映画:リリイ・シュシュのすべて

「リリイ・シュシュのすべて」のネタバレあらすじと結末

リリイ・シュシュのすべての紹介:2001年の公開作。監督・脚本の岩井俊二がウェブサイトの掲示板を通じて、一般参加者と共に書き上げた小説を映像化。第52回ベルリン国際映画祭国際アート・シアター連盟賞受賞作品。学校でいじめられている中学生の雄一は自分を慰めるように、心酔するミュージシャンのファンサイトを主宰し、行き場のない思いを書込んでいた。しかしいじめは激しさを増し、女子生徒までもが被害の対象者になっていた。

あらすじ動画

リリイ・シュシュのすべての主な出演者

蓮見雄一(市原隼人)、星野修介(忍成修吾)、久野陽子(伊藤歩)、津田詩織(蒼井優)、佐々木健太郎(細山田隆仁)、多田野雅史(郭智博)、神崎すみか(松田一沙)、寺脇仁志(勝地涼)、池田先輩(高橋一生)、蓮見静子(阿部千代)、島袋(市川実和子)、旅人(大沢たかお)、星野いずみ(稲森いずみ)、小山内サチヨ(吉岡麻由子)、恩田輝(田中要次)

リリイ・シュシュのすべてのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- リリイ・シュシュのすべてのあらすじ1

1999年春。田園風景が広がる地方都市。中学生になったばかりの雄一は、美容室を営む母と2人暮らし。真面目で大人しい性格です。剣道部に入部した雄一は、同じ部活で同級生でもある優等生の星野と親しくなります。父が会社経営をしている星野は裕福なうえに母も若くて美しく、平凡な雄一にはとても新鮮でした。どうやら星野は小学時代にいじめに遭ったことがあるらしく、彼の母は家に遊びに来た雄一に対し妙に親切に振る舞います。星野の母の勧めもあり、雄一は泊まらせてもらうことに。その時雄一は、星野がファンであるリリイ・シュシュという歌姫の存在を知ります。それ以来雄一もどんどんリリイの音楽にハマっていきました。雄一は明るく活き活きとした中学生活を謳歌します。

夏休み。雄一や星野ら剣道部の1年生の5人は沖縄旅行に憧れますが、中学生の彼らの資金が足りるはずがありません。5人が諦めかけていた時、裕福そうな男性が学生にカツアゲされる現場に遭遇します。それを見た星野はカツアゲされた札束をかっぱらって逃げ切り、5人は大金を手にしました。

5人は奪った金を使って西表島を巡ることに。ハンディカメラも買ったのか旅行中は終始カメラを回し、若い女性ガイドにはしゃぎながら、5人は見慣れぬ景色を満喫しました。
滞在中に星野は、西表島の向こう側に“神の島”と呼ばれる新城(あらぐすく)島があることをガイドから聞き、リリイの『アラベスク』という曲中に、南の島が登場することとシンパシーを感じました。そのうえ星野は、危険な魚のダツに襲われたり、海で溺れたりと2回も命の危機に晒します。沖縄では7つの魂があるとの言い伝えがあり、既に2つを失ったとされる星野は、現地の年配者から「命を大切にしないといけない」ときつく忠告されました。ところがその矢先、5人が島で出会った奔放な旅人が、交通事故死した姿を目撃します。これらの出来事に星野は平常心を失ったのか、残りの札束を海にばら撒くと不敵な笑みを浮かべました。

【承】- リリイ・シュシュのすべてのあらすじ2

新学期。星野の態度が豹変します。クラス一番の不良の犬伏にナイフを突き出して彼をひれ伏せさせると、全裸で田んぼを泳がせました。ショックを受けた犬伏は、もう学校へ来ることはありませんでした。犬伏の手下たちを従えた星野は、クラスを牛耳るように。続いてのいじめの対象は、気弱な性格の雄一でした。楽しかった一学期とは一転し、雄一の壮絶な日々が始まります。

雄一は星野の手下の手下である佐々木や多田野に指示され、彼らと共に万引きや窃盗を重ねては、入手した金品を星野に上納させられました。再婚を検討している雄一の母は、物静かな息子の変化に気付かずにいました。
小遣いも奪われてしまう雄一は、ドビュッシーへのオマージュと言われるリリイの新譜を万引きします。雄一が店員に捕まり、担任の若い小山内が店へ呼ばれました。小山内が代わりにCDを買ってくれたものの、雄一は万引きの理由を口にすることはできません。ところがいじめが学校に知れたと誤解した星野たちはその夜、アジトにしている廃車置き場に雄一を呼び出します。星野は雄一を手下たちに袋叩きにさせた後、その場で雄一に自慰行為を強要しました。そのうえ雄一が手にしたばかりのリリイのCDを、真二つに割る仕打ちを平気な顔でするほど、星野は荒んでいました。

雄一の心の拠り所は、リリイの歌と神秘的な彼女の存在だけでした。この頃雄一は、リリイのファンサイト『リリフィリア』を立ち上げ、“フィリア”というハンドルネームで管理人を始めます。サイトには多くのリリイファンが集い、掲示板に様々な意見が飛び交うようになりました。雄一も日々の鬱屈とした苦しみをぶつけるように、リリイへの想いを綴ります。雄一は “青猫”と名乗るファンと共鳴するものがあり、特に彼とのチャットを楽しむようになりました。

【転】- リリイ・シュシュのすべてのあらすじ3

2000年。中2になり雄一は星野とクラスが変わりますが、相変わらずいじめは続いていました。星野の悪行はとどまる所を知らず、その手は女子生徒にも及びました。雄一と同じクラスの津田の弱みを握った星野は、彼女に援助交際をさせてその金をせしめていたのです。津田が“仕事中”に逃げないよう、雄一は見張り役をさせられますが、気の毒な彼女に救いの手を差し伸べることなど出来ません。仕事を終えた津田は、物静かな雄一を蹴り飛ばして八つ当たり。そして津田は入手した金を踏みつけると、体を洗うように自らドブ川に入って行きました。

雄一は以前から密かに想いを寄せていた久野と同じクラスに。ピアノが得意な久野は、ドビュッシーの曲をよく音楽室で練習しています。リリイにも影響を与えたドビュッシー。軽やかな久野の演奏に、雄一はこっそりと耳を傾けていました。久野と言えば、実は星野も小学校時代から片想いをしていた相手でした。久野に紹介されて、星野はリリイを知ったのです。
男子に人気のある久野が気に入らない女ボスの神崎は、みんなの前で久野に嫌がらせをしていました。久野は極力目立たないように振る舞いますが、彼女の音楽の才能に嫉妬した神崎は、久野を“絞める”よう星野に依頼。ところが星野は、廃墟と化した工場に久野を呼び出すと、彼女を手下たちにレイプさせたのです。現場はかつて星野の両親が経営していた工場でした。会社は倒産し、一家は離散していたのです。久野の呼び出し係だった雄一は、ただ泣くことしか出来ませんでした。

その日も雄一は津田の見張り役をさせられました。雄一と交流が増えた津田は仕事を終えると、雄一に「あんたが私を守ってよ」と呟いてみます。しかし雄一が久野を好きなことに津田は気付いていました。さらに津田は落ち込む雄一を見て、久野が痛い目に遭ったことを察し「久野さんはきっと大丈夫だよ。強い人だから」と、自分も苦しいなか彼を励ましてやるのでした。津田の言葉通り翌日久野は、掻きむしったようにまだらな坊主頭で登校しました。その姿を見た津田は涙を堪えきれません。そして久野のように強くいられなかった津田は、鉄塔から飛び降り自殺をしました。

【結】- リリイ・シュシュのすべてのあらすじ4

一連の事件に雄一の動揺は大きく、掲示板に書き込むことさえ出来なくなりました。しばらくして雄一は、死のうとしても死にきれなかった胸のうちを掲示板に綴ってみます。すると“同じ痛みにいるから”と、青猫からの心強いエール。行き場のない雄一は、ネットで出会った青猫の言葉に救われました。
人が命まで落とした深刻な事態に、そろそろ星野を絞めないといけないと神崎が言い出します。しかし今まで星野に逆らえなかった男子たちに、そんな勇気ある行動に出る人材などいません。それでも青猫からエールを受けた雄一は、ささやかに反逆してみます。テスト中に吐いて保健室に運ばれた雄一は、“頭の中で変な音がする”と小山内や養護教諭に訴え、割られたCDを見せて星野を名指ししました。しかし大人たちが動いてくれることはありませんでした。

12月。念願のリリイのライブ日。雄一は青猫と会場で会う約束をします。青林檎が青猫の目印でした。入場口の行列に並んでいた雄一は青林檎が目に入りますが、その持ち主はなんと星野でした。雄一は身を隠そうとしますが、すぐに星野に見つかってしまいます。雄一が“フィリア”の正体だと知らない星野は、自分よりよい席の雄一のチケットを強引に交換し、飲み物を買ってくるよう彼に言いつけます。雄一が買い物を終えて列に戻ろうとすると、星野は雄一の分のチケットをくしゃくしゃにして投げ飛ばしました。雄一は会場へ入ることさえ出来なくなりました。

青林檎を持たされたまま呆然としていた雄一は、ライブ後の混雑の中で星野の姿を見つけます。雄一は突然「リリイがいるぞ!」と叫んで周囲を混乱させました。群衆はリリイを求めて、会場方面へ一斉に逆戻りを始めます。もみくちゃの雑踏の中で星野の背後につけた雄一は、彼をナイフで刺し殺しました。青林檎にナイフを刺して刃先を隠し、雄一は足早にその場を立ち去りました。

2001年。雄一中3の夏休み。捕まらずにいた雄一は心境の変化なのか、初めて母に髪を染めてもらいました。成績が急落した雄一は、吹奏楽の指導中の小山内に学校へ呼び出されます。しかしやはり、小山内と深い話になることはやはりありませんでした。小山内は雄一に、部活の練習後も音楽室でピアノを弾き続ける久野に、もう帰るよう伝言を依頼します。演奏に没頭する久野に話しかけられず、立ち尽くす雄一。ドビュッシーの美しい旋律が音楽室に響いていました。

みんなの感想

ライターの感想

ある程度あらすじを知ったうえで覚悟を持って鑑賞したのですが、内臓までずっしりと響くような衝撃でした。本当にさまざまなことを考えさせられました。あまりにもつらい内容に、つい逃げたくなる気持ちも芽生えましたが、現実逃避していては劇中の大人と同じであると、思わず自分をたしなめました。これでもかという程美しい映像のため、ファンタジーのように感じがちですが、同じような思いをしている子供たちがいるはずです。目を逸らしていられない。
やはり岩井監督は、青春時代の淡さや青臭さの描き方、クラシック音楽の取り入れ方が抜群だなぁと実感しました。無惨さによる悪心も含めつつ、一生忘れられない作品になりそうです。

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