映画:二十四時間の情事

「二十四時間の情事」のネタバレあらすじと結末

二十四時間の情事の紹介:1959年のフランス・日本合作映画。監督はアラン・レネ、脚本は原作者であるM・デュラス自ら脚本を担当した。戦争の記憶と愛の忘却をテーマに、広島で出会ったフランス人女性と日本人男性の束の間の愛を描いたドラマ映画。第12回カンヌ国際映画祭では国際映画批評家連盟賞を受賞した。

二十四時間の情事の主な出演者

女(エマニュエル・リヴァ)、男(岡田英次)、母親(ステラ・ダサス)、ドイツ兵(ベルナール・フレッソン)

二十四時間の情事のネタバレあらすじ

【起】- 二十四時間の情事のあらすじ1

舞台は原爆投下からの復興が進み、活気を取り戻したヒロシマ。一組の男女が肌を重ね合わせる場面から物語は始まります。女は映画撮影でヒロシマを訪れているフランス人女優、男は日本人建築家で、出会って間もない二人でした。男は流ちょうなフランス語で女に「君はヒロシマで何も見なかった」と繰り返し語り掛けました。

女は男の言葉に冷静に反論しました。ヒロシマの資料館には四度も足を運び、衝撃的な写真や焼け焦げた鉄、女性たちの頭から抜けた大量の髪の毛を目にしたこと、原爆投下から間もない広島を伝えるニュース映像で灰の下から様々な生物がはい出す様子を見たこと、そして、ヒロシマを前にして、決して忘れないという幻想を抱いたこと…女はさらに生き残った者たちの忍耐する姿について語り出しました。生殖機能の障害、汚染された食べ物、人々の怒りは国家間、人種間、階級間で押しつけられる不平等に向けられると女は指摘しました。そして、「あなたと同じように私も全力で忘却と闘った」と自らの戦争体験に思いを馳せました。

早朝4時、男と女はホテルの一室のベッドの上にいました。女が原爆投下時のことを尋ねると、自身は戦場にいたが、家族がヒロシマにいたと男は答えました。今度は男が女に故郷のことを尋ねると、女はヌヴェールという街に暮らしていたと答えました。

男は女とまた会うことを望んだが、女は明日パリに戻る予定となっていました。別れ際、女はヌヴェールで暮らしていたときは「荒れ狂った」と語りつつも、子どもができてからはその狂気も少しずつ消えたと告白しました。男は女に子どもがいたことに驚きますが、すぐにまた会いたいと女に望み始めました。しかし、その場では色よい返事がもらえず、男は女の撮影現場にまで赴いてしまいます。

【承】- 二十四時間の情事のあらすじ2

撮影を終えた女はヒロシマ市民の平和パレードが撮影される様子を眺めていましたが、隣では男が繰り返し愛の言葉をささやいてきていました。二人の目の前では、平和を訴えるプラカードを持った若者が歩いていました。

「原爆1個が通常爆弾2万個に当たるなら」
「水爆の威力が原爆の1500倍なら」
「世界中の原爆と水爆 4万個の破壊力とは?」

その間も男は女に語り掛けてきました。やがてパレードには掛け声を挙げて走る若者が登場、女は自らその中に飛び込み、もみくちゃにされました。

その後、二人は男の自宅に行きました。男の妻は今留守にしているといい、二人は家の寝室で再び肌を重ね合わせました。女は戦争中にヌヴェールで経験したことを語り始めました。当時女は18歳でドイツ兵と恋に落ちていました。ドイツ兵とは日々逢引を重ねていましたが、ある日突然ドイツ兵は死んでしまいます。男は女の話を聞いているうちにあることに気づきました。「今の君になり始めたのはそこだったんだろう」…女は何も返事をしませんでした。

夜になると、二人は家を出て酒を飲みに出かけました。そこでも男が女に求めたのはヌヴェールでの話でした。女は愛したドイツ兵を「あなた」と呼び、男もドイツ兵として女に質問を続けました。女はドイツの敗北後、敵の恋人として社会的制裁を受けていました。それが意味するのは、髪が丸刈りにされた末にさらし者になり、家に閉じこめられることでした。両親にも半ば見捨てられ、錯乱したときには罰として地下室に入れられることもあったといいます。

【転】- 二十四時間の情事のあらすじ3

「あなたを思い出せなくなる」、「あの愛を忘れるなんて怖い」…女は酒の力を借りながら、懸命に言葉を続け、ドイツ兵の最期について語り始めました。その日はドイツ兵と駆け落ちを決行する日でしたが、待ち合わせ場所の川岸に行くと、何者かに狙撃され倒れるドイツ兵の姿がありました。その夜にはヌヴェールはドイツから解放されましたが、街が喜びに沸く中も女は冷たくなっていくドイツ兵にずっと寄り添っていました。女は「死の瞬間は気付かなかった」と語り、涙を流し始めました。死んだドイツ兵の体と自分の生きた体に違いが見いだせなかったのです。「私の初めての愛だった」と女は突然興奮し出しますが、男は女の頬に二発平手打ちしました。女は笑みを浮かべ、再び言葉を語り出しました。

精神状態が安定し、髪も伸び始めた頃、ある夜に母親がパリに自転車で行くよう言ってきたといいます。女はその言葉に従い、ヌヴェールの街を出発、ヒロシマのことを知ったのはパリに着いてすぐのことでした。男は女から聞いた話を忘却の怖さを思い知る物語として心に刻まれたことを確信します。

【結】- 二十四時間の情事のあらすじ4

その後、女は男と別れホテルに戻りますが、どこか挙動が落ち着かず廊下をさまよっていました。やっと部屋に戻ったものの、今度は内なる声が聞こえてきました。その声は見知らぬ男にヌヴェールでの出来事を話したことを批判し、「あなたを忘れる、あなたを忘れた、私を見て」と女に語り掛けてきました。

女はホテルを出て一人ヒロシマの街をさまよい始めました。そんな女の前に再び男が現れ、一緒にいたいと言ってきました。ネオン街、ヒロシマの駅、女は男と短い会話をしては、転々と場所を移動しました。その間にも、内なる声は女を罵倒し「忘却がお前を打ち負かす」とささやいてきました。

女は最後にこじゃれたバーを訪れ、男も後をついていきました。男は女が座った席から少し離れた場所に座り、女の様子を眺めていました。すると、一人の日本人男性が女に言い寄って来ました。男はその様子に心乱れますが、女は何も言葉を返そうとはしませんでした。

夜が明け、女がホテルに戻ると男が訪ねてきました。女は男を前にして、男との記憶を忘れてしまう恐怖を吐露しました。男は興奮する女の手を握りしめ、女の目を見つめました。女は男の目を見つめながら、ヒロシマと口にしました。「ああ、それが僕の名前だ」と返答する男。そして、ゆっくりと「君の名前はヌヴェール、フランスのヌヴェール」と口にするのでした。

みんなの感想

ライターの感想

原爆という最悪の手段で廃墟と化したヒロシマ、一方、ナチス協力者へのリンチという精神的な暴力に沸くヌヴェール、劇中で描かれる二種類の暴力は非常に生々しく、痛ましい映像でした。そうして戦争の惨状を描きつつ、徐々に忘却の恐怖へとテーマが移行する展開はさらに戦争がもたらす悲劇性を観るものに印象づけます。二度三度と観返せば観返すほどに、深みが増していく作品だと思いました。

映画の感想を投稿する

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

映画「二十四時間の情事」の商品はこちら