映画:大病人

「大病人」のネタバレあらすじと結末

ヒューマンドラマ

大病人の紹介:1993年製作の日本映画。ガンを宣告された俳優が、死を前にしていかに生きていくかを、彼を支える医師との対立や友情、また様々な葛藤を通して描くドラマ。「ミンボーの女」に続く伊丹十三監督・脚本作品で、当初は「大病院」というタイトルで製作が進められていたが、伊丹監督の襲撃事件もあってか変更され、死を扱うコメディとして完成している。

あらすじ動画

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大病人の主な出演者

向井武平〔大病人〕(三國連太郎)、緒方洪一郎(津川雅彦)、万里子(宮本信子)、看護婦(木内みどり)、神島彩(高瀬春奈)、ミッチャン(熊谷真実)、プロデューサー(田中明夫)、入院患者(三谷昇)、瀕死の患者(高橋長英)、患者の妻(左時枝)、看護婦(南美希子)、若い看護婦(清水よし子)、助監督(渡辺哲)、医師(村田雄浩)、医師達(山内としお、秋間登、米倉真樹)、看護士達(中井信之、藤浪晴康)、林看護婦達(松野芳子、山崎陽子、坂尾直子、見方あゆ美、大隈智子、稲垣弘子、池田薫、日下部江美、村井のり子)、レントゲン技師(加藤善博)、麻酔医(上田耕一)、手術台の少女(朝岡実嶺)、臨死体験の少女(溝口利恵)、麦藁帽子の少女(中野美穂)、自転車の少女(櫻井淳子)、映画スタッフ(有薗芳記、小川美那子、関川慎二、天田益男、宮坂ひろし、荒牧太郎)、病院の患者たち(里木佐甫良、夏木順平、鹿島信哉、春延朋也)

大病人のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

①俳優兼映画監督の向井が倒れた。末期の胃がんで余命1年の状態だが、主治医の緒方は胃潰瘍と告げる。不安な向井は孤立を深める。 ②向井の孤独を知った緒方が真実を告げ、向井は残された時間どう生きるか決意。納得して死んでいった。

【起】- 大病人のあらすじ1

大病人のシーン1 向井武平(むかい ぶへい)は、大物俳優兼映画監督です。
向井は現在、自らが主演を務める新作映画を作っていました。

主演の役柄は、ガンになった作曲家という設定です。
恋人の女性役をするのは、向井の愛人である女優・神島彩でした。
作曲家の看病をする彩の役柄もまた、ガンというものです。

映画の撮影が終わったあと、向井はスタッフに祝われました。
その日は向井の誕生日だったのです。


〔365〕(の文字)←向井があと365日で死ぬという意味、カウントダウン

1歳としを取った向井は、「あとどのくらい生きるもんかね」と言いながら、自分が死ぬことにぴんときていません。
胃薬を酒で流し込む向井は、根拠もなく自分の健康に自信がありました。
…いえ、健康診断などして不具合が見つかるのが、怖かったのかもしれません。

彩と情事を重ねたあと、ホテルの部屋で血を吐いた向井は、慌てます。
彩が救急車を呼ぼうかと言いますが、彩も向井も有名人のため、スキャンダルは避けたいところでした。
向井はそのまま帰宅します。


家では、向井の妻・万里子が待っており、向井に指輪の箱を突き返します。
万里子は向井が売れていないころから、長い結婚生活を送っていました。
指輪の箱には、縁日の屋台で買ったおもちゃの指輪が入っています。
駆け出しのころに万里子にプロポーズした向井は、指輪を買う金がなかったため、おもちゃの指輪を万里子にプレゼントしたのです。

万里子は離婚を考えており、向井に指輪を返したのでした。
向井が万里子に血を吐いたことを告白すると、万里子は大学時代の知人である外科部長・緒方洪一郎のところへ、向井を連れて行きました。
緒方は向井を触診すると、精密検査をすると言います。


〔360〕

向井はバリウムを飲んで、検査します。
このところ胃に違和感はあったのですが、向井は「胃潰瘍」だと思っていました。
いえ、「胃潰瘍だと思いたい」のです。
検査で何か異常が出るのが怖くて、検査をしたくなかったのでした。

バリウムを飲んでレントゲンを撮った後、向井は診察台に横たわり、胃カメラを飲まされます。
麻酔が使えない時代なので、向井は入れ歯を外し、えずきながら、太い胃カメラを飲み込みます。


〔352〕

向井の検査結果が出ました。0-Ⅲ型の胃がんです。
状態はよくありません。下手をすると1年持たないと、緒方はみていました。

緒方は向井にはがんであることを伏せて、「胃潰瘍」と向井に言います。
胃を半分摘出する手術をすると、向井に言いました。
嫌がる向井には「切らなきゃ死ぬよ」と脅します。


手術に向けて、向井は入院しました。
スタッフがぞろぞろと病室へついてきます。

万里子は緒方と診察室で会い、がんで病状がよくないことを聞きました。
万里子は動揺します。
手術の同意書にサインしながら、万里子は詳しいことを聞きました。
胃の病巣を取り除いても、おそらく転移しており、そこが再発するだろうと緒方は説明しました。
長くても1年のうちに再発するであろうと聞いた万里子は、離婚を延期します。

【承】- 大病人のあらすじ2

大病人のシーン2 〔180〕

手術は成功し、向井は病巣を摘出しました。
向井は映画撮影を再開します。


年齢の離れた作曲家とその妻の、がん闘病記の映画を撮影する向井は、他人事とは思えません。
妻役の彩の病状が進行したという設定で、妻は苦しんでいました。
髪の毛も抜けてつらい思いをしている妻は、睡眠薬をあおり、ビニール袋をかぶって窒息死する…というシーンを撮影します。

撮影は途中でしたが、向井はその現場で突然、めまいを起こして倒れました。
再び病院へ担ぎ込まれます。


緒方は向井を診察し、腹膜とリンパ節に転移が見られると知りました。
緊急手術を施した向井は、手の施しようもないのですが、胃を全摘します。

意識を回復した向井は、がんではないかと緒方に聞きます。
緒方は「潰瘍が悪化していた」とごまかしました。


スタッフが気を利かせて、「監督の好きな色」として赤い色の差し入れをします。
しかし弱った向井にとっては、その色が毒々しく、どぎつく見えました。
痛みに苦しむ向井は、鎮痛剤と睡眠剤を処方してもらいます。


喫煙室でタバコを吸う向井は、タバコが欲しそうな入院患者に会いました。
タバコを進めると、患者は「においだけでけっこう」と辞退します。

その入院患者は、自分ががんであると向井に告白しました。
余命が3か月もないのに、家族は彼に対し「潰瘍」と偽っていると話すことばを聞いて、向井はどきっとします。

入院患者は、そのうちに退院したいと言いました。
患者は向井を連れて、ベッドに寝たきりで気管切開された患者のところへ行きます。
気管切開の患者は、酸素マスクや点滴に繋がれ、管だらけでした。
しゃべることもできず飲み食いもできず、点滴の栄養だけで生きている患者です。
それを示した男は、「一日何度もタンを取る。死にたくても首もくくれない」と嘆きます。
男が「紫色の点滴が、抗がん剤だ」と、向井に教えました。


部屋に戻った向井は、別の日、自分にも同じ紫色の点滴が処方され、ショックを受けます。

紫色の点滴を投薬された向井は、髪の毛が抜け始めました。
妻の万里子に、自分はがんなのかと向井が問い詰めますが、万里子は「潰瘍だ」としか答えません。

激痛が身体を襲い、鎮痛剤と睡眠剤をもらわれなければ、つらい状態です。
向井は緒方にも質問しますが、「痛いのは身体ががんばっている証拠だから」と言われるだけでした。

【転】- 大病人のあらすじ3

大病人のシーン3 向井が痛みに苦しむ様子を見た林看護婦は、緒方にモルヒネの資料を渡し、向井にモルヒネを投与しようと言います。
緒方はモルヒネ中毒を恐れて、ぎりぎりまで使うことを嫌いますが、看護婦が怒りました。
痛みで最もつらいのは向井本人で、最前線にいる看護婦たちも、その苦しみを見ているのです。
ナースが24時間その痛みに付き合っていることを言うと、緒方は資料を受け取り、検討すると言いました。


気管切開の患者が、心肺停止になりました。
医師はこのときの常として、電気ショックで蘇生措置を施します。
その様子が痛々しくて、患者の家族はやめてくれと訴えますが、医者たちは聞き入れません。
向井も「らくに死なせてやれ」と、つい大声を出していました。
患者の尊厳が損なわれているようで、向井は耐えられません。

その後、ひとりになった向井は、自分もいずれああなるのかもしれないと想像し、初めて死の実感が湧きます。
こわくてこわくて、向井はひとりで震えました。


死が目の前に迫ったふうに感じた向井は、なにかにすがりたいと思います。
プロデューサーに頼み、愛人の彩を病室へ呼んでもらいました。
プロデューサーは万里子を病院内の喫茶店へ連れ出し、話し相手になります。
向井はその間に彩と会い、病室で身体を重ねました。
向井は彩に「もう会えないかもしれない」と告げて、ともに笑顔で別れます。

別れたあと、病院を去る彩の姿を万里子が見つけ、察しました。
万里子は怒り、向井を平手打ちして別れを告げます。


本当のことが知りたい向井は、病院のロビーから緒方に電話をかけ、「武平のおじ」と偽って自分の病名を聞こうとします。
しかし看護婦が話しかけたため、緒方にも聞こえました。
緒方は、自分をだまそうとしていた向井に怒ります。
(自分を信用していないのかと思った)

緒方は、向井がわがまま放題をし、他者に愛情ばかりを求めていると叱りました。
追い詰められた向井は「自分の身体だ」と言い、点滴の瓶で緒方を殴り、気絶させます。

睡眠薬とビニール袋を持って屋上へ行った向井は、撮影していた映画の彩役のように、自殺を図りました。
気絶から目覚めた緒方が探し、屋上に倒れている向井を見つけます。


緒方はその場で蘇生措置を開始しました。
それを…幽体離脱した向井が見つめています。

【結】- 大病人のあらすじ4

大病人のシーン2 向井に別れを告げた万里子が自宅へ戻ると、向井が家にいました。
指輪のケースを差し出す向井の姿を見て、万里子は、向井が危篤だと気づき、病院へ引き返します。


幽体離脱した向井は、自分の身体と糸でつながっていました。
蘇生のときに緒方がぶつかり、その糸が切れてしまいます。

糸の切れた向井は、雄大な景色の中飛んでいきました。
大自然をめぐり、太陽がたくさんある景色を見て、荒野を歩いた向井は、三途の川に到達します。
川を渡ろうとした向井は、少女に止められました。
少女に気圧されて後ずさりした向井は、生き返ります。


〔97〕

向井が孤独だったと気づいた緒方は、向井に、病状を告げることを決意しました。
嘘をついてだましたことが、向井の孤立を深めたのだと知り、万里子とも相談し、緒方は向井に告知をします。

向井は静かに、余命を聞きました。
緒方も「3か月」と正直に答え、向井と緒方に本当の信頼関係が生まれます。


〔35〕

残り時間を知った向井は、どう生きるかを考えました。
映画の完成を願った向井は、延命措置は考えず、現場に復帰します。

しぶる主治医の緒方に「お前が俺の立場なら、どうする」と向井が言うと、緒方も文句は言いませんでした。
痛みを止めるよう、緒方は向井を全力でバックアップします。
怖いと訴える緒方に対し、「死は敗北ではない。安らかなエンディングを望む」と、向井は告げました。


〔13〕

緒方に都合してもらい、向井は退院許可をもらいました。
緒方はモルヒネを処方します。

病院を立ち去る向井は、緒方に感謝の念を述べました。
「死なないつもりで生きて、けっきょく私は生きていなかった。今は生きていると感じている」


〔7〕

コンサートホールを借り切った向井は、緒方や看護婦も映画に出演させることにします。
クラシックのオーケストラと、たくさんの僧侶たちを手配し、オーケストラの演奏による般若心経の読経を撮影しました。
映画のなかで先に死んだ、妻に捧げるオーケストラという設定です。

(映画で般若心経のテロップが流れる)

撮影は成功し、向井はみんなに感謝の念を述べました。


〔1〕

自宅の布団に横たわる向井は、映画のスタッフや親族、緒方や万里子たちに囲まれていました。
みんながだまって、向井を見守っています。
そのなかには、彩の姿もありました。

向井は「死ぬらしい。分かるんだ」とみんなに告げます。
みんなも向井を見守りますが、緒方が「列車の見送りみたい」と言いました。
(列車の見送り…別れのあいさつをしたのに、なかなか列車が出ないので、へんな空気が流れる、あの「間の悪さ」のこと)

向井が突然、高いびきをかきはじめました。
看護婦がとっさに向井に手を出そうとしますが、緒方が止めます。
(救命措置はしない)
緒方は臨終を、みんなの前で告げました。


〔0〕

樹木が風に揺れています…。

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みんなの感想

ライターの感想

こういう生き方が理想だなあ。そう思わせてくれる。
三國連太郎さんと、津川雅彦さんの両者、どちらもすごい。
「昭和のエロじじい」といった感じの三國さん、「こういう医者いる!」と言いたくなるような津川さん。
向井、緒方ともにリアリティがあった。
死生観が押しつけがましくなく、ユーモラスに描かれている。

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