映画:モリのいる場所

「モリのいる場所」のネタバレあらすじと結末

モリのいる場所の紹介:2018年の公開作。自宅の庭に生きる植物や動物を描き続けた実在の画家・熊谷守一こと、通称“モリ”。彼と妻を取り巻く人々とのエピソードをもとにしたオリジナルストーリーで、モリの一日の出来事を温かくもコミカルなタッチで描く。監督・脚本は『南極料理人』や『横道世之介』の沖田修一。夫婦役は日本を代表する名優山崎努と樹木希林が務めた。

あらすじ動画

モリのいる場所の主な出演者

熊谷守一(山崎努)、秀子(樹木希林)、藤田武(加瀬亮)、鹿島公平(吉村界人)、朝比奈(光石研)、岩谷(青木崇高)、水島(吹越満)、美恵ちゃん(池谷のぶえ)、荒木(きたろう)、昭和天皇(林与一)、知らない男(三上博史)

モリのいる場所のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- モリのいる場所のあらすじ1

昭和49年、東京郊外のある家。94歳の画家熊谷守一こと通称“モリ”は、自宅の庭に住みついた様々な生き物を描き続けてきました。この30年間はほとんど家の外に出ることもなく、浮世離れした生活を送っています。そんなモリを当然のように受け入れてきたのは、76歳の妻の秀子。子供を亡くした辛い経験もある夫妻ですが、結婚52年目を迎えました。モリと秀子が日課の碁を何となしにこなすと、2人の1日が始まるのです。

「いってらっしゃい、お気をつけて~」と、秀子に淡々と見送られたモリが出掛けるのは自宅の庭。自宅の敷地内にある庭にあ存在するのは、多種の昆虫、爬虫類、鳥、猫、ジャングルのように生い茂るたくさんの草木、枯れ葉、池、石などなど…。モリはそれらをただひたすらに観察し、時間が流れていくのです。モリは夢中のあまり小さな庭の中でさえ迷ったりもしますが、今日は洞穴のように深く掘られた池へ向かいました。モリは池のメダカを観察しながら、ある現実を噛みしめました。

熊谷家には何故だか人々が集まって来ます。家事を手伝ってくれる独身の姪の美恵ちゃんがいつも在宅しているのは勿論のこと、今日も画商や修理工が来て家に居座っていたら、信州で旅館を営む朝比奈という男が、宿の看板の揮毫をモリに依頼するために訪ねて来ます。気まぐれなモリは、一度は依頼を断るものの信州から来たと聞いて引受けることにしました。新幹線の存在を知らないモリは、朝比奈が長時間かけてやって来たと思い込んだのです。すると筆を持つモリを一目見ようと、来客が居間に一斉に集まりました。何処から来たのか、見知らぬ男までも…。貴重な瞬間に一同は固唾を呑むのですが、やはり気まぐれなモリは依頼された旅館名ではなく、“無一物”と自身の好きな言葉をしたためました。一仕事を終えたモリは、何処吹く風で庭へ戻って行きました。

【承】- モリのいる場所のあらすじ2

続いて家に来たのは、モリを撮影することに熱意を燃やしている写真家の藤田です。モリに惚れ込んだ藤田は、半年も熊谷家へ通い続けていました。藤田は今日限定で、アシスタントの鹿島を連れてきました。初めて熊谷家へ来た若者の鹿島は、平然と体に虫よけスプレーをする様。それに対し熱心な藤田は、この家と庭の図面を細かくスケッチし、モリが腰かける場所まで把握していました。少しでもモリの観念を知りたい藤田は、モリが庭で横になれば、土塗れになってでもモリと同じ目線になろうと必死です。日頃は目にすることのない光景に、最初は唖然としていた鹿島でしたが、次第にモリの凄みに惹かれていきました。

その後も隣人や肉屋など、ひっきりなしに家にやって来ます。モリが取材されたテレビの放送が始まったので、みんなで見ました。しかし当の本人は、仙人扱いされる内容が気に入らないようで、居間を出て行ってしまいます。一方でモリを外で見たとの噂もあるらしく、モリは思い切って家の敷地外へ出てみました。モリは外にいた少女と目が合うと、慌てて家へ戻ります。熊谷家の塀には、モリの芸術を愛する若い絵描きらが用意した看板が並んでいました。近所でマンション建設が進んでおり、完成すればモリの庭に日が当たらなくなってしまうため、若人たちが必死で建設反対を訴えているのです。

【転】- モリのいる場所のあらすじ3

隣人や藤田らも一緒に昼食を囲みました。そんな中、モリの文化勲章受章の一報が電話で届きます。みんなはその報せに驚きますが、富や名声に興味のないモリは「そんなもの貰ったら、人がいっぱい来ちゃう」と言ってあっさりと断りました。何事もなかったかのように飄々としているモリや秀子に、仲間たちは呆気にとられます。こんなモリの姿に魅力を感じた鹿島は、その日の取材を終えるころには、明日も来たいと藤田に申し出るのでした。

午後、建設中のマンションオーナーの水島と現場監督の岩谷が家を訪ねて来ます。秀子は追い返そうとしますが、2人は粘って居間に上がり込みました。水島の用件は、マンション建設は以前から決まっていたことにつき、抗議看板の撤去を求めるものでした。負けじと秀子は、日が当たらなくなることは聞いていなかったと反論します。日が当たらなくなれば、生き物が住めなくなるのは当然のこと。それだけのことかと呆れる水島に、秀子は「この庭は主人の全てやからねぇ」と、しみじみ。しかし水島は、法的手段に出ると言い出し、譲る様子はありません。
一方、トイレでモリと鉢合わせした岩谷は、実は持参していた息子の絵をモリに見てもらいます。“下手も絵のうち”とのモリの言葉に、岩谷は水島に隠れて感銘を受けるのでした。

【結】- モリのいる場所のあらすじ4

日が暮れても池にいたモリは、30年かけて自らが掘ったこの池を埋める考えを秀子に伝えます。マンションが建てば、日が当たるのが池だけになってしまうためでした。こんな深い池を年老いたモリがどうやって…。となるところですが、流石はモリ。池を埋める作業を岩谷とちゃかり契約していました。

その夜、美恵ちゃんが夕飯の食材をたくさん買って来てしまったので、急遽岩谷と仲間の作業員たちに夕ご飯を振る舞うことに。騒がしい中でもマイペースなモリは、庭で光るものを見つけ、その方向へ向かいました。光の正体は、今朝家に来ていた見知らぬ男の体から発光していたもので、男はなんと宇宙人でした。池が宇宙と繋がったため、一緒に行こうと宇宙人に声を掛けられたモリですが、驚くこともなく誘いを断ります。「私はここで十分。そんなことになったら、母ちゃん(秀子)が疲れますから。それが一番困る」と、想いを伝えました。納得した宇宙人は、静かに去って行くのでした。

気付いたらモリは、家の中でうたた寝していました。目覚めると既に客も帰り、静かな我が家です。
日課の夜の碁をしながら、モリがポツリと「もう一度人生を繰り返すことが出来たらどうかな」と口にします。疲れるから嫌だと答える秀子に、「何度でも生きるよ。生きるのが好きなんだ」とモリ。秀子は「うちの子はあんなに早く死んじゃったのに…」と我が子を偲んでつぶやきました。
そんなこんなで、秀子が「そろそろ学校へ行く時間ですよ」と話題を変えました。学校とは、モリが絵を描くこと。夜にしか絵を描かないモリは、いつものようにアトリエへと向かいました。

その後。マンションが予定通り完成しました。その大きさに失望した藤田は、ハッとしてマンションの屋上へ登ってみます。屋上からはモリの家の敷地一帯が俯瞰出来たのです。藤田は必死にシャッターを切りました。モリの庭には、来客を彼に知らせる秀子の声が響き、いつもと変わらぬ穏やかな光景が広がっていました。

みんなの感想

ライターの感想

中盤過ぎまでは沖田監督らしい独特な笑いと、終始ほのぼのとした雰囲気で展開していたのに、最後はしんみりと。日中は賑やかだった熊谷家が夜のしじまに包まれていき、その様子が映画自体の進行と重なっていました。静かな終盤を迎え、とてもセンチメンタルな気持ちになりました。
喜びの形は人それぞれだけど、モリや秀子の生き方は究極の幸せではないかと感じました。そしてそんな2人を演じた山崎さんと樹木さんは、超然とした役柄なのに、それがとても自然で。本当の夫婦のような絶妙な掛け合いが素晴らしすぎて、ただただ感嘆でした。

映画の感想を投稿する

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

映画「モリのいる場所」の商品はこちら