映画:女と男の観覧車

「女と男の観覧車」のネタバレあらすじと結末

女と男の観覧車の紹介:2017年製作のアメリカ映画で、日本公開は翌年。名匠ウディ・アレン監督が最高峰の演技力を誇る女優として、ケイト・ウィンスレットを主演に迎えた意欲作。元女優のウェイトレスのジニーは、再婚相手がいながらも真実の愛を求め劇作家志望の若い男と不倫していた。ある日、行方不明だったジニーの夫の娘が突然姿を現したことから、運命の歯車が狂い始める…。

あらすじ動画

女と男の観覧車の主な出演者

ジニー(ケイト・ウィンスレット)、ミッキー (ジャスティン・ティンバーレイク)、ハンプティ(ジム・ベルーシ)、キャロライナ(ジュノー・テンプル)、リッチー(ジャック・ゴア)、ジェイク(デビッド・クラムホルツ)、ライアン(マックス・カセラ)

女と男の観覧車のネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 女と男の観覧車のあらすじ1

1950年代のNY・コニーアイランド。
元女優の39歳のジニーは、今では遊園地の中にある食堂のウェイトレス。同じく園内の回転木馬係である再婚相手のハンプティ、ジニーの連れ子のリッチーと観覧車が見える部屋に3人で住んでいます。と言うのも酒乱のハンプティが、以前に住んでいたアパートを壊して追い出されたものの行く当てもなく、園の見世物小屋だった部屋を改装して、仕方なくこの家で暮らしているのでした。

ジニーと言えば、落ちぶれた現在の状況を受け入れられずにいました。ジニーは過去の栄光に縋り、女優だったことを何度もリッチーに誇らしげに語っています。しかしそこには悲しい事実も…。ジニーは女優時代に前夫に出会ったものの、彼女は若い俳優と不倫。それにショックを受けた前夫が、大量に薬を服用して命を落としました。悲しみに暮れたジニーは酒に溺れてしまい、女優の仕事を失います。その後ジニーは、妻を亡くし落胆中のハンプティと出会い、一目惚れされました。互いに助け合い立ち直りますが、ジニーはハンプティに感謝の気持ちはあっても愛情は持てませんでした。ジニーは心から愛せる相手を求め続けているのです。
そんなジニーはいつもイライラ…。母の態度に一番影響を受けているのは、やはりリッチーでした。リッチーは淋しさから至る所に火をつけて問題を起こしているのです。リッチーにはハンプティを父と思うこともできません。現在はジニーに酒を止められているハンプティが、かつては酔って暴力を振るっていたからです。ジニーは自分が元凶ということも顧みず、リッチーの行動によってストレスを増幅させていました。

夏の薄曇りの日。海水浴客も引き上げた海岸をジニーは1人で歩いていました。その絶望した姿に海岸の監視員のミッキーは一目で惹かれて、声をかけました。劇作家を目指すミッキーは大学で演劇を学ぶ青年で、ジニーの胸が高ぶります。同じ過ちは繰り返さないと決めたジニーですが、その後再会した2人は結ばれました。ジニーは実年齢と既婚者であること、壮絶な過去をミッキーに打明けます。混沌とした女性の生き様に創作意欲を掻き立てられるミッキーにとって、ジニーはまさに大好物。2人の恋はすぐに燃え上がりました。ジニーは女優復活することや、ミッキーが求める夢の楽園へ2人で逃亡することを夢に見て、深みにはまっていきます。

【承】- 女と男の観覧車のあらすじ2

ある日突然、ハンプティの娘キャロライナが園に現れます。彼女は5年前、親の反対を押し切り20歳の若さでギャングのフランクのもとへ嫁ぎました。絶縁したハンプティとは以来音信不通だったのです。ジニーが勝手にキャロライナを家に上げたため、帰宅したハンプティは大激怒。ハンプティはキャロライナを家から追い出そうとしますが、実は彼女は命を狙われていました。警察に迫られたキャロライナは組織の内情を漏らしてしまい、フランクに追われる身に…。キャロライナは不仲と思われているハンプティのもとに追手は来ないと見込み、最後の砦である父を頼ったのでした。それを聞いたジニーは、自分たちに危害が及ぶのではないかと苛立ちます。

興奮していたハンプティは一転。もともと娘を溺愛していたハンプティは彼女を家に住まわせ、ジニーの店でウェイトレスをさせることに。また宝くじの当選金でキャロライナを夜学へ通わせ始めました。
程なくしてフランクの使いの男2人がハンプティを訪ねて来ます。ハンプティは白を切り、男たちもまた彼の言葉を信じ、別の町へキャロライナを探しに行きました。

ミッキーに夢中なジニーは若作りのために美容院へ。その帰りキャロライナと歩いていたジニーは、ミッキーと遭遇します。慌てたジニーは、彼を海岸の監視員だとキャロライナに紹介しその場を切り抜けますが、その時ミッキーは美人なキャロライナに一目惚れしていました。
その後すぐにキャロライナが海岸へやって来たため、ミッキーは興奮して愛読書を貸しました。教養のある彼にキャロライナも惹かれたうえ、自分に好意があることを見抜きます。キャロライナがジニーにそのことを悪気もなく話したため、ジニーに嫉妬の炎が…。ジニーに問い詰められたミッキーでしたが、もちろん本心など言えるはずがありません。

【転】- 女と男の観覧車のあらすじ3

ジニーの誕生日。プレゼントを買いに出かけたキャロライナは突然の雨に打たれ、偶然にも運転中のミッキーと再会します。車に乗ったキャロライナは、激動の半生を語りました。ミッキーの気持ちが高揚しないわけがありません。
その夜ハンプティの計画で、自宅で誕生日パーティが開かれました。ミッキーにも会えず、客の騒がしさに頭痛が酷くなったジニーは席を外します。そこへキャロライナが、ミッキーについての助言を求めてやって来ます。車での出来事を聞かされたジニーは激しく妬み「彼は女たらしで、恋人と結婚するのであきらめなさい」と声を荒らげました。そのうえリッチーの放火がまた判明し、ジニーの怒りは大爆発。
それからリッチーは精神分析医のカウンセリングを受けることに。しかしジニーは診断内容よりも、自分が批判されていなかったかが気になる始末…。そのうえ診察代は高額で、ジニーはハンプティに頼みこみますが、キャロライナの学費以外に出せないと撥ねつけられました。

数日後。ジニーはようやくミッキーとデートしますが、キャロライナの件で彼を責め立てます。危険を感じたミッキーは、哲学家の友人に相談しました。”溺れかけているジニーを助ければ、一生感謝される”と友人からアドバイスされたミッキーは、渋々ジニーを選ぶことにします。しかし感情とは簡単に変わらないもの。その後キャロライナからピザ屋に誘われたミッキーは、あっさりと受入れてしまうのでした。

今度はミッキーの誕生日。ミッキーを繋ぎ留めたくて必死のジニーは、ハンプティのへそくりを盗み、ミッキーが欲しがっていた高価な時計を買いました。ところがすでに別れを決意していたミッキーから「君の熱い気持ちに付いていけない」と切り出されます。憤慨したジニーは、買った時計を海へ投げ捨てました。

【結】- 女と男の観覧車のあらすじ4

ジニーが帰宅すると、金を盗んだと疑われたリッチーがハンプティに怒鳴られていました。ジニーは咄嗟に分析医の診察費に使ったと嘘をつきます。ジニーがミッキーと会っていた間、1人で診察を受けていたリッチーは、母親に付き添われて受診する他の子を見て悔しくなり、病院の待合室に火をつけました。それを知ったジニーは、様々な出来事に耐えきれず酒を飲み始めます。さらに悲哀は続いて、ミッキーと食事に行くことになったキャロライナが財布を取りに家に戻って来ては、足取りも軽くピザ屋に出掛けて行きました。
失望したジニーは酔ったまま出勤します。するとフランクの手下が再び店に来ていて、キャロライナがピザ屋へ行ったことを他の従業員から聞き出していました。慌ててジニーはピザ屋に電話します。ところがふと我に返ったジニーは、キャロライナを呼び出すのを止めました。

ピザ屋ではミッキーが、ジニーと浮気していることを打ち明けていました。キャロライナはジニーのこと、また彼女に頼りっきりのハンプティのことが気掛かりで、店を出ることに。心を整理したいキャロライナは、車で送るというリッチーの誘いを断り1人で歩き出します。しかしフランクの手下たちが彼女のあとを静かに追っていきました。

翌日になってもキャロライナが帰って来ません。ハンプティはミッキーを責めますが、彼は店で別れたと断言。家に戻ったハンプティは、ジニーの酒を奪ってヤケ酒を始めました。罪を感じたジニーは狼狽するものの、しらばっくれます。結局ハンプティは酔って暴れ、飲み足りないと外へ出て行きました。

その後ミッキーが家に来ます。初めて彼が家を訪ねたため、ジニーは自分が選ばれたと思い舞い上がりました。しかし真相を突き止めたミッキーは、ジニーを問い詰めに来たのです。開き直ったジニーに「復讐したらどう?」とナイフを差し出されたミッキーは、呆れて去って行きました。
正気ではなくなったのか女優時代の衣装を纏っていたジニーに、帰宅したハンプティは“狂っている”と非難します。ところがすぐに「出て行かないでくれ」と縋り始めました。気抜けしたジニーは話を逸らし、ハンプティと目を合わすこともなく家の外をぼんやりと見ています。その頃リッチーは、ミッキーがバイトしていた海岸で火をつけていました。

みんなの感想

ライターの感想

どの登場人物も放蕩や保身の堂々巡りで、まさに回り続ける観覧車のようでした。喜びをもたらすはずの遊園地のネオンも歓声もBGMも、これほどまで不快で悲しく映るとは皮肉ですね…。
ただただ虚しさの残る作品ですが、酸いも甘いも知り抜いた80代のウディ・アレンだからこそ描けた世界だと感じました。己の過ちを振り返らず、エゴ丸出しな人々の顛末をまざまざと見せつけられ、生き方の手引書のような作品に思えました。自分の胸にも手を当ててみたりして…。
ヒステリックで人生にくたびれたジニーを演じたケイト・ウィンスレットが素晴らしい!ラストの長回しのシーンでの痛々しい表情が圧巻でした。

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