映画:十年 Ten Years Thailand

「十年 Ten Years Thailand」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

十年 Ten Years Thailandの紹介:2015年製作の香港のオムニバス映画「十年」のタイ版となる作品。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞のアピチャッポン・ウィーラセタクンが総括を担当し、自身も最終話「都市の歌」の監督を手掛けた。権力により統制を受ける社会や異種族の排斥、都市開発など、様々な表現を用いてタイ社会を描いていく。2018年香港・タイ合作。

あらすじ動画

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十年 Ten Years Thailandの主な出演者

夕日:ケン(ブンヤリット・ウィアンノン) / キャットピア:青年(キダカーン・チャットゲーオマニー) / プラネタリウム:女性独裁者(チュラヤーンノン・シリポン) / 都市の歌:公園で語らう男性(サクダー・ケーオブアディ)、(バンロップ・ロームノーイ)

十年 Ten Years Thailandのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 十年 Ten Years Thailandのあらすじ1

夕日

物語の舞台は、タイのとある町。笑う人や泣く人をテーマにした写真の展覧会がこの町で開かれ、そこに数人の軍人が検閲にやって来ることから、物語は始まります。軍人たちはハンバーガー店で泣く制服姿の警官の写真を指差し、「人々によからぬ発想を与えるおそれがある」と写真家に注意しました。写真家や主催者は思わぬ指摘に困惑し、注意を受けた写真を取り外すことを決めます。若い兵士のケンはその様子をただ静かに眺めていました。

ケンは後処理を上司から頼まれ、一人展覧会に残り、一枚一枚写真を鑑賞しました。それらの写真は素朴で、町に生きる人々の表情をとらえているようにしか見えませんでした。こうした写真を検閲しなくてはならない上司のことを、ケンは気の毒に感じていました。

その後、ケンは展覧会の会場で働くアンという若い女性に話しかけました。ケンは元々アンとメールでやりとりをしており、アンに思いを寄せていました。ケンはアンと二人きりになると、人事異動でこの町を離れることを告げました。ケンは勇気を振り絞り、「いつか俺とデートしてくれる?」と話しかけました。アンは照れくさそうに笑い、ケンの誘いに応じました。すると、ケンは突然アンの写真を撮りたいと言い出しました。夕日を背景ににっこりと笑うアン。ケンはそんなアンの姿を何枚も写すのでした。

【承】- 十年 Ten Years Thailandのあらすじ2

キャットピア

物語の舞台は、奇妙な生物が生きる世界。その生物は、頭部はネコ、首から下は人間という姿をしており、人間と同じように言葉を話すことができました。かつて人間が住んでいた世界はすっかりこのネコ人間が支配しており、生き残った人間はわずかとなっていました。

そんな中、ある人間の青年はなぜかネコ人間にバレずに、社会の一員に溶け込むことができていました。青年はこのままネコ人間たちに溶け込んで危険から逃れようとしていました。青年はネコ人間たちと話を合わせ、ネコ人間と同じ匂いになる香水をつけることを欠かしませんでした。

そんなある日、新たに人間が発見されました。ネコ人間たちは発見した人間を石打の刑にすると言って、痛ぶり始めました。青年はその光景を見ていられず、大量の毛糸玉を遠くに投げ、ネコ人間たちの注目を人間から逸らせました。

ネコ人間たちがいなくなると、青年は捕まった人間に近づきました。しかし、その人間はネコ人間の女でした。なぜ同じネコ人間が人間とみなされるのか、青年は困惑しつつも、半裸状態の女に自分のシャツを着せ、近くの小屋に保護しました。青年が事情を聞くと、女自身もなぜ自分が人間とみなされたのか理解できずにいました。女は自分がはめられたと考えており、過去に起きた出来事を語り始めました。

女は元々ホール係として働いており、ある日、職場のレストランである男と出会いました。男は女とコイン日と関係になると、哲学や宗教、様々な学問を女に授け、人間狩りも教えるようになりました。女は狩りをしているとき、気分がひどく高揚していることに気づきました。男は気分が高揚する理由を、かつて人間にされたことへの激しい怒りだと説明し、さらに女を狩りに協力させるようになりました。

そんなある日、女は捕まえた人間の妊婦を恋人に黙って逃しました。女は妊娠希望を抱いており、妊婦をこのまま狩りの餌食にさせるのが耐えられなかったのです。数年かけてようやく捕まえた獲物を逃したことに恋人は激怒し、女に別れを告げました。その後、女は恋人の正体が政府のスパイであることを知ったといいます。

今日自分が人間として捕まえられたのは、恋人に陥れられたからだと女が語ると、青年は自らの正体が人間だと明かしました。すると、突然女は動揺し、小屋の天井に設置された小さな装置が点滅し始めました。青年が異変に気づき、小屋から出ると、そこには大勢のネコ人間たちが鳴き声を上げていました。青年と友人関係にあったネコ人間のメティは青年を殴り、青年は小屋から運び出されていきました。

その後、メティは女に優しく接し、女はメティに人間を見つけたご褒美が欲しいと甘えました。ところが、メティは小屋の中に「逃げて」と書いた紙があることに気づきました。メティは女が青年にひそかに危険を教えようとしていたと確信し、女を射殺しました。女はひくひくと体を震わせながら、息を引き取りました。

【転】- 十年 Ten Years Thailandのあらすじ3

プラネタリウム

物語の舞台は、太った中年女性が独裁政治を敷く国。この国は緑豊かで、一見すると人々はのどかな生活を送っているかに見えました。奇妙なのは、国中にシンセサイザーの音楽がひっきりなしに流れていることでした。この音楽は女性独裁者がスマホで再生を操作しており、この音楽が流れている間、国民は自由に動くことが許されました。しかし、独裁者がこの音楽を一時停止すると、いついかなる状況にあろうとも、国民は起立しなくてはなりませんでした。国民の動きはことこまかに監視され、独裁者自らも間違いなく国民全員が起立しているかをモニターで確認していました。

国民の多くは音楽の停止に合わせて起立をするよう心がけていましたが、中にはそれができない者も少なからずいました。独裁者はそうした国民を国の施設に連行し、服を脱がせた上で頭に装置を取りつけました。その装置は、夢の世界の中で再教育を受けさせるものでした。再教育が必要な国民たちが見た夢は、コンピュータグラフィックで表現された極彩色の宇宙を全裸で旅する夢でした。そこには、笑顔の独裁者や一糸乱れぬ動きを見せる兵士たちの姿もありました。夢の最後には、再教育を受ける国民たちは派手なピンクのスクリューの中に巻き込まれ、体がバラバラにされてしまうのでした。

【結】- 十年 Ten Years Thailandのあらすじ4

都市の歌

物語の舞台は、元タイ首相で軍人のサリット・タナラットの彫像が建てられた公園。この彫像の周辺で工事が行われる中、人々は彫像の周りでたわいもない会話を楽しんでいました。イスラエル仕込みの栽培法で農業を始めようとする男性と、その話を興味深げに聞く友人。株価くじにはまった男性は息抜きをする重要性を若い男女に熱心に説く一方で、得意の歌声を披露していました。快眠マシーンの営業マンはOLに話しかけ、その場でマシーンを体験させていました。こうしている間も工事は進み、やがて日は暮れていきました。

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みんなの感想

ライターの感想

一話目の「夕日」、最終話の「都市の歌」はじっくりと抽象的にタイ社会の問題点を描いていきますが、中盤の「キャットピア」、「プラネタリウム」の映像表現は暴力性や恐怖政治をストレートに描いており、衝撃を受けました。表現の自由が制限されているため、タイ社会がすぐに連想されるような話は少ないですが、その分映像表現が凝っており、じわじわと不安感を抱かせる作品だと感じました。

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