映画:ワイルドライフ

「ワイルドライフ」のネタバレあらすじと結末

ワイルドライフの紹介:個性派俳優ポール・ダノの初監督・脚本作品。原作はリチャード・フォードの小説で、監督の妻であるゾーイ・カザンが共同脚本を務めている。主演は「華麗なるギャツビー」のキャリー・マリガンと「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホール。日本公開は2019年。

あらすじ動画

ワイルドライフの主な出演者

ジャネット・ブリンソン(キャリー・マリガン)、ジェリー・ブリンソン(ジェイク・ギレンホール)、ジョー・ブリンソン(エド・オクセンボールド)、ルース・アン(ゾーイ・マーガレット・コレッティ)、ウォーレン・ミラー(ビル・キャンプ)、クレランス・スノー(ダリル・コックス)

ワイルドライフのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- ワイルドライフのあらすじ1

ワイルドライフのシーン1 舞台は1960年代、カナダとの国境に接するモンタナ州グレートフォールズ。
この地に引っ越してきたばかりのブリンソン一家は、ゴルフ場でレッスンプロとして働く父親のジェリーと、かつて教師をしていた専業主婦の母親ジャネット、そして14歳の息子ジョーの3人暮らしです。
ジェリーが職をコロコロと変える関係で、一家は引っ越しを繰り返さなければなりませんでした。しかし、新天地での生活も軌道に乗り始め、一家は慎ましくも幸せな日々を送っていました。
キッチンで楽しそうに話す仲睦まじい両親の姿を、ジョーは穏やかな表情で眺めていました。

ジェリーとジョーは、自宅の庭でアメリカンフットボールの練習をします。
ジョーは学校のフットボールチームに入っていますがあまり馴染めず、プレーヤーになってほしいというジェリーの希望を叶えるために続けていたのです。
また、クラスにもまだ溶け込めていないジョーは、よく一人で行動していました。

ある日、ジョーは山火事の講義をおこなう消防士の話を聞きます。
山火事が発生して地面が焼き尽くされると自然が新しく構築されるので、悪いことばかりではないというのです。

そんなある日、ジェリーが突然ゴルフ場を解雇されてしまいます。
元々客と賭けゴルフをしていることをオーナーに快く思われておらず、客になれなれしく接したことが引き金となってしまったのです。
ジャネットは決して不安を見せることなく、むしろ解雇したゴルフ場を貶めて、ジェリーを優しく励ますのでした。

しかし、その後ゴルフ場から不当解雇を謝罪する連絡があり、ジェリーは職場に復帰できることになります。
ジャネットとジョーは喜んで、さっそくジェリーに伝えに行きますが、肝心の彼はプライドが許さず断ってしまうのでした。
えり好みばかりするジェリーの再就職は難航します。ジャネットはスーパーのレジでもやってみてはどうかと提案しますが、ジェリーはそんな仕事をするためにここへ来たわけではないと却下するのでした。
夫を気遣うジャネットは、それなら友達を作るために自分がパートタイムの仕事をすると言います。ジェリーは「勝手にしろ」と言い放ち、酒に逃げるようになっていきます。

ジョーはまた引っ越しをするのかと心配しますが、ジャネットはジェリーを信頼するようにと勇気づけるのでした。
今度はジャネットが職探しを始めますが、どこも募集していないとバッサリと断られます。それでも食い下がる彼女は、ついにYMCAの水泳教室のインストラクターの仕事を得るのでした。

そんな母親の姿を見たジョーは、アメフトを辞めてアルバイトがしたいと両親に伝えます。
ジャネットは賛成しますが、ジェリーは学校とアメフトの練習をしていればいいと反対するのでした。ジャネットはジョーに決めさせるべきだと言い返し、夫婦間に軋轢が生じます。
その夜ジャネットは、仕事を探す様子もなく酒を飲んでばかりのジェリーを批難します。「あなたは逃げているだけ」と強く責められたジェリーはたまらなくなり、「俺を追い詰めるな」と怒鳴り散らすのでした。
ジョーは両親の激しい口論を聞きながら、眠りにつきました。

後日、アメフトを辞めたジョーは、写真館でアルバイトをすることになりました。
写真館の主人は「人の幸せな瞬間を永遠に残すことが我々の仕事だ」と、ジョーに優しく教えます。
アルバイトに打ち込むジョーは、学校の勉強にも遅れが出始めてきます。
その頃、ジェリーはテレビに映し出される山火事に目を奪われていました。

【承】- ワイルドライフのあらすじ2

ワイルドライフのシーン2 ある日ジョーが学校から帰ると、ジャネットが涙ぐんでいました。
ジェリーがグレートフォールズで起きている山火事を鎮静させる仕事に就くと言い出したのです。家計のために働くジャネットとジョーに駆り立てられたジェリーは、「男には挑戦しないといけないときがある」と勇ましいことを言います。
しかし、これは命の危険さえある出稼ぎの仕事で、時給はたったの1ドルでした。ジャネットは必死で引き止めますが、ジェリーは結局反対を押し切ってしまいます。
ジェリーはジョーに見送られて、山へと旅立ってしまうのでした。

残されたジャネットは水泳教室の仕事を辞めて、より給料のいい仕事を探すことにします。
家賃が安い小さな家に引っ越すかもしれないと、ジョーに伝えるジャネットの顔からは笑顔が消えていました。

ある日、ジョーはクラスメイトのルース・アンという女の子と仲良くなります。
宿題をやっておらず、小テスト中困っていたジョーに、彼女がこっそり回答を見せてくれたのです。

ジョーが学校から戻ると家の外に高級車が停まっており、ジャネットは老年のでっぷりとした男性と楽しげに話していました。
男性はウォーレン・ミラーという地元では名の知られた車販売店のオーナーで、ジャネットの水泳教室の元生徒でした。戦争で足を負傷したミラーは「大切なことは軍隊で学んだ」と自慢げに語り、ジャネットはそんな彼に意味深な視線を送ります。
ジャネットとミラーの間に不穏なものを感じたジョーは、彼を警戒します。

その後ジョーはアルバイト代で大工道具を購入して、壊れたトイレを修理します。
そして夕食を作らずにタバコをふかすジャネットを尻目に、缶詰で簡素な食事をします。
日増しに服装が派手になり、化粧が濃くなっていく母親を、ジョーは複雑な思いで見つめるのでした。

ある日、ジョーに学校を休ませたジャネットは、車で山火事が見られる場所まで連れて行きます。
ジョーは目の前で轟音と共に激しく燃えていく山を見て、父親の安否を心配します。ジェリーを探してみてはどうかと提案しますが、ジャネットははねつけました。
ジャネットは山火事が好きかと尋ねて、ジョーが否定すると「ジェリーと私たちは違う」と冷たく言い放つのでした。

帰りに立ち寄ったレストランで、ジャネットはジェリーにはほかに女がいて、自分を捨てたのだと不安を漏らします。
ジョーはそんなことはないと言いますが、ジャネットは子どもに何がわかるのかと八つ当たりをして、最近セックスレスであったことなどを暴露するのでした。
そんなジャネットを、ジョーはただ見守ることしかできませんでした。

ある朝、電話のベルでジョーが目覚めると、ジャネットの姿はありませんでした。
電話の相手はジェリーで、久しぶりの父親からの連絡に喜ぶジョーでしたが、雪が降る季節まで帰れないと告げられて、寂しい気持ちを募らせます。
そして、ジャネットの不在を適当な言い訳でやり過ごすのでした。

【転】- ワイルドライフのあらすじ3

ワイルドライフのシーン3 あるとき、ジョーはミラーの販売店で職を得たというジャネットに会いに行きます。
しかし、ジャネットは雇われてなどおらず、ジョーは不安を抱えながら学校へ行きます。一目散に家に戻ると、ジャネットは髪にカーラーを巻いて、庭で物憂げにたたずんでいました。ミラー邸のディナーに招かれたので、ジョーも一緒に来るようにと言います。
ジョーはジャネットにどこへ行っていたのかと尋ねますが、販売店だと返されます。そしてジェリーから電話があり、家族を恋しがっていたと報告して、渋々支度をするのでした。

ジャネットは真っ赤なリップをつけて、昔ジェリーに買ってもらったという背中の開いたドレスで着飾りました。
ミラー邸に招かれた彼女は、ジョーが見ている前でウォーレンにじゃれつきます。さらに、酔っ払って夫の愚痴をこぼしたり、ジョーが希望する進学先を否定したりします。
ミラーはジェリーの行動に敬意を表し、戻ってきたら仕事の世話をすると言います。ジョーは喜びますが、ジャネットはミラーが自分たちの面倒を見てくれると笑うのでした。

ジャネットはミラーにダンスの曲をかけてほしいとリクエストします。
ジョーは宿題があると言って帰ろうとしますが、ジャネットは無理矢理ダンスに誘ってチャチャチャと口ずさみます。しかしジョーはダンスが下手で、ジャネットはミラーに合図を送って一緒に踊り始めるのでした。
踊り明かしたミラーは、酔いが回っているジャネットに泊まっていくよう言いますが、ジョーは自分が運転すると申し出ます。
ジャネットはジョーが見ている前でミラーとキスをしました。ジョーは逃げ出したい思いに駆られながら、目をそらすしかありませんでした。

ジョーと車に乗り込んだジャネットでしたが、借りたコートを返すと言ってミラー邸に戻ります。
中々帰ってこないジャネットを不審に思い、ジョーがこっそり窓からのぞくと、2人は情熱的なキスを交わしていました。
ジョーは車に戻り、しばらくするとジャネットが息を弾ませながらやってきて、楽しい時間だったと息子に同意を求めるのでした。

ある夜、ジョーは男の咳払いによって目を覚まします。
するとジャネットの寝室から全裸のミラーが出てきて、2人でミラーの車に乗り込みました。ジョーは混乱して恐る恐る寝室をのぞくと、母親の服や下着が散乱していました。
すぐに家に戻ってきたジャネットは、ジョーに現場を見られたことに逆ギレして、息子の顔を平手打ちします。
ミラーは何をしに来たのかと尋ねるジョーに、ジャネットは関係ないと告げます。次にジョーがミラーのことを愛しているのかと聞くと、ジャネットは彼といることは生活の支えになると答えるのでした。
それからジャネットは、「ほかに道があったら教えて。やってみるから」と涙を流すのでした。

【結】- ワイルドライフのあらすじ4

ワイルドライフのシーン2 初雪が降り、ジョーが学校から急いで戻ると、ついにジェリーが出稼ぎから帰ってきました。
彼はジャネットが歓迎ムードではないことに気づかず、「おかえりのキスは?」などとねだります。
ジェリーは山家事をほとんど鎮火させることに成功して、残りは雪で治まるはずだと話します。さらに、ロッキー山脈の森林局の仕事が決まったと報告しますが、ジャネットは浮かない顔をしていました。
ジャネットは突然別居を切り出して、一人で暮らすアパートを借りたのでそこに引っ越すと告げます。ジョーが一緒に来たい場合部屋はあると言いますが、何も知らされていなかった2人は唖然とするのでした。
事情がわからないジェリーが問い詰めると、ジャネットは自分だけの時間が必要だと言って、ミラーと関係を持ったことをあっさりと打ち明けるのでした。
ジェリーは絶句して、ジャネットを責めて家を出て行きます。

ジョーを連れて酒場にやってきたジェリーは、「あんな年寄りのどこがいいんだ」とこぼします。
そしてジョーに自分の不在の間に起こったことを聞き出します。最初はごまかしながら答えるジョーでしたが、ミラー邸で食事をしたこと、ジャネットがミラーを家に連れ込んだことなどを話してしまいます。
激高したジェリーは店を飛び出し、ガソリンスタンドに立ち寄ります。ジョーを乗せたままミラー邸へ向かい、玄関先にガソリンを撒いてライターで火を放ちました。
ジェリーはズボンに火がついてのたうち回りますが、ジョーはただただ呆気に取られていました。
ミラーは見知らぬ女性と一緒に屋敷から飛び出してきて、ジェリーに殴りかかるとジョーは必死に止めます。ジャネットはどこだと問いただすジェリーに、ミラーは知るわけがないと吐き捨てるのでした。

その場にいられなくなったジョーは、ジェリーを見捨てて逃げ出してしまいます。
雪の中を走り続けたジョーは、父親がいるはずの警察署にやってきますが、そこに彼の姿はありませんでした。
とぼとぼと家に帰るとジェリーは先に帰宅しており、ジャネットと共に心配しながら待っていました。ジェリーはミラーと話し合って、この件は示談になったというのです。
ジョーはたまらずジャネットに「僕たちはどうなるの?」と聞きます。ジャネットは困り笑顔を浮かべて「わからない」と答えるのでした。

月日は流れ、ジョーはジェリーと2人で住んでいました。
ある日ジャネットから手紙がきて、そこには明日帰ってくると書かれていました。
翌日ジョーはジャネットを車で迎えに行き、ジェリーが用意した食事で久しぶりに食卓を囲みました。
オレゴン州のポートランドで教師として働くジャネットは、仕事も順調だと話します。販売店で営業の仕事をしているジェリーは、案外この仕事は向いていると言いました。
そして、ジョーは学校の成績優秀者の名簿に乗り、写真館のアルバイトでも昇進したと、ジェリーが誇らしげに語るのでした。
ジョーはジャネットにいつまでいられるのかと尋ねます。週末だけと答えると、「明日2人で写真館に来て」と伝えました。

ジョーは写真館に両親を呼び、水色の背景と3脚の椅子をセッティングします。
髪を整えていないと嫌がるジャネットでしたが、ジョーは自分が見るだけだとなだめるのでした。
ジャネットとジェリーは両端の椅子に座り、決まりが悪そうに互いを見つめました。真ん中に座ったジョーがシャッターを切り、その瞬間ジャネットがわずかにほほえむ場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

崩壊していく夫婦の姿を、心優しい息子の静かな視点から描いた作品です。完璧ではない親であっても、自分にとってはほかに替えられない存在です。ジョーは身勝手な両親を責めるわけでもなく、家族の幸せな瞬間を収めるという行為で、受け入れているように思えました。彼らは散々傷付け合って別々の道を進むようになりましたが、この距離感が一番いい状態のようにも思えましたし、家族の幸せの在り方は一つではないよな、と考えさせられました。

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