映画:ロストケア

「ロストケア」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ヒューマンドラマ

ロストケアの紹介:2023年3月24日公開の日本映画。介護士として働きながら42人もの高齢者を殺害した殺人犯と、彼を裁こうとする検事の激突を描いた葉真中顕による小説「ロスト・ケア」を映画化。『そして、バトンは渡された』の前田哲がメガホンをとり、『聖の青春』の松山ケンイチが殺人犯となった斯波宗典、「コンフィデンスマンJP」シリーズの長澤まさみが法の正義のもと斯波を追い詰める検事、大友秀美をそれぞれ演じる。

ロストケアの主な出演者

斯波宗典:松山ケンイチ 大友秀美:長澤まさみ 椎名幸太:鈴鹿央士 羽村洋子:坂井真紀 梅田美絵:戸田菜穂 猪口真理子:峯村リエ 足立由紀:加藤菜津 春山登:やす(ずん) 柊誠一郎:岩谷健司 団元晴:井上肇 川内タエ:綾戸智恵 沢登保志:梶原善 大友加代:藤田弓子 斯波正作:柄本明

ロストケアのネタバレあらすじ

【起】– ロストケアのあらすじ1

ロストケアのシーン1

画像引用元:YouTube / ロストケアトレーラー映像

〝人にしてもらいたいと思うことは

あなたからも人にしなさい。

     マタイによる福音書 第7章12節〟

ある小さなアパートの外に、長野県警のパトカーが止まっていました。近所の人たちがアパートを遠巻きにして、小さな声でうわさ話をしています。そこに住んでいる独居老人を、この2か月ほど見ていなかったという話題です。

そのアパートに大友秀美が進み、部屋に入りました。部屋のなかはゴミ袋が山積し、いわゆるゴミ屋敷と化しています。警察の現場検証の場に入った秀美は、思わず異臭に鼻を押さえました。その場に無言で立ち尽くします。

運び出される遺体袋を見送った秀美は、遺体が倒れていたであろう布団に人の形の染みができているのを見ました。その布団の横には、男と幼い娘の2ショット写真が1枚ありました。

(画面中央に赤い十字架、その十のマークが「ト」というカタカナになり映画タイトル)

2018年2月、長野県。

「ケアセンター八賀」の社用車が1軒の民家へやってくると、3人の介護士が降り立ちます。男性の斯波宗典、中年女性のヘルパー・猪口真理子、まだこの職に就いて3か月の若い新人女性ヘルパー・足立由紀です。彼らはそこに住む老人・梅田完太郎の介護にやってきていました。ドアチャイムを鳴らして声をかけながら、持っている玄関の鍵で開けてなかに入りました。

室内には認知症なのか、受け答えも定かではない梅田がいました。斯波たちは梅田に明るく声かけして、世話を始めます。血圧が高めなので風呂ではなく清拭に切り替え、細かな気配りをしながら体を拭きます。

そこへ老人の娘・梅田美絵が自転車でやってきます。美絵は斯波たちに恐縮して謝りながら、慌てて散らかった食器を片付けようとしました。急ぐあまりに転んでしまい、茶碗を割ってしまいます。必要以上に謝る美絵の姿を見て、斯波たちはなんともいえない表情を浮かべます。

梅田家を辞したあと、車内で真理子が「あれヤバいね」と言いました。育ち盛りの子ども3人を育児し、夜は夫の焼鳥屋の手伝い、さらに昼間は父親の介護…美絵に限界がきているだろうと話します。かといって、いま彼らが手伝っている以上の介入はできません。

斯波が、道を徘徊する三浦の老女を見つけました。老女が車を嫌うのを知る斯波は、いっしょに歩いて家まで送っていくと真理子と由紀に告げて車を降りました。斯波が誰に対しても丁寧に接する様子を見て、新人の由紀は感服しています。真理子は「あのやさしさは絶対苦労しているからだね」と言いました。由紀が詳細を知りたがりますが、真理子も知っているわけではありませんでした。「あの若さであの白髪は、苦労しているからじゃないの。よく知らないけど」と言います。斯波はまだ若いと思われるのですが、その頭髪はごま塩頭でした。

検事の秀美は泣きつく川内タエをいなしています。タエは「刑務所に入れてくれ」と訴えていました。高齢で身よりも金もないタエは、三食と寝る場所が保証される刑務所に入りたがります。「刑務所はそういうための施設ではないんです」と秀美が説得しても、タエは「お願い」と拝み倒していました。刑務所に入るために万引きをすればよいのか、放火や人殺しをすればいいのかと言われ、秀美は絶句します。

斯波たちはセンターに戻りました。由紀が梅田家の鍵を事務所内の保管場所に戻します。センターでは介護する老人宅の鍵を預かっていました。

斯波を呼び、センター長の団元晴が頼みごとをします。センターでお世話していた羽村静江の通夜が今夜あるのですが、団が行けなくなったので代わりに行ってほしいというのです。斯波が快諾すると、真理子と由紀も行きたいと言い出しました。3人で行くことにします。

斯波たちが羽村の葬儀会場へ行き手を合わせると、娘の羽村洋子は感謝しました。洋子をねぎらった斯波は、生前の母親によく洋子が赤とんぼを歌って聞かせていたことを覚えていると話し、優しいことばをかけました。斯波にいたわられて、洋子は涙を流します。

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