映画:小さな恋のうた

「小さな恋のうた」のネタバレあらすじと結末

小さな恋のうたの紹介:2019年公開。日本の著名な3ピース・ロックバンドMONGOL800の代表曲「小さな恋のうた」を題材として、彼らの出身地である沖縄県を舞台に、高校の軽音部に所属するバンドの物語を描く。撮影も実際に沖縄で行われた。監督は橋本光二郎。この物語の世界観では現代を舞台としているが、MONGOL800が存在していない世界となっており、MONGOL800の楽曲は主人公たちのバンドが生み出した楽曲として扱われている。主人公たちが演奏する楽曲の他にも、MONGOL800の多くの楽曲がBGMとして挿入されており、メンバー3人もカメオ出演している。

あらすじ動画

小さな恋のうたの主な出演者

真栄城亮太(佐野勇斗)、池原航太郎(森永悠希)、譜久村舞(山田杏奈)、リサ(トミコクレア)、譜久村慎司(眞栄田郷敦)、新里大輝(鈴木仁) 、根間敏弘(世良公則)、譜久村一幸(佐藤晋三)、譜久村静代(中島ひろ子)

小さな恋のうたのネタバレあらすじ

簡単なあらすじ

【起】- 小さな恋のうたのあらすじ1

小さな恋のうたのシーン1 沖縄県にある高校。その敷地内にある小さなプレハブ小屋。その中にはドラムセットやアンプ、マイクが並べられています。壁には様々なバンドの名前とそのメンバーの名前が。このプレハブ小屋はこの高校の軽音楽部の部室として使われていました。そこに入ってくる4人の男子生徒。今ドキの高校生らしくワイシャツを出した大輝は一番にベースを肩から掛け、アンプに繋ぎます。ワイシャツの前を開けた2人のうち、緑のTシャツをのぞかせている航太郎はいつも通りの笑顔でドラムセットの前に座ります。オレンジ色のTシャツを出している、茶髪の亮太はノリノリでマイクスタンドをセッティング。最後の一人、ギターの慎司は、きちんと第一ボタンまで閉め、ピシッとネクタイを締めています。ギターを抱え、アンプに繋ぎます。足元にエフェクターボードをセッティングし、ONを踏んでギターを鳴らしました。それにつられるように亮太がマイクに向かって叫びます。それぞれが自分の楽器の音をチェックした後、4人はアイコンタクトを取ります。そして航太郎のカウントに合わせて演奏が始まりました。
演奏され始めた曲は「DON'T WORRY BE HAPPY」。彼らは自分たちで作ったオリジナル曲を演奏します。慎司が生んだ曲に亮太が歌詞を乗せます。彼らの曲は、文化祭で注目を浴び、学校の生徒たちも知っていました。プレハブから漏れ聞こえてくる曲に気づきだす生徒たち。放課後の時間を利用して友人同士で話していた者も、部活の準備をしていた者も。つられるようにプレハブの前に集まってきました。それに気づいた亮太は、「しっかり閉めて 小さな音で」と書かれた窓を全て全開にしました。するとそこはあっという間に彼らのステージになりました。4人が演奏する曲に、手をあげて答える生徒たち。一曲が終わり、拍手をあびる4人でしたが、直後に職員室に呼び出され、コテンパンに怒られてしまいました。そして先生は慎司に向かい、「お前がこいつらをなんとかしろ」と喝をいれました。
職員室から帰る4人。文句を言う亮太を慎司が宥めます。そこへ一学年下の慎司の妹である舞がやってきました冷たい視線を送る舞に対して慎司は「父さんには言うなよ」と釘を刺しました。部室に戻るとそこには他のバンドが。騒ぎを起こしたことで軽音部のイメージが悪くなるからと言う理由で、「お前らは部室使うな」と追い出されてしまいました。肩を落とす4人。そこで、いつも通っているスタジオへ場所を移すことにしました。スタジオに到着した4人はマスターの根間に軽く挨拶をし、その勢いのままスタジオへ入ろうとすると、根間が慌てて呼び止めます。何かと訊ねると、東京からレコード会社の人間が来ているとのことでした。

【承】- 小さな恋のうたのあらすじ2

小さな恋のうたのシーン2 スタジオで東京のレコード会社の社員と対面する4人。受け取った名刺に記されている「渋谷」という文字にテンションを上げる4人。その男は4人にプロになる気はあるのかと訊ねます。4人の楽曲が注目され、東京からスカウトにやってきたのでした。
夜、スタジオを後にした4人はみんな浮かれ気分でいました。「メジャーデビュー」という、突然現実味を帯びた自分たちの将来に胸を躍らせる4人。より一層、今年の学園祭のライブに気合が入ります。亮太は慎司に「あの子も呼べばいいじゃん」と言いました。
「あの子」とは、沖縄の米軍基地の敷地内で暮らすリサという少女。基地の中はアメリカであるため、その周りは大きく網フェンスで区切られてます。慎司は、度々このフェンス越しにリサと会い、つたない英語で会話をして楽しんでいて、お互いに淡い恋心を抱いていました。慎司は、曲を作るとリサに会いにきて、フェンスの網目の間からイヤホンを通し、曲をよく聞かせていました。亮太の提案に、そう簡単にいかないよ、と流しました。大輝、航太郎と別れ、2人になった慎司と亮太。二人とも自転車にまたがりながら、信号待ちをしていました。東京での活躍をイメージする亮太に、高校を出てからゆっくり考えようという慎司。しかし、そういう慎司もバンドに全力を注いでおり、東京での活動は夢見ていました。笑顔で夢を語る2人。青になった信号に気づき、同時に漕ぎ出しました。次の瞬間、大きな音が辺りに響き渡りました。2台の自転車が横断歩道の上に倒れ、そこから走り去る大きな車。「救急車!救急車呼べ!」誰かがこう叫ぶ声が夜の沖縄の街に響き渡りました。

知らせを聞いた航太郎が走って病院に駆け込んできました。待合室に向かうと、そこには大輝がポツンと座っており、涙を流していました。診察室の中では、亮太の母が医師から説明を受けていました。
慎司が制服のまま暗い病院の中を走ります。ある病室に飛び込むと、そこにはベッドの上に座り、窓から月を眺める亮太がいました。「良かった...」そう言って亮太の肩に手を置くと、亮太は驚いた様子で慎司の手を払い、「誰だ?お前」と言いました。呆然とする慎司。「冗談だろ?」と笑う慎司ですが、亮太は本当に他人を見るような目で慎司を睨みます。亮太の母が医師から受けた説明によると、ショックな出来事が起き心身に大きな負担がかかると、一部の記憶だけがすっぽりと抜け落ちてしまうことがあるということでした。
慎司は亮太を無理やり病院から連れ出し、学校に連れていきました。そして部室、学園祭のステージを見せます。ここで起きた素晴らしい思い出を亮太に語る慎司ですが、亮太は全くわからない様子でした。落ち込んだ慎司は学校からでて、いつもリサと会うフェンスに連れていきました。亮太は慎司からリサの話を聞いて、ようやく慎司、バンドのことを思い出したようでした。それに気づいた慎司は「良かったよ」と言って亮太の方を向き笑いました。すると次の瞬間、亮太の記憶が次々と蘇り始めます。今日の帰り道、慎司と自転車に乗って信号待ちをしていたこと。青になったのを確認して渡ったこと。そこへ大きな車が突進してきたこと。自分は倒されて顔に擦り傷ができたこと。慎司は激しく跳ね飛ばされ道路に頭を打ち付けたこと。駆け寄ると慎司は頭から大量の血を流し目を閉じていたこと......慎司が亡くなったこと。全てを思い出した亮太はその場に崩れ大粒の涙を流します。慎司はその様子を見て、安心したような表情で徐々に消えていきます。「待ってくれ!行かないでくれ!」そう叫ぶ亮太に「大丈夫だから」とつぶやき、慎司は消えてしまいました。気づくと亮太はまだ病院のベッドの上にいました。待合室では、大輝と航太郎が号泣しながら抱き合っていました。
同じ頃、あのフェンスを訪れたリサ。するとそこには、慎司ではなく女の子が立っていることに気づきました。彼女が慎司の妹の舞だということを思い出したリサは「慎司はどこ?」と英語で尋ねました。舞は何も答えず、涙を流していました。

慎司が亡くなってから数日。亮太は自宅の部屋に籠っていました。母に何度も呼ばれても、答えず布団に潜っていました。航太郎は、父が仕事をする港を訪れ、海に向かって手を合わせていました。するとそこへ根間が訪れました。航太郎は、残されたメンバーの現状を説明しました。大輝は、ベースを必要としていた警音部の他のバンドに加入したこと、亮太は全く部屋から出てこなくなったこと、自分はどうするのか全く考えていないことを明かしました。自分は、あの4人だったからやっていたのであり、違うバンドで演奏する気にはなれないと言います。根間は優しい笑顔で「ゆっくり考えろ」と言って航太郎の肩を叩きました。

舞が部屋から一階に降りると、悲しい表情でテレビを見つめる両親がいました。ニュースで、ひき逃げの犯人はアメリカ基地内の車だったのではないかという情報を伝えていました。基地内で仕事をしている舞の父は、息子の命を奪った人間がいるかもしれない職場に行く気には全くなれず、仕事を休んでいました。心配する舞に父は「心配するな。お前は大学に行って、早く内地に行け。外から沖縄を見れば、この問題の大きさがわかるさ」と言いました。基地内にもこのニュースは伝えられ、リサは部屋に籠り号泣していました。

慎司の部屋に入った舞。慎司が曲を作るときに使っていたパソコンを開き、曲のファイルを眺めていました。舞は、慎司がいないときにこっそり彼の曲を聴くのが楽しみでした。すると、そのファイルの最後に「タイトル未定」という曲がありました。それは、慎司が亡くなる数日前に作った、舞も聴いたことがない曲でした。その曲を聴いた舞は、慎司のギターを手に取りました。

【転】- 小さな恋のうたのあらすじ3

小さな恋のうたのシーン3 航太郎はある日、舞に呼び出されました。亮太も連れて舞の元へ向かうと、舞はスマートフォンを取り出してその中に入っている曲を2人に聴かせました。亮太と航太郎が初めて聴く慎司の作ったメロディ。亮太はしばらく聴いたあとその曲を止めました。すると舞は持ってきていた慎司のギターを取り出してその曲のバッキングを弾きながらハミングでメロディラインを重ねてみせました。その様子を見た航太郎は大興奮の様子でその部屋を飛び出して軽音部の部室へ走って向かいました。大輝が新たに加入したバンドが練習している部室の扉を開け、大輝に慎司が遺していた曲を文化祭でやろうと呼びかけます。しかし大輝は複雑な表情を浮かべます。後からこのバンドに加入した大輝は急いで練習しなければならないこと、慎司がいないバンドで演奏はしないということでした。望んでいた答えではなかったことに航太郎は落胆してしまいました。肩を落として先ほどまでの部屋に戻ると、そこには舞しかいませんでした。亮太は帰ったと言う舞。航太郎は自転車にまたがり急いで亮太の後を追います。
亮太に追いついた航太郎。亮太にも同じく慎司の曲を文化祭で演奏しようと訴えますが、亮太はそれを断ります。慎司の曲に歌詞を乗せて歌うのは、生半可な気持ちではできないと言い、今の心境ではとてもやる気になれないと言います。それでも航太郎は必死に説得しますが、亮太は航太郎に「お前にはわからねえよ。お前はただ叩いてるだけだろ」と言ってしまいました。それを聞いた航太郎も怒りの表情に変わり、亮太に掴みかかりました。砂浜の横の道路に転がり取っ組み合いの喧嘩に発展してしまいました。

公園のベンチで肘にできた擦り傷を眺める亮太。その公園にあるブランコで遊んでいるアメリカ人の子供と日本人の子供。彼らが仲良さそうに遊んでいるのを見て、慎司とこの公園を訪れたことがあるのを思い出していました。
このベンチで慎司の横に座り、慎司の作った曲を聴いていた亮太。聴き終えて慎司の方を向き感想を言おうとすると、慎司はブランコの方を眺めていました。声をかけると、慎司は「すごいよね。ブランコがあれば人種なんて関係ないんだから」と話します。突然そんなことを言い出す慎司に亮太は笑いながら「この曲さ、ラブソングにするわ」と言い出しました。聞き返す慎司に亮太はこう続けました。「ラブソングにするよ。恋のうた。リサに聴かせればいいじゃんか。」
公園を後にした亮太はその足で米軍基地のフェンスに向かいました。するとそこにはリサが立っていました。慎司に一度紹介されて以来の再会となる2人。リサは亮太のことを覚えていました。「あなたリョータでしょ?」ゆっくりとした英語で話すリサに亮太はつたない英語で「久しぶり」と答えます。お互いの現状を伝え合いました。リサは少しずつ元気を取り戻しているようでした。亮太が帰ろうとするとリサに呼び止められました。リサは亮太に「シンジが作った曲、あなたたちが演奏しているところを見たかった」と言いました。それを聞いた亮太は少し考えたあと「じゃあさ、学園祭に来いよ!」と日本語で言いました。「ガクエンサイ?」と聞き返すリサに、亮太は学園祭とは何かを説明し、慎司の曲を演奏すると約束しました。

舞が慎司の部屋でギターを爪弾いていると、インターホンが鳴りました。舞が出ると、そこには亮太が立っていて、「何ですか?」と聞くと亮太は「アイツの曲、演奏したい」と言いました。それを聞いた舞は笑顔を浮かべました。

海に向かってただ座っていた航太郎。すると背後から声が聞こえてきます。振り返ると、そこには自転車に乗った男女が。女子はギターケースを、男子はベースケースを背負っていました。亮太に「やるぞ!」と言われた航太郎は2人に見えないように笑顔を浮かべ、すぐに険しい表情を作り自転車に飛び乗り、無言で漕ぎ出しました。亮太と舞は急いで航太郎の後を追いました。
根間の待つスタジオに着いた3人。根間は慎司の妹がギターを持ってきたこと嬉しかったのか、ずっとニヤニヤしています。航太郎が舞に何曲できるのかを訊ねると、舞は「お兄ちゃんの曲なら」と返します。舞が慎司が作った曲は全て弾けることにテンションが上がる2人でしたが、ベース初心者の亮太は、自分が一番危ういことに気づき焦りだしました。

その日からスタジオでの練習を繰り返す3人。兄妹だからか、2人は舞のギターを聴いて慎司と演奏しているような感覚に陥っていました。学園祭に向けて練習していましたが、文化祭担当の教師からは「ダメだ」と言われてしまいます。いつもこの教師に怒鳴られていた2人でしたが、今回は慎司の想いも背負っているため、簡単には引き下がれません。「バンドの持ち時間は決まっているんだ」と怒鳴る教師に、普段は穏やかな航太郎が教師の顔を思いき睨み負けじと「みんなが『良い』って言ったら良いですか?」と突っぱねました。部室に行き頭を下げる3人。3人を見た軽音部のメンバーは、自分たちの曲数を減らすことを了承しました。

スタジオを訪れた3人。そのスタジオは小さなライブハウスも兼ね備えており、そこで女性バンドがライブを行った後でした。まだ完全に撤収されていないステージに根間は3人を上げて「演奏してみろ」と言いました。セッティングする3人。選んだ曲は「小さな恋のうた」。3人が演奏を始めると、ライブ終わりの女性たちが入ってきて、3人の演奏を絶賛します。そしてその様子をスマートフォンで撮影し始めました。演奏を終えた3人は根間とその女性たちの反応を見て、更に自信をつけました。

【結】- 小さな恋のうたのあらすじ4

小さな恋のうたのシーン2 いよいよ学園祭当日。舞は母親に「学園祭来ないよね?」と聞きます。母は行かないよ、といい、舞を送り出しました。

米軍基地内のリサの家。リサは両親に黙ってこっそり家を抜け出しました。そして、知り合った同じく基地内で生活する男に協力してもらい、亮太たちの学校まで乗せていってもらうことになっていました。家を抜け出して男と合流し、車に乗り込みます。基地の周辺では、慎司の事故の影響で抗議デモにやってきている沖縄の人たちが集まっていました。そこを抜けようとしますが、その人たちに囲まれてしまいました。

いよいよ軽音部の発表の時間が迫ってきました。ステージ裏で必死にギターの練習をする舞。するとそこへ軽音部の他のメンバーがやってきて、話しづらそうに口を開きました。その言葉ばを聴いた舞は急いで亮太と航太郎の元へ走ります。3人は学園祭のステージに参加できなくなったというのです。亮太と航太郎に事情を訊ねると、先日根間のライブハウスで演奏した際の、女性が撮影した映像がSNS上で大きな反響を呼び、拡散されてしまったというのです。それが教員の元にも届き、これが禁止されている校外活動にあたるとして、ステージへの参加を取り下げてしまったのです。それはライブを行ったわけではないと必死に弁解する3人でしたが、さらに顧問は一枚の紙を突き付けました。その紙には「大型死人バンド 学園祭でデビューライブ」と書かれていました。このチラシは根間が勝手に作ったもので、3人一切関わっていないにも関わらず、教員は聞く耳を持ちません。結局、3人は演奏することができなくなってしまいました。

落ち込む3人。そこへ何も知らずにやってきた根間を3人は一斉に責め立てます。謝罪する根間。そこへ、他のバンドに加入した大輝がやってきました。大輝は、良い考えがあると言います。その考えとは、屋上に3人のセットを組み、そこで演奏してその音声を学校中のスピーカーから流してしまおうというものでした。なんとしてもリサに演奏を届けたい3人はその考えにのります。
屋上にセッティングし、大輝が放送室から演奏を校内に流れるように設定しました。舞が鳴らしたギターの音に反応する生徒たち。そして屋上に3人が立っていることに気づき、急いで屋上が見える場所へ向かいます。3人はアイコンタクトをとり、「小さな恋のうた」を演奏し始めました。どんどん集まってくる生徒たち。そしてあっという間に学校中の生徒が3人の演奏に聞き入っていました。一曲演奏し終えた3人は続けて「DON'T WORRY BE HAPPY」を演奏し始めました。お馴染みの曲に更に盛り上がりを見せる生徒たち。しかし、突然演奏の音が途絶えてしまいます。マイクやアンプの電源が落ち、スピーカーからも聴こえなくなってしまいました。状況が飲み込めない3人。同じ頃放送室では、大輝が顧問に叱られていました。

職員室に呼び出された3人。そこには、舞の両親、航太郎の両親、亮太の母が呼び出されていました。教師の言うことを聞かずに強引に演奏した3人は、2週間の停学となってしまいました。自分は自由にさせているので構わないが、迷惑をかけてしまったと謝罪する航太郎の両親。亮太の母は構わないですと笑いますが、舞の父は一言も発しませんでした。3人はそれぞれの親と共に校舎から出ました。失敗したな、と笑う3人。しかし少し後ろを歩いていた舞の父は、舞が持っていたギターケースを見て、我慢していた物が爆発してしまいました。舞に駆け寄りギターケースを奪うと、ギターを出して振りかざしました。必死に止める舞と母でしたが、父は聞かずにギターを地面に叩きつけました。バラバラになる慎司のギター。父は落ち込む舞に対して「こんなときに音楽なんてやりやがって!」と怒鳴りつけ、その場を離れようとしました。呆然とする亮太と航太郎。舞は立ち上がり、校門へ向かっていた父に対して、これまでにない大きな声で訴えました。「お兄ちゃんの曲聴いたことあるの?お兄ちゃん凄かったんだから!楽しいことも、夢に向かってがんばることも、全部お兄ちゃんから教わった!お父さんじゃない。全部お兄ちゃんから教えてもらったんだから!」そう叫ぶと、バラバラになってしまった慎司のギターの破片をかき集め、そっと抱きしめました。

リサは、家で両親叱られていました。勝手にフェンスの外へ出ようとしたからでした。慎司の事故の影響でデモ活動が活発化している状況での外出は危険も伴います。「我慢するんだ」と諭す父にリサは「いつも我慢してるわ!」といって自分の部屋に閉じこもってしまいました。

その夜。抗議デモの影響で米軍の軍人たちが外出しなくなったため、亮太の母が営むバーは人が全然来なくなってしまいました。「この店潰れるんじゃねえの?」と聞く亮太に母は「こんなことお前が生まれる前に何回もあったんだよ」と冷静に言います。
舞は自分の部屋のソファーに、バラバラになった慎司のギターを元の形に並べて置き、ベランダに出て外を眺めていました。その様子を見ている父。父はベランダにやってきて、ギターを壊したことを詫び、ギターを直したいと言い出しました。舞はそんな父を複雑な表情で見ていました。

次の日、亮太は米軍基地のフェンスに向かいました。そこにはリサが立っており、学園祭に行けなかったことを告げられました。残念がる亮太にリサはさらに続けて、アメリカに戻ることになったと告げます。思いもよらなかった言葉に亮太は絶句してしまいました。そんな亮太にリサは一体の人形を手渡しました。夜になり、亮太は舞と航太郎にリサがアメリカに帰ってしまうことを伝えます。そしてリサからもらった人形を2人に魅せます。その人形は、アメリカ軍の家族が帰国する際に世話になった人に渡す伝統の人形で、そこにはリサの手紙が巻かれていました。3人の演奏、慎司の曲を聴くことができなかったのは残念だが、みんなのことは一生忘れないと書かれていました。どうにかリサに曲を届けたいと考えた3人は、自分たちの演奏を収録したアルバムを制作することにしました。そしてその夜、舞は慎司が遺した曲に歌詞をつけました。
根間に協力してもらい、3人は一曲ずつ録音していきます。舞は慎司が持っていたサブのサブのギターを使って演奏していました。そしてアルバムを完成させた3人に根間はライブをやらないかと持ち掛けます。根間は提案した後に3人が停学中だったことを思い出し反省しますが、3人はお構いなしにライブをやると言いました。そして乗り気になった3人に根間はさらにある提案をしました。
米軍基地のフェンスの前に集まり、演奏の準備をする3人と根間。舞はギターを鳴らし、リサがまだいるのかどうかを確かめます。するとリサが遠くから走ってくるのが見えました。舞はリサにここで演奏をすると伝えます。そして、慎司の遺した曲に舞が死を乗せた曲「サヨナラドール」を演奏します。じっくり聴き入るリサ。その頬には涙が伝っていました。
演奏を終えた3人。集まっていた警官にひたすら謝る根間。その間3人は、リサにオリジナルのアルバムを手渡しました。そして根間の車に乗り込み走り去る3人は、リサが見えなくなるまで手を振り続けました。

根間のライブハウスのステージに立つ3人。フロアは観客でいっぱいです。ライブもいよいよ大詰め。サヨナラドールを演奏し終わった3人。亮太がふとフロアの奥の隅を見ると、制服を着た慎司が立っていました。慎司に向かって手を前に出し、親指を立てる亮太。慎司もそれに応えます。亮太がふと見ると、舞と航太郎も同じ方に向かって親指を立てていました。確かに慎司が聴きに来てくれていたことを知った3人は残された力を全て振り絞り「DON'T WORRY BE HAPPY」を演奏し始めました。

みんなの感想

ライターの感想

シンプルな青春映画ではなく、沖縄ならではの問題も絡めた素晴らしい作品でした。

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