映画:大人は判ってくれない

「大人は判ってくれない」のネタバレあらすじと結末

大人は判ってくれないの紹介:1959年公開のフランス映画。フランソワ・トリュフォーの長編処女作かつ、俳優ジャン=ピエール・レオのデビュー作。トリュフォー自身や友人の経験談をもとにした自伝的な今作でカンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、一躍ヌーベルバーグの旗手として認められることになった。12歳のアントワーヌにとって学校や家庭は決して安げる場所ではなく、息苦しい毎日を送っていた。ある時アントワーヌは、家出を決行するのだったが…。

あらすじ動画

大人は判ってくれないの主な出演者

アントワーヌ(ジャン・ピエール・レオ)、ジルベルト<アントワーヌの母>(クレール・モーリエ)、ジュリアン<アントワーヌの父>(アルベール・レミ)、ルネ(パトリック・オーフェー)

大人は判ってくれないのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 大人は判ってくれないのあらすじ1

フランス・パリ。いたずら好きの12歳のアントワーヌは、いつも学校で先生に叱られてばかり。今日も教室で立たされ、立たされた時に壁に書いた落書も見つかってしまい、宿題を課される始末。アントワーヌの先生に対する反発心がなお強まります。

アントワーヌは父と母とのアパート暮らし。部屋で彼の帰りを待つ家族はいません。父と母は共稼ぎで、彼を待っているのは忙しい母に言いつけられた家事の手伝いだけです。アントワーヌには宿題をする暇さえありませんでした。
いつも機嫌の悪い母は、アントワーヌに怒ってばかりいます。稼ぎも少なくうだつが上がらない父は威厳もなく、そもそも夫婦仲も微妙です。平穏ではない家庭環境のせいで、アントワーヌは家でも心を落ち着けることが出来ずにいました。

翌朝。寝坊したアントワーヌは慌てて登校する途中、親友のルネと遭遇します。宿題もしていなかったアントワーヌは、ルネに誘われて学校をサボることに。2人は小粋に街に繰り出すと、遊園地などを巡って目いっぱい楽しみました。ところが…。遊園地をあとにしたアントワーヌは、街角で見知らぬ男とキスする母を目撃し、目が合ってしまったのです。
結局深夜遅く帰って来た母は、待っていた父と大喧嘩になりました。実はアントワーヌは母の連れ子で、父とは血の繋がりがありません。それをなじる父の声、それに対し「あの子を施設にでも入れたら楽になるわ」と言い返す母の声。アントワーヌは自分の部屋で、お気に入りの寝袋にくるまりながら両親のやりとりを聞いていました。

【承】- 大人は判ってくれないのあらすじ2

翌朝アントワーヌが家を出た後、昨日の欠席の理由を尋ねに同級生が家にやって来ます。アントワーヌが学校をサボっていたことを判明し、父は驚きますが、昨日の一件で立場がない母はさらりと白を切るのでした。
気も乗らずに登校したアントワーヌは、欠席の理由を先生に詰め寄られると、あっさりと「母が死にました」と答えました。先生は同情しますが、サボりに怒った父が母も連れて学校に来たため、アントワーヌの嘘はすぐにバレてしまいます。

嘘も見つかり、父に平手で頬を叩かれたアントワーヌは、もう家には戻れないと決心。“1人でがんばって生きていきます”と家に置手紙を残し、ルネの叔父が営む印刷工場の片隅に身を寄せることにしました。アントワーヌは路上で牛乳を盗み、池で顔を洗って一夜をやり過ごします。
しかし翌日、心配した母が学校に迎えに来ました。気まずさもある母は精一杯優しい素振りを見せ、自身の反抗期の体験談を聞かせます。また母は、次の作文の課題でよい順位ならば、父に内緒でお小遣いをあげるとアントワーヌのご機嫌取りをしました。しかしながら、すでに心が冷め切っているアントワーヌが、母のうわべの言葉を信じることはありませんでした。

【転】- 大人は判ってくれないのあらすじ3

作文の課題が決まり、アントワーヌは敬愛するオノレ・ド・バルザック(19世紀の仏の小説家)の『絶対の探求』を、丸写しすることを閃きます。アントワーヌはバルザックの祭壇を作り崇拝しますが、灯した蝋燭の日が原因でボヤ騒ぎを起こしました。「陸軍幼年学校へ行かせる」と叱り飛ばす父に対して母は、アントワーヌが大好きな映画に連れて行くことで息子を宥めようとしました。これにはアントワーヌも大満足します。
ところが翌日。バルザックの文章を丸写ししたアントワーヌに激怒した先生は、学期末までの停学を言い渡します。アントワーヌは校長室へ連れて行かれる途中で学校を逃げ出し、また彼を庇ったルネも停学を喰らいました。

陸軍へ送られることを恐れたアントワーヌは家には帰らず、裕福なルネの家にこっそりと居候することにします。2人はルネの両親に気付かれないよう好き放題やって、隠れ家生活を満喫しました。
しかし生きるためには金が必要です。2人はアントワーヌの父の職場に潜り込み、タイプライターを盗んで売却し、金を手に入れようとしました。ところが売却は失敗してしまい、アントワーヌ1人で事務所にタイプライターを返しに行くことに。この時に守衛に見つかったアントワーヌは、父に報告されてしまいました。父は迷いもなくアントワーヌを警察に連行し、少年鑑別所行きを容認します。拘置所で夜を迎えたアントワーヌは、護送車に乗ると夜のパリの景色を見つめながら初めて涙を零しました。
その後少年審判所へ送られたアントワーヌは、3ヶ月ほど少年鑑別所で様子を見ることになりました。アントワーヌに面会さえしなかった母は、躊躇いもなく息子を鑑別所へ送り出しました。

【結】- 大人は判ってくれないのあらすじ4

規律の厳しい鑑別所での暮らしが始まりました。鑑別所では窃盗した者、親を殴った者など様々な少年たちが生活していて、なかには脱走を試みて連れ戻されたつわものも…。“先輩”たちが、ここで生き抜くための極意をアントワーヌに教えてくれました。
女医の調査官による面接が行われます。アントワーヌはこれまでの生い立ちを語りました。里子に出された後に祖母に育てられ、8歳の時に母のもとへ戻ったこと、祖母から盗んだ金や買ってもらった本を母に取り上げられてしまったこと、母に愛されていないこと、未婚でアントワーヌを身籠った母が堕胎するつもりだったことなど。複雑な環境を赤裸々に、そして淡々と…。

家族の面会日。ルネも鑑別所までやって来てくれますが、許可がおりずに門前払いされました。事件以降初めて母もアントワーヌに会いに来ましたが、父の姿はありません。母は一方的にアントワーヌを叱責し、「今後は引取らない。1人で生きていくんでしょ」と冷たく言い放ちました。
ほどなくしてアントワーヌは、屋外での球技中に鑑別所を脱走しました。追手を撒いたアントワーヌは、山道をひたすらに走り続けます。山を下ると海岸へ辿り着きました。以前から来たがっていた海に足を浸したアントワーヌは、後ろを振り返ると、鋭いまなざしで何かをじっと見つめるのでした。

みんなの感想

ライターの感想

トリュフォーが今作を撮影する前は、習作と短編を1本ずつしか撮っていないという事実が信じがたいほどの完成度。21世紀の今でも撮影アングルなどが新しく感じ、公開当時はまさに“新しい波”だったのだろうと実感します。
気付けばあっと言う間にアントワーヌに気持ちを重ねていました。アントワーヌの生い立ちは切ないものの、自分の幼少期の好奇心や反抗心も湧き上がってきて、中盤まではワクワクが止まりませんでした。多くの人がやんちゃ時代の自分を重ねたのではないでしょうか。その反面現実的な終盤と、不確かなラストがストーリーを印象深くしました。またひとつ自分の心に、名作を刻みました。

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