんなの感想

ライターの感想

ゲイが主人公の映画として紹介されることが多い本作ですが、劇中で描かれるのは同性愛というよりはシャロンの純粋すぎる愛のあり方です。そして、その一貫したテーマにさらに説得力を持たせるかのように、シャロンを演じた三人の俳優たちが皆同じ目を持っていることに驚きました。特に、青年期を演じたトレヴァンテ・ローズはたくましい体つきにもかかわらず、その瞳は無垢さを感じさせるものがあり、まさに幼少期のリトルの瞳を彷彿とさせるものでした。また、本作でオスカーを獲得したマハーシャラ・アリの演技も必見です。矛盾を抱えた麻薬密売人という役柄を見事に演じ切っており、冒頭のみの出演ながら最後まで存在感を覚えさせるような圧巻の演技を披露しています。

映画の感想を投稿する

映画「ムーンライト」の商品はこちら