映画:友だちのうちはどこ?

「友だちのうちはどこ?」のネタバレあらすじと結末

友だちのうちはどこ?の紹介:1987年製作のイラン映画で、日本公開は93年。監督は巨匠アッバス・キアロスタミで、今作で映画賞に輝いてから、映画界での彼の存在を不動のものにした。職業俳優を使用しないキアロスタミのもと、今作でも小さな村に住む子供たちが起用された。友だちのノートを間違えて持ち帰ってしまった少年。宿題をノートに書かなければ退学させられてしまう友だちのために、少年は遠く離れた彼の家をひたすらに目指すのだった。

あらすじ動画

友だちのうちはどこ?の主な出演者

アハマッド(ババク・アハマッド・プール)、モハマッド=レザ・ネマツァデ(アハマッド・アハマッド・プール)、先生(アハマッド・アハマッド・プール)、アハマッドのお母さん(イラン・オタリ)

友だちのうちはどこ?のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 友だちのうちはどこ?のあらすじ1

イラン北部の自然豊かなコケル村。ここに住む8歳のアハマッドは、とても心優しい少年です。 
ある朝の教室。アハマッドの隣の席のネマツァデが宿題をノートに書かなかったことで、先生に厳しく注意されます。従兄の家にノートを忘れてしまったことが原因でした。ネマツァデの失態はもう3度目のこと。先生にきつく叱られたネマツァデは、泣き出してしまいます。先生曰く宿題をノートに書かなければならない理由は、まずは決められた規則を守ることを学ぶため、次に書き取りがどんなに進歩したかを知るためとのこと。今度宿題をノートに書かなければ、ネマツァデを退学にすると先生は宣言します。アハマッドはその様子を心配そうに見ていました。

学校が終わってアハマッドが家に帰ると、乳飲み子を育てている忙しい母に手伝いを命じられました。アハマッドは母の指示通りに手伝いをこなし、ようやく宿題にとりかかるため、鞄から荷物を取り出します。ところがアハマッドは、自分のノートとそっくりなネマツァデのノートを間違えて持ってきたことに気付き、呆然としました。アハマッドはそれを母に知らせますが、遊びに行くための口実だと思われてしまいます。何度も訴えてくるアハマッドを信じられない母は、「宿題しなさい!」と一蹴。アハマッドはとりあえず自分の宿題を済ませることにしました。

ネマツァデの退学が心配なアハマッドは「ノートを返しに行きたい」ともう一度母に申し出ます。しかし母は、ネマツァデが住むポシュテ村は遠いので、明日返せばいいと言って聞きません。そのうえ宿題が済んだら、パンを買いに行くようアハマッドにお使いを言い渡しました。母の口調がどんどん厳しくなって来たので、アハマッドは自分の宿題を済ませます。
その後アハマッドは、母の目を盗んで家を出ました。ネマツァデの家の場所も知らないまま、アハマッドはポシュテ村へ向かい駆け出したのです。

【承】- 友だちのうちはどこ?のあらすじ2

アハマッドは丘を駆け上がり、山道を必死に登っては下り、走り続けました。
住宅地に入り走っていると、2階から洗濯物が落ちて来ます。その家のご婦人から取ってほしいと頼まれ、アハマッドは思わぬ足止めをくらいますが、ついでにネマツァデの家について尋ねました。ご婦人によればポシュテ村には区が4つあるのですが、アハマッドはネマツァデの家がどの区にあるかさえ知りません。そんな時、奇遇にもその家が同級生のモルテザの家だと分かり、アハマッドはちょうど帰宅した彼にも尋ねました。モルテザはネマツァデの家は把握していないものの、彼の従兄のヘマティの家がハネヴァル区にあることや、家の特徴を教えてくれました。

アハマッドはとりあえずヘマティの家を目指し、再び進みます。すると今度は子供のズボンが干してある家を見かけ、ネマツァデの家だと思い、家人に尋ねました。結局ズボンはネマツァデの物ではありませんでしたが、今いる場所がハネヴァル区だという事実を掴みます。

アハマッドはヘマティの家と特徴が一致する家を見つけました。それなのにヘマティは、たった5分前に父親とコケル村に出掛けたらしいのです。父と歩くヘマティの姿が遠くに見えたので、アハマッドは全速力で彼らを追いかけました。結局アハマッドは自分の村に帰る羽目に…。

【転】- 友だちのうちはどこ?のあらすじ3

コケル村まで戻ったアハマッドは、のんびりと友人宅でお茶をしていた祖父に呼び止められ、ポシュテ村に行った理由を問われました。先を急ぐ中アハマッドは、祖父に煙草を持って来るよう指示されたため家に戻ります。祖父は本当は煙草を持ち合わせていましたが、孫を礼儀正しくしつけるために言いつけたのでした。
アハマッドは煙草を見つけられず、祖父のもとへ報告に来ます。するとその家に来ていたドアの施工業者の男が、アハマッドが持っているノートを見て、紙を1枚欲しいとねだりました。友だちの物だと言ってアハマッドは断りますが、「大人の言うことを聞け」と祖父に命じられました。男は半ば強引にノートを1枚破ると、ドアの見積もりを書き始めます。困り顔でやりとりを見ていたアハマッドは、業者の男の名前がネマツァデだと知りました。アハマッドが「ネマツァデさんですか?」と尋ねても相手にされず、ネマツァデさんはそのままロバに乗って出発してしまいます。きっとネマツァデ(同級生)の父親だろうと思ったアハマッドは、今度は彼を追いかけることに。

ネマツァデは再び丘を越え、入り組んだ階段道を駆け上り、ロバの鈴の音を頼りに後を追います。
やがてアハマッドがネマツァデさんの家まで辿り着くと、彼は納品するドアをロバに積み込んでいました。その手伝いをしていたのはネマツァデさんの息子でしたが、残念ながらアハマッドの求めるネマツァデではありませんでした。その子が言うには、この辺りはほとんどがネマツァデという姓らしく…。アハマッドはその子から、探しているネマツァデの家が鍛冶屋の近くではないかと教えてもらいました。辺りは次第に暗くなり始めます。それでもアハマッドは歩くのを止めませんでした。

【結】- 友だちのうちはどこ?のあらすじ4

気付けば電灯がつく時間になっていました。鍛冶屋のような音が響くので、アハマッドはこの家だと思い大声で呼びかけます。しかし家から出て来たのは老人で、先程までネマツァデ親子が家に来ていたと言うのです。老人がネマツァデの家まで案内してくれることになりました。

老人は昔ながらのドア職人らしく、自身の作った飾りドアを使った家の前を通る度に誇らしげに紹介し、最近は鉄製のドアが主流になっていることを嘆きました。老人の歩みは遅いうえに寄り道も多く呑気で、小さな花を見つけると「ノートに挟めばいい」とアハマッドに渡しました。アハマッドの気が急きます。
ようやくネマツァデの家の近くまで来たので、アハマッドは1人で向かいます。しかしどうもこれまで聞いた情報とは違う家なのです。アハマッドはノックもせずに家をあとにしました。

電灯の少ないこの地域は真っ暗です。風も強く吹き始めたので、アハマッドは諦めて帰ることにしました。犬に吠えられたりして足が止まることがあったものの、アハマッドは家路を急ぎます。
無事に帰宅したアハマッドですが、ネマツァデのことが心配で涙が止まらず、ごはんも喉を通りません。それでもアハマッドは気を取り直して、ネマツァデの分の宿題を始めます。そんな息子に母は、父に隠れて片付けたはずの夜ご飯を置いてくれました。

翌朝。寝坊したのか教室にアハマッドの姿がありません。一方不安そうなネマツァデは、ひたすら下を向いてしょんぼりとしています。先生が後ろの席の生徒から宿題のチェックを始めました。今にも泣き出しそうなネマツァデですが、徐々に順番が近づいてきます。
遅れてアハマッドが教室へやって来ます。アハマッドは「宿題やってあるからね」とネマツァデにノートを渡しました。アハマッドの宿題のチェックが終わり、次はネマツァデの番です。ネマツァデの宿題は無事に“よろしい”との先生のサインがされました。ノートには昨夜老人から貰った小さな花が挟まれていました。

みんなの感想

ライターの感想

まるで自分も息切れしそうになったのは、入念に練られた映像によるものではないでしょうか。とにかく走って、走って…。それだけの物語なのですが、非常に胸を打たれました。(大きな出来事がないので、あらすじにすると間抜けな印象になってしまいますが…。)
アハマッドのピュアな瞳と切なげな表情に心を鷲掴みにされました!親目線での鑑賞もできますが、自らの幼少期も重なりました。子供にとっては隣の地区に行くだけでも不安だらけで、冒険だったなぁ…と。
30年以上前の作品なので、現代と思考は変化したかもしれませんが、イラン独特の教育観念や風習などが垣間見られ、そういう点をさり気なく入れてしまうキアロスタミ監督の技が素晴らしいなと感じました。
ずっと見たかった作品だったので、この度ニューマスター版が登場したことに感謝です。

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