映画:土を喰らう十二ヵ月

「土を喰らう十二ヵ月」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ヒューマンドラマ

【承】– 土を喰らう十二ヵ月のあらすじ2

土を喰らう十二ヵ月のシーン2

画像引用元:YouTube / 土を喰らう十二ヵ月トレーラー映像

たらの芽を収穫して戻ると、ツトムの家に大工が来ていました。大工は庇を修理に来てくれたのです。ツトムはその大工から山歩きと山菜の採り方を教わっていました。

ツトムの父親は大工でした。そのせいか、家を普請する音を聞くとツトムは安心します。

たらの芽を濡らした紙で包んで焚き火に入れたツトムは、大工に「おやじに教わったやり方だ」と言います。焼けたたらの芽に味噌をつけて食べると絶品で、大工は唸りました。

ツトムの父親はご飯と味噌だけ持って出かけ、昼時になると山へ出て山菜を採っておかずにしていたらしいと話すと、大工は「昔の人はうめえもん食ってたんだなあ」と感心しました。ツトムたちが食事するすぐ横には、満開の桜が咲いています。

夜、執筆にいそしむツトムは西行法師のことを思い出します。「ねがはくは花のしたにて春死なんそのきさらぎの望月の頃」と歌った西行は、そのとおり桜の満開の季節に死んでいました。それは幸せなことだとツトムは思います。

【立夏 菖蒲湯で邪気を祓う】

ツトムは家の床をほうきで清め、板の間に雑巾がけをします。生きることは身体を動かすことです。畑仕事や掃除、洗濯などをしているとお腹が減ります。

妻・ヤエコの遺影に手を合わせたあと、ツトムは犬を連れて出かけました。ヤエコの母・チエの家を訪問します。

娘には先立たれ、息子夫婦とは折り合いが悪いので、チエはひとりで畑を耕して、小屋のような家に暮らしています。チエはツトムの顔を見ると、「メシ食ったか」と聞きました。まだだとツトムが答えると、たくわんとご飯を出してくれました。

漬け物は全部食べろと言い、チエは黒い壺のなかのものを食べています。チエの好物の山椒味噌で、「これがあれば他の物はいらない」とチエは言いました。ツトムは、死んだヤエコも山椒好きで、犬にサンショウという名前を付けるほどだと話します。

チエがおいしそうに食べるので山椒をくれとツトムが箸を伸ばしますが、チエは「駄目」と壺の蓋を閉じました。分けてくれませんでした。

チエはツトムに、ヤエコが死んで13年経過するのだから墓を作ってやれと言います。チエの家を辞すとき、チエは味噌を樽ごとツトムに持たせました。「月命日だから」とお供えにおはぎも渡します。

帰宅したツトムはおはぎをお供えしますが、執筆の途中で耐えきれずにお供えを奪って食べました。

【小満 生命が満ち満ちる】

竹を見ると9歳のころから育った寺で教わった、タケノコ掘りのことをツトムは思い出します。ツトムは若い僧侶と竹林へタケノコを探しに行きます。

土からかすかに覗いたタケノコを掘ろうとすると、「地面に出ているものは硬いので、土のヒビを探せ」と言いました。注意深く地面を探して見つけると、鍬を入れて掘り起こします。「ここで皮剥きや。肥やしになるでな」と若い僧侶が言います。

ツトムはその教えを、60歳を超えたいまでも守っていました。匂いや味覚で、とんでもなく昔の暦の引き出しが開くことがあると考えます。

収穫したタケノコを持ち帰って茹でていると、真知子が来ました。あくぬきをしたあとで包丁を入れ、わかめと炊き合わせた煮物を出すと、真知子は喜びました。2人で黙々とタケノコを食べます。

夜、真知子は月を見ながら眠ります。

畑仕事をするツトムは、しきりに山鳩を棒で追い払います。追い払っても山鳩は庭に戻ってきて、ツトムはまた追いかけまわします。

去年、畑に撒いた豆が一向に芽を出さないのでツトムが不思議に思っていると、山鳩に食べられていたということがあったのです。だから警戒しているのだと、ツトムは真知子に真面目な顔で話すとまた山鳩を追いかけます。

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