映画:完全なるチェックメイト

「完全なるチェックメイト」のネタバレあらすじと結末

完全なるチェックメイトの紹介:チェスプレイヤーのボビー・フィッシャーの人生を描いた2014年のアメリカの伝記映画。監督は「ラストサムライ」などで知られるエドワード・ズウィック。主演はトビー・マグワイア。日本公開は2015年。

あらすじ動画

完全なるチェックメイトの主な出演者

ボビー・フィッシャー(トビー・マグワイア)、ボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)、ポール・マーシャル(マイケル・スタールバーグ)、ビル・ロンバーディ(ピーター・サースガード)、ジョーン・フィッシャー(リリー・レーブ)、レジーナ・フィッシャー(ロビン・ワイガート)、ボビー・フィッシャー本人(記録映像で出演)

完全なるチェックメイトのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 完全なるチェックメイトのあらすじ1

完全なるチェックメイトのシーン1 1972年、レイキャビクで開催されているチェスの世界選手権で、挑戦者であるボビー・フィッシャーが、2局目の対戦を棄権したと報道されます。
チェス大国ソ連の世界チャンピオンであるボリス・スパスキーは、不戦勝で2ポイントを先取りました。
その頃ホテルにいたボビーは、部屋中を荒らしていました。そして、盗聴されていないか確認するために、電話を分解し始めます。

時間はボビーの少年時代まで巻き戻ります。

1951年、ニューヨークのブルックリン。
ボビーには父親がおらず、母親のレジーナが共産党員であったことから、常にFBIの監視下に置かれていました。
レジーナはボビーに構わず、姉のジョーンが世話係でした。やがてチェス盤を買い与えられたボビーは、みるみるうちにのめり込み、独学ながらも素晴らしい才能を発揮します。

チェスに熱中するボビーの将来を案じたレジーナは、あるときチェスクラブの経営者と対戦させます。
勝負に負けたらチェスへの興味が失われるだろうというレジーナの思惑通り、コテンパンにやられたボビーは泣きながら席を立ちます。しかし、再び座ったボビーは、2局目に挑むのでした。
こうしてボビーはチェスクラブに通いつめるようになり、やがて大人を打ち負かすほどの実力者へと変貌します。

レジーナは毎晩のように男を連れ込み、ボビーはそんな母親に嫌気が差していました。
やがて母親が家を出て行き、15歳になったボビーは史上最年少のグランドマスターとなります。
輝かしい称号を得たボビーでしたが、家庭が崩壊したことからいっそう内向的となり、チェス以外のことには無関心の青年に成長していきます。

【承】- 完全なるチェックメイトのあらすじ2

完全なるチェックメイトのシーン2 1962年、ブルガリアで開催されたチェス・オリンピアードに臨んだボビーは、ソ連がドローを繰り返して不正をおこなっていると主張します。
ドローを狙うことも戦法の一つなのですが、ボビーはソ連の選手が自分を勝たせないようにしているとクレームをつけて、会場を飛び出します。
そして、ソ連側が謝罪をしなければ、国際試合から引退すると宣言するのでした。
病的なほど神経質なボビーは、対局中も些細な物音が耳に入り、集中力が切れると癇癪を起こす厄介者でした。

それから3年後、鬱屈した日々を過ごしていたボビーの元に、突然男がやってきます。
彼はポール・マーシャルという名の弁護士で、チェスでソ連に勝つためにポールの代理人を無料でやりたいと、自らを売り込みに来たのです。
しかし、肝心のチェスの知識が皆無なポールは、かつてボビーやスパスキーと対局し、現在は神父をしているビル・ロンバーディにセコンドを依頼しました。

こうしてボビーは、カリフォルニアで開催される親善試合に出場することが決まります。
スパスキーとの初対局を控え、ボビーはソ連の選手と戦って次々と打ち負かします。しかし、勝利を重ねるごとにボビーの言動は傲慢になっていきます。
リムジンでの送迎を希望したり、チケットの売り上げの3割を要求したり、しまいには電話が盗聴されていないか調べるように命じるのでした。
苛立ちを露わにするボビーを、ポールとビルは心配していました。

いよいよボビーはスパスキーと対局しますが、完敗してしまいます。
世界1位でなければ意味がないとふて腐れるボビーに、ビルは「心の問題が解決しないと2位のままだ」と諭すのでした。
ビルはポールに、チェスのプレイヤーは精神を病みやすいと語ります。
「一手指したら次の3000億手、1ゲーム40手数以上であれば銀河の星の数」という膨大な差し手を計算する際にかかる脳の負担と、極度の緊張が要因だと説明します。
なかには自殺するプレイヤーもおり、ビルはIQ187のボビーの脅威の頭脳が、彼自身を追い詰めるのではないかと危惧します。

【転】- 完全なるチェックメイトのあらすじ3

完全なるチェックメイトのシーン3 ところが数年後の1967年、ボビーは世界チャンピオンを目指すと宣言して、ハンガリーの国際試合に復帰します。
メディアの露出が増えたボビーは、アメリカ中でロックスターのような人気を得るのでした。

その間、ジョーンはポールを呼び出して、ボビーを精神科に受診させるように頼みます。
ボビーから送られてくる手紙が妄想めいた内容で、日ごとに症状が深刻化していくのを案じたのです。
しかしポールは、世界選手権に挑戦できるようになったボビーを入院させたくないと告げます。薬を飲ませることで、ボビーのチェスの才能が殺されることを恐れたのです。

ボビーはユダヤ陰謀説にのめり込んで、部屋にいるときは常にソ連の盗聴を気にしていました。
偏執的な精神状態に苦しむ彼は、引退と復帰を繰り返していました。

1972年、27歳になったボビーは、スパスキーへの再挑戦権を得ます。
ところが、開催地であるアイスランドへの出発日、空港で待ち受けていた取材陣に囲まれ、カメラのフラッシュに激怒したボビーは逃亡してしまいます。

ボビーは生まれ育った家に引きこもり、唯一の理解者であるジョーンに電話をかけます。
ボビーはジョーンの反応や言葉にお構いなしに、電話から聞こえるノイズや物音、自分を監視する存在について語るのでした。
そこへポールがやってきて、一本の電話を取り次ぎます。相手は当時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンの補佐官であるヘンリー・キッシンジャーでした。
ヘンリーはボビーがアメリカのために戦うことを期待していると告げます。こうしてボビーは、スパスキーと戦うために飛行機へと乗り込むのでした。

チェスの世界チャンピオンが決定する対局は、世界中が注目していました。
1局目、ボビーは苛立った様子で対局中に立ち上がり、カメラの雑音にクレームをつけます。さらに、その後も時計の針の音や観客の咳払いなどで集中力を切らして、敗退してしまいます。

2局目、ボビーは会場に姿を現さず、スパスキーの不戦勝になります(ここで冒頭のシーンに戻ってきます)。
スパスキーは、ボビーがまともにやれば勝てないことをわかっていて、わざと奇怪な行動をとっているのではないかと疑います。

【結】- 完全なるチェックメイトのあらすじ4

完全なるチェックメイトのシーン2 逆転も難しい3局目、ボビーはギャラリーがおらず、撮影も雑音もしない卓球場での対局を希望します。
無茶苦茶な要求にポールたちはついにお手上げとなり、ビルはボビーに愛想を尽かして、一旦彼の元を離れるのでした。
しかし、スパスキーが卓球場での対局を承諾します。対局から逃げることは許さないと、勝利へのこだわりを見せたのです。

こうして迎えた3局目、理想的な環境を手に入れたボビーは、自身が不利となる不思議な手を差し始めます。
周囲は自殺行為だとどよめきますが、後半逆転して見事に勝利を収めたのでした。
たった1局勝っただけで、アメリカ中が熱狂します。

さらに4局目、5局目とボビーが勝ち進み、スパスキーの旗色が悪くなっていきます。
すると、これまで冷静だったスパスキーが神経質になっていき、「椅子の振動がうるさい」とクレームをつけ始めたのです。

運命の6局目は、ボビーは会場でおこなうことに納得します。今までの病的な様子は消え失せて、無表情で対局に臨みます。
張り詰めたムードの中、ボビーは駒を犠牲にする「サクリファイス」という戦法を用いて、勝負に出ます。ボビーは前例のない驚愕の一手を差し、スパスキーはしばらく呆然とします。やがて立ち上がり、ボビーに笑顔で拍手を送り、握手を求めるのでした。
ボビーは見事優勝を勝ち取り、ポールやビル、テレビで対局を見守っていたジョーン、そしてアメリカ中が熱狂の渦に包まれました。

しかし、周囲の反応とは対照的に、ボビーは至極冷めきった様子でした。
その後ボビーは、ビルに「たくさん選択肢があるように思えても、正しい手は常に1つしかない」と話すのでした。

歴史に残る名勝負の後、ボビーの精神状態は悪化の一途を辿ります。
度重なる暴言と奇行で世間の反発を買い、数百万ドルのオファーを受けても試合を拒否します。
やがて失踪したボビーは、1980年に放浪罪で逮捕されます。やがて2008年にアイスランドで死去し、本人の晩年の映像が流される場面で、物語は幕を閉じます。

みんなの感想

ライターの感想

チェスの魅力そのものよりも、勝負事の世界に身を置く人間が追い込まれていく姿を描いているので、自分のようなチェス未経験者でも作品世界に入り込めました。主人公のボビーは、身勝手で傲慢な振る舞いでいつも周囲の人間を困らせるという、まれに見る問題児でした。しかし、彼のように常に何かに監視される生活を送り続けていると、誰でもあんな風に神経過敏にはなってしまうのかもしれないと思いました。見せ場といえる終盤の対局はかなり淡々と描かれているので、物足りないと感じる方もいるかもしれません。個人的にはリアルな描写だと思いましたし、勝者であるのに冷め切った様子のボビーがクールでかっこよかったです。

映画の感想を投稿する

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください