「夏、至るころ」のネタバレあらすじと結末、みんなの感想(1件)

ヒューマンドラマ

夏、至るころの紹介:2020年製作の日本映画。女優の池田エライザの初監督作品。田川市で暮らす高校3年生の翔と泰我はずっと一緒に太鼓を叩いてきた。だが夏祭りを前に、泰我が受験勉強のために太鼓をやめると言い出し、翔は愕然としてしまう。幸せとは何かを求め、二人は生まれて初めて人生と向き合う。福岡県福岡市出身の池田エライザは、「地域」「食」「高校生」をテーマにした映画24区の青春映画制作プロジェクト「ぼくらのレシピ図鑑」の企画と出会い、福岡市に隣接する田川市を初めて訪れた。シナリオ・ハンティングや演技ワークショップを実施するなかで、人びとの温かさと緑あふれる景色に魅せられてオリジナルの物語を紡ぐ。それは、すぐ傍らにあったのに、気づかなかった大切な日常と、かけがえのない人たちのこと。夢をもつことすら難しい現代の若者の、言葉にならない不安や葛藤、生きる力をリアルに描き出した池田の演出力は、韓国・全州国際映画祭、中国・上海国際映画祭などで上映され、絶賛された。

あらすじ動画

夏、至るころの主な出演者

大沼翔:倉悠貴 平川泰我:石内呂依 都:さいとうなり 大沼直之:安部賢一 大沼由香里:杉野希妃 大沼昇:後藤成貴 有田:大塚まさじ 小林先生:高良健吾 古賀正勝:リリー・フランキー 古賀春子:原日出子

夏、至るころのネタバレあらすじ

【起】– 夏、至るころのあらすじ1

夏、至るころのシーン1

画像引用元:YouTube / 夏、至るころトレーラー映像

福岡県田川市。2019年。

田川では地元の祭り、「風治八幡宮川渡り神幸祭」が行なわれてその映像が流れます。

夏。地元の子どもたちは体育館で、和太鼓の練習をしていました。みんな真剣な表情で和太鼓を力強く叩いています。メンバーのなかには高校3年生の大沼翔と、親友の平川泰我の姿もありました。翔の年の離れた弟・昇が笑顔を浮かべています。

翔と泰我は公園にあるネットのザイルクライミングの遊具で過ごしながら、セミの賑やかさについて話していました。ひとしきり軽口を叩きあったあと泰我は翔に、受験勉強のために予備校へ通うから和太鼓の練習をやめると言い出しました。「次の練習で最後にする。祭りは今年遠慮する」と話しました。

宣言した泰我は翔に、「今度はちゃんと自分で考えろ」と声をかけました。翔は黙って考え込みます。泰我と翔は帰宅の途に就きます。

翔の家では母・由香里と祖母・古賀春子が台所に立って、晩御飯の支度をしています。翔の家は三世帯同居です。祖父母・古賀正勝と春子、両親の直之と由香里、翔と翔の弟・昇の6人家族でした。祖父母は由香里の両親です。

食卓に並ぶメニューの食材は、パプリカ率が高くなっています。これは、翔の親友・泰我の家から由香里がパプリカを大量にもらってきたためで、家族が食べるよう春子と由香里がメニューに趣向を凝らしているのでした。母・由香里はパプリカのピクルスを漬けてみたのですが、酸っぱいという理由でみんな避けがちでした。

夕食の席で、昇が祖父から買ってもらった緑色の鳥笛を吹いて注意を受けます。その際に昇は「幸せの緑の鳥」と発言し、「青い鳥ではないか」という話題になりました。誰も断言できる者はいません。

両親は夕食の席で、本当は翔に進路について質問したかったのでした。しかし聴きそびれてしまい、由香里は夫の直之に質問しろと急かします。

翔はいままでの人生、親友の泰我に影響されまくりでした。中学1年のときに東京から引っ越してきた泰我が和太鼓に目覚めた影響で、翔も和太鼓を始めたのです。その泰我は、大学へ進学して公務員になるという夢を抱いていました。翔の両親は、翔が将来についてどう思っているのか聞きたいと思いつつ、なかなか話の水を向けられずにいました。

父・直之は及び腰で、翔本人ではなく泰我に聞けばよいのではないかと発言し、由香里に「本人に!」と尻を叩かれています。

母・由香里が気にしているのは、先日のディスカッションの話を泰我の母から聞いてきたからでした。

…(回想)翔と泰我は東鷹高等学校に通っています。

クラス担任が生徒たちに「私は〇〇になりたい」というテーマで話をしろと促します。

質問された泰我は「俺は公務員になりたい」と発言しました。同じ問いを発せられた翔は「ようわからん」と答えました。なおもクラスメイトたちに迫られた翔は「空気になりたい」と答え、同級生たちは似合っていると納得の声を挙げました…。

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