映画:ライク・サムワン・イン・ラブ

「ライク・サムワン・イン・ラブ」のネタバレあらすじと結末

ライク・サムワン・イン・ラブの紹介:84歳の元大学教授の男が、デートクラブを通じて女子大生を家に招く。その後女子大生の恋人の男が現れて…。
2012年公開の日・仏合作で監督はイランの巨匠アッバス・キアロスタミ。キアロスタミ作品としては初めて日本を舞台とした物語で、日本人キャストやスタッフと共に台詞も全編日本語で製作された。

あらすじ動画

ライク・サムワン・イン・ラブの主な出演者

たかし(奥野匡)、明子(高梨臨)、のりあき(加瀬亮)、なぎさ(森レイ子)、ひろし(でんでん)

ライク・サムワン・イン・ラブのネタバレあらすじ

【起】- ライク・サムワン・イン・ラブのあらすじ1

静岡・袋井出身の明子は、東京の大学で社会学を専攻しています。明子には車の修理工場を営むのりあきという恋人がいますが、彼に隠れて幼馴染のなぎさと共にデートクラブでバイトをしていました。
ある日バイト中だった明子は、彼女の行動を不審に思っているのりあきから電話でしつこく居場所を問い詰められます。いつものカフェにいると嘘をついた明子に、のりあきはトイレの床のタイルの数を確認させるほど嫉妬心の強い男で、明子も彼の性格に戸惑いを感じていました。その夜明子はデートクラブの相手のひろし(クラブの従業員かもしれない)から、のりあきとの関係を咎められたうえに、自分が尊敬している人に会って欲しいと依頼されます。大学のテスト中であるうえに、故郷の祖母から上京しているとの留守電をもらっていた明子はひろしの依頼を断りますが、行き先についてもよく知らされないまま、強引に依頼者のもとへタクシーで向かわされました。

明子はタクシーの車中で祖母からの留守電を聞きます。祖母は半日近く東京駅で明子の迎えを待っているようで、何度も留守電を残していました。祖母は駅周辺の公衆電話にて、明子となぎさにそっくりな写真を見かけたと話していました。その写真とはピンクチラシのことで、祖母には写真の意味が分からない模様。「駅のロータリーの銅像前で待っている」との祖母の伝言を聞いた明子は、タクシーの運転手に頼んで近くを通ってもらいます。車内から祖母の姿を見かけた明子は後ろ髪を引かれながらも、祖母を置き去りにするのでした。

【承】- ライク・サムワン・イン・ラブのあらすじ2

1時間ほどタクシーに乗った明子が着いたのは、独り暮らしの84歳のたかしのアパートです。翻訳や執筆活動をしているというたかしは、多くの本に囲まれたレンガ造りの風情のある部屋に住んでいました。明子は部屋に飾られてある写真の女性に、自分が似ていると感じます。たかしは亡き妻や娘に似ている明子を指名していたのでした。
明子は見知らぬ相手に、当たり障りのない会話を進めます。一方のたかしはひろしから明子が袋井出身と聞いて、名産の桜エビのスープを作って待っていました。しかし明子は祖母のことが気になるのかそれとも疲れたのか、どうもつれない態度で、早々にベッドに横たわります。そんな明子にたかしは、食事やもっと会話をしようとねだりました。そうこうしているうちに、明子は1人ベッドで眠ってしまいます。

翌朝たかしは嬉しそうな表情で明子を大学まで車で送り、テストが終わった後に一緒に出掛ける約束をします。奇遇なのか実はたかしは、この大学の元教授で明子も学ぶ社会学を教えていたため、よく知っている風景でした。ところが大学の入り口に、のりあきが待ち伏せしていました。明子が携帯電話に出ないことなどが不満だったのりあきが、乱暴に明子を責め立てます。明子はなんとかのりあきを振り切って、構内へ逃げていきました。
するとのりあきは車中のたかしに、明子とどんな関係かと尋ねてきます。のりあきはたかしの風貌から明子の祖父だと勘違いしますが、たかしは肯定も否定もせず会話を続けました。のりあきはたかしが祖父だと思い込んだまま、明子と結婚したいことや、自分が中卒ながらしっかりと働いていることなどを語り始めます。しかしのりあきは、明子が連絡をくれないことや、社会学を学んだところで社会の厳しさは分からないとの持論を愚痴り出しました。のりあき曰く、隠し事を出来なくするために、すぐに結婚したいとのこと。祖父のような素振りでのりあきの言い分を聞いていたたかしは、2人共若くて経験が足りないので、結婚は諦めた方がいいと宥めました。一枚上手のたかしは「彼女が僕の孫なら、君も孫」と言って、のりあきを諭すのでした。

【転】- ライク・サムワン・イン・ラブのあらすじ3

車に戻って来た明子は、のりあきが車中にいることに怪訝な顔をします。しぶといのりあきがこの先まで乗せてほしいと言うので、彼を乗せたまま車は進むことに…。
たかしが車を走らせていると、のりあきがドライブベルトの異音に気付きます。のりあきはこの状態で高速道路を走ってきたと思い込んでいるため、急遽彼の工場で修理することになりました。のりあきは従業員に電話連絡したあと、その従業員の悪口をたかしや明子に話し始めます。のりあきはその従業員から、明子が写ったピンクチラシを見せられていたのです。カッとなったのりあきが、その従業員を殴った事実も明かしますが、もちろん明子は「私じゃない」としらを切りました。

車の修理中、たかしの車の隣のレーンに工場の常連が修理にやって来ます。偶然にもその客は、たかしの30年前の教え子でした。修理もすぐに終わり、のりあきは強引に明子を昼食に誘いました。明子はのりあきの嫉妬深さに辟易としながらも、彼を突き放すことができないのです。
のりあきが仕事に戻ったため、再びたかしと明子が2人きりになります。明子は執拗なのりあきが、先程の客にたかしの存在を問い詰め、事実がばれてしまうと焦っていました。そんな明子の様子を見たたかしは「なるようになる。大丈夫」と言い聞かせ、「何かあったら私を実の祖父だと思って連絡しなさいと」言って彼女と別れました。

【結】- ライク・サムワン・イン・ラブのあらすじ4

張り切り過ぎたのか、たかしは帰りの運転中に居眠りをしてしまいます。渋滞を起こすものの、事故には遭わず無事に家に到着しました。駐車をしていると、たかしの帰りをチェックしていたような近所の隣人女性に、嫌味を投げかけられます。長年、毎度のことでした。

たかしの帰宅後間もなくして、明子から助けを求める電話が入ります。たかしは出版社から電話が鳴るのも無視して、再び車を走らせました。嘘がばれた明子は、のりあきに殴られ出血し、うろたえていたのです。
たかしは明子を匿おうと、自宅へ連れて行きます。それでも明子は1人になりたいと言って、中には入ろうとしません。一方のたかしは、慌てて薬を買いに行きました。すると様子を伺っていた隣人は、明子をたかしの孫だと思い「お母さん(たかしの娘)にそっくりねぇ」と話しかけてきます。隣人はさらに自分がたかしと結婚したかったことなどを、ベラベラと一方的に喋り続けました。

薬を買って来たたかしは、外にいた明子を部屋へ連れて行き、手当てを始めました。するとタイミング悪く、インターホンが鳴ります。恐ろしいことにモニターに映ったのは、のりあきでした。彼はきっと2人の後をつけてきたのでしょう…。明子は戦き、たかしは無視を決めますが、のりあきは近所中に響く大声で威嚇してきました。それでもたかしが応答しないため、興奮したのりあきはドアを蹴飛ばし、たかしの車にも傷をつけ始めます。外には隣人らも集まり、大騒ぎに。肝心のたかしはどうすることも出来ず、窓からこっそりと外の様子を覗こうとすると、ガラスが割られました。驚いたたかしはのけ反って倒れ、起き上がれません。割れた窓から吹いた風で、カーテンが静かに揺れました。

みんなの感想

ライターの感想

今作にてデートクラブという存在を初めて知りました。たかしは性の対象として明子を指名したのではなく、家族のぬくもりを思い出したかったのでは?と感じました。自分がそう思いたいだけなのかもしれませんが…。
のりあき役の加瀬さんが“初めて観るタイプの映画”と本作を紹介していますが、まさにその言葉通りでした。ドキュメンタリーのロードムービーかと思うほど、車中での光景や、主な出演者3人の何気ない会話だけで構成されています。簡潔なあらすじにすれば、数行で終わってしまうような状態といいますか…。呆気にとられてしまった半面、誰かの現実の風景を切り取ったような生々しさに、胸騒ぎに似た感情も沸きました。名匠は鑑賞者が抱くこのギャップも計算済みなのでしょう。何かが起きそうなハラハラ感に、結果も全く分からない驚愕の終わり方といい、妙にインパクトの残る作品でした。

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